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14-44

その日は、シンがこなたに頼まれた買い物の帰り道だった。

シン「ん?」

フワッと白い何かがシンの鼻にのった。
それは・・・

シン「あ・・・」

雪だ・・・

シン「・・・っ」

シンは雪が嫌いだった

あの日を思い出すから、嫌いだった。

シン(ステラ)

冬の寒さではない、過去に置いてきた痛みが鋭く胸を突き刺す。

それは自責の念

守れなかった

約束したのに

守りたかったのに

もう失いたくなかったのに

守れなかった

シン「ステラ・・・っ」

過去の現実がシンの心を黒く塗りつぶしていく

シン「 」

胸の痛みに痺れたようにシンは動かなかった

そんなシンの後ろ姿を見た少女は慌ててシンにかけよった。

「シンちゃん!!」

シン「!?」
シンははっとして後ろを振り向いた。

シン「つかさ・・・」

そこには双子の妹、柊つかさが立っていた。心配そうにこちらを見つめて。

つかさ「シンちゃん、どうかしたの?」

シン「あっ、い、いやっ俺は、その・・・」
シンが言葉に詰まっている間につかさは

つかさ「あ、肩に雪積もってるよ!」
と、シンの胸元まで寄って両肩を叩いて雪を払った。

そんな何気ない、しかしつかさらしい優しさがシンの胸を衝く。
シン(あぁ、そうか・・・)

ステラは逝ってしまった。
大事な人はみな死んでいった。
自らも大事な人に引き金を引いた。

それでも

「今の」俺にはまだ、大切な人達がいる

だから今度こそ・・・守る

つかさ「きゃっ!シ、シンちゃん!?」

シンはほぼ無意識につかさを抱きしめていた。
つかさは突然のことに顔を赤くしながら狼狽する。
つかさ「シンちゃ・・・」
シン「つかさ」

つかさ「!?」

つかさは今まで聞いたことのない真剣なシンの声に驚き、声を失う。

シン「俺、みんなを守りたい。つかさも、かがみも、こなたもみゆきさんも、ゆたかもみなみも、みんな・・・ここで出会ったみんなを守りたいんだ!」

それはシンの決意。
この世界で生きていくことへの、決意。

どれだけの時間がたったのか、シンはゆっくりと手をほどき、つかさから離れた。

シン「ごめん、つかさ。急に・・・その、変なこと・・・」

だがつかさは意外なことに笑顔でシンを見ていた。
若干顔は赤いことに、シンは微塵も気付かない。

つかさ「ううん、ありがとうシンちゃん」
(あんな風に「守る」って言ってくれて)
シン「?」
シンはつかさの言葉に怪訝な顔をする。

すると突然つかさが
つかさ「じゃあシンちゃんは私が守ってあげるね♪」
なんて言い出した。

シン「あのなー、俺はつかさに守られるほど鈍ってないぞ?」

つかさ「え~どんだけ~!?」

シン「ははは」

つかさ「もぅ、笑わないでよぉ!」
シン(つかさ、ありがとうな)

ふと空を見ると雪はもう止んでいた。

シンは、また雪がふっても今度は心から笑っていられると思った。

なぜなら、今度は隣に笑ってくれる人がいるのだから・・・

~Fin~


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最終更新:2008年05月02日 16:02
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