みやま零を欠き、方向性を見失っていた130cm。
泉水いこのエンジンが掛かり始めたのは鬼うた発売半年前、年末年始の頃であった。
全員黒髪・『依存少女たちによる嫉妬・修羅場AVG』とコンセプトが分かりやすく、メイン声優兼歌手にRitaを起用したことにより期待値は上がる。
加えて、今までにない更新頻度とテンションで書かれた開発日誌は、スレ住人からは笑いから尊敬の念に変わりつつあった。
タントゥー(メディオ特典担当)が発売2ヶ月前から販促活動をしていたりと、異様な盛り上がりを見せていた。
作品スレが立ち、初回特典(ボイスCD)のサンプルが公開された頃には盛り上がりがピークに。
作中の姫歌派・小春派の対立を実際に見るかのような雰囲気に包まれた。
無事予約した鬼うたを手にし、向かった先は秋葉原某所。
『ビバ!黒髪!!ジーク!ヤンデレ!!』とひたすら叫ぶ姿はもはやカルト宗教。
そんな彼らも、本作が別の意味で盛り上がっていることを知るのは帰宅後だ。
泉水いこの変態性癖晒しゲーと思われた本作は、後半多分に超展開を含む鬱・グロ要素込みのゲームであった。
かといってヤンデレ好きに絶賛されたかと言うとそうでもなく、彼と一般のヤンデレ観が違うのか、はたまたクオリティが足りなかったのか…。
ありがちではあるが、共通シーンが長いため個別が相対的に短く、また本番の少なさも指摘された。
ゲームの中で方向性を見失ったのであろうか。130cmの迷走はまだまだ続く。
とはいえ、ゲームとしては成り立っている上に原画・シナリオ・音楽に致命的な欠陥があるわけでもない。
興味深いことは、工作板のスレは阿鼻叫喚であったが、13cm/130cmスレは淡々と進行していたこと。
もともと13cmは『好き好き大好き!』『ネコっかわいがり!』などアクの強いゲームを多数送り出しているブランド。
そういった訓練された人々は耐性があったのかもしれないが、少し有名になりすぎたのだろう。
既にFDが発表された本作。FDは現在の情報を見る限り今度こそ姉とのイチャラブに終始すると思われる。
泉水いこの身体に心配しつつ、FDにより生まれ変わった鬼うたを待とう。
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