香水とは

香水の種類

日本語では「香水」という呼び名だけだがフランスでは、パルファムやオードトワレ、オーデコロンなどと呼び分けられます。それらにはどんな違いがあるのでしょうか?


 

カテゴリー(*1) フランス語(*2) エタノール濃度(賦香率)(*3) 持続時間(*4) 特徴(*5)
Parfum(P) パルファン(パルファム) 15~30% 5~12時間 濃度が高いため少量で効く。価格を高めに設定するメーカーが多い。
Eau de Parfum(EDP) オーデパルファン(オードパルファン) 10~15% 5~12時間 パルファンに近い濃度ながら価格を押さえている商品が多い。
Eau de Toilette(EDT) オーデトワレ(オードトワレ) 5~10% 2~5時間 数時間でほんのり香りが残る。日常的に使いやすい濃度かも
Eau de Cologne(EDC) オーデコロン 1~5% 1~2時間 薄くライトに香るのでシャワー感覚で。

(*1)まだいろいろある。たとえばオードトワレに近い「トワレ」など。
(*2)香水関連用語は世界的にフランス語が多用されるケースが多い。たとえば、英語ならFor Men(フォーメン)をPour Homme(プールオム)という言い方をする
(*3)法律で決められているわけではない。メーカーの戦略によって濃度は変化する。
(*4)実は何をもって持続時間とするか悩ましい問題。ムスクのように残香性のある香料の場合、トワレでも24時間以上香る

 

香水の香りのたち方

 

香水は様々な香料から構成され、全体としてひとつの香りにまとめられていますが、実は完全な単一成分になったわけでも、単一分子になったわけでもないの で、肌につけてから揮発し香る過程で、香りやすい成分から順々に飛び出していきます。その結果、時間とともに香水は香りのグラデーションを描きながら、ど んどん変化していきます。

まずはエタノールが飛びます。純度の高いエタノールはそんなに強烈ではないのですが、多くの人が「ツンとくるニオイ」と表現し嫌われる傾向にあります。しかし、ムエット(匂い紙)なら2、3回振るだけでアルコール成分はかなり飛びます。

そして、最初に華やかに香るのがトップノートです。激しく揮発するので華やかで印象深い香りですが、これは打ち上げ花火と同じで持ちません。すぐに衰えま す。柑橘系の香りには多いタイプです。5~10分後くらいにはしっかりした落ち着いた香りが訪れます。おそらく香水の香りの一番のボディに当たる部分がこ こだと思います。これがミドルノートです。

しかしこの香りも時間とともに穏やかに衰え、最後は余韻を残すかのような香りが訪れます。これはラストノートと呼ばれます。

一般的に下記のように3段階で香水の香り立ちの変化を表現します。
 

  • トップノート : ~10分程度。香水の第一印象
  • ミドルノート : ~3時間程度。香水のボディ
  • ラストノート : ~12時間程度。香水の余韻


しかし、これは便宜的に分類された香り立ちの変化で、実際は「グラデーション」的に変化します。ラストノートはベースノート、ボトムノート、ラスティング ノートと呼ばれることがあります。香料の種類によってはラストノート向きかどうか決まりますが、一般的に動物性香料、ウッディ系香料は持続力が強く、場合 によって24時間以上香り続けます。

周囲の人への影響も考えて香水をつける場合、香水をつけるタイミングはよい印象を与えたいその人に会う前の30分くらい前がよいでしょう。ミドルが本格的 に立ち上がり香り元気だからです。しかし、香水は商品ごとに一番良い香り立ちが訪れる時間と、それ持続時間が違いますので、自分のお気に入りの香水でその タイミングをある程度観察しておくことは、香水を効果的に利用したい人にとって、ちょっとしたテクニックです。

 

香りの種類

◎香水のタイプ別種類一覧リスト:

系統(香水のタイプ) 説明(香水のイメージ)
シトラス系 レモン、オレンジ、ベルガモット、マンダリンなど柑橘系を中心にした香り。柑橘系は香りの飛びが早い(とくに天然香料)ためライトに香らせたいときに便利な系統。アクティブな印象アリ。CK ONE、4711、オーデコロン・エルメスなど
シングルフローラル系 ブーケタイプの反対にシングルの花を感じさせる香調。ディオリッシモなど
フローラルブーケ系 フローラル系ながら、複数の花を感じさせるブーケタイプ。『ジョイ』、『レール・デュ・タン』など
フローラルアルデハイディック系 フローラル系ながら、アルデハイド系合成香料を含む神秘的なフローラル。『アルページュ』『シャネル5番』など
オリエンタル系 西洋人から見た東洋的でエキゾチックなイメージ。おそらく日本や東南アジアではなくアラビアなどの中東的な意味が大きい。アンバーやムスクなどの動物性香料やウッディ系香料が多用されセクシーなものが多い。オピウム、スカルプチャー、サムライ、エゴイストなど
グリーン系 植物の葉や茎を折ったときに感じるグリーン感のイメージ。ナチュラル系とも言う。ユニセックスでハーバルな印象あり。インウイ、シャネル19番、ヴァンベール、ポロスポーツ、ロマンスメンなど
シプレー系 コティ社『シプレー』が代表作。オークモス(樫の木にに生えるある種の苔)をベースにベルガモットなどが使用された。フォーマルなシチュエーションに合う、シプレー、ミツコ、ラッシュ2、ポロ、エンヴィ
フゼア系 シプレー系と同列ながらややメンズ向きの落ち着いた香調。フォーマルなシチュエーションに合う。エゴイストプラチナムなど

 

最終更新:2014年03月03日 20:54