助辭は自己單獨では一詞を成さず必ず完辭と結合し完辭と共に一詞を成す原辭であつて、自己に實質的意義が無く唯形式的意義を有するものである。「を」「に」「たり」「めく」などの類がそうだ。
助辭に一般性助辭と特殊性助辭との二種が.有る。助辭といふ語を狹義に用ゐて一般性助辭を單に助辭と云ふ場合が多い。そうして特殊性助辭は之を接辭といふ。
狹義の助辭即ち一般性助辭は詞の文法性質を表す助辭であつて一般の場合に必要なものである。これを動助辭、靜助辭、頭助辭の三種に分ける。
動助辭とは活用即ち語尾の變化が有り且つ他語の下へ附くものである。「行きたり」「捨てらる」の「たり」「らる」の類がそうだ。『たり」は「たら」「たる」「たれ」と活用し、「らる」は「られ」「らるる」「らるれ」と活用する。
靜助辭は活用即ち語尾の變化が無く且つ他語の下へ附くものである。「花を」「人に」「行きて」「歸れば」,「遠くは」「近くも」の「を」「に」「て」「ば」「は」「も」の類がそうだ。
頭助辭は他語の上へ附く助辭であつて且つ活用のないものである。「御心」「御情」の「み」「おん」の類がそうだ。
接辭則ち特殊性助辭は詞の文法上の性質を表すのでなく、その必要が助辭よりも遙に特殊なものである。その中
初櫻 新枕 深山 眞心 小夜 小川 不心得 無考へ
の「初」「新」「深」「眞」「小」「小」「不」「無」などの樣に他語の頭へ附くのを接頭辭と云ひ、
一 嬉しさ 深さ 繁み 清ら
二 春めく 生めかし 翁さぶ 都ぶ
の「さ」「み」「ら」「めく」「めかし」「きぶ」「ぶ」の樣なものを接尾辭といふ。その中(一)は活用が無く(二)は活用が有る。
最終更新:2015年07月19日 21:02