父親のGJの話。

父親のGJの話。
うちは自営業してんだけど、何年も商売してると年に2度や3度くらいは右翼団体が
「寄付のお願い」に参上する。もっとも、この「寄付」ってのは要するに
たかりみたいなもんで、一回でも払おうもんならそれをキッカケにどんどんたかられるらしい。
父が会社にいないときは「社長がいないので・・・」と俺やオフクロが無難に対応するんだが、
こういう輩は一回来ると何度も来る。まあ何度もスルーしとけば向こうも商売だから
無茶しないのはわかってるんだが、鬱陶しいと言えば鬱陶しい。
で、たまたま親父が事務所にいた時にこの右翼が「お願い」に来た。
最初は普通に客が来たのかと思って、親父は自分が社長である事を明かしてしまう。なんらかの回答をした上で、上手にこの輩を追い返さないといけない。
いいなりになったらタカられるし、逆上させて付きまとわれても面倒な局面。
俺はハラハラしながら、事務机で業務をするフリをしながら聞き耳を立てていると、こんなやりとりだった。

右翼(ドスの聞いた声で威圧的に)「北方領土返還の運動に協力してほしいんやけど 寄付に協力してもらえませんか?」(ドスの聞いた声で威圧的に)
父「あ?オタクもやってはるんですか?いや、実はウチももうしてますねん。」
(もちろんカマシ)  右翼(急に態度を変え)「え?そうですのん?どちら(の組織)で?」
父「それはお互い言わんほうがええでしょう。そちらも困ると思いますよ。」
右翼「それもそうですな。ほなしゃあない。まあお互いがんばりましょ。」
ものの5分で、スマートに追い返した。その後はピタっと「お願い」には来なくなった。
親父は「ああいうのはナワバリがあるから、他所の組織が絡むような面倒なのには 手を出さないもんや。」

当然、親父は全くのカタギ。咄嗟の機転でそこまで思いついた事と、それを事も無げに渡り合った度胸に息子ながら感心した。

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寄付 893
最終更新:2011年09月26日 15:29
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