その日は、シンが
こなたに頼まれた買い物の帰り道だった。
シン「ん?」
フワッと白い何かがシンの鼻にのった。
それは・・・
シン「あ・・・」
雪だ・・・
シン「・・・っ」
シンは雪が嫌いだった
あの日を思い出すから、嫌いだった。
シン(ステラ)
冬の寒さではない、過去に置いてきた痛みが鋭く胸を突き刺す。
それは自責の念
守れなかった
約束したのに
守りたかったのに
もう失いたくなかったのに
守れなかった
シン「ステラ・・・っ」
過去の現実がシンの心を黒く塗りつぶしていく
シン「 」
胸の痛みに痺れたようにシンは動かなかった
そんなシンの後ろ姿を見た少女は慌ててシンにかけよった。
「シンちゃん!!」
シン「!?」
シンははっとして後ろを振り向いた。
そこには双子の妹、柊つかさが立っていた。心配そうにこちらを見つめて。
つかさ「シンちゃん、どうかしたの?」
シン「あっ、い、いやっ俺は、その・・・」
シンが言葉に詰まっている間につかさは
つかさ「あ、肩に雪積もってるよ!」
と、シンの胸元まで寄って両肩を叩いて雪を払った。
そんな何気ない、しかしつかさらしい優しさがシンの胸を衝く。
シン(あぁ、そうか・・・)
ステラは逝ってしまった。
大事な人はみな死んでいった。
自らも大事な人に引き金を引いた。
それでも
「今の」俺にはまだ、大切な人達がいる
だから今度こそ・・・守る
つかさ「きゃっ!シ、シンちゃん!?」
シンはほぼ無意識につかさを抱きしめていた。
つかさは突然のことに顔を赤くしながら狼狽する。
つかさ「シンちゃ・・・」
シン「つかさ」
つかさ「!?」
つかさは今まで聞いたことのない真剣なシンの声に驚き、声を失う。
シン「俺、みんなを守りたい。つかさも、
かがみも、こなたも
みゆきさんも、
ゆたかもみなみも、みんな・・・ここで出会ったみんなを守りたいんだ!」
それはシンの決意。
この世界で生きていくことへの、決意。
どれだけの時間がたったのか、シンはゆっくりと手をほどき、つかさから離れた。
シン「ごめん、つかさ。急に・・・その、変なこと・・・」
だがつかさは意外なことに笑顔でシンを見ていた。
若干顔は赤いことに、シンは微塵も気付かない。
つかさ「ううん、ありがとうシンちゃん」
(あんな風に「守る」って言ってくれて)
シン「?」
シンはつかさの言葉に怪訝な顔をする。
すると突然つかさが
つかさ「じゃあシンちゃんは私が守ってあげるね♪」
なんて言い出した。
シン「あのなー、俺はつかさに守られるほど鈍ってないぞ?」
つかさ「え~どんだけ~!?」
シン「ははは」
つかさ「もぅ、笑わないでよぉ!」
シン(つかさ、ありがとうな)
ふと空を見ると雪はもう止んでいた。
シンは、また雪がふっても今度は心から笑っていられると思った。
なぜなら、今度は隣に笑ってくれる人がいるのだから・・・
~Fin~
最終更新:2008年05月02日 16:02