452 :はにかみCLOVER選評:2016/03/15(火) 12:09:41 ID:dS/ZsaeQ
メーカー;すたじお緑茶
発売日;2016-年1月29日
値段;8,800円+税
まず製品の外箱に書かれている「コンセプト」を紹介しよう。そこにはこう書かれている
【CONCEPT!】
お人好しの主人公、柊大和は転校した先で4人の女の子と出会います
彼女たちには何か秘密がある様子。それを知ってしまったことで、彼はまたもトラブルに巻き込まれてしまいます
それらトラブルを解決していくうちに、徐々に距離が縮まっていき、お互いの気持ちを通わせていきます
ちょっとだけ不思議なことは起こりますが、極端な展開や、変にシリアスな展開などない、
本当に女の子とのラブを目指した物語です
(以下略)
では実際に話を進めてみよう。
プロローグは「こんな中途半端な時期に転校したのは前の学園でやらしたが後悔はしていない」の、説明台詞で始まり、
転校初日(の、登校)→通学路で猫を助けてかすり傷→ヒロイン出て来て軽く手当→実はそのヒロインがクラスメイトだった!
→しかもその子は自治会長で主人公の悪い噂を前もって知らされており、以後ツンへと変わる!
と、悪い意味でテンプレを裏切らない展開になっている
ここでプロローグは終了しOPソング(良くも悪くもない)が流れた後、主人公は寝過ごしたと飛び起き、慌てて朝の支度をする
しかし既に一ヶ月が経過していた。何を(ry
主人公は無難にクラスへとけ込み友人(立ち絵あり)を複数得て、全てのヒロインと顔見知り状態である
ここで公式のあらすじを確認してみる
【公式HPより】
お人好しで自分からトラブルに首を突っ込みたがる主人公、柊大和。
その性格故に、通っていた学校から転校することになってしまう。
その転校先は、統廃合によって共学化されたばかりの元女子校、星凜館学院。
中途半端な時期に転入してきた大和に戸惑うクラスメートたちだが、
彼の人の良さに触れていき、次第に大和のことを認め始めていく。
(以下略)
うん、「次第に」は無かったね。OP流れたと思ったら即・仲良くなっていた。しかも全員と
参考までに挙げておくが、同メーカー前作の南十字星もプロローグ終ったら一ヶ月経過状態だった
ただしヒロインと顔見知りにはなっておらず、少しの友人(モブ)と仲良くなってるだけであり、ここまで大胆なショートカットはしてない
きちんと本編が始まってから、それぞれ導入を経てきちんと紹介されていく事も付け加えておく
こんな具合に話は進んでいく。全体的に大雑把or以下略的な展開が多い
以後ネタバレになるため、未プレイもしくはネタバレが嫌な人間は注意して欲しいが……ヒロイン達と付き合っていくうちに、
彼女達の秘密を目にする事になる。しかしそのバレるまでの展開も中々凄い
1.主人公が教室でふざけていたら制服が破れる
2.メインヒロイン(ツンデレ)が「帰りまでには繕っとくから、取りに来なさい」と預かる
3.放課後、主人公が自治会室まで取りに行くと、鍵は締まっているが中から彼女の声らしきものはする
4.扉の窓から覗く(※ほぼ原文ママ)と、主人公の制服を使ってオナってるヒロイン(ツンデレ)の姿が!
……ツッコミどころが多すぎる
翌日、制服を返して貰いながら「あれは夢だったんじゃね?」と主人公は考え、その日も自治会室へ行く
するとなんということでしょう、そこには今日もオナ(ry
しかも盛り上がっちゃったのか、二戦目は途中から全裸(+ニーソ)でオナ(ry
主人公は数日間悩んでからオナヒロインから事情を聞き出そうとする
「そっとしておいてあげて!年頃なんだから!生理現象だから!」みたいな考えにも至らず、
「常日頃から性的な話題に厳しい生徒会課長なのにおかしい!」と突っ走る主人公はバカである
というか「キミ自治会室で俺の服でオナってたよね?」とでも問い詰めるのか
さて、いざ問い詰めようとするもののオナヒロインは貧血で倒れる。保健室へ運び、擁護教師が席を外しても、持ち前の責任感()で付き添う事に
そして当然のように主人公は人が変わったオナインに逆レイプ(フェラだけ)され、事後にカミングアウトされる
「私は、人間じゃないの」、と
ここでヒロイン紹介。紹介文はパッケージの裏面より
○佐伯莉緒――男嫌いなツンツン自治会長さん→デレデレさん
○柊すみれ――完璧妹→ダメ兄製造器な妹
○周防えみる――学院のお姉様→凄くえっちな彼女さん
○碓氷真希奈――不思議ちゃん先輩→甘々に甘え上手
オナイン(莉緒)曰く、母親が淫魔で男を取っ替え引っ替えしていたため、だらしないのが嫌い
また不用意に異性が近付くと自動的に魅了したり、またエロい衝動が起こるため嫌な態度をとっていた
今まで淫魔の衝動は抑えて来られたが、主人公を見てから自制が効かなくなった
そして主人公は責任感()を発揮させ、二人で性的な訓練を自治会室でする事に
――なったと思ったら、ここでえみるが割って入り、「誇りあるイリュなんとかの血族が何やってんだ」と
怒濤の説明ターンが始まる。要点は
1.淫魔や人外は存在し管理する団体もある。私もその一人
2.未熟な淫魔が人間の精気を吸うと危険。死に至らしめる事もある
3.しかし主人公は精気が有り余っており全然平気、どういう事なの?
以後えみるが主人公を監視するため、莉緒が力の使い方をコントロールできるようになるため二人も自治会入りする
数日間活動を続けていると、今度は妹(すみれ)が自治会室へ乗り込んできて、
「わたしは巫女でここら一帯の人外の存在を監視する立場にある」と
そこへ最後のヒロイン真希奈も登場し、その他三人の立場を完璧に言い当て「独学」だと宣う
ヒロインと主人公が揃い、自治会をやっていきましょう頑張りましょうと訳のわからないシメ方をする
(「この面子が集まっても不自然にならないよう、皆で自治会役員になろう」と、大体11月頃に莉緒を除く全役員を退会させ、
主人公達が特に理由もなしに後釜へ座るという、これ以上ないぐらいの不自然な収まり方)
ここまでの説明で分かって頂けただろうが主人公は頭が悪い。また無駄に責任感があるもんだから自治会の運営にまで口を出す
最悪なのが取り巻きはこの時点で好感度メーターがカンストしているらしく、主人公の思いつき企画も全力でフォローする
例)-
主人公「ロングホームルームの時間を使って何かイベントをやれないかな?
主人公「そうだ!お宝探しゲームなんてどうだろう!
主人公「でも予算が足りないのか……じゃあどうすれば……
主人公「そっか!自治会のメンバー(ヒロイン達)は人気があるんだから、私物を景品にすればいいんだ!
……うんまあアレだ。高校生(ぐらい)の子が個人の私物を使って宝探し……
やってる事はアレだが、イベントCGはない
他にも「友達・知り合いで集まってテスト勉強しよう!」という定番イベントも用意されている
いるが、テスト勉強と称して集まって会話した数クリック後、唐突にテストは終了しており、キングクリム(ry
当然イベントCGはない
そうしている間にも主人公(バカ)の暴走は続く。「それもう自治会関係なくね?」のイベントも起きる
例2)-
主人公「学園内に住み着き始めた野良猫の里親を自治会で探そう!
主人公「誰も見つからない……どうしよう……
主人公「それじゃやっぱりウチで飼うぜ!
というような、しょーもないシナリオを延々読まされ続ける羽目になる(ただし主人公は養子という設定なので妥当な判断と言えなくもない)
また当たり前のようにイベントCGはない
あと、この画像を見て欲しい。共通ルート最後のイベントであり、皆が楽しく集まってクリスマスパーティをしている、らしい
決して全員が何かの幻覚を発症し、空のテーブルでエアパーティをしているのではない
モブ三人がクリスマスに全員制服だが、これも「学校で騒ぎが起き、それを収めて駆けつけた(台詞あり)」なので不自然ではない
そして勿論クリスマスにもイベントCGはない
この後、選択肢が出て無味無臭の共通ルートがやっと終る
個別ルートへ入れば、このどうしようもないグダグダ感が直るかと言えばそうでもない
彼氏彼女の関係になってからも、エロ関係のイベントはCGが付かず、デートに行ったとしても、
1.今日はデートへ行きましょう
2.今日は楽しかったね
これが延々続く、延々と。どこかのギャングスタを見せられている気分になる
せめてCGがあれば多少は納得出来たのだが、このゲームの通常CGは初登場・告白・エンディングだけで、他は全てエロシーンだ
そして何よりもこのゲームのテーマ、は『ちょっとだけ不思議な事が起こりますが~』とのコンセプトを覚えているだろうか?
特に酷かったのは真希奈ルート、ロリ中二病先輩のルートである
彼女は中二病的な言動をしており、学校でも制服に黒マントを羽織りながら、オカルト研究会に所属する筋金入りのアレな人である
しかしキャラに入っている時以外はそれなりに常識人と言えなくもない
ルートへ入ると主人公は、共通ルートの異常なまでの「自治会を盛り上げよう!」という志を一瞬で忘れ、
先輩である真希奈の、オカルト研究会の手伝いをする事になる
色々あって放っておけなくなり、気が付いたら告白してオッケーを貰う
デートに行ったり(すぐ終わる)、登下校を一緒にしたり(すぐ終わる)、部室でエッチする(回想シーンでは前戯・本番で分割)
しかしここからがルートの最大の山場、かつこのゲーム最大の特徴ともいえる展開が待っていた
真希奈は三年、そして年が明けて卒業まで二ヶ月を切った
彼女の進路は就職も進学とも決まっておらず、担任は頭を抱えている
ある日、彼氏になった主人公と進路指導の教師と三者面談(ツッコんではいけない)に応じ、
主人公もそれとなく「ああすればいい、こうしたらいいと」と割と真っ当なアドバイスをする
だが彼女は「(主人公)くんは何もわかってない!」と部室に籠城(まだツッコんではいけない)
戸惑う教師を余所に、主人公は持ち前の責任感()を発揮し、彼女の対応を一任される事になった
そして話し合いでの場での彼女が宣った事は以下の通りとなる
長いので三行でまとめると
1.ワイ魔術の知識を極めてしもぉとん。それもたった数年でやったったからむなしいわー、超むなしいわー
2.でも高校入ってオカ研入ったら悪くなかったんよ、けど他の子らが止めてくの寂しかってん
3.けど彼氏(主人公)と付き合ったら充実したわー!それなのにアンタ味方ちゃうかったんかい!?
これに対してバカ(主人公)は
バカ「だったら俺が真希奈先輩の人生の目標になりますよ!
この後は先輩が一年浪人してバカと一緒に大学入る約束して、セックスしてセックスしてエンディングである
もうやだ誰か助けて
以上のように真希奈ルートでは不思議な事が一切起こらない。ジャケ裏に書いてあるにも関わらず起こらない
あえて言うのであれば、同じ学校の人間が淫魔だとか人外を監視する存在だとか、
本気で信じながら生きる人間が日常生活を送れる所だろうか
このゲームの問題点は薄い。とにもかくにも薄すぎる
極端な展開はないと謳っている通り、起承転結の転が欠けている。それは確かだった
それだけではなく一ヶ月スキップのように起がなくなるのもよくあり、
また期末テストのように承が描写されなくなる時もある
恋魂みたいに不愉快な主人公のモノローグを長々と読むよりは、遙かに良心的ではあるがやっぱり薄い
不条理探偵のようにライターが大真面目に書いて爆笑を誘う面白さも皆無
これが伝奇バトル系やセカイ系であるならば、舞台設定の説明台詞で尺は稼げたと思う
また心理的な駆け引きをしたり、バトルのような見せ場があればもっとマシになったかもしれない
だがコンセプトは『本当に女の子とのラブを目指した物語』であり、他には何もなかった
今、改めてその空々しいフレーズを読み返すとある事に気づく
『ラブを目指すとは言ったが、ラブな物語になったとは言ってない』
以上であるが、作中で『人外が手に負えなくなったら巫女さんファイターが派遣されてくる』との描写があり、
是非すたじお抹茶には以前のような巫女さんorライト伝奇作品へ回帰して頂きたいと強く願う
576 :はにかみCLOVER選評・補足:2016/03/22(火) 12:28:26 ID:lDmk/2Iw
先週選評書いたものだがシナリオライターについて。あと少し補足
公式とOPムービーでは「めちょむちょちょ」の一人
が、EDロールでは「氷雨こうじ,めちょむちょちょ」の二人だった。なんで違うのは不明
補足一。今回初めてED スタッフロール見たらEDのボーカル曲はなかった。フルプライスなのに
補足二。はにかみCLOVERは予測特典のコードを打ち込むと、なんとアペンドストーリーが四つもダウンロードできるぞ!
どう見ても納期に間に合(ry
補足三。オナインことイニシャルヒロインの莉緒、よくよく考えてみたら「でにけり」のアホヒロイン梨桜と同じ読みだった!
呪われてんのかこの名前
補足四
CG枚数73(差分含まず・SDは6枚なので実質67枚、一ヒロイン辺り17枚弱)
回想シーン36(ただし前戯・本番と分かれて登録される”場合”がある)
補足五
459の主人公が真希奈(中二ヒロイン)を説得()する場面を改変・省略無しに原文のまま紹介
「巫女さん~」以来、緑茶ゲーだから・URAN(現AiRI・今回不参加)だからと買い続けた、俺の心が折れる音を聞いてもらいたい
大和「だったら、俺が真希奈さんの目標になりますよ!」
真希奈「え、や、大和……くん?」
大和「俺のために進学してください」
大和「来年、俺が真希奈さんと同じ学校に通うために!」
真希奈「ッ!!?」
真希奈「目標が見つからないから、自分が目標になるって……」
真希奈「そんな無茶苦茶なこと、考えもしなかった」
真希奈「フッ、同じ学校に通うために、か」
大和「はい」
真希奈「だったら、尚更進学などできないな」
大和「ええ?!」
真希奈「諦めるんだな、貴様のせいだ」
大和「そ、そんな……」
俺のせいだと言われ、返す言葉がなかった。
俺がトドメを刺したということなのか?
全身の血が引いていくような気がした。
真希奈「だって、同じ学校に進学するんだったら、一緒に入った方がいいもんっ!」
大和「は?」
(以下略)
教師との進路指導中に逃走+部室籠城かましたのに、たった18クリックで円満解決()
真希奈ルートの見せ場中の見せ場中ですら、これ以外にどこ盛り上がんだよという場面でこのペラさ
他のシーンがどんだけ薄いか、何となく分かって貰えると思う
ちなみにこのやりとりをしたヒロインの設定の過去の言動と設定、
1.18歳になった段階で魔術の知識を極めてしまった(自称)
2.と言う割には占い以外でその力を発揮する場面がない
3.しかもイベントで「悪い結果を見せられ逆ギレする女子」が出る場面では、gkbrして震えるのみ(颯爽と助けに入る主人公)
4.そして教師曰く「今からなら専門学校だったら何とかなるかも」程度の学力の持ち主
(時期的にも国公立は無理なのだろうが、アレな私学だったらば星の数ほどあるのに)
5.そもそもコンセプトが「ヒロインの秘密を知って仲良くなる」なのに、このヒロインは最初から魔女を自称しており秘密らしい秘密はない
(困っているのもほぼ原因は本人のコミュ障である点であり、魔女が・魔術がどうたらと言う話では決して無い)
以上を頭に入れて読み返すと更にジワジワ来るものがある
これもう恋愛ゲームじゃなく「ヒロインを介護するゲーム」でいいんじゃないかな
補足六
主人公のアホさ加減が楽しくなってきたんで最後に面白テキストを抜粋してみた
○勉強会で英文を教えて下さいと頼んでおきながら、理解出来ないと言ってその説明をスルーする主人公
1.中二先輩に英語の文法を質問する(選択肢で彼女を選ぶと発生するイベント)
2.先輩、キャラを作りながらもまともなアドバイスをする
(※話の出だしが「英文は主語と動詞が大事で、その後に目的語と補語が~」と、ごく基本的な内容と思われる)
3.バカ(主人公)、それすら理解出来ず説明を聞き流しにかかる(ここでシーン終了)
先輩を選んだにも関わらず投げっぱなしである。つーかこれで好感度上がるのは、雑だ
起承転結に欠けていると書いたが、選択肢ですらいい加減だった