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「あーあ、この私がなんでこんな冴えない男と
 一緒にお茶しなきゃなんないのかしら」
「あんたが奢れって言ったんだろ」
「警察に通報されないだけありがたいと思いなさい。
 この私の胸にいきなり顔を突っ込ませてきたなんて
 言ったら即・タイホよあんた」
「だからあれは偶然…」

 靴紐が解けて転んだら貴方の胸に飛び込んでしまった
等と言う言い訳は聞き入れてくれようはずもなく
シンは少女(初対面)にジュースを奢るはめになった。

「まぁでもこれはこれでラッキーだったかしら?
 炎天下歩いてて喉渇いてたしねぇ」
(こっちはとんだ災難だ。それにしても…)

 シンが違和感を覚えるのは少女のその服装。
不似合いな黒サングラスと深々と被った帽子。
明らかに正体隠してますよって格好だった。
「なぁ」
「何よ」
「あんた何者なんだ?名前も聞いてねぇし。
 そのくらい教えてくれたっていいだろう」
「ダメ」
「そこまでして顔隠してる所からすると芸能人か何かか?」
バシッ
「痛っ!」
「余計な事言うんじゃないわよ!!周りが気づいたら
 どうすんの!!」
(芸能人か…)

シンの脳裏には芸能人と言うとある人物の顔が思い浮かぶ。
平和の歌姫と讃えられたプラントのアイドル。しかし
その裏の顔は私兵集団の頭で。洗脳と奇襲攻撃で世界征服
を成し遂げたある芸能人の姿が。

「…」
「何よ」
「いや、あんたも今はこんなだけど、番組とかに出てると
 性格変えたりすんのかなって。妙にお淑やかに振舞ったり」
「余計な詮索すんなつってんのがわかんねーのかコラァ!」
(図星かよ!)
「あんた達はそう言うけどさあ、芸能界なんて世界
 はキャラでも作らないとやってらんないワケ。分かる?
 だいたいさぁ……」
結局2時間くらい仕事の愚痴が続いて解散することに。
その夜、居間で観ていた番組に彼女が出演していた
事には気づかなかったシンだった。

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最終更新:2007年11月13日 09:48
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