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9-6

そうじろう「どうだいシンくん?この頃のこなた、かわいいだろう?(ひっく)」
シン   「いや~、ホント、かわいいですね~(ひっく)」

 締め切りギリギリで原稿を上げたお父さんに『お疲れ様』という気持ちをこめて、
晩酌にお父さんの好きなおつまみとビールを出してあげたのが30分前。
 いい塩梅に酔っ払ったお父さんがシンにお酒を勧めたのが20分前。
 抵当に断ってたシンが『じゃあ、1杯だけなら……』って折れたのが10分前。
 昼間に私を乗せてアキバまでの自転車で往復して、疲れが溜まってたシンにお酒が回っちゃったのが5分前。
 そして、今――お父さんとシンは私のアルバムをつまみに10本目の瓶を開け始めてる。

そうじろう「この頃のこなたはオレにべったりでね~(ひっく)」
シン   「いや~、それはうらやましいですね~(ひっく)」

 子供の頃の話をされると物凄く恥ずかしいのはなんでなんだろう?

そうじろう「この頃のこなたは『わたし、お父さんのお嫁さんになる~』って言ってくれててね~(ひっく)」
シン   「へぇ~、あのこなたがですか?かわいいですね~(ひっく)」

 ああ、もぉ、シン!そんな無防備な子供の私を見ないでよっ!

そうじろう「だから、こなたは渡さないよ~(ひっく)」
シン   「そういきませんよ、そうじろうさん。こなたは俺が貰いますので(ひっく)」

 ……なんか、酔っ払いが変なこと言い出してるよ。

そうじろう「いやいや、うちのこなたを嫁にはやれないな~(ひっく)」
シン   「いやいや、貰えなくても奪っていきますんで(ひっく)」

 うわ、私、お酒飲んでないのに、耳まで真っ赤になっちゃったよ!?シン、凄いコトいってるよ!

そうじろう「はっはっはっ、こなたが欲しければオレを倒すことだね!(ひっく)」
シン   「あっはっはっ、オレはこなたと添い遂げる!(ひっく)」

 なんか、二人とも立ち上がってるし――って、拳を握って何する気なの!?

そうじろう「シンくん、君にこなたを護る力があるのかい?(ばきっ)」
シン   「そうじろうさん、貴方を倒してもこなたを手に入れる!それがオレの覚悟だ!(ばきっ)」

 二人とも足止めて殴り合ってるし……しかも、避けようともしないで……な、何してるの~!?

そうじろう「君はこなたを独りにしない覚悟があるのか!?(ばきっ)」
シン   「オレは意地でも生き残って、こなたを愛し続ける!!(ばきっ)」

 うわ~!?シ、シンってば大胆だよ~。わ、私もシンのこと……す、好きだよ。

シン   「つーか、こなたを嫁にして、かなたさんも貰う!つーか、くれっ!(ばきっ)」
そうじろう「つーか、こなたはやるけど、かなたは渡さん!つーか、オレのだ!(ばきっ)」

 ……えっ?

シン   「かなたさんはオレの義母になってくれたかもしれない女性だ(ばきっ)」
そうじろう「こなたよりもかなたを選ぶとは……よく分かるけど、情けない奴っ!(ばきっ)」

 ……あの~、もしもし?

シン   「あと20年早くこっちに来てれば、かなたさんはオレが貰ってた、つ~の!(ばきっ)」
そうじろう「1万年と2千年前から、かなたはオレのものだ、つ~の!(ばきっ)」

 ……シン?さっきまでの熱い告白は何処?此方ではなく、彼方に跳んで行っちゃったの?

シン   「かなたさんはオレがしあわせにする!こなたはあげるから、かなたさんをくれ!(ばきっ)」
そうじろう「かなたはオレのモノだ!こなたをやるから、かなたは渡さん!(ばきっ)」

 ごんっ、ごんっ!

 ビール瓶ってけっこう硬いんだね。
 さて、シンもお父さんもこんなトコで寝てると風邪引くよ~

 ……まあ、今夜はここで頭を冷やさないと駄目だね、二人とも。


 でも、告白されたのには違いは無いし……ちょっと嬉しかったかな?

 ちゅんちゅん……

そうじろう「あれ~、なんか頭が重いな?」
シン   「二日酔いですか、そうじろうさん?」

 居間で目を覚ましたお父さんとシンが不思議そうな顔してる。

そうじろう「あれ、こんな所にアルバム出しっぱなしにしてる?」
シン   「あ、これ、こなたですか?」

 そういえば、アルバムをしまうのを忘れてたね。まあ、昨夜のことを思い出してもらうにはいいかな?

そうじろう「こなたはこの頃はかわいくてね~。『お父さんのお嫁さんになる~』って言ってくれたんだけど……」
シン   「今はゲームとかマンガに夢中で、彼氏を作る気配も無いですもんね~」

 ……おや?

そうじろう「まあ、彼氏を連れてきてもオレが殴るんだけどね」
シン   「その時はオレも殴らせてください」

 ……おやおや?なんか、流れが昨日と違うよ?

そうじろう「つーか、こなたは誰にもやらないんだけどね。まあ、そんな相手ができるとは思えないけど」
シン   「そうですよね~。正直いって、こなたに彼氏とかができるのが想像できないんですよね~」

 ……もう一回殴った方がいいのかな?
 それとももう一回、酔わせたほうがいいのかな?

 えっと……アキバにICレコーダーを買いに行かないといけないかな?

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最終更新:2007年12月02日 10:49
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