アットウィキロゴ
鷹山の好きな言葉、というよりモットーは、井伏鱒二が訳した『勘酒』です。
この詩は中国で300年ほど続いた唐の時代、特に晩唐のもので、五言絶句の唐詩です。

原文はこちら。

勘酒    (酒を勧む)
勧君金屈巵 (君に勧む金屈巵(きんくつし))
満酌不須辞 (満酌辞するを須(もち)いず)
花發多風雨 (花發(ひら)けば風雨多く)
人生足別離 (人生別離足る)

この詩をただ単に訳すと、

酒を勧める
君に黄金の杯を勧める
このなみなみと注がれた酒を断ってはいけない
花が咲くと雨が降り、風も吹いたりするものだ
人生に別離は当然のことだ

となります。

この詩を一気に有名にしたのは、井伏鱒二の名訳です。
後半の二行、「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」と訳されたものが寺山修二や井伏鱒二の弟子、太宰治の小説やエッセイなどの中で広く有名になっていきました。

その井伏鱒二の名訳はこちら。

この杯を受けてくれ
どうぞなみなみ注がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ

有名な後半の二行を、漫画か何かで読んだ時に、語感がいいなあという理由で好きになりました。
最初は「さよならだけが人生だ」とか、なんか切ないなー、花に例えられてるし、人生とは花のように儚くすぐに別れてしまうもの…。あーやっぱ切ない、と思ってました。
でも実は、「さよならだけが人生だから、今この出会い、時間を大切にしよう」という意味なんだそうです。
ほんと名訳過ぎますね。
最終更新:2011年12月16日 02:23