一月一日。泉家。
シン「なぁ
こなた」
こなた「んっ?」
シン「なんでウチはお雑煮を食べないんだ」
こなた「なに、パスタやピザは嫌?」
シン「そうじゃないけど、この国では正月にはお雑煮っていうのを食べるんだろ?
かがみから聞いたぞ」こなた(かがみん、余計な事を……。う~ん。ウチではお雑煮なんて出た事無いから、私、作り方分からないんだよね……。
調べるにしても今からネトゲしたいしメンドいなぁ、でも……)
シン『そっか、じゃあかがみの家ででも食わしてもらおうかな』
こなた(とか言われるのも癪だしなぁ……。そうだ)
シン「一度食ってみたいんだ。よかったら作ってくれないか?」
こなた「……作ってあげてもいいけど、いいの?」
シン「何が?」
こなた「お雑煮。通称、大憎煮」
シン「お、大憎煮?」
こなた「そう、大憎煮」
シン「なんだそれは?」
こなた「日本古来より大憎煮は作る人、すなわち料理人の憎しみを吸収すると言われてるんだよ」
シン「憎しみを吸収? みんなそんなものを、めでたい正月に食ってるのか?」
こなた「いやいや、話はまだ終わってないよ。お雑煮に込められた憎しみを全て飲み込む。
つまり、それだけの覚悟を持ってくれそうな人に振る舞う料理でもあるのさ、
例えば自分の事を受け入れてくれる家族とかね」
シン「なるほど、縁起は悪そうだけど、家族の繋がりを大切にする日本にはピッタリな料理ってわけか」
こなた「それだけじゃないよシン。『毎朝俺の味噌汁を作ってくれ』っていう言葉知ってる?」
シン「それは知ってる。遠回しなプロポーズだろ?」
こなた「今のシンの行動はそれと一緒だったりして」
シン「なに?」
こなた「男から女にお雑煮を作ってくれっていうのは『俺にお前の憎しみも全て飲み込ませてくれ』って言ってるのと同じ事なのさ。つまり……」
シン「つまり……」
こなた「シンのさっきの台詞、この国では遠回しなプロポーズだよ♪」
シン「な、なんだと!///////」
こなた「どうする? 私にお雑煮作ってほしい?」
シン「い、いや、遠慮しとくよ//////」
こなた「そうそう。止めときなさい」
こなた(全く、顔真っ赤にして、可愛い奴。さて、これでゆっくりネトゲが出来――)
シン「そういうのは。ちゃんと覚悟を決めてから言いたいから。もうちょっと待ってほしいし/////」
こなた「えっ……」
シン「じゃ、じゃあ俺部屋でガンプラでも作るわ」
こなた「あ、うん………」シン「変な事言って悪かったな。じゃ」
そうしてシンは自分の部屋に戻っていった。
・・・・・・十秒後。
こなた「お、お雑煮の作り方、少しは勉強しとこうかなぁ//////」
最終更新:2008年03月12日 13:38