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「スー…スー…」
「ま、参ったな…どうすりゃいいんだよ…こんな格好で放っておくわけにもいかないし…
 かといって下手に触るわけにもいかないし…」
日が傾き始めた元旦の柊家でシンは困り果ててた。

例年より沢山の参拝客が訪れて大忙しの柊家を手伝うために巫女のバイトをしていたシン。
ちょっと張り切りすぎて昨晩から一睡もせず働いていたため
さすがにただおに今日はもう休む様に言われて、
一足先に引き上げてたかがみとつかさがいるであろう居間に来たまでは
良かったものの…

そこでは疲れきったつかさが一人でスヤスヤと寝ていたからだ。
もし普通に寝てるだけだったら何の問題もない。

だけど今のつかさは…
疲れきってたせいか巫女服から私服に着替える途中で力尽きてたみたいで
あられもない姿で眠っていた。
一応キュロットは履きかけてるけどちゃんと腰まで上がってなくて下着が見えている
上も肌着一枚しか着ていなくてそれも盛大に捲れてて、おへそはもちろん胸まで見えかけてる。

昨日こなたに付き合って冬コミに行ったあとそのまま深夜まで巫女の仕事をしてた疲れが取れないまま
今日も働きずめだったせいでヘトヘトだったんだろう。

とりあえず席を外す事も考えたけど
真冬の寒い中こんな格好で寝ているつかさを放っておくのも気が引ける。
「はぁ…しょうがないな…」
とりあえず2階のつかさの部屋から毛布と布団を持って来てつかさの体にそっと掛けるシン。
これでとりあえず恥ずかしい格好を隠せるし寒さは凌げるだろう。


その時…
「良く出来ましたぁ~」
「な!…か、かがみ

隣の台所からいきなりかがみが現れて笑顔で拍手してきた。
どうやら隣で一部始終を覗き見してたみたいだ。

「あんたがこんな格好のつかさを見てるのを発見した時はどうなるかと思ったけど
 結構ちゃんとした対応をしてたじゃないの。もしつかさにベタベタ触ったり
 ほったらかしにしたりなんかしたら
 蹴りの1発でも入れてやる所だったけど少しは見直したわよ」
そう言ってニヤニヤしながらシンの背中をポンポンと叩くかがみ。

「何もしなくてもダメって…それってよほど上手く立ち回らないとほとんどアウトになってしまわないか!?」
「私に助けを求めるとか触り過ぎないようにしながら起こすとかあるでしょ?
 ちなみに今回は、お布団を掛ける為とはいえ女の子の部屋に勝手に入ったから
 70点って所かしら♪」
「ず、随分と減点されるんだな…」
かがみの理不尽な判定と辛口の点数にげんなりしていると…
「う~ん…バルサミコス…」
つかさが寝返りをうって少し布団がはだけてしまった。

「そ、それはともかくつかさを何とかしてくれよ。さすがにただおさんとかに
 見られたらちょっとまずいだろう」
「はいはい …ほらつかさ~!寝るならちゃんと服着てから寝ろ~」
「う~ん…後5分だけーほんとにー」
かがみは布団を剥ぎ取るとつかさの肩を揺さぶりながらもテキパキを服を着せだして、
それを見て慌てて後ろを向くシン。

「なんていうか…随分手馴れてるな…」
「まあね、伊達に寝起きの良くないつかさの姉を18年間もしてないわよ
 それはそうとあんたも少しは寝たら?つかさのお礼に私のベット使っていいわよ?」
「かがみのベットで!?それはさすがに…まずくないか?」

「構わないわよ、タンスの中とか覗いたらただじゃおかないけど」
「そ…それじゃあ」
しばらく躊躇してたシンだったが睡眠欲には勝てないみたいで
そそくさと2階へと上がっていった。

(作戦成功♪これで私のベットにはシンの匂いがたっぷり染み付くわね。今夜が楽しみ~♪)

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最終更新:2009年05月30日 20:00
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