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10-269

ある日の事。

廊下を歩くゆたかみなみひよりの三人。

コケッ

「ぅわっ!!」
ひよりは突然、蹴躓いてしまった。

「え…絵描きにとって利き手は命…っ」

少女は咄嗟に利き腕を庇おうと体を回転させて衝撃に耐えようと思わず目をつむる。

しかし、衝撃はいつまで経ってもやって来ない。

ひよりはそこでようやく自分が誰かの腕の中にいる事に気が付く。
恐る恐る目を開けると視界に一人の男子生徒の顔があった。
確か、ゆたかと同じく泉家に居候しているシンとかいう人だ…

「大丈夫か?」
赤い瞳が印象的だった。
「あ…あの。もう、何ともないですから」
自分がお姫様だっこされている事に気が付いて慌て答える。

ひよりを地面に降ろしてやると「これからは気を付けろよ。」と笑いながら言って彼は泉こなたと一緒に行ってしまった。

「シンお兄ちゃん、かっこいいよね。」
彼らに手を振りながらゆたかが言うのを聞きながらひよりは自分の頬が赤くなるのを感じていた。

彼女がシンにお礼を言い忘れた事に気が付いたのはその夜の事だった。

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最終更新:2009年04月15日 00:53
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