エルフ

Elves


 長命なエルフは多くのフェイと同様に自然界の子供だが、異なる面を持っている。エルフは自らのプライバシーと伝統を重んじるため、個人的または国家間で友となるまでには長い時間がかかる。一度部外者が仲間として認められると、そのような関係は何世代も継続する。エルフは彼らの途方もなく長い寿命、もしくはより深く神秘的な理由により、彼らの周囲の環境に対して深い愛着を持っている。長い間同じ場所に暮らすエルフは目や髪などの体色がその環境に合わせた色彩に変化していく。一方、短命な種族と共に過ごすエルフは次々と仲間が歳を重ね死んでいくのを目の当たりにする。その結果、死に対して歪曲した見識を持ち、気難しくなる者も多い。

 身体的特徴:エルフは一般的に人間よりも少し背が高い。その耳は長く先が尖っていて、優美で儚い体格を際立たせている。幅の広いアーモンド形の眼は躍動感のある色彩を持つ大きな瞳で満たされている。エルフは自然界の美を模した衣服を着ていることが多い。その一方で、都市に住むエルフには最新のファッションで自分たちを飾り立てる傾向がある。またエルフは睡眠を必要とせず、代わりに瞑想を行う。エルフの魔法使いでも、この瞑想を経なければ呪文力は回復しないし、瞑想をしなければ疲労もする。また通常通りに気絶はするし、目を閉じて動かずに居れば、眠る真似事もできる。

 社会:多くのエルフは自然との絆を感じ、自然と調和するように努力する。しかしながら大抵のエルフは大地や石に触れるのを不快に感じ、代わりに先天的に持つ根気と魔術を使って素晴らしい芸術を作り、それを鑑賞するのを好む。

 種族関係:エルフは軽率で衝動的な他の種族から距離を取ることが多いものの、彼らを正しく評価してもいる。エルフはドワーフが近くに住むのをあまり好ましく思っていないが、その鍛冶技術を高く買っている。彼らはノームを奇妙(で時々危険)な好奇心の塊だと見なす。また、ハーフリングのことを「先祖伝来の家を持たず彷徨っている、哀れな小さき人」と感じている。世界中のハーフエルフの数を見れば明らかなように、エルフは人間に夢中になることがある。しかしその結果産まれてきた子供を認知しないことが多い。彼らはハーフオークを信用せず、疑いの眼で見る。

 属性と宗教:エルフは感情的で気まぐれにも関わらず、親切や美に価値を認めている。大抵のエルフは混沌にして善であり、悪は全くと言って良い程に見られない。

 冒険者:多くのエルフは世界を探検したいという願いから冒険を始める。失われたエルフの魔法を取り戻すため、祖先が数千年前に樹立した失われた王国を探し出すために、静かな森林を離れていく。人間との関係のように、冒険家の短命ながらもしがらみのない人生は自然な興味を引く。エルフは一般的に華奢で白兵戦闘を避けるため、ウィザードやレンジャー等のクラスを好んで追求する。

 皇國物語のエルフ:長く尖った耳と、男女ともに美しい容姿が特徴の長命種。稀に千年以上を生きた者も存在する。彼らは古代より森と共に暮らして来たが、近代化と世俗化の波には逆らえず、精霊の加護から離れて暮らす者達も多く、混血種は既に一般的となっている。血が薄まるにつれて寿命は人間に近くなる。緋鋼皇國の法律では純血種またはハーフまでをエルフの戸籍と認定し、それ以外は人間として戸籍登録する事になっている。



エルフの種族特性

 +2【敏捷力】、+2【知力】、-2【耐久力】:エルフは心身共に鋭敏だが、その姿は華奢だ。

 中型:エルフは中型のクリーチャーであり、サイズによるボーナスもペナルティもない。

 通常速度:エルフは30フィートの基本移動速度を持つ。

 夜目/Low-Light Vision:エルフは薄暗い場所で人間の2倍の距離まで見通すことができる。補足ルールを確認すること。

 エルフの耐性/Elven Immunities:エルフは魔法的な睡眠効果に対する完全耐性を持ち、心術呪文と心術効果に対するセーヴィング・スローに+2の種族ボーナスを得る。

 エルフの魔法/Elven Magic:エルフは呪文抵抗を打ち破るための術者レベル判定に+2の種族ボーナスを得る。また、魔法のアイテムの特性を鑑定する際の〈呪文学〉判定に+2の種族ボーナスを得る。

 鋭き五感/Keen Senses:エルフは〈知覚〉判定に+2の種族ボーナスを得る。

 武器精通/Weapon Familiarity:エルフは、ロングボウ(コンポジット・ロングボウを含む)、ロングソード、レイピア、ショートボウ(コンポジット・ショートボウを含む)に習熟している。また、“エルヴン”と名前に記載のある武器を全て軍用武器として扱う。

 言語:エルフは共通語エルフ語を開始時に修得している。高い【知力】を持つエルフは以下から追加の言語を選択できる:オーク語ゴブリン語天上語ノーム語ノール語森語竜語



代替種族特性

 以下の種族特性は標準のエルフの種族特性の代わりに選択することができる。これらの新しいオプションのいずれかを選択する前に、君の GM に相談をすること。

 秘術熟練/Arcane Focus:いくつかのエルフの家系は、その子供たちがそれぞれに強力な魔法の使い手であることを運命づけられており、武器の技術のような世俗的な事柄への関心はほとんど必要ないという前提で育てることにより、ウィザード(およびその他の秘術呪文の使い手)を育成するという長い伝統を持っている。この種族特性を有するエルフは秘術呪文を防御的発動するための精神集中判定に+2の種族ボーナスを得る。この種族特性は武器精通と置き換える。

 暗視:珍しいことではあるが、いくつかのエルフの集団は夜目ではなく暗視を備えて生まれつく。多くの場合、これはそのエルフの祖先の中に居るドラウの名残であると受け止められ、そのエルフの生まれた共同体における迫害へとつながり得る。この種族特性を有するエルフは有効距離60フィートの暗視を獲得するが、同時に光に過敏を得て、明るい光の範囲やデイライト 呪文の範囲内では目が眩んだ状態になる。この種族特性は夜目と置き換える。

 砂漠の民/Desert Runner:一部のエルフは砂漠の最も奥深くで繁栄し、焼け焦げ乾いた大地を永遠にさまよう。この種族特性を有するエルフは疲労、過労、または疾走、強行軍、飢え、渇き、熱気あるいは冷気の環境の 悪影響を避けるための【耐久力】判定と頑健セーヴに+4の種族ボーナスを得る。この種族特性はエルフの魔法と置き換える。

 夢語り/Dreamspeaker:少数のエルフは睡眠、夢、そして予知の白昼夢を活用する能力を持っている。この種族特性を有するエルフは自身の発動する占術系統および睡眠効果の呪文のセーヴィング・スローの DC に+1を加える。加えて、【魅力】が15以上のエルフは擬似呪文能力(術者レベルはエルフのキャラクター・レベルに等しい)として1日に1回ドリームを使うことができる。この種族特性はエルフの耐性と置き換える。

 元素に対する抵抗/Elemental Resistance:火山の平野から極地の荒野まで、最も過酷な環境に住むエルフはその故郷の危険性に対する天然の抵抗力を数世代にわたって開発している。この種族特性を有するエルフは[酸]、[冷気]、[電気]、または[火]のエネルギーに対する抵抗5を得る。この選択はキャラクター作成の時点で行われ、一度決定されると変更できない。この種族特性はエルフの耐性と置き換える。

 外交官/Envoy:エルフはしばしば他の種族の隣人、特にはるかに短い寿命を持つ者達に関係したトラブルを抱えている。 その結果、一部はエルフでない者との取引に特に有用な下級魔法の訓練を受けている。この種族特性を有する【知力】が11以上のエルフは、以下の1回/日の擬似呪文能力を得る:コンプリヘンド・ランゲージズ、ディテクト・マジック、ディテクト・ポイズン、リード・マジック。これらの効果の術者レベルはエルフのレベルに等しい。この種族特性はエルフの魔法と置き換える。

 永遠の復讐者/Eternal Grudge:永遠の血の確執として何世代にも及ぶ侮辱と争いが残る人里離れた孤立した共同体で育つエルフもいる。この種族特性を有するエルフは憎悪する敵への特別な訓練により、(ドワーフ)と(オーク)の副種別をもつ人型種族に対する攻撃ロールに+1のボーナスを得る。この種族特性はエルフの魔法と置き換える。

 俊足/Fleet-Footed:すべてのエルフは生まれきしなやかで俊敏だが、その一部はまた生まれつき迅速であり、先を見据えて心配するよりも状況に飛び込みたいという強い欲求を抱いている。この種族特性を有するエルフはボーナス特技として《疾走》を得て、イニシアチブ判定への+2の種族ボーナスを得る。この種族特性は鋭き五感および武器精通と置き換える。

 光を齎す者/Lightbringer:多くのエルフは太陽、月、そして星を崇めているが、文字通りに天上の放射する力で満たされているものもいる。この種族特性を有するエルフは光に基づく盲目および幻惑効果に完全耐性を持ち、自身の発動した光に基づく呪文あるいは効果(擬似呪文および超常能力を含む)の効果を決定する際に1レベル高いものとして扱う。【知力】が10以上のエルフは擬似呪文能力として回数無制限のライトを使用することができる。この種族特性はエルフの耐性およびエルフの魔法の種族特性と置き換える。

 無音の狩人/Silent Hunter:エルフはその繊細さと技巧で知られている。この種族特性を有するエルフは移動中に〈隠密〉を使用するためのペナルティを5軽減し、-20のペナルティ(この値はこの種族特性によるペナルティ軽減を含んでいる)を受けることで疾走中に〈隠密〉判定を行うことができる。この種族特性はエルフの魔法と置き換える。

 水の子/Spirit of the Waters:一部のエルフは海と調和する、あるいは葦の生い茂る原野の河川や湖沼に沿う生活に適応している。彼らは〈水泳〉判定に+4の種族ボーナスを得て、水泳中は常に出目10を行うことができ、ボーナス言語として水界語を選択することができる。彼らはロングスピア、トライデント、およびネットに習熟している。この種族特性はエルフの魔法及び武器精通と置き換える。

 都市育ち/Urbanite:一世紀以上にわたり都市に住まうエルフは、森に住む従兄弟達が自然の掟を知っているのと同じように、社会的状況の満ち干きを心得るように成長しうる。この種族特性を有するエルフは〈情報収集〉判定、社会的状況についての直感を得る〈真意看破〉に+2の種族ボーナスを得る。この種族特性は鋭き五感と置き換える。

 森の民/Woodcraft:エルフは他の何者よりも自然の深奥、特に森の神秘に知悉している。この種族特性を有するエルフは〈知識:自然〉、〈生存〉に+1の種族ボーナスを得る。森の地形においては、これらのボーナスは+2に強化される。この種族特性はエルフの魔法と置き換える。



エルフの副種族
















最終更新:2021年01月30日 18:59