~出会い~
雪道をとぼとぼと歩きながら、雪雲の空を見ていた
今日の天気はやけにおかしいと俺は思った
まだ昼の12時なのに、夜の12時みたいに暗く恐ろしい
「お兄ちゃん早くっ!」
「ヒロ兄はやくぅ~!」
二人の女の子が遠くで呼んでいる
「いい加減に兄って呼ぶのやめろよ…」
そう言いながら彼女等の所へ歩いていた
「暗い中を女の子を先に歩かせないでよぅ!ヒロ兄~」
「氷奈…勝手に先に行っといてそれはないだろ」
コイツは冬守氷奈。
やたらと文句を言うくせに、寂しがり屋で憎めないな奴
「え~?口答えするのぉ~?」
「…」
「雪姉、ヒロ兄をほっておいていこっ!」
「え…でも…」
コイツは冬守雪奈。
氷奈の双子の姉で、天然でとてつもなくトロいが家事万能な奴
「行きたきゃ勝手に行けっ!」
「ふ~んだっ!」
「あ…あらららら~…」
氷奈が雪奈の手を取り、雪道を駆け出す
「コケない程度に走れよ?氷奈」
「帰ったら、ヒロ兄のお母さんに言いつけてやるぅ」
「…こらっ!それはないだろ!」
「け…喧嘩はよしてよぉ…二人ともぉ」
丁度十字路にさしかかった時
グオォォォォーーーーーーー……
謎の咆哮が聞こえた
「えっ?」
氷奈が止まった
「…」
雪奈は怖がって声も出ていない
オォ…丁度イイ餌ガ此処ニイタジャナイカ…
謎の声は、氷奈達へと向かっているようだ
「…マジかよ」
さりげなく俺は気が付いた
-ヤバイ…雪奈達が危険だ-
無意識に俺は雪奈達の元へ走った
「氷奈!雪奈!すぐ来た道を戻れ!」
「え…」
「お…お兄ちゃん…」
「早く!」
栄養ヲ付ケテ、錬金ノ戦士ヲ返リ討チニシテヤル…
少しずつ声が近づいてくる
二人は後ずさりながら聞いてきた
「ヒロ兄は…?」
「俺はいいから早く行け!」
「う…うん…わかった」
こうして二人は走って消えていった
チッ…逃ガシテシマッタヨウダナ…ン?
奴…が俺に気づいた
「あいつらは俺が守ってやるんだ」
少し怖かったが、言い切った
小僧…ナカナカ面白イ事ヲイウナ…
奴は笑っていた
「ふん…俺は俺の役目をやるだけだ」
ホウ…ナラ小僧、オ前ヲ先ニ喰ラッテヤロウ
『それはさせないぞ!』
ナニッ!?
遠くから声が聞こえてきた
『流星ブラボー脚!』
ドガッ!
一閃の光が奴に当たった
グオォォォォ!キ…貴様…
「子供に手を出す奴は俺が許さない!」
「…誰?」
「俺の名は、キャプテンブラボーだ」
「…(カ…カッコイイ)」
チッ!
奴が攻撃を仕掛けてきた
ドゴッ!
鈍い音がブラボーから聞こえた
「ブラボー!大丈夫?」
「OK!全然大丈夫!」
ソコダッ!
伸びる腕…俺に向かう鋭い奴の腕
「しまっ…!」
「え…」
グシャッ!
「か…は…」
噴出す鮮血
遠くなる意識
目の前が真っ暗になり、四肢の力が抜けていく
死というのはこういうものなのかな?
「お兄ちゃん!!」
「ヒロ兄!!」
いつの間にか雪奈達がいた
「くそっ!直撃ブラボー拳!」
グ…グオォォォォ!ヤ…ヤラレテタマルカァァ!
ボシュゥゥゥーーー……
一閃の拳で決まった
「ダメだ…これじゃ助からない…」
「おじちゃん!お兄ちゃん、どうしちゃったの!?」
「…すまない」
「うそ…うそでしょ…?」
「ヒロ兄は私達を助けてくれたのに、私達は何も出来ないなんて…」
雪奈と氷奈は泣き出した
「しょうがない…お嬢ちゃん達は先に戻ってなさい」
「いやっ!お兄ちゃんから離れたくない!」
「必ず助けるから、安心してくれ」
雪奈は渋々氷奈と一緒に帰りだした
「あまりしたくはないが、しょうがない…」
「はっ!」
俺は目を覚ました
「ここは…俺の部屋?」
「お兄ちゃん!」
部屋の扉が豪快に開いた
「ヒロ兄!」
『よかったぁ…』
二人同時に泣きながら言った
ここうして始まった物語
このときには思ってもいなかった事が始まる…
最終更新:2006年03月24日 05:42