「
こなた!あんた先週の日曜日、急用が入ったとか言って私達との予定キャンセルしたけど
シンと一緒に水族館行ってたらしいじゃないの!シンから聞いたわよ!」
こっそりシンとデート(向こうはそうは思ってないかもしれないけど)したのが
バレてしまって、
かがみを先頭に3人に詰め寄られてしまうこなた。
「うわ、バレちゃった…」
「こなちゃん酷いよぅ!」
「私達3人よりシンさんを取られるんですね」
(うわ、3人ともやきもち全開で黒いオーラが出てるよ)
「み、みんなだったらどうする…?」
とっさにそんな質問をぶつけてみると明らかに動揺する3人
「…えっと…もし私がシンさんと…2人で水族館…(ポッ)」
「シンちゃんと二人っきりでイルカショー…えへへ…(ハッ)
と…と、とにかく!私達凄く怒ってるんだからね!」
「べ、別にシンと二人でデートみたいな事してうらやましいとかじゃないのよ!
そ、そう、私達にちゃんと理由を話さなかったのを怒ってるの!」
(う~ん…さすがにみんなには悪い事したかな…)
恋のライバルとはいえ大切な親友でもある3人を裏切ってしまったみたいで
こなたの胸の中には罪悪感が湧き上がっていた。
「…みんな…ごめんね…お詫びに今度の日曜日にいい物を見せてあげるよ」
『いい物?』
こなたの言葉に首をかしげる3人。
「実はシンって土曜日は夜遅くまでバイトしてて、日曜日は予定が無いなら昼前まで寝てる事が多いんだよね~
それがヒント。あとは見てのお楽しみだよ」
今回のお詫びに特別に私とゆーちゃんしか知らないある物をみんなにも見せてあげよう。
こなたはそう思いながら不思議がる3人を面白そうに眺めていた。
そして日曜日。
※以下一部を除いてセリフはヒソヒソ話
「はーい、みんなここからは静かにしてね」
こなたを先頭にこそこそとシンの部屋に突入する女の子4人。
「うわ…男の子の部屋なんて入るの初めてだよ」
「へぇ~思ったより片付いてるのね」
「あの…いいんでしょうか?勝手に入ったりして」
「いいのいいの♪いつもの事だし」
「いつもの事って…普段何やってるんだあんたは」
そんな会話をしながらバイト疲れでスヤスヤと眠っているシンの前まで移動した。
「それじゃあ今から『シンの寝顔を堪能する会』を始めたいと思いまーす」
こなたの合図でみんな一斉にシンの寝顔を覗き込む。
「スー…スー…」
『うわぁ…』
初めて見るシンのあどけない寝顔に3人は声を上げて見とれている。
「シンちゃん…可愛いね…」
「母性本能がくすぐられてしまいますね…」
「シン…あんた…そんな顔するんだ…」
「ふっふ~ん、天使の寝顔って奴なのさ!」
「何であんたが得意げにしてるのよ!」
「そう言いながらも食い入るように寝顔を見ているかがみん萌え(=ω=.)」
「う、うるさい!こんな顔をするシンがいけないのよ!」
「う、う~ん…」
『!?』
その時シンが寝返りをうって固まる4人だったが
体をこちら側に向けただけで起き出す様子は無いみたいだった。
むしろ無垢な寝顔が更に目の前に来てみんな更に顔を真っ赤にする。
「シンさん…その顔は反則ですよ…」
「こなた…あんた毎日こんなの見てるの?」
「こなちゃんだけズルいよ~」
「最初の頃は近づいただけで飛び起きて間接を極められたりしてたんだけどね
今じゃかな~りゆるゆるになっちゃって何をしても起きないんだよ」
「な、何をしてもとおっしゃいますと!?」
「あ、あんた一体シンに何してるのよ!」
「わ、ちょっ、ちょっと、声大きいよ」
その時
つかさが…
「ねえこなちゃん、それって私達がしても大丈夫かな?」
「え?う、うん…シンは寝てる時も無意識に近くにいる人の気配を読んでるみたいで
親しい人とかだったら大丈夫みたい。みんなだったらセーフだと思うよ?」
『ゴクリっ』
3人が一斉につばを飲み込む音がこなたの耳にハッキリ聞こえた。
シンが僅かに意識を覚醒させたのは頭や顔、そして胸や背中に妙な疼きを感じてからだった。
(…ん?またこなたの悪戯か?まったく、しょうがない奴だな~)
まどろみの中で一瞬のん気にそんな事を考えてしまうが、すぐに状況の異様性に気づく
(な、何だ!?明らかにこなた以外にも複数の人間に何かされている?この気配は・・つかさと
みゆきにかがみか!?
3人ともなんでここに!?)
そこでシンの意識は急速に覚醒していき、目を開けたシンの視界に飛び込んできた光景は
信じられない物だった。
「なっ!何やってるんだあんたらはぁ!」
「わ、シンちゃん起きちゃった」
「シンさん、おはようございます」
シンの頭をナデナデしながら髪をクンクンしてるみゆきと
頬っぺたを撫でたりツンツンしたりしてるつかさ。
それまでならまだしも
かがみはパジャマ越しに両手で胸板をさわさわと触ってて
こなたに至ってはシンの背後で横になって背中から抱きしめてきていた。
「お、おはようございますじゃないだろ!みんなして何してるんだよ!」
「『シンの寝顔を堪能する会』を改め『
パルマの仕返しをする会』だよ」
「シンさんの髪…いい香りです…」
「シンちゃんの頬っぺたプニプニ~」
「…あんた結構たくましい体つきしてるのね…」
「体つき?…(ハッ)」
その時になって初めて、一つ屋根の下で暮らしてるこなたはともかく、
他の女の子3人にまで自分のパジャマ姿を見られてるのに気づいてシンは恥ずかしくなった。
「み、みんな出てけーーー!」
そう叫んで布団に潜り込んでしまう。
「何よ、女の子にパジャマ姿見られた位で慌てちゃって」
「今更ですしね」
「でも確かにちょっとドキドキしちゃった」
真っ赤になってるシンを見てみんな面白がってる中
こなたは一人複雑な感情を抱いていた。
(シン…私相手だと平然としてるのは何で…?もしかして女の子として見てくれてないの?)
最終更新:2009年04月23日 21:53