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新村出「言林改訂版凡例追記」

凡例追記
昭和二十四年三月「言林」刊行以来満八年を経過したが、その間常に研究を重ね、社会の進運と切実な要求に応じるため、最新にして引きよい国語辞典とするため、ここに改訂版を発行するに至った。よって修訂を加えた点を左に述べてみよう。
①旧版にある語の外、その後、新聞・雑誌・ラジオなどによくあらわれるようになった最新流行語などをできるだけ多くとり入れた。
②当用漢字尊重の見地から、説明文においてもできる限り当用漢字を使用し、当用漢字でない漢字の下には振仮名を付し、文部省発表の「同音漢字による書きかえ」をとり入れ、ヘディングにおいても参考のため左記のように旧漢字を()の中に入れて示した。
英知(叡智)、活発(潑)、希(稀)釈、漁労(撈)、弦(絃)歌、車両(輛)、障害(碍)、蒸留(溜)、沈殿(澱)、停(碇)泊の類。
③辞書のヘディングの並べ方については、発音的かなづかい法によるもの、現代かなづかい法によるものなどがあるが、それぞれ一長一短がある。すなわち学生は教科書などのことばを引く上から、現代かなづかい法によるのを便利とするが、まだこのかなづかいに習熟しない人人は、発音的かなづかいを便利とする。よって本辞典はこの両者いずれからでも引かれるように工夫した。すなわち
かたづく、ちかぢか、ちぢむ、つきづき
のように、現代かなづかいと発音的かなづかいによって、かなのつかい方がちがうものは、それぞれのことばを出し、かつ発音的かなづかいによる語の説明文の下に[現]として現代かなづかいの語を添付した。すなわち
ちかず・く【…づく】〔近付く〕……説明文……[言]ちかづく。
ちかづ・く[近付く]↓ちかずく。の類。
④動詞・形容詞の口語の下には[文語]として文語並びに活用形を示し、文語と口語のヘディングの位置が接近している場合は、煩を避けるため文語を省略した。
⑤理解を助けるため適宜図版を入れた。
⑥以上の①-③までの修訂は、これまでに刊行されたどの国語辞典にもまだ見られないところで、本国語辞典がほこり得る点である。
昭和三十二年一月
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最終更新:2026年05月25日 09:03