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お梅

おうめ

種別  
別名 風呂ノ谷のお梅
住所 徳島県美馬郡穴吹町風呂ノ谷
特徴  明治維新以前、ある盆の夜のこと。村の庄屋の広庭で廻り踊りが開催され、これに吉平という唄の上手な男が参加していた。村人達は吉平の見事な節回しに酔わされて踊り抜いたが、朝になってみると吉平の行方がわからなくなっている。村人が近村数里を捜し歩いたが見つからず、昨夜の吉平の音頭が素晴らしかったために魔物に嫉まれたのだろうということになった。そこで村人が竹槍や棍棒を手にして風呂ノ谷へ向かうと、吉平が1匹の古狸と睦まじげに囁き合っているのを発見した。村人に気付いた狸が去ると、吉平はその場に倒れてしまった。家に連れ帰って介抱したが、吉兵はぐったりとしたままで、やがて「お梅、お梅」と叫んで息絶えてしまった。人々は、風呂ノ谷のお梅という狸が踊りの晩、若い女に化けて群衆に紛れ込んでいるうちに吉平の声に惚れ込み、踊りの済んだ後に風呂ノ谷へ引っ張ったのだろう、吉平は狸と交わったために精気を吸われて衰弱してしまったのだろうと噂したという。
資料  『阿波の狸の話』笠井新也
最終更新:2011年08月17日 19:36