2-231

2-115の続き

シン「…バ…バカなッ…!!!」

 噛ませ犬の臭いがプンプンする台詞を吐くシン。そのセリフからもわかる通り、シンの戦績は散々なものだった。
こなたに負けるのは勿論のこと、かがみのデュエル、つかさのグーンにすら…手痛い敗北を喫したのだ。それも…何度も…!

かがみ「弱いわね…。っていうか、弱すぎ!」
つかさ「お姉ちゃん…そこまで言わなくても…!シンくん、今日はちょっと調子が悪いだけなんだよ…きっと」
かがみ「だからって、アンタが使ってた機体に普通負けたりする?アイツが使ってた機体…デスティニーのくせに」

 そう、シンが使っていた機体は常にデスティニーだった。シンはいかなる時であろうと本気である。
しかし、それゆえに敗北という現実がシンの胸を締め付けていく…。

シン「くそッ!!なんでアンタらなんかに…!!もう一度…もう一度勝負しろッ!!!今度こそ…汚名挽回だッ!!」
かがみ「見苦しいわね。始めは(獅子はウサギを狩るのにも全力を尽くす)とか言ってたくせに…そのウサギの私にボロ負けしてちゃあ世話ないわよねぇ…」
シン「ぐぅぅぅううう…!!こ…このォォッ!!!」

 シンは歯軋りするしかない。だが、何かを言い返そうとしても、その言葉がシンには思いつかないのだ。
シンはしょせん敗者。敗者にはどのような権利も持たされてはいない…。
だが、屈辱にまみれたシンの表情を見て…こなたはあることを感じ取っていた。

こなた「そろそろ…くるかな…」
つかさ「へ?…こなちゃん、なにがくるって?」
こなた「シンがそろそろ壊れて、本性を垣間見せるってことだよ…」

 すると、こなたの目論見どおりか、精神に異常をきたしたかのように…シンは何かうわ言のようなことを呟き始めた。
シン「もう獅子に…敗北は…許されない…。オレは…勝利して…支配するんだ…」」
こなた「…精神テンションを必死に上げている…。これは…変化の予兆!くるよ…あの波動に目覚める時が…」
かがみ「こなたもシンも…さっきからアンタたち…何言ってるのよ?」

 すると、部屋の空気が一瞬にして変わった。あまりに重々しく…殺伐とした雰囲気へと…。
無論、その部屋の空気を一変させた者とは…シン・アスカである。

殺意シン「…ここでの生活に慣れてしまったせいかな…?オレは…忘れていたよ…!勝つためには…全てを捨て去るぐらいの覚悟がなくてはいけないことを…!
      アンタらが…オレの目を覚まさせてくれたんだ…!礼を言うぞ…!!」
 一瞬にして禍々しく、シンは変貌を遂げた。その全身から赤黒いオーラを噴出させている。そして瞳には、もはや迷いの色など微塵も感じられない。
下手をすれば、平気で犯罪にでも手を染めそうな…危険な雰囲気を醸し出していた。

かがみ「シン!?ア…アンタ、一体どうしたのよ!?」
殺意シン「…シン?そんな名なんて、オレにはない…。
     ただ、オレが追い求めるものは…絶対なる勝利…!!…それを手に入れるために何もかもを捨てた…名もなき戦士さ…!
     さぁ、コントローラーを取れ…!これからが本番…!パーティーの…始まりだ…!」

 そういってシンは獲物(かがみ)を見て舌なめずりした。…結局、三流のすることであるのに間違いは…ない。

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最終更新:2007年11月11日 01:37
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