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1 日 時
平成20年2月19日(火)午前9 時から午後2 時20 分まで
2 場 所
ホテル熊本テルサ3 階たい樹
3 出席者
(1)熊本県環境影響評価審査会
北園会長、板楠委員、植田委員、河上委員、古賀委員、小島委員、高添
委員、寺﨑委員、中野委員、福田委員、矢野委員、渡邉委員(13 人中
12 人出席)
(2)事務局(熊本県環境生活部環境政策課)
坂本課長、福留審議員、内東主幹、東参事、工藤参事、竹田参事
(3)傍聴者等
傍聴者25 人
報道関係者 テレビ(NHK, RKK,KKT,KAB)、新聞(熊日、朝日、読売、毎
日、共同通信)
4 議 題
「株式会社IWD東亜熊本最終処分場事業」環境影響評価準備書について
5 議事概要
前回の審議を踏まえ、審査会意見(案)について審議が行われた。主な質
疑等については、以下のとおり。
委員
委員
【全般的事項及び事業計画に関する事項】
それでは、全般的事項及び事業計画に関する事項について審議
をお願いする。まず資料の1 頁目、全般的事項について意見をお願
いする。
4 番の意見についてだが、「水俣エコタウンプランと連携させた
コンセプト」とはどういう意味か。エコタウンプランとこの事業は
連携しているのか。
平成19年度第5回熊本県環境影響評価審査会
議 事 概 要
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事務局
委員
委員
委員
委員
この意見と同様の内容を方法書に対する知事意見で述べたが、
準備書でも、きちんとした記述がなかったため、改めてきちんとし
た記述を求めるもので、方法書に対する知事意見と同じ表現を使っ
た。
この表現だと、連携しているかのような誤解を招くので記述を改
めた方がよくはないか。
方法書段階の委員の意見のコピーを持ってきた。「熊本県内各地
と南九州各県の廃棄物処理を引き受ける計画であるからには、余分
な所から持ち込んだ廃棄物によって水俣に環境汚染の問題を生じ
たと言われかねない説得力のある説明が必要である」という意見が
方法書の段階で出ている。なおかつ、準備書665 頁にあるように知
事意見としても出ている。ところが、今回の準備書を見てみると、
そこが全く改善されていない。それで、前回、ここは全面書き直し、
はっきり書いた方がよいという意見を述べた。この文章では、また
同じように済まされるような気がしてしょうがない。ここは、この
処分場はこういうものですよという看板の部分だ。この内容では準
備書としてはお粗末すぎる。意見の文案としてはもう少し考えない
と、この後はチェックする機会がないので。ここは、もう少し強く
言ってよいと思う。方法書段階の委員の意見でもあったように、「南
九州各県の廃棄物処理を引き受ける」という一文も入れるべきだと
思う。
確かにオブラートに包んだような表現だが、「その他搬入が予想
される地域やそれぞれの搬入量等の計画を明確にし」とはなってい
る。しかし、水俣市が出す量に比べて南九州から入ってくるものが
相当量多いというのが基本的認識だ。そうであれば、「南九州各県
等からの搬入も含め予想される地域や」とはっきり書いた方がよく
はないか。遠慮する必要はないと思う。
水俣エコタウンプランと関係するのかなと疑問に思う。
事業の中で水俣エコタウンプランをどういうふうに考えて、この
事業の中で展開したいかということは、少しは準備書に出ている
が、大事なことは、どうして水俣の地を選んだかという点だ。もう
一つは、水俣病の教訓に何を学んで、どのような点に配慮し、過ち
を再び起こさないために、どうするかということを準備書の中でも
述べておくことが必要だ。それが抜けている。だからいろいろな意
見が出てくる。これは公聴会で聴いた意見だが、水俣市長意見の中
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委員
委員
事務局
委員
委員
委員
事務局
にもある。
私は水俣エコタウンプランと連携していないのであればそうい
うふうに書くべきではないという意見を述べた。本当に連携させて
いくのであれば、具体的にどういうふうに連携させていくのかを書
くべきだ。率直にどういうコンセプトでやっているのかということ
を書くべきだと思う。
「事業の背景と目的」について方法書と準備書で記述に大きな違
いはあるのか。方法書にはエコタウンプランに関する記述はあるの
か。
方法書にもエコタウンプランとの関連ということで記載がある。
準備書とほとんど変わらない記述となっている。
準備書で、この「事業の背景と目的」をみると、ほとんどが水俣
エコタウンプラン関連の記載となっている。ところが、いろいろ委
員の意見や市長意見を見ても、ほとんどつながらないような感じで
ある。事業者としては一体どのような目的や背景なのかというのが
あまり明確にされていないような感じがする。エコタウンプランと
の連携ということだが、連携していないような感じを受けるので、
それをわざわざ連携させよという意見を言うのか疑問がある。
連携という言葉自身、連携する、しないをどこで誰が決めたのだ
ろう、そのことについての統一的な理解というのは我々としてはな
いのではないかという印象を受ける。ただ書いてあるだけという感
じを受ける。連携することによって貢献できるというふうに書いて
いる。でもそれは事業者の一方的な考え方であれば「水俣エコタウ
ンプランと連携させたコンセプト」という言葉をここに入れるとい
うことは、やはり疑問がある。
「水俣エコタウンプランと連携させたコンセプト」という言葉を
省いて、先ほど○○委員が言われた内容を明確に書いてもらうとい
うことではいかがか。
4 番で一番ポイントとなるのは「当事業の背景と目的をより明ら
かにするために」という部分であり、これを指摘すべきだと思う。
ただ、書き方として、下段の部分が方法書で述べた知事意見をその
まま引用したような形になっているが、方法書と180 度異なる意見
を述べるというのも難しいところがあるので、例えば、「評価書の
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委員
委員
事務局
委員
作成に当たっては、当処分場への水俣エコタウンからの搬入量及び
その他搬入が予想される地域やそれぞれの搬入量等の計画を明確
にした上で、水俣エコタウンプランと連携させたコンセプトを計画
の中でどのように展開させるのかを含めて、当事業の背景と目的を
より明らかにすること」という表現に直すということではいかが
か。
先ほど○○委員が言われた、なぜ水俣を選んだのかという点に関
してだが、準備書の3 頁に書いてある図では、資源循環型の町づく
りと書いてあるので、資源を循環して再利用する、それでも出る廃
棄物があるので、それを受け入れて連携したいという、これは事業
者の希望になっている。実際に連携しているわけでも何でもなく、
それを希望するというニュアンスで書いてあると思う。
私自身も事業者が水俣が独自に行っているエコタウン計画とこ
の事業とを結びつけて文章を作ったのではないかという印象がぬ
ぐえない。少なくとも知事意見の中で、連携させてコンセプトを形
成するようにという指摘があったことに関して、この委員会の意見
として、連携させるために一歩突っ込んで話し合いを行いなさい、
市民との了解が得られるように話し合いなさいということをここ
に提案してよいものかということを迷っていたところだ。というの
は、今の状況の中で、この計画そのものが非常に大きな反対の中に
あるので、その中で我々があくまで書類を見た段階で付け加えるこ
とができるとすれば、やはり、エコタウンという大きな水俣市の計
画の中に業者が参加したいというのであれば、やはり市民の皆さん
の話し合いと十分な了解があってこそ、初めてその連携が実現して
いくのではないかと思う。
この審査会でいただく意見は、環境保全上の見地からの意見とい
うことになっていて、今指摘のあったような、話をしなさいという
部分を、絶対不可能ではないと思うが、果たして環境保全上の見地
からの意見という形で、どういうふうに正当化して言えるかという
ことについてはなかなか難しい問題もあるかと思う。審査会の総意
として、希望的な意見としても入れるべきだということであれば、
検討の余地はあるかと思うが。
連携という以上は、両者が何らかの形で話し合うとか、協議を持
った上で連携しましょうということならよいが、勝手に連携という
言葉を使ってもらっては困るという意見はあると思う。
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委員
委員
事務局
委員
事務局
委員
委員
事務局
先ほど、○○委員が言われた、なぜ水俣かということと、水俣病
の教訓というのは、環境保全上の観点からコメントしてもよいので
はないかと思うが、そういう文言をここに入れることは難しいか。
それが可能であれば、入れてもらった方がよい。この意見は前も出
されたものではないかと思う。もし反映できるものであれば反映し
たらどうかと思う。
環境保全上の観点とのことなので、水俣という場所は、環境保全
の点からいっても、非常に重要な考え方で取り組んでいって欲しい
ということだ。○○委員からは、水俣の地を選んだ理由や環境保全
を考えた場合、なぜ水俣のこの場所に最終処分場を選んだかという
ことも含めてということだった。
先ほど委員から話があった、話をしなさいとか協議をしなさいと
いう部分は、例えば留意事項としてであれば、指摘できると思う。
審査会の正式な意見としてそこまで書くかということについては、
やや議論が必要かと思う。
それでは、最終処分場に関する協議については留意事項とするこ
とでは書けるということか。
留意事項としては書くことができる。ただ、水俣を選んだ理由な
どを明らかにしなさいという点まで、この審査会の意見として述べ
るべきかどうかについては、審査会委員の総意として、そういう意
見であれば、余地はあるかもしれないが、その場合でも、表現その
他については、慎重な検討が必要だと思う。
今、事務局から提案があったがいかがか。
今の文章の中に、「当事業の背景」という表現がある。これは、
広く解釈すれば、選定理由を含んでいるようにも受け取れる。表現
としては非常に曖昧なので、「背景」という部分を少し表現を変え
て、「選定理由」というところがはっきり分かるようにするという
のも一つの方法だという気がする。
指摘のとおり、「背景」の中に含まれる事柄かなと思う。ただ、
それを完全に置き換えると、より狭くなる可能性もあるので、例え
ば、「当該地を選定した理由等含めた背景と目的」という表現であ
ればよいと思う。
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委員
委員
各委員
委員
委員
委員
委員
事務局
準備書を見ても、方法書段階での委員の意見は反映されていな
い。こんな意見もある。「方法書全体を通じて、環境に最も配慮し
ている都市である水俣に相応しいものを作る、水俣病のような過ち
は繰り返さないという強い意志は方法書では感じられない。」「この
ことは、次に続く準備書から事業の実施までを含めて、本事業の最
も基礎となる考え方として強く意識し続ける課題でなければなら
ない。」という指摘が出ている。にもかかわらず、事業者の回答を
見ても、さらりとかわされている。それが問題だ。だから、どうし
て水俣市なのかという設定の理由、それを述べておかないといけな
いのではないかと思う。そうでなければ、方法書段階から審査会を
やる意味がない。
今あったように、「水俣の地を選んだ理由を含めた事業の背景と
目的」という表現を入れるということで、何か異議はあるか。異議
がなければ、そういう形で、委員会の総意として入れたいと思うが
いかがか。
(特に異議なし)
それでは、「水俣の地を選んだ理由」という言葉をどこに入れる
か。
事務局の表現の後に、「さらに」で付け加えたらよいと思う。
「どのように展開させるのかを含めて、当事業の背景と目的、さ
らに水俣を選んだ理由を含めて、より的確に記述すること」という
ことか。
「当事業の背景と目的をより明らかにすること」の前に、例とし
て「なぜ水俣か」ということを入れればよいと思う。「評価書の作
成に当たっては、当処分場への水俣エコタウンからの搬入量及びそ
の他搬入が予想される地域やそれぞれの搬入量等の計画を明確に
した上で、水俣エコタウンプランと連携させたコンセプトを計画の
中でどのように展開させるのかについて、なぜ水俣の地を選んだの
かなど、当事業の背景と目的をより明らかにすること」ではどうか。
先ほど「水俣エコタウンプランと連携させたコンセプトを計画の
中でどのように展開させるのかを含めて」と提案したが、その前に
入れて「水俣を選んだ理由及び水俣エコタウンプランと連携させた
コンセプトを計画の中でどのように展開させるのかを含めて(ある
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委員
事務局
委員
各委員
委員
委員
委員
委員
委員
各委員
委員
委員
委員
委員
いは『など』)当事業の背景と目的」とつなぐ方法もある。
文章が長いので途中で切ったらどうか。
今出た意見を含め、後段の部分の修正案を事務局の方で検討させ
てもらって、できれば複数案示して、委員の意見を伺うこととした
い。
そういうことでよろしいか。
(意見なし)
ほかにあるか。
前回の資料では「調査地点の選定や予測手法の内容の記述」と少
し具体的な記述となっていたが、今回の表現では1 番目で「調査地
点の選定や予測・評価の記載については」となっている。やはりこ
こは「予測手法の内容や評価の記載」としたほうが、どういうふう
にして、なぜそのような手法をとったのかということが、より明確
になるのではないかということで、残してもらえればという意見
だ。
それでは、「予測手法の内容・評価」ということでよいか。
はい。
他にあるか。
(意見なし)
それでは次、事業計画に関する2 頁目の意見に関してはいかが
か。
8 番目に「事業実施区域近郊」とあるが、「近郊」というと「町
の近く」という意味ではないかと思う。少し言葉を変えた方がよい。
それでは「近郊」という言葉ではなくて「近くに」ということ
で修正したいと思う。
ここは、断層からどのくらい離れているのか。
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委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
近くということでよいか。
赤い線が活断層だと思うが、そうすると周辺ということか。意
見では「出水断層等」となっているが。
「出水断層等」と書いてあるので、それで含まれていると考え
た。
大体20kmぐらいだ。
全体として出水断層というのは南北の断層に分かれているが、
その一番北の端にやかず峠断層というのが推定で書かれている。こ
れは、準備書では81 頁の右下の赤い点線に相当する。そういう意
味では「出水断層等」ということで、それも「近く」という表現で
よいと思う。
この辺は断層が近くにあるということは、地震が発生しやすい
場所である可能性があるということか。
私が紹介した資料は、政府の地震研究会のものだと思うが、実
際に断層の位置を明らかにするのは非常に難しい。確実ではなく
て、推定ということで報告書でも、ここまで伸ばしてきているので、
推定されているということでは正しいが、確実に断層があって、そ
れが地震を引き起こすかということについての言及は非常に難し
い。よって、この意見の中でも、きちんと断層のことに触れている
し、「地震等の物理的な負荷」ということを明記しているので、十
分含まれていると考えてよいと思う。
地震についても必ず検討してくださいということですね。
他にあるか。
運行管理計画というのは具体的にはどういうものか。平通りは
道幅が5.2mしかない。ダンプの幅は3.3mある。車の離合はで
きない。これは水俣市長の指摘のとおりだ。私が一番心配なのは、
事故。そして緊急車両というのは人命に関わるので、そういう場合
に、もし万が一、ここで遭遇した場合に、大問題となる。幅員が5.
2mしかないのにダンプは3.3mもある。果たしてそれで安全運
行できるのか。そもそも運行管理計画というのがどういうものか。
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委員
委員
事務局
委員
事務局
委員
事務局
委員
事務局
委員
きめ細かく出しておいた方がよい。これは留意事項でもよいと思う
が。
ダンプの幅だが、車の車両規制からいくと、幅は2.5mになる
と思うが。3.3mあったか。
私が測ったダンプは3.3mあった。
道路については、一番狭いところで4.2mという意見が出てい
て、車両については、特殊車両でない限り、幅員2.5mと車両制
限令等で決まっている。よって、幅員3.3mということになると
特殊車両ということで、特別な許可を取って通行するような車両か
と思うが、今回の車両については2.5m以内だと思う。
運行管理計画とは具体的にどういうものか。
予定しているのは、事業者が時間帯に何台ぐらい通るのかとい
う交通量等を想定して計画してもらう。そして、実際は交通の状況
や、ここは当然通学経路なので、そういうものも踏まえて、事業者
として、その通行時間帯はどうするのかとか、そういうことも踏ま
えたところで、運行管理計画を出してもらうことになる。
では確認するが、交通整理をする人がそこにいて、交通整理を
するだけが運行管理計画ではないということでよいか。これは、非
常に大事なところだ。
もちろん、交通整理は対応としての話だが、基本的には何時か
ら何時までに何台ですとか、そういうのを準備書の中で明らかにし
てもらいたいという意味で書いている。
ここでの運行管理計画というのは、搬入ルート全体を指したも
のか。後の方でまた運行管理計画が出てくるが、ここは全体で、後
から出てくる18 番は平通りについてということなのか。
10 番については3 号線から処分場まで全体をイメージしてお
り、18 番については、特にその中でも平通りという区分けをして
いる。
他にあるか。
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委員
委員
委員
委員
各委員
委員
委員
事務局
委員
8 番目の遮水シートだが、この耐用年数や、地震にあって破損し
たときのことなどを考えると、安定するまで15 年ぐらいまで見る
というのがあったが、これは、長期にわたって安全を確保する必要
があるのではないかと思う。この辺は断層があるので、破損するこ
とも十分考えられる。そこで「長期にわたる安全性を確保する」と
いう表現をどこかに入れておいた方がよいという気がする。
この遮水シートについて、まだ現状では決めてなかったと思う。
よって、現段階で遮水シートについてどういうものを想定している
かを記載してもらえば、製品についての耐用年数が分かってくる。
確かまだ選定中だったと思う。
「遮水工の安全性及び安全対策を説明すること」となっている
ので、その部分を「遮水工の安全性及び長期の安全対策を説明する
こと」ではどうか。
わかった。他にないか。
(意見なし)
次に大気質に関する12 番から14 番についていかがか。
言葉の問題かもしれないが、13 番に「検証する」という言葉が
出てくるが、検証するという言葉はあまり他のところでは使われて
いないような気がするが、どのような意味か。
気象の調査については、準備書にはあまり詳しい記載がない。
事業者見解では、地上10mの所に設置したということが書いてあ
る。ただそれは、地上気象観測指針を詳しく書いてある「気象観測
の手引き」に従ってなされたものかどうか、我々でも判断がつかな
いところがあったので、事業者に検証を求めるもので、当然それに
沿って行われていなければ、調査をやり直しという意味も含めてと
いうことになる。
「気象庁が出している気象観測の手引きに基づき」と書いてあ
るが、これは通常一般の気象観測に関するものだと思う。例えば、
今回の場合だと、調査地点が1 点でよいのかとか、アセスメントを
するときに、これで適当な地点を選んでいるといってよいのかとか
話が出たと思うが、そういう観点では、この気象庁の気象観測の手
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事務局
委員
委員
委員
委員
事務局
委員
引きというものではきちんと書かれていないと思うので、これに基
づいて大丈夫だったと言われて、じゃそれでいいですよというふう
に言えるのかというのは非常に疑問に思うので、そこをもう少し
「適当な調査地点を選んで、不適当と思われる場合は、やり直しな
さい」ということにできないかと思う。
気象観測については、「地上気象観測指針に基づき行います」と
方法書に書いてあり、それに基づいて事業者は調査を行ったという
ことだが、準備書の中で示されている風配図、風向風速図では静穏
の頻度が高く、風速が弱い傾向となっている。方法書で示された調
査地点が本当に適切だったかどうかという点がポイントだろうと
思うが、この地上観測指針を受けて、気象庁が平成10 年9 月に気
象観測の手引きというものを発行しているわけだが、気象観測指針
の中には細かなことは書かれていない。風向・風速計を置く場所が
どこかということについても、周辺の状況、周辺の地形とかあるい
は建物とか、風向・風速の調査に何か影響を与えるものがあった場
合には、どういうふうにそれを配慮して地点を設定するか、そうい
う地点設定についての細かいことが書かれている。その辺も見なが
ら、もう一回事業者が調査を行った地点が、そういう手引きに書い
てあるような事柄に照らして妥当なのかどうか検証して、それが妥
当でなければ、他の地点を選んで調査するようにという意味も込め
て、ここに「検証」という言葉を使っている。「生態系」にも、こ
の「検証」という言葉を使っている箇所がある。
気象観測を行うに当たって、気象観測の手引きに基づいて行うの
はよいのだが、予測・評価を行うに当たって、その選定地点が適当
であったかということも、準備書の中でそれが不明瞭ということも
あったので、なぜそこを選んで調査を行ったのかということ、予
測・評価に当たって、その地点が適当だと考えた理由もきちんと記
載して欲しいということもある。
「予測・評価を行う上で適切か検証すること」でよいか。
はい。
事務局、いかがか。
では、入れさせていただきたい。
他にあるか。
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各委員
委員
各委員
委員
委員
委員
委員
委員
(意見なし)
それでは次、悪臭についてはいかがか。
(意見なし)
それでは次、騒音についてはいかがか。
これでよいと思う。19 番については、環境基準という居住環境
を保全するための国の基準があるわけだから、それを守ってくださ
いという趣旨だ。前回はもっと具体的に7dB 以上減少しなさいとか
書いていたが、7dB 以上減少させるには、単純に運行台数を5 分の
1 以下にするか、車両のパワーレベルを下げるためダンプを乗用車
型に規格変更するかだが、これらについては事業者の方に考えても
らって、環境基準をしっかり守ってもらうということだ。21 番に
ついては、振動規制法ではL10 だが、アセスを行う場合には、状況
に即して評価を行う、しかも暴露される側に立って評価を行うべき
ではないか。騒音の場合は、ある程度聞こえていても、あるレベル
以上になると不快度が増してくるので、何dB 以上と規定があるが、
振動の場合には感じることが不快感だと思う。そうすると、ピーク
で効いてくることは学術的には明らかである。これは、運行回数が
減ったとしても、振動の被害・苦情はあると思うので、その辺の対
策を取ってもらいたいということだ。そのためには、変動毎の最大
値の平均値を示して評価してもらうのが、事業者としての立場では
ないかと考える。
18 番について「改めて調査地点を選定し、調査・予測・評価を
行うこと」とあるが、「県道水俣泉線の家屋が比較的集中している
地区においても調査する必要がある」との方法書時の知事意見に対
して、事業者の見解は「ご指摘の点を考慮し、現地にて調査地点を
設定しました」というもので、それがNo.2 地点だ。はっきり「平
通り」で調査しなさいとはいえないのか。また、事業者が勘案して
別の調査地点を採るということになると困る。住民意見でも多くは
「平通り」で調査して欲しいというものが多かった。わざわざぼか
して、選定させる必要があるのか。
3 行目には、「『平通り』から離れた地点であり」と書いてある。
18 番を上からつなげて読んでいくと、「平通り」で調査しなさい
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事務局
委員
事務局
委員
委員
事務局
ということになるが、この文章では「改めて調査地点を選定し」と
ぼやけてくる。はっきり「平通り」で調査しなさいという表現はで
きないのか。
5 行目に「交通量、路面状況、車線数、環境基準の類型当てはめ
等を勘案し、改めて」と、わざと、ここに幾つかの条件を列挙して
いる。まず、この「平通り」の地区、国道3 号から江南橋までに至
る区間の環境基準類型は、A地域、B地域、C地域と3つに分類さ
れている。区分ごとにそれぞれ環境基準の数値が変わってくる。事
業者は1つの分類しか考えていない。それが「環境基準の類型当て
はめ等を勘案し」という部分だ。次に、車線数だが、事業者は2
車線と準備書に書いているが、果たして2 車線かどうか。場所によ
っては、1 車線のところもあるのではないか。交通量というのは、
事業者が測ったところと江南橋で測ったところでは、3 割以上交通
量が違うということ。路面状況は道幅のこと。こういったところを
もう一度確認して調査地点を選定し、再度、調査・予測・評価をす
るようにという意味でここに列挙している。
今の説明は分かるが、「平通りで調査地点を選定し」とは言えな
いのか。
「平通り」は区間が長く、環境基準類型が3 つに分かれ、それぞ
れ環境基準の数値が変わってくるので、それを考慮して調査地点を
決定しなさいということだ。もちろん、「平通り」の区間の中でと
いうことだ。
もう1つ、最後の行に「車両の運行管理計画を策定の上、対策を
講じること」とあるが、先ほどの記述とニュアンスが違うようだ。
10 番では「明らかにすること」となっていた。この辺の差は何な
のか。
10 番の意見は、準備書の計画にある予備ルートは使えないので、
それに対する対策が必要になってくるという意味ではないか。事務
局いかがか。
10 番の意見にある「運行管理計画」は、予備ルートが使用でき
ないので、全体の搬入ルートについての記述を見直すに当たって運
行管理計画を明らかにせよという意味である。それに対して、18
番の方は、計画の策定に加えて更に対策まで検討しなさいという意
味で、そのような表現となっている。
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委員
委員
各委員
委員
委員
事務局
委員
対策を講じたものが、運行管理計画だと思うが、言葉を重ねれば
重ねるほど、意味が弱くなる感じを受ける。それと、20 番につい
てだが、下から2 行目「チップ製造機」を「チップ製造関連重機」
としてもらいたい。チップ製造機だけでなく、これに関する重機が
ダンプも含め、かなり入ると思うので。
18 番についてだが、方法書に対する知事意見で書いてあるにも
かかわらず、指摘の点を考慮してNo.2 地点を選んだという事業者
の見解があるので、上から見れば「平通り」内でというのは分かる
のかもしれないが、この漠然とした表現では不安な感じを受ける。
私としては一番厳しい地点で調査して欲しいという気持ちだ。これ
で、その意味が通じるのであれば結構だ。
他の委員で、これについて意見はないか。
(意見なし)
それでは次、「水象」・「水質」についていかがか。
24 番目についてだが、「評価書においては、その算出根拠を明ら
かにすること」と、ここだけ「評価書においては」と、わざわざ言
う必要があるのか気になった。
それから、25 番目について「選定しない場合には、必要がない
と判断した根拠を明らかにすること」とあるが、前回の骨子では、
選定しなさいというニュアンスがより強く現れていたように思う
が、表現を変えたことについて何か理由があるのか。
方法書に対する知事意見で「選定すべきか検討する必要がある」
という表現になっていた。これに対して、事業者見解は根拠が具体
的でなかったということもあり、「改めて選定すべきか検討しなさ
い」としている。今回は更に、もし必要がないと判断したときは、
根拠を明らかにすることという表現に変えている。
準備書669 頁の事業者見解の表現を見ると、八代海を閉鎖性海域
と見なしていない感じがする。八代海まではかなりの距離があるの
で希釈効果が得られるとあるが、閉鎖性海域であるならば、希釈さ
れても、その中に留まってしまうという考えが抜けているように思
う。八代海に入ったときに希釈されているため影響がないと判断す
る理由を明確にしてもらって、それでも項目として選定する必要が
ないのか説明してくださいということだと思う。
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事務局
委員
各委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
24 番の「評価書において」という表現は幾つか出てくる。予測・
評価することで結ぶときは出てこないが、根拠を示すこととか記述
を改めることで結ぶ場合には、このような表現を使っている。
他に意見あるか。
(意見なし)
それでは、26 番から34 番までの「地下水」に関してはいかがか。
27 番についてだが、「作成すること」で終わっているので、「作
成し、地下水の形状を明らかにして、湧水等との関係を評価するこ
と」のような表現で、何のためにそれをするのかということをそこ
で表した方がよいと思う。このことは、29 番の下の段落を注意深
く読めば、その中に含まれていることではあるが、やはり27 番で
も指摘しておいた方がよいと思う。
それと、30 番で「顕れた」という表現が使われているが、「現れ
た」という表現を使うのが一般的だ。
それから、32 番の最後の段落に「自然災害に対する」とあるが、
事業を行うことによって起こることが、自然災害か人為災害かとい
う問題に必ずなると思うので、そこを「自然災害」に限定するのは
適当ではないと思う。最低でも「自然」は削除する必要があると思
う。
他にあるか。
「自然災害」を「災害」にしてしまうと、上の文章を受けている
ので、人為的な部分は含まれないことになるような気がする。よっ
て、もし人為的な部分も含ませるのであれば、「自然災害及び人為
的災害」というような明確な表現の方がよくはないか。「自然災害
に留まることなく、人為的災害に対しても」とか。
一番最後の4 行については「評価書においては、事業実施に伴う
災害発生の可能性を」となっているので、無理に両方引き合いに出
さなくてもよいのではないかと思う。
逆に言うと、その上の「自然災害に対する具体的な説明が行われ
ていない」ということに対して、裏返して、人為的な災害に対する
説明が具体的に行われていればそれで構わない。
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委員
委員
委員
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他の委員、この部分意見あるか。
「事業実施に伴う人為的あるいは自然的災害発生の可能性を」と
したらどうか。
私は「災害」だけでもよいと思う。「災害」の中に人為も自然も
入ると思うし、起こったものをどちらに分けるか分からない場合も
難しい場合もあると思うので。
確かに、上の方の「自然災害に対する具体的な説明が行われてい
ない」という部分に対する後始末ができていないような感じもする
ので、「評価書においては」の次に、「自然災害の発生に留まらず」
という言葉を入れるということではいかがか。
他の委員意見あるか。
(意見なし)
修正させてもらう。
他にあるか。
(意見なし)
では次、動物・植物・生態系に行きたいと思う。
クマタカについては、前回の審査会の審査会において専門家の意
見を聴いた方がよいという意見があったので、それを踏まえ、先日、
専門家から意見聴取を行ったので、その結果について報告する。
専門家の選定については、委員から数名推薦をもらい、日本野鳥
の会熊本支部長からも意見を聴いて、最も適任である人を選任し
た。意見の聴取については、事前にクマタカに関する調査報告書を
専門家に見てもらい、2 月8 日に県庁で会長と○○委員から意見聴
取してもらうという形で事務局立ち会いの下行った。意見聴取の大
きな項目としては、まずクマタカの調査方法が適当だったかどう
か。次に行動圏の解析ということで、クマタカの場合、行動圏がど
うかと、あるいは営巣中心域とかコア領域とか、そういうところを
調査から解析することが重要になってくるとのことだったので、そ
の辺りが適当だったのかどうかを中心に意見を伺った。
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まず、調査方法についての意見だが、クマタカの場合、どの範囲
を調査範囲として設定するかがポイントになってくるわけだが、事
業者の作成した調査報告書を見ると、一つがいが調査区域にいると
いう想定での調査区域の設定となっているとのことだった。クマタ
カの場合には通常、隣接する個体群というのが近くにいて、この隣
接個体群との競合の中で行動圏が決まっていくということで、隣接
個体群を踏まえたところでの調査区域の設定が必要となるが、そこ
ら辺が事業者の調査区域の設定では十分なされていないのではな
いかということだった。
次に調査地点においても、調査区域と調査地点から見渡した可視
範囲が調査区域を全てカバーしたものになっていないということ
で、調査地点の設定においてどうだろうかとのことだった。ただ、
この可視範囲については、視野図ということで出してもらっていた
が、可視範囲を必ずしも反映した図になっていなかったということ
で、どの辺まで見渡すことができたのかということについては明確
に分からなかったということもあったが、出してもらったものだけ
を見ると、調査区域が全てカバーできていないようなものだったと
いうことが問題であった。
それから、飛翔図については、飛んでいる場所が、先ほどの視野
範囲を超えたところを飛んでいるような図になっていたというこ
ともあり、その辺が十分ではないということだった。
実際の調査方法については、報告書を見るとかなり長い期間、
2004 年の10 月から2006 年の4 月にかけて1 年半ほどかけて行わ
れている調査だが、大体1 週間に1 度の周期で調査がなされている
形だった。これについて、クマタカの調査というものは、クマタカ
は日によっては全然動かない日もあり、むしろ出現しなかった翌日
にクマタカが姿を現すということが多いということで、通常1 回当
たり3 日連続して調査することが必要であるとのことだった。今回
の調査では、週に1 回程度、連続しての調査もなされていないとい
うことがやはり問題があるのではないかという指摘をもらった。調
査方法については以上のとおりであった。
その後、調査結果を踏まえて、行動圏の内部構造、先ほど出てき
た行動圏の営巣中心域とかコア領域の解析をするわけだが、その際
に重要なのは、飛翔しているときであっても、どういう形で、例え
ば一羽で飛翔しているのか、あるいはつがいで飛翔しているのか、
あるいはV字飛行しているのかという、行動圏を判断する上での重
要な要素である指標行動というのがある。その辺が報告書ではよく
分からないということで、十分なのか分からなかったとのことだっ
た。調査上の問題としては、内部構造を分析した図では、行動中心
域となっていたり、主なハンティングエリアとされていた部分が、
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飛翔図等に反映していない、要するに、一番飛翔しているところで
あるにも関わらず、行動中心域になっていなかったり、主なハンテ
ィングエリアとされているにも関わらず、飛翔を確認していなかっ
たりという点が見受けられたとのことで、この辺が調査報告書とし
て疑問があるとの指摘をもらった。
主な項目としては以上のような点を伺った。
このような点を踏まえ、クマタカに関する意見となっている。
以上のとおり報告させていただく。
意見を聴取した結果、36 番になったということですね。ですか
ら、前回の骨子では、その辺のところが入っていなかったと思うの
で、意見聴取の結果、分かったことを36 番に書いているというこ
とですね。35 番から39 番の意見について意見をお願いする。
36 番について、事業者が調査の参考にした資料だが、「『猛禽類
保護の進め方(特にイヌワシ、クマタカ、オオタカについて)環境
省自然環境局野生生物課編』及び『イヌワシ・クマタカの調査方法』
等の技術マニュアルに基づいております」とクマタカ調査状況一覧
表に書いてある。そこで、実際にマニュアルに基づいて調べてみた。
すると、先ほどあったように、最低限3 日連続の調査が必要だ。調
査報告書を調べてもどこにも3 日連続して調査した記録はない。3
日連続という最低限のマニュアルに基づいていない。そこで、最低
でも連続3 日以上の調査が必要であると考えられる。
こういうものもある。これは36 番の文言にも関係するが、「生息
分布調査ではつがいの分布状況の概要把握を目的とするのに対し、
内部構造調査では事業との関連が想定されるつがいについて、その
行動圏の内部構造を把握することを目的としている。そのため、事
業との関連が想定されるつがいが確認された段階で、順次つがいご
とに内部構造調査へと移行することになる」とのことだ。
水俣市の方の調査ではつがいが2つだ。ところが、事業者の調査で
は1つしかいない。あまりにも水俣市の調査結果との差異が大きす
ぎるということが指摘されている。もう一つ準備書を見てみると、
生息分布調査が十分なされていないと判断される。最初に生息分布
調査を行った後、つがいごとの内部構造調査へ移行するわけだか
ら、生息分布調査がうまくいっていれば他のつがいのことも把握で
きたかもしれない。36 番の文章だが、1 行目「隣接個体群」とある
のは、マニュアルに従って「隣接つがい」と書いた方がよいと思う。
そして、下から2 行目「行動圏調査を行った上で内部構造解析を行
い」の部分は、「生息分布調査を行った上で行動圏の内部構造解析
を行い」とした方がマニュアルの順序に従っていてよいのではない
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かと思う。
35 番について、準備書ではカジカガエルが湯出川にしか発見さ
れていないとなっているが、鹿谷川でも発見されている。ごく最近
の話だが。そういう意味でも、35 番のように述べておくことが必
要だ。
37 番のサシバについては、この通りでよいと思う。理由を述べ
ると、2006 年の12 月に絶滅危惧Ⅱ類に格上げされているので、当
然意見として加えてしかるべきだと思う。
他の項目で意見あるか。
35 番の最後の部分「調査方法が適当か検証すること」という表
現でよいか。他のところを見ると「予測・評価を行うこと」など、
きちんとやりなさいと書いてある。少し表現がぼけている感じがす
る。それと同じことは37 番の「必要性について検討すること」も
であり、やりなさいとは書いていないので気になる。
他の委員いかがか。
35 番の「調査方法が適当か検証すること」だが、例えば、ネズ
ミ類の調査をどのようにしたのか、準備書ではよく分からない。か
ご穴を使ったのか、パンチュウトラップを使ったのか、シャーマン
トラップを使ったのか、ビクタートラップを使ったのかわからな
い。それらを含めて検証してくださいということだ。サシバについ
ては、「検討すること」でよいのかどうか意見があると思うが、こ
こまでしか言えないかなと思う。気持ちとしては調査をしてくださ
いと言いたいところだが、環境省の資料があるのでそこまでは言え
ないかと思う。そこのところは説明するときに担当課の方からも言
っていただければと思う。
事務局それでよろしいか。
今の件については、そういう観点で整理させてもらっている。
私は言葉という観点で聞いているのだが、要するに、検証の結果
必要ないと判断されれば調査はやらないということもあり得ると
いうことで、それで構わないのかということだ。検証は当然しても
らうのだが、その結果調査はやらないという事態が起きてもよいの
か、そこのところを確認したい。
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結論としてやらないのであれば、やらないなりのきちんとした明
確な根拠をもって説明していただくことになる。
他にないか。
39 番の3 行目から4 行目に「設置工事中や事業実施中等の時間
の変化」とあるが、この「時間の変化」の中に事業完了後も含まれ
るのか確認したい。
入れているつもりだ。しかし、これでは読み取れないということ
であれば文言を追加しても構わない。
できれば入れていただきたい。
では「事業実施中・事業完了後の時間の変化」とさせていただく。
他に意見ないか。
36 番に関係するが、「クマタカの生活サイクルに合った慎重な調
査をすること」という文言を付け加えてもらいたい。うがった見方
をすると、クマタカがいない方がよいので、営巣木をがさがさやっ
て追い出すようなことをすることも過去の事例にはあった。そうい
う心配もあるので、念を押す意味で入れて欲しい。
もう一つ、人と自然との触れ合い活動の場だが、準備書の606
頁では調査期間が4 月7 日と4 月14 日となっている。「各季に補足
確認調査を実施した」と付け加えられてはいるが、実はこの時期は
そんなに子どもが川の中に入って遊ぶ時期ではない。しかも、鮎は
6 月1 日が解禁日だ。そうすると実際調査時期がおかしい。水俣市
長意見にあるように、子どもたちは夏休みに遊んでいる。これは、
もう1 回調査や評価をやり直しなさいということになる。ぜひ意見
として付け加えて欲しい。
更にもう一つ、騒音に関して38 番の意見に付け加えて欲しい点
がある。チップ製造機が生態系の頂点にいる野生の鳥獣類にどのよ
うな影響を及ぼすか分からない。そこで「チップ製造機の騒音が野
生の動物に及ぼす影響について予測・評価すること」という文言を
入れて欲しい。
まず、最初のクマタカの生活サイクルに合わせた慎重な調査をす
ることという点については、留意事項で述べたいと思うがそれでよ
いか。
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結構だ。
チップ製造機の騒音が鳥獣類に及ぼす影響については、38 番の
意見の最後に「また」や「なお」でつないで入れたいと思う。それ
と、人と自然との触れ合い活動の場の意見については、最後に一項
目設けて意見としたいと思う。どういう表現にするかについてはこ
の場で審議いただきたい。もしくは、後で会長と委員とで文章を作
成するということでよければ、事務局で案を作成したいと思うがい
かがか。
結構だ。
今のチップ製造機の問題だが、クマタカへの影響はそれだけの問
題ではなくて、工事そのものが影響を与えるのではないか。チップ
製造機だけでなく、伐採もあり、ダンプも走りという全般的な工事
が鳥類へ影響を与えるのではないかと思う。製造機にこだわると音
だけの問題になってしまう。
準備書の段階ではクマタカが事業地内に1 回しか入ってきてい
ないのでクマタカに対する事業の影響は少ないとなっているが、水
俣市が行った調査によれば、かなりの回数は入ってきているような
ので影響が出るということが言える。36 番の意見を受けて内部構
造解析などを行うと評価が変わってくると思う。それで、36 番で
は「事業による影響について予測・評価を行うこと」と書いてある。
36 番のクマタカの意見だと事業による影響なので騒音なども含
まれると考える。ただ、先ほど言われたのは「鳥類」とのことだっ
た。
36 番に付随した留意事項に書いてもらうということでもよい。
それでは、先ほどのクマタカの生活サイクルに合わせた慎重な調
査を行うことという件、専門家の意見、クマタカへの騒音の影響に
ついて留意事項としたい。
38 番の意見はそのままでよいか。
38 番の意見だが、チップ材が地表面を覆うことや降雨時の流出
等による影響とチップ材を作る際の機械の音による影響と2 つあ
るのではないか。
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20 番の意見は人への影響なので、38 番の意見で「騒音が動物に
及ぼす影響についても予測・評価すること」というような表現を加
えることとしたい。
それでよいか。
結構だ。
他にあるか。
景観の点だが、景観というとただ家並みとか山とかそういうもの
にしか考えが行かなかったが、この間ある委員が発言した記録を読
んでみる。「景観というのは全ての環境の総和ではないかと。だか
ら、景観のモンタージュを描くときに、クマタカを描くか描かない
かで景観も十分変わってくる。そこにいる人が景色を見たときにど
ういうふうにこの景観というものを感じられるのかという、その脳
裏に浮かぶ景観を考えなければならない。これは非常に難しい。し
たがって、事業者の方も大変だと思う。しかし今後一番大きな問題
となる。景観というのは鳥だろうが水だろうが空気だろうが地下水
だろうが地質だろうが、そういう環境要素を全てひっくるめたもの
だ。景観というのは難しいが、これから考えるときは、どうしても
いろいろな環境要素の総和が景観なのだという、ここは最も大事な
ところだ。写真一枚で済むような単純なものではないということを
しっかりみんなで考えていかなければならないと思う。」海にイル
カがいると景観が変わるように、クマタカがいるだけで十分景観が
変わるという意見を聴いて、こういう理念みたいな環境の考え方を
景観の意見として入れられないかと思うがいかがか。
アセスを行うときの基本的な姿勢を事業者に対してある程度ど
こかで話をする必要があると思う。業者に向けて講演会や勉強会、
研修会でもよいので開いてもらえればもっとスムーズに進むと思
う。
そこに動物も植物も人間も全部そこで生きているという思いを
表現できないものかと思う。景観というと山に登ったときに見える
形とかでしか捕らえていない。そういうものがどこかに表現できた
らと思う。
クマタカも周りの環境がこれだけ変わればいなくなるのではな
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事務局
いか。その可能性はないのか。調査をするのは良いが、いなくなっ
た場合、回復措置を取るのか。
事業自体がクマタカに影響を与えるのであれば回復措置という
ことになるのだろうが、準備書の段階では調査を1 年半行った中で
1 回しか事業区域内に入っていないから影響はないとしているの
だが、水俣市の調査結果によれば当然影響が出てくることになる。
そうなると今のままの事業実施は問題になってくるのではないか
と思う。クマタカの生息調査の36 番の意見にあるように事業によ
る影響について予測・評価を行った結果によって影響がどのぐらい
出てくるのか。それによって事業の在り方も変わってくる。
数年前になるが、日本は生物多様性国家戦略を閣議決定してい
る。もしこのままいってクマタカがいなくなれば、悪例として世界
中を駆けめぐることになる。きちんとした評価が必要だ。
先ほど委員から出た意見について、もし入れるならどういう意見
にするか。
先ほどは議事録を読まれたのだと思うが、それを若干修正してこ
ちらの方で留意事項に入れたいと思うがそれでよいか。
それでよいか。
結構だ。
他に意見ないか。
今回の準備書については県あるいは国が作っているやり方に則
ってやってあるので、これで仕方がないと思うが、社会学の専門家
も含めた検証が必要ではないかと思う。そういう方が字句も含めて
検討してもらえるとありがたい。
それについて4 番の意見で問題となったが、事務局の方から修正
案を読み上げて欲しい。
それでは修正したものを読み上げる。
「『事業の背景と目的』において、水俣市が取り組んでいる『環境
モデル都市づくり』や資源循環型のまちづくりを目指した『水俣エ
コタウンプラン』と当事業の関連について記述しているが、水俣エ
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コタウンプランそのものが当事業の一部として関わっているよう
な印象を与える表現となっている。
評価書の作成に当たっては、当処分場への水俣エコタウンからの
搬入量及びその他搬入が予想される地域やそれぞれの搬入量等の
計画を明確にした上で、『環境モデル都市づくり』に取り組んでい
る水俣市を建設地として選定した理由及び『水俣エコタウンプラン
と連携させたコンセプトを計画の中でそのように展開させるのか』
など、当事業の背景と目的を改めて明らかにすること。」
この準備書についてはそれでよいと思うが、今後、そういう部分
を検討の範囲の中に熊本県だけでも入れることができないか。実は
評価のしようがないので、入れようもないかもしれないが、景観と
いう分野で、見える見えないという部分でしか評価できないもどか
しさ、それを社会学的・統計学的手法でやれないかという検討をお
願いしたい。
了解した。委員会の構成にも関わってくることだと思うが。他に
意見あるか。
最近の処分場に係る審査会でこうやったらもっとよいのではな
いかと思うことがある。方法書・準備書の説明を事業者自ら行って
欲しい。責任を持ってやっていく自信があるならば、事業者自らが
マイクを持って、よく中身を把握した上で説明してもらいたい。事
業者本人が読んでも分からないものを縦覧しても一般の人が分か
るわけがない。
事務局としても、事業者が中身を十分把握して説明すべきだとい
う認識だ。これからも委員の言われた趣旨に基づき、事業者が説明
する方向で検討していきたい。
これについて意見ないか。よろしいか。
(意見なし)
他に意見あるか。
こういう事案というのはすでに場所が決まっている。場所の問題
から審査するためには、県としても早く計画アセスにシフトして欲
しい。
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各委員
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計画アセスについては県も早く取り組みたいということで中身
を検討してきたところだ。しかしながら、国の戦略アセスのガイド
ラインはできあがったが、環境省のガイドラインは中身の細かいと
ころは書いていない。これを見て省庁ごとのガイドラインが作られ
ているところだ。県も国のガイドラインとの整合も含め整理する必
要があるということで、国の動向を見極めているところだ。
他に意見ないか。なければ、これまで審議した内容を様式に整理
して、審査会意見として知事に提出することになるがよろしいか。
(意見なし)
それでは、本案件に関する審議を終了する。
※配付資料
①会議次第
②「IWD東亜熊本最終処分場事業」に関する環境影響評価手続等につい
て
③(資料1)「IWD東亜熊本最終処分場事業」準備書に対する審査会意
見(案)
④(様式)「IWD東亜熊本最終処分場事業に係る環境影響評価準備書」
に関する熊本県環境影響評価審査会意見
最終更新:2008年08月25日 14:26