俺がヤマタノオロチなら 選評

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俺がヤマタノオロチなら 選評 - (2015/01/15 (木) 00:08:29) のソース

|ブランド|ソフトハウスSORA|&amazon(B00JQ3KI2W)|
|ジャンル|俺がヤマタノオロチになっちゃったら困っちゃうラブラブADV(公式サイト表記)&br()俺がヤマタノオロチなのかよ!?ADV(Getchu表記)|~|
|メディア|DVD-ROM|~|
|原画|上木乃アロエ|~|
|シナリオ|火々野未完|~|
|音楽|ayato sound create|~|
|発売日|2014/6/27|~|
|定価|9,504円(税込)|~|
|CG数||~|
 
 
【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 98本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1418623583/
#blockquote(){954俺がヤマタノオロチなら 選評 ◆fDd5dl3vHzuj [sage]:2015/01/13(火) 21:37:09.88 ID:MOKu7bvn0
俺がヤマタノオロチなら 
ジャンル 俺がヤマタノオロチになっちゃったら困っちゃうラブラブADV(公式サイト表記) 
      俺がヤマタノオロチなのかよ!?ADV(Getchu表記) 
ブランド ソフトハウスSORA 
発売日 2014年6月27日 
価格  8800円+税 

2014年の6月末に発売された本作は奇天烈なタイトルやぶっ飛んだあらすじが脚光を浴び、大いに注目を集めたが他の魔物達に押し出され一向に解明が進まないでいた。 
2014年のKOTYeも最終盤を迎えたこの時期に再調査を挑んだ結果、その正体はまさにヤマタノオロチ級のクソゲーであった事が判明した為ここに選評を記す。 
まずは話題の種となったあらすじを見て頂こう。 

それは美しい港町……俺の故郷……須賀町……。 
北側は海、南側は山。 温暖で平和な小さな町。 時間が穏やかに流れる、俺の町。 

そこで俺は、幼なじみの山代マイと仲良く暮らしていた。 
俺とはちょっと距離があるが、マイの親友である 橘ゆずの。 
同じクラスで、なぜか俺に付きまとってくるちょっと風変わりな女の子・八樹さゆり (やつき さゆり)。 
上級生で学生代表、学園中の憧れである 播磨幸穂 (はりま ゆきほ) 先輩。 
悪友の秋山慎吾や、やさしい大人たちにも見守られ、みんなとわいわい楽しい日々を過ごしていた。 

しかしある夏休み。 俺たちはとんでもない事件に巻き込まれてしまう。 
俺の中に居るアイツが目覚めようとしていたのだ……。 

俺の名前は 八賀谷翔太 (やつがや しょうた)。 俺は、ヤマタノオロチの生まれ変わりだった……。 

○登場人物 
・八賀谷翔太(やつがや しょうた) 
 本作の主人公。平和主義の優男である。父親が神職である為、自らも将来神職になるのに備えて父親の親友である山代家の櫛名神社にお世話になっている。 
 後述の夢子先生が顧問を務める化学部に所属。 
 あらすじの通り太古に存在していたヤマタノオロチの生まれ変わりである。 
 人間の姿になり櫛名田姫と結ばれ幸せに暮す約束をしていたが、ヒルコの甘言に乗せられ呪いの影響で大暴れする。 
 ヤマタノオロチであった頃にかけられた呪いにより、次の誕生日にヤマタノオロチに戻るか死ぬ運命にある。 
 死なずに済む方法は生贄を殺しヤマタノオロチに戻るか、ヒルコを始末するかのどちらかとなる。 

・山代マイ(やましろ まい) 
 主人公の幼馴染。実家である櫛名神社で看板巫女を勤める。(公式サイトの紹介では山代神社となってるが・・・) 
 料理センスは壊滅的だが何故か塩むすびだけは美味しく作れる。 
 その正体は数千年前にヤマタノオロチと婚約していた櫛名田姫(クシナダヒメ。ゲーム中では櫛名田比売、櫛稲田姫と表記がブレる)の生まれ変わり。 
 その為、現代にヤマタノオロチを復活させるための生贄として重要なポジションを占める。 

・橘ゆずの(たちばな ゆずの) 
 マイの親友であり、距離感はあるものの主人公とは古い付き合い。薙刀部所属。 
 無口で表情も乏しいが冷たい訳ではない。大のゾンビ好きで可愛いと感じるというぶっ飛んだ感性の持ち主。 
 最近謎の夢を毎日見ている為困っている。 
 その正体は櫛名田姫を護衛するためヤマタノオロチと戦っていた戦士の生まれ変わりである。 
 謎の夢はその頃の記憶の断片であり、主人公がヤマタノオロチの生まれ変わりであることに気づき警戒する。 

・八樹さゆり(やつき さゆり) 
 突如転校してきた同級生。写真部所属。 
 主人公を危険な人物と認定し、四六時中監視を行っている。私生活が尽く謎な不思議な存在である。 
 その正体はかつてヤマタノオロチを倒したスサノオノミコトの転生後の姿。 
 主人公がヤマタノオロチに戻るのを阻止する為様々な行動をしている。 
 ちなみに女に転生してしまったのは姉のアマテラスが入り込んでしまっている為である。 

・播磨幸穂(はりま ゆきほ) 
 学園代表を務める所謂完璧美人の上級生。 
 ティータイムが大好きであり、ティーパーティーを主催したりする。 
 その正体は人類が現れるよりも昔に干魃で苦しんでいた自分たちを救ってくれたヤマタノオロチを一途に慕う狐である。 
 常人には見えない尻尾と耳が生えている。 

・越野夢子(こしの ゆめこ) 
 化学部顧問の化学教師。学園一の人気教師である。 
 おっとりしてて天然なのが人気のポイントらしい。好物はどうみてもチンコの形のビッグマツタケアイス。 
 その正体はスサノオノミコトの姉であるヒルコであり、ヤマタノオロチに殺戮を行わせた黒幕。 
 両親のイザナギとイザナミが禁忌を犯した際に生まれた為、神の国を追放されて生きてきた。 
 新世界の神となるべくヤマタノオロチを完全に支配下に置こうと暗躍する。 

・秋山慎吾(あきやま しんご) 
 主人公の親友。エロDVD等を貸し借りしている。 

・山代悌史(やましろ ていじ) 
 櫛名神社の宮司でマイの父親。物語中盤で襲撃され、長い間意識不明の重体となる。作中ではおじさんと呼称される。 

○シナリオ 
 どこぞの部室よろしく物語の8割方は共通ルートであり、個別ルートは1時間にも満たない。 
 共通ルートも決して長く無くせいぜい3~4時間もあれば終わる。 
  
・共通ルート 
 夏休み前~夏休み中盤におじさんが襲われ、目覚めた後にマイの告白を受けての選択肢までが共通ルートである。 
 神社の仕事、文化祭、海水浴など一般的な学園モノでは陳腐とも言えるイベントが目白押しである。 
 後に問題点は挙げるが、個別ルートと比べればまだマトモであり、CGの質も比較的安定している。 

・マイルート 
 マイの告白を承諾すると分岐する。設定的にはトゥルールートだと思われる。 
 周囲の執拗な思わせぶり発言の果てにようやく自身の正体と呪いを思い出した主人公とマイは、主人公の誕生日前夜にヒルコに立ち向かう。 
 一時は危機に陥ったが駆けつけたスサノオノミコトがアマテラスと協力して神の国へ帰す事を条件にヒルコを説得し、あっさり成功する。 
 ヒルコの呪いも解けて死ななくて済んだ主人公とマイが数年後結婚し、幕切れとなる。 

・ゆずのルート 
 気になる娘にゆずのを選ぶと分岐する。先ほどまで異常に警戒していたゆずのとあっさり付き合い出す超展開からルートは始まる。 
 デートとエロシーンを消化するとあっという間に誕生日前夜に時間が飛び、ゆずのとスサノオノミコトを引き連れヒルコの元に向かう主人公。 
 スサノオノミコトが凄まじくショボイ戦い(コレについては後ほど触れる)でヒルコを片付けると、やはり数年後ゆずのと結婚して終わりとなる。 
 全ルート中最もそのルートのヒロインが活躍しないルートであり、全部スサノオノミコトがなんとかしてくれる。 

・さゆりルート 
 気になる娘にさゆりを選ぶと分岐する。またもや共通ルートの態度から一変しあっさりと付き合いだす。 
 デートとエロシーンを...(以下略) 
 相変わらずヘボい戦いを制するスサノオノミコトだが、このルートではヒルコを消滅させず封印させて終了となる。 
 ヒルコの呪いが解けたものの、神であるスサノオノミコトとセクロスした為に不老不死となった上に幸穂先輩以外の人々の記憶から 
 完全に消えてしまうという突如湧いた新設定を引き連れて旅に出ようとする主人公とスサノオノミコトであった。 
 しかしスサノオノミコトの中で眠っていたアマテラスが突如目覚め、アマテラセックスを繰り広げて幕切れとなる。 
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アマテラセックスの様子
#image(001.jpg) 
#endregion
・幸穂ルート 
 気になる娘に幸穂を選ぶと分岐する。 
 なんの前触れもなく正体をカミングアウトされ付き合い出しセクロスに励む主人公。 
 そしていつも通りの流れで誕生日前夜にヒルコと対峙するが、幸穂はヒルコの攻撃で瀕死の重傷を負う。 
 しかし幸穂が散り際に持っている力を全て主人公に渡した為、あっさりと呪いを克服する事に成功。 
 その隙にスサノオノミコトが呪文らしき物を唱えてヒルコの封印に成功する。(ショボイ戦いは不要な様子) 
 ついでにスサノオノミコトが幸穂に力を分け与えた事であっさり幸穂は回復する。 
 以後幸穂は櫛名神社に匿われ時々中庭を素っ裸で走り回る楽しい日々を送る事となるのであった。 

・夢子ルート 
 気になる娘に夢子を選ぶと分岐する。作中ではバッドエンド的な位置づけとなる。 
 足コキに始まる夢子もといヒルコの快楽攻めにより、あっさり身も心も虜になってしまう主人公。 
 日々破壊衝動が高まり乱暴な振る舞いを見せる様になっていく。 
 ヒルコの命令に従いヤマタノオロチに戻る事を決めた主人公はゆずのを撲殺、マイを拉致殺害し見事ヤマタノオロチに復活を遂げる。 
 その後全世界を相手にしても問題無い圧倒的な無双ぶりを魅せつけ人類を完全にヒルコに屈服させ共に新世界の神となる。 
 ちなみにルート中の選択肢によっては復活前にスサノオノミコトに始末されてゲームオーバーとなる。 

○問題点 
 では上記の背景を踏まえた上で本作の問題点を一つづつ挙げていく。 

・最悪のタイトルとあらすじ 
 本作がクソゲー化している最もたる理由がコレである。と言うのも主人公の正体についていきなりネタバレをかましているからだ。 
 普通このようなタイトルとあらすじならば「最序盤でヤマタノオロチの生まれ変わりだと気づいた主人公らがテンヤワンヤする話」だと思ってしまうが 
 本作は「思わせぶりな発言をする連中とその真意について迫っていく話」とも言うべき物となっている。 
 実際主人公が自身の正体に気づくのは個別ルート後半の最終盤であり、それも散々引っ張った上で明らかになるのだ。 
 しかしネタバレタイトルのせいでプレイヤーからすれば驚愕の事実でも伏線回収でも何でも無くなってしまっている。 
 例えるならば犯人の名前とトリックが表紙に書いてある推理小説を読むような物だ。 
 よって他の問題点を無視したとしてもこの問題点のせいで読み進める気力が9割以上削られてしまうだろう。 

・決して予想を裏切る事なく進行する展開 
 では仮にネタバレで無かったら正体について考える楽しみが有るのだろうか?残念ながらそうでは無い。 
 理由としては二つ程有り、一つ目としては「思わせぶりな発言が多すぎる」と言う点が挙げられる。 
 真相を知っている人物が思わせぶりな発言をする事はあらゆる作品で普遍的に見られる事であるが、本作はその頻度が異常に多い。 
 と言うかマイと慎吾以外の人物は何かしら知っている方の立場の為、それらの人物との会話には必ずと言っていい程思わせぶりな発言が入る。 
 例えば「主人公の誕生日には~」「何か思い出しました?」「お前は危険な存在だ~」等こんな事ばかりである。 
 特に監視している立場のさゆりに至っては常にこの類の発言しか無いような物でうんざり感が半端ではない。 

二つ目の理由は「事の重大性とは裏腹に余りにも語られる世界が狭い」事だ。 
 前述の通り主人公がひとたびヤマタノオロチに戻れば人類終了となるような重大な危機に瀕している状況下にも関わらず 
 上で挙げた登場人物の間のみで話が進行する為、特にネタバレが無くとも中盤辺りには黒幕を含めた裏側に全て感づいてしまう。 
 (誇張では無く本当に上記以外で固有名詞を持つ人物が居ない。) 
 作中ではやれ黒幕が分からない等と直前まで大騒ぎしているので余計に滑稽である。 

・圧倒的な描写不足 
 物語では無く文章と表現の問題に話を移したい。 
 上でシナリオは短いと言ったがそれに一役買っているのがこのなんでも端折って語る傾向である。 
 比較的日常の描写が多く見られる共通ルートであっても、海水浴は特段約束を取り付けたり、話題に上がる段階も踏まず 
 日が変わると突然思い出したかのように海水浴に出かける事になっていたりする。 
 また大鷲パークという遊園地に行くのも、やはり慎吾が前触れもなくチケットを持ってきて即日出発したり大変忙しい。 
 (午後1時に出発したのに今日は一日よく遊んだという旨の発言をしたりする。) 

個別ルートではこの傾向が更に強まり全てが超展開気味に進行する。 
 シナリオの項でも触れた通りゆずのやさゆりは分岐直前まで主人公を警戒して避けていたり監視していたにも関わらず 
 ゆずのはマイに応援されたから、さゆりは興味が湧いたからという理由で急激に態度が軟化し、スグにエロシーンに突入する。 
 幸穂に至っては共通ルートで超人的な描写や普通では無い事を匂わせる展開が非常に薄いにも関わらず 
 ルートに入った途端に湖畔に連れ出し正体をバラすという正真正銘の超展開である。 
 また全ルート共通でルートに入ると誕生日前夜まで盛りがついたようにセックス三昧となり日常シーンは殆ど無くなる。 
 本作のキモである主人公が自身の正体に気づくのも、共通ルートではさんざっぱら「自分で思い出すのが大事」と放置プレイだったのも関わらず 
 どのルートでも誕生日直前に神通力的な物で思い出させられる為、あっさり思い出す上にそれを受け入れる。 

 フィナーレであるヒルコとの決戦も前述の通りスサノオノミコトが説得したり、戦ったり、封印したりで片付ける訳だがこれらも全て簡潔にまとめられている。 
 説得は神の国へ帰れる事とアマテラスの名前を出した時点で二つ返事で納得して和解してしまうし(文章の行数で言うならば二、三十行位の短い間である。) 
 封印にしても「山よ、風よ、海よ」的な極簡単な呪文をスサノオノミコトが唱えるだけで即座に封印完了してしまう。 
 特に酷いのが戦うパターンであるが、
これが低質なCGで動きもしないまま 
 「カキーン!カキーン!」「おりゃー」「うわぁー」と言うやりとりとちょっとした会話を挟むと、
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#image(003.jpg) 
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 ヒルコの剣を弾き飛ばすか、刺して勝利するのみである。 
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#image(004.jpg) 
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 そもそも説得出来るなら全ルートで説得すればいいし、封印にしても殺すにしてもルートによって 
 「身内の事だから自分で始末する」「身内の事だから自分で封印する」とスサノオノミコトの考えがてんでバラバラで何を基準に手段を選んでいるのか全く分からない。 

また唯一ヤマタノオロチになる夢子ルートの締めも、単にヤマタノオロチとして圧倒的な戦力を誇って人類をフルボッコにしたと 
 地の文であっさりと語られるのみで、ヤマタノオロチの姿は勿論その過程もすっ飛ばして新世界の神なったと締めくくる。 
 具体的に分かるヤマタノオロチの戦果としては鎌倉駅をぶっ壊した事位か。
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#image(005.jpg) 
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・統一性の無い文章 
 先までの問題と比べれば大した事では無いが、作品全体を通して名詞が安定していない。 
 たとえば登場人物紹介で述べた様にクシナダヒメの表記一つ取っても「櫛名田姫」「櫛名田比売」「櫛稲田姫」と3種類の表記が混在している。 
 また主人公の寝具が場面によってベッドだったり布団だったりコロコロ変わる。 
 クソゲーの嗜みと言える誤字も完備で、元素記号と言うサイエンスな名詞が元祖記号とか言うファンタジーな物になっている。(それ以前に読みからして違うハズなのだが) 
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#image(006.jpg) 
(注:Naの炎色反応は黄色)
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 サラッと書いてしまったが本作はジャンル名ですらも媒体によって異なる等とても一人のライターが担当してるとは思えないブレっぷりである。 

・低質なグラフィック 
 プレイしていれば自ずと気づく問題であるが本作は絵の面もとても褒められた物ではない。 
 先日先行して紹介したが、まずは背景画像からしてショボイ。 
 実写写真をそのまんま流用した為に「鎌倉駅」の表記が残ったままの駅を始め、他にも恐らく実写を流用してるだけだと思われる手抜き背景は多い。 
 (鎌倉駅ほどハッキリと分かる場所は無いので特定は困難であった。) 

鎌倉駅
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#image(007.jpg) 
リアル鎌倉駅
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 多分実写流用
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#image(009.jpg) 
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大鷲パーク
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#image(010.jpg) 
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 流用で無くてもやたらと塗りがベッタリしていたりする。 

 校庭の背景
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#image(011.jpg) 
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 また基本的に背景絵は実に殺風景であり、人がたくさん居るという状況下の神社だろうが体育館だろうがモブキャラが立っていたりしない。(祭りの屋台背景のみモブ有り。) 
 特に酷いのは主人公の自室でテレビらしき物が一台有るだけの全く生活感が無い部屋になっている。これではベッドも布団も本当に有るのか疑わしい。 

主人公の部屋
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#image(012.jpg) 
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文化祭で大賑わいの体育館
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#image(013.jpg) 
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 立ち絵に注目すると一枚一枚だけ見ればなんの事もないが、すぐに差分が少ない事に気づくだろう。 
 表情差分で3種、ポーズが2種位な物であろうか。服装も巫女服、制服、水着、浴衣はあるが、普通の私服が無いので出歩く時は基本制服な為違和感バリバリだ。
 登場人物紹介で挙げた人物以外には立ち絵は基本無いが、例外的におじさん襲撃事件の調査に来た刑事だけには有る。とは言ってもどこぞの名探偵の犯人の様な真っ黒ぶりだが。 

真っ黒な刑事
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#image(014.jpg) 
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 ちなみに立ち絵についてはシステム的な問題も抱えており、それは後述する。 

さてイベントCGの方に話を移すがこちらもやはり低質だ。 
 正確に言うと「明らかに同じ人物が描いて塗ったとは思えない絵が混在している」と言うべきか。 
 傾向的には序盤に出るCG程安定している物が多く、逆に後半に向かうにつれ質も数も低下していく。(ただしエロCGはまともな物が多い。) 
 特に劣化傾向にあるのがさゆりのCGで、序盤の着替え覗きはこうで、
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#image(015.jpg) 
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 海水浴でのハプニングエロではこんな感じであるが 
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 さゆりルートの写真撮影時にはこうなったり、 
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#image(017.jpg) 
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 エロシーンでもこんなんである。
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#image(018.jpg) 
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上で挙げた戦闘のCGも同様だ。 
 ギャルカディア程の極端さは無いが、他が壊滅的だからといって絵に期待すると痛い目に会うだろう。 

 ちなみ一枚絵の差分も大分少なく、基本1枚にたいして多くて4種位の差分しか無い。 
 そして個人的に驚愕だったのが「立ち絵を一枚絵に組み込んでいるCG」が有る事だ。
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#image(019.jpg) 
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 これであるが他の人物が一枚絵として描き込まれて居るのに対し、 
 後ろに立つ幸穂は同シーンで使用している立ち絵をまんま貼り付けているだけなのである。これには驚きを隠せない。 
 ついでだがこのCGの場面では大変オシャレなテーブルクロスがかけられているとの説明で有ったが、最近はグレー一色のテーブルクロスがオシャレなのだろうか? 

・サウンド周りについて 
 クソゲーは音は良い とは昔からよく言われるが本作はどうだろうか。 
 BGMが全13種類あるがその内3種類は主題歌とそのアレンジなので実質9種類である。 
 それぞれの楽曲が異常に酷いと言う事は無いと思うが、如何せん数が少ないため同じ様な音ばっかり聞いてるなと感じる。 
 キャラクターボイスはヒロイン勢はフルボイスだが、慎吾やおじさんを始めとした他キャラには一切無い。仮にもフルプライスなのに。 
 それよりも問題なのが効果音である。 
 普通カーソルをボタン等に乗せると「ピッ」「ピロッ」と言った効果音が鳴るが、本作のそれはどういったわけか人の声なのだ。(誰の声なのかはよく分からない。) 
 カーソルがボタンをかする度に「ぴこっ」、クリックすると「しゃらら~ん」と執拗に喋るので非常にウザい。勿論オプションでこれだけを切ることは出来ない。 
 他に耳に障る音は上でお見せしたさゆりが写真撮影する時のCGで出てくるシャッター音である。 
 どういう訳かシャッター音というよりはノイズのような「ババッ!」という感じの音の為、最初はスピーカーが壊れたのかと思った。 

・システム周りについて
 システムもまるでヤマタノオロチの時代作られたのかと思う程時代遅れな物となっている。
 バックログはメッセージウィンドウに一つづつ流していく方式だし、そのバックログはホイールで出せるのに読み進めはホイールで出来ないと言う超不便仕様だ。
 各種メニューも右クリックで戻れないし・・・と一体何時の時代のゲームなのだと思ってしまう。
 これだけなら可愛い物だがゲームテンポが致命的に悪くなっている仕様がある。
 一つ目が「立ち絵は基本一度に一人だけ表示する」という仕様だ。
 たとえその場に複数人居ようとヒロイン同士で会話していようと、立ち絵が出るのは今喋っている人物のみが表示されるのだ。
 しかもその立ち絵の切り替わりも一々ゆっくりフェードイン・フェードアウトで行われる為、一言づつ言い合う場面なんかでは凄まじくテンポが悪い。
 二つ目が「しょっちゅう出てくるエンドカード」である。
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#image(020.jpg) 
#endregion
 これが事有る度に出てきて場面が切り替わるのだが、話の大区切り毎などでは無くゲーム内時間で一日に一回は必ず出てくる。
 ただでさえ立ち絵の仕様でイライラするのにとんだ追撃である。

・バグ 
 某批評サイトでも挙がっているが、本作は相当バグまみれだ。 
 とは言っても進行不能になるような重大な物では無い。しかし細かいバグが累積しているのでかなり体感的にはバグってる様に感じる。 
 以下に自分で再現出来たバグを挙げていく。 
 ・起動時に何故かウィンドウ枠が表示されない時がある。 
 ・コンフィグ画面から戻れずフリーズする。 
 ・一旦バックグラウンドウィンドウにすると画面内容が更新されなくなる事が有る。 
 ・BGM鑑賞モードのEXITからは戻れない。 
 ・文章が繋がって表示される事が有り、その際は名前表示欄に文字が被る。
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#image(021.jpg) 
#endregion 
 ・内部指示的な文がメッセージウィンドウに表示される。
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#image(022.jpg) 
#endregion 
 ・セーブロード画面の2ページ目以降に切り替えても画面は変わらず、2ページ目以降の内容が神経衰弱状態。 
  |セーブ画面呼び出し直後: 
#region
#image(023.jpg) 
#endregion
  |しかし2ページ目以降を呼ぼうとクリックしても変化はない。 
  |セーブサムネイルをクリックすると初めてそのページでの内容に更新される: 
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#image(024.jpg) 
#endregion
 ・セーブロード画面中にウィンドウを移動すると、ウィンドウ枠のみ移動し画面内容はその場に残り続ける。 

 最も厄介なのはセーブロード画面関連であり、しょっちゅう使う機能なのに2ページ目以降を使うのが大変面倒な事になっている。 

・まとめ 
 紛うことなき完全なクソゲーである。絵もシナリオもボリュームも何もかもが楽しむに値しない。 
 作中では頻繁に罰当たりな行動が云々~という台詞が出てくるが、何よりも罰当たりなのは神々の名前を騙ってクソゲーを作る事ではなかろうか。 
 強いて良い所を上げるならマイはそこそこ可愛い事と良質なCGが当てられているエロシーンはまぁまぁエロい事位だろうか。 
 確実なのは、俺がヤマタノオロチならこの様なクソゲーは即座に破壊している事だろう。
}

*参考資料
#blockquote(){
極楽寺駅前(看板にある施設は全て実在するものです)
#region
 
#image(002.jpg) 
#endregion

としまえん(練馬区)
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#image(025.jpg) 
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人の声のSE
http://yui.oopsup.com/download.php/kotye2014/orochiSE.wmv
}
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&bold(){※注意}
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