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「それじゃあ結局みんなまだ渡してないんだね…」
バレンタインデーの今日、各々シンに渡すチョコを用意したものの
中々渡す機会が出来ずにもどかしい思いをしている4人。
ご飯を食べた後屋上でお互いの首尾を語り合い憂鬱な気分になる。

「こなちゃん達にはすぐ渡せるけど、男の子にあげた事なんて無いから
 やっぱり緊張しちゃうよぉ~」
「私も初めて事なのでどうしても緊張してしまいます」

「み、みんな何弱気になってるのよっ 義理だと思えばいいじゃないのよ義理だと思えばっ」
かがみん、そんな気合入ったチョコを用意していて義理も何もないよ思うよ」
「う、うるさいわねっ」

4人『ハァ…この中の誰かが渡したら私も渡しやすくなるんだけど…(ですけど…)』

知らない人に先を越されたりしたらショックだけど
親友だったら逆に自分も渡す勇気が沸いてきそうな気がする。

ジャンケンでもして順番を決めて人柱を立てるか
逆にいっそ力を合わせて4人で同時に渡しちゃうか
色々試行錯誤してると…

「みんなここにいたのか」
いきなりの本人の登場に固まる4人。
「シ、シン、どうしたの?」
「どうしたもこうしたも無いだろ。みんなメシ食べ終わった途端いなくなるんだからな。かなり探し回ったぞ」

わざわざ探し回るほどの用事ってなんだろう?
ま、まさか図々しくもチョコの催促!?
みんなそんな事を考えていると…

「ほらみんな、ハッピーバレンタイン」
『……は?』
シンはいきなり全員にチョコレートを渡してきて、完全に予想外の行動にみんな再び固まる。

「な、なんだよ!何か言えよ!もしかして嫌だったのか!?」

『………(汗)』
「そ…そういえば他の国でのバレンタインでは男性の方もチョコを渡すと聞いたことが…」

『……ぷっ あははははははははははっ』
一気に大爆笑する4人

「シンッ 凄い! 凄いよ! 凄いボケだったよ! だ、ダメ、苦しい!腹筋死ぬwww」
「み、みなさん、ダ、ダメですよっ シンさんの世界じゃ普通の事なんですから……ぷっ、クスクスクス」
「だ、だって、シンちゃん男の子なのに…ぷくく…可愛い~ あはははははっ わ、笑いすぎてお腹が痛いよぅ」
「シ、シンのせいでホワイトデーにもチョコ用意しなくちゃいけなくなったじゃないのよw い、息が出来ない あははははははっ」

「み、みんな何笑ってるんだよっ せっかくの今日の為に手作りチョコを作ったのに!」

『バ、バレンタインに男の子が手作りチョコ!?……ぷっ あははははははははははっ』




しばらくして…
「そ…そうだったのか…orz」

「まあまあ、お国柄の習慣の違いだししょうがないよ」
「シンちゃん、ホワイトデーを楽しみにしててね。
 何だかホワイトデーに男の子にチョコ渡すのって面白そうで今から楽しみ~」

さっきの憂鬱な雰囲気はどこへとやら、みんなスッカリご機嫌になってた。

「それはさておき…みんな、用意はいい?」
「ええ、もちろんです」
かがみの合図でシンの前で横に並ぶ4人

「ん?なんだ?」

「シン」
「シンちゃん」
「シン」
「シンさん」
『ハッピーバレンタイ~ン』

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最終更新:2009年06月30日 00:12
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