ドワーフ

Dwarves


 ドワーフたちは禁欲的で厳格な種族である。山々の奥底を切り開いて造られた都市に身を落ち着けており、オークやゴブリンのような野蛮なる種族の略奪を撃退しようと猛々しい決意を抱いている。ドワーフたちは他のどの種族にも勝る気難し屋で、ユーモアに欠ける大地の匠という評判を得てきた。彼らの住む高山地帯や危険な地下世界では巨人、ゴブリン、その他の恐ろしいものどもと絶えることの無い戦争が引き起こされている。そのようなドワーフの歴史が多くのドワーフたちの陰気な気質を形作っていると言えるかもしれない。

 身体的特徴:ドワーフは背が低く、ずんぐりとした種族である。幅広でぎゅっと詰め込んだような体格はがっしりとした外見の原因であり、大抵の人間よりも1フィートほど背が低い。ドワーフたちは男性も女性も毛髪の長さを誇りとしており、男性はしばしば多種多様な留め具や、入り組んだ編み方で髭を飾り立てる。髭をつるつるに剃った男性のドワーフというのは狂っているか、またはそれ以上に悪いことの確たる証である――ドワーフという種族をよく知るものならば、髭無しドワーフを信用することはないだろう。

 社会:彼らの山岳城砦同士の距離は遠く隔たっており、これがドワーフ社会の内部にある多くの文化的差異の原因となっている。そのように分裂しているにもかかわらず、世界中のドワーフたちはみな、石造物への愛着、石と金属を基底とした職人技、建築への情熱、そして巨人、オーク、ゴブリン類への激しい憎悪、海洋への嫌悪か苦手意識といった特徴を持っている。

 彼等は自分の本来の名前を他種族には隠し、人々に対しては外向け用の別名を使用する。我々が一般的に認識するのは、その別名である。また真名に至っては親族にすら明かさない。

 種族関係:ドワーフとオークは長い間近い場所に住んでいたが、彼らの争いの歴史は両種族ほどに古い。一般にドワーフはハーフオークに不信感を抱き、寄り付くことはない。ハーフリング、エルフ、ノームについては軟弱で軽率に過ぎる、あるいは然るべき敬意には値するくらいには「かわいい」ものと思っている。人間に対してドワーフたちは最も強い結びつきを持っている。それというのも、人間の勤勉な性格と旺盛な食欲はドワーフの理想と最も合致しそうなものだからだ。

 属性と宗教:ドワーフたちは名誉と伝統に突き動かされている。そして彼らは傍観者的だとよく皮肉られている一方で、彼らは強い友情と正義の感覚を持っており、彼らの信頼を勝ち得るものならばそのことを理解できる。また彼らは懸命に働く一方で、なおさら懸命になって遊ぶ――良いエール酒があるときには特にそうである。大抵のドワーフは秩序にして善である。

 冒険者:ドワーフの冒険者は人間に比べて珍しい。とはいえ、世界の大抵の地域で彼らを見ることができる。ドワーフたちは一族のために栄光を求め、生まれ故郷の要塞を豊かにする富を探し、陥落したドワーフの城砦を種族の仇敵から取り返すために砦の周辺を離れる。ドワーフの軍事行動はしばしば坑道戦と近接戦闘を特徴とするため、ファイターやバーバリアンといったクラスにつくドワーフが多い。

 皇國物語のドワーフ:男女共に小柄で頑健。エルフ程では無いが長命であり、400年から800年程の寿命を持つ。無類の酒好きで、宝石細工や鍛冶の技術に長ける。男性は成人前から髭が生え、種族の誇りとして髭を大切に扱う。彼等は海を嫌い山を愛する傾向にある。女性でも髭が生えるというのは、信憑性の低い都市伝説と化している。ドワーフ氏族は純血種のみをドワーフと認定する為、緋鋼皇國においても人間との混血は全て人間として戸籍登録する事になる。



ドワーフの種族特性

 +2【耐久力】、+2【判断力】、-2【魅力】:ドワーフはタフで賢いが、少々無愛想でもある。

 中型:ドワーフは中型クリーチャーであり、サイズによるボーナスもペナルティもない。

 ゆっくり着実/Slow and Steady:ドワーフの基本速度は20フィートだが、鎧または荷重によって速度が修正されることはない。

 暗視/Darkvision:ドワーフは暗闇の中で60フィート先まで見通すことができる。

 防衛訓練/Defensive Training:ドワーフは(巨人)の副種別を持つモンスターに対してACに+4の回避ボーナスを得る。

 貪欲/Greed:貴金属あるいは宝石類の含まれる、魔法的でない物品の価格を調べるために行う〈鑑定〉技能判定において、ドワーフは+2の種族ボーナスを受ける。

 嫌悪/Hatred:憎むべき敵に対する特殊訓練により、ドワーフは(オーク)または(ゴブリン類)の副種別を持つ人型クリーチャーに対する攻撃ロールに+1のボーナスを得る。

 頑丈/Hardy:ドワーフは毒、呪文、擬似呪文能力に対するセーヴィング・スローに+2の種族ボーナスを得る。

 踏ん張り/Stability:ドワーフは地面に立っている間、突き飛ばし、足払い攻撃に抵抗する際の戦技防御値に+4の種族ボーナスを得る。

 石工の勘/Stonecunning:ドワーフは石造りの壁または床に設置された罠や、隠し扉などの特殊な石造りの仕掛けに気付くための〈知覚〉判定に+2のボーナスを得る。それらの10フィート以内を通過する時には常に、彼らが能動的に注意を向けているかに関わらず、そのような仕掛けに気付くための判定を行なえる。

 武器精通/Weapon Familiarity:ドワーフはバトルアックス、ヘヴィ・ピック、ウォーハンマーに習熟する。加えて“ドワーヴン”と名前に記載された武器を全て軍用武器として扱う。

 言語:ドワーフは共通語とドワーフ語の会話能力を持ってゲームを開始する。高い【知力】値を持つドワーフは以下から〔追加の修得言語を〕選択することができる:オーク語、ゴブリン語、巨人語、地界語、地下共通語、ノーム語。



代替種族特性

 以下の種族特性は標準のドワーフの種族特性の代わりに選択することができる。これらの新しいオプションのいずれかを選択する前に、君の GM に相談をすること。

古き確執/Ancient Enmity:ドワーフは昔からエルフと対立しており、特にドラウを嫌悪している。この種族特性を持つドワーフは(エルフ)の副種別を持つ人型クリーチャーに対する攻撃ロールに+1のボーナスを獲得する。この種族特性は嫌悪と置き換える。

職人/Craftsman:ドワーフは金属や石の細工に関する熟練の手腕で知られている。この種族特性を持つドワーフは金属または石に関する〈製作〉または〈職能〉判定に+2の種族ボーナスを獲得する。この種族特性は貪欲と置き換える。

深淵の戦士/Deep Warrior:この種族特性を持つドワーフは地下深くに潜む憎悪に直面しながら生活してきた。異形の種別を持つモンスターに対する AC に+2の回避ボーナスを獲得し、異形の種別を持つモンスターからの組みつき(または組みつき状態の維持)に対するCMDに+2の種族ボーナスを獲得する。この種族特性は防衛訓練と置き換える。

小さき者/:A Little:この種族特性を持つドワーフは小型であり、ACと攻撃ロールに+1のサイズ・ボーナス、戦技ボーナスと戦技防御値に-1のペナルティ、〈隠密〉〈隠れ身〉〈忍び足〉判定に+4のサイズ・ボーナスを得る。この種族特性は、サイズとゆっくり着実、及び踏ん張りと置き換える。

巨人狩り/Giant Hunter:この種族特性を持つドワーフは(巨人)の副種別を持つ人型生物への攻撃ロールに+1のボーナスを得る。さらに、(巨人)の副種別を持つ人型生物の痕跡を見つけて追跡するための〈生存〉判定に+2のボーナスを得る。この種族特性は嫌悪と置き換える。

語り部/Lorekeeper:ドワーフは彼ら自身の歴史と周囲の世界に関して、克明な記録をつけている。この種族特性を持つドワーフはドワーフか彼らの敵に対する〈知識:歴史〉判定に+2の種族ボーナスを獲得する。このような技能判定は未修得であっても行うことができる。この種族特性は貪欲と置き換える。

魔法抵抗/Magic Resistant:ドワーフの古き一族の中には、特に魔法に強い抵抗力を持つものもいる。この種族特性を持つドワーフは5+キャラクター・レベルに等しい呪文抵抗を獲得する。この呪文抵抗は1回の標準アクションにより1ラウンドの間、抑止することができる。この種族特性を持つドワーフは秘術呪文に関する全ての精神集中判定に-2のペナルティを被る。この種族特性は頑丈と置き換える。

鉱山視覚/Minesight:この種族特性を持つドワーフは暗視の有効距離が90フィートに増加する;しかしながら、明るい光の中では自動的に目が眩んだ状態になり、[光]の補足説明を持つ効果に対するセーヴィング・スローに-2のペナルティを受ける。この種族特性は暗視と置き換える。

登山家/Mountaineer:山のドワーフは狭い岩棚を移動して登攀することに熟練している。この種族特性を持つドワーフは高山病に対する完全耐性を持ち、狭いか滑りやすい面を通るための〈登攀〉または〈軽業〉判定を行うときでも AC への【敏捷力】ボーナスを失わない。この種族特性は踏ん張りと置き換える。

執拗/Relentless:ドワーフは敵を無視し、戦場を押し進むことに熟練している。この種族特性を持つドワーフは1体に対する突き飛ばしと蹴散らしの戦技判定に+2のボーナスを獲得する。このボーナスはドワーフと相手双方が地面に立っている間だけ効果を発揮する。この種族特性は踏ん張りと置き換える。

岩の足取り/Rock Stepper:この種族特性を持つドワーフは岩がちな地形を巧みに通り抜けることができる。5フィート・ステップを行う際に、瓦礫、割れた地面、あるいは急な階段などによる移動困難な地形を無視することができる。この種族特性は石工の勘と置き換える。

塩ひげ/Saltbeard:ドワーフは時折、堅牢な沿岸に沿って鉄の都市を築き上げる。そして、そのような都市に生まれついたものは、海上での〈職能:船乗り〉および〈生存〉判定に+2のボーナスを得る。彼らは(水棲)または(水)の副種別を持つクリーチャーに対する攻撃ロールに+1の種族ボーナスを、AC に+2の回避ボーナスを得る。貪欲の種族特性は水中か水の下で発見された財宝にのみ適用されるが、金属や宝石が含まれているかどうかに拘わらず、このような財宝の全てに適用される。この種族特性は防衛訓練、嫌悪、および石工の勘と置き換える。

空の歩哨/Sky Sentinel:大地への深い親和性を持つクリーチャーであるドワーフは、上からの攻撃を警戒する。この種族特性を持つドワーフに対して高地にいるクリーチャーは、攻撃ロールへのボーナスを得ることができず、またこの種族特性を持つドワーフは飛行するクリーチャーに対して、攻撃ロールに対して+1の種族ボーナス、ACに対して+2の回避ボーナス、〈知覚〉判定に対して+2のボーナスを得る。この種族特性は防衛訓練、嫌悪、および石工の勘と置き換える。

石の歌い手/Stonesinger:その類似性により大地から偉大な力を授けられるドワーフもいる。この種族特性を持つドワーフは[地]の補足説明を持つ呪文の発動、あるいは地の領域の領域能力、地もしくは地底の元素の血脈の「血脈の力」、石の神秘のオラクルの啓示を使用する際に、1レベル高く扱う。この能力はレベルに基づく力を早期に獲得できるようにするのではなく、この能力なしで使用できる力にのみ影響を与える。この種族特性は石工の勘と置き換える。

頑固/Stubborn:ドワーフは頑固で有名だ。この種族特性を持つドワーフは心術(魅惑)および心術(強制)の呪文または擬似呪文能力に対する意志セーヴに+2の種族ボーナスを獲得する。加えて、そうしたセーヴに失敗した場合、(それが1ラウンドよりも長い持続時間を持つ場合には)1ラウンド後に同じDCで再度セーヴを行うことができる。ドワーフが他の要素から(ローグの心術破りのような)同種の別の能力を持っていた場合、1ラウンドごとにこれらの能力のうちの1つしか使うことができないが、1つ目の再ロール能力に失敗した場合は、次のラウンドに別の能力を使うことができる。この種族特性は頑丈と置き換える。

都市育ち/Urbanite:一部の都市に住まうドワーフは、洞窟に住む従兄弟達が自然の掟を知っているのと同じ様に、社会的状況の満ち干きを心得るように成長し得る。この種族特性を有するドワーフは【魅力】が+2(合計±0)されるが、【判断力】が-2(合計±0)され、【耐久力】が-1(合計+1)される。また〈情報収集〉と〈知識:地域〉判定に+2の種族ボーナスを得る。この種族特性は石工の勘と置き換える。

地表の生存主義者/Surface Survivalist:長い間地上に住んでいたために夜を見通す能力を失ってしまったドワーフもいる。しかしながら、彼らは過酷な環境への適応によって(釘付けにされる、あるいは吹き飛ばされるかどうかを決定する際に)風の状態を操ることができ、また熱気または冷気の気候のいずれか(1つを選ぶ)の深刻さを1段階軽減する。この種族特性は暗視と置き換える。

排外的/Xenophobic:ムラ社会のドワーフはドワーフではない人型生物を蔑視している。彼らはドワーフ語だけを話し、高い【知力】を持つことによるボーナス言語を取得しない。加えて、彼らは〈言語学〉2ランクにつき1つの言語しか学習しない。しかしながら、彼らの不信を抱く性質は[恐怖]効果を除く[精神作用]効果に対する+1のボーナスを与える。この種族特性はドワーフの通常の言語と置き換える。

巨竜の災い/Wyrmscourged:この種族特性を持つドワーフは竜の変則的能力、超常能力、および擬似呪文能力に対する AC とセーヴィング・スローへの+2の回避ボーナスと攻撃ロールへの+1のボーナスを得る。彼らはまた竜を識別するための〈知識:神秘学〉判定への+2の種族ボーナスを得て、未修得であってもそのような判定を行うことができる。この種族特性は防衛訓練、嫌悪、および石工の勘と置き換える。



ドワーフの副種族
















最終更新:2018年09月26日 16:54