漫画
全10巻
原作者 芦原妃名子
少女漫画 『Betsucomi(小学館)において2003年5月号から2006年7月号まで連載
  • ストーリー

主人公の植草杏は、12歳の冬に両親の離婚を機に母親 美和子の実家・島根に越してきた。田舎独特の雰囲気をなれなれしくプライバシーが無いと感じた杏。だが、近所に住む北村大悟と知り合い、徐々にその田舎の雰囲気に慣れていくようになる。

そんな中、彼女を支える母親が仕事中に倒れてしまい、自分が「がんばれ」と言って母親を追い込んでしまったと責任を感じた杏は、母親を少しでも助けようと仕事を探す。そして大悟と共にお手伝いに行った村の地主「月島家」で、杏は同い年の月島藤と妹の椎香に出会う。

4人はいつしか行動を共にするようになり、杏は嫌で嫌でたまらなかったこの村に居場所を見つける。

しかしその後近くして、杏の母 美和子が生きることに疲れ、自殺をする。杏は葬式の席で、島根に来る途中に仁摩サンドミュージアムで美和子に買ってもらった砂時計を、悲しみのあまり美和子の遺影に投げつけ壊してしまう。そんな杏に大悟は、壊れた砂時計と同じものを杏に渡し、ずっと一緒にいることを約束する。杏も大悟とずっと一緒にいられるよう願う。

やがて時が経つと、大悟の間には恋心が芽生えていき、2人は付き合うようになる。

しかし、杏の父親が杏を迎えに来た為、杏は高校の3年間は東京に住むことになり、2人は遠距離恋愛になってしまう。始めのころはうまくいっていた2人だったが、東京と島根という遠距離、藤のずっと募らせてきた杏への想い、椎香の大悟への想い、更に、杏の心の奥底にはいつも母親の影が存在があった。
そして、ある事件をきっかけに、杏は大悟と別れることを決意する。

少女から大人へと成長する中で、様々な恋や別れを繰り返してゆく杏。しかし、杏の心の中は常に母親の存在で支配されたまま…でもそんな中に、ずっと心の支えとなっている大悟の姿も確かにあった。

周囲が徐々に新たな幸せを見つけ出していく。

そして、大悟と杏は結婚して、子供が生まれる。


登場人物

  • 杏ちゃん
    元気な明るい性格だけど、母親の自殺をずっとひきづってしまう繊細な子。
    両親の離婚を期に母親と島根に移り住む。
    後に離れて暮らしていた父親に引き取られて東京へ
  • 大悟
    杏が田舎に慣れず一人泣いていた時に偶然出会った島根での
    初めての友達であり初恋の相手。
    男らしく、不器用だが、優しい性格で、杏の母が自殺
    をしてからずっと杏の生きる支えとなった。
   村の地主 月島家の御曹司。
   一見クールに振舞っているが、情に厚く優しい。この人もかなり
   重たい出生の秘密を背負っていてかわいそう。杏の事が好きだけど
   彼女の大悟への気持ちに遠慮してこの想いを秘めている。
  • 椎香
   村の地主 月島家の令嬢 藤の妹
   温和でおとなしい性格に加え、端正な顔立ちで男子にもてる。
   そんな理由でか杏たち以外の友達はほとんどいない。
   家ではほとんど用事を押し付けられることがない為、用事を頼まれるのが好きで、
   完全なパシリ体質。

杏の親族
  • 植草 美和子
杏の母親。夫との離婚を機に、娘の杏を連れて島根の実家に戻ってきた。しかし、自殺をしてしまう。大悟の母親・広子とは高校時代からの同級生。
  • 水瀬 正弘
杏の父親。普段は頼りなくのんびりした雰囲気を持っているが、肝心な時は美和子よりもしっかりしている優しい人。杏が12歳の時美和子と離婚、事業の失敗による借金を独りで背負い返済を続けた。杏が15歳の時に再び東京で二人暮らしを始める。その後、高校時代の同級生である楓と再婚し、娘を一人もうける。
  • 植草 美佐代
杏の母方の祖母であり、美和子の母親。母親が亡くなってから杏が15歳の時まで親代わりに杏を育て、それ以後も杏のことを見守り支え続けた。
  • 黒木(水瀬) 楓
杏の父親の再婚相手で、義理の母。杏の父親とできちゃった結婚を決め、後に千衣という女の子をもうける。さっぱりした性格。
  • 水瀬 千衣
杏の父親・正弘と楓の子で、杏とは異母姉妹となる。杏とは19歳差だが、対等な立場でとても仲がよい。
  • 朝田リカ(あさだ りか)
杏の友達の一人で、一番の仲良し。
  • 平川実茅子(ひらかわ みちこ)
杏の友達の一人。あだ名はみっちょん。
  • えだっち
杏の友達の一人。杏の友達の中で一番冷静で穏やか。本名は枝元。
  • 園田洋介
藤の友達で杏の友達・みっちょんの彼氏。さわやかな好青年。後に、みっちょんとは別れることになる。
  • 楢崎 歩
杏の中学時代の同級生。中学時代は大悟と同じ柔道部に所属しており、大悟に恋心を持ちアプローチしていた。
  • 大木 武志
大悟の友達で、杏とも中学時代の同級生。飲み会で仕切るなど、非常にノリの良い明るいキャラ。
  • 佐倉 圭一郎
エリート会社に勤める商社マン。杏と婚約して結婚寸前までいくものの、結局破談。海外赴任の為渡米し、現在はニューヨーク暮らし。
  • 最上 茉莉子
藤と椎香の従姉で、藤が上京した時に居候していた家の娘。藤より2歳年上で、後に交際を始め結婚する。
  • 月島 志津代
藤と椎香の母で、月島家の後妻。20代の頃、見合い結婚で15歳年上の旦那と出会い、大阪から月島家に嫁いできた。
  • 高杉 恭一
藤と椎香の母・志津代の昔の不倫相手であり、椎香の実父。
  • 北村 広子
大悟の母親。杏の母・美和子とは高校時代からの友達で、同じコーラス部に所属していた。
最終更新:2011年12月14日 19:20