難易度の調整
セッションは必ずPCが何かしらのアクションを起こさなければ失敗するものであり、時間が勝手に解決するものであっては為らない。先ずはPCの存在意義が確保されるべきだ。そして楽しさを味わう為にはPC達が成功し、ハッピーエンドを迎える必要がある。その為には、可能な限り成功が約束されている方が好ましい。故にPC達が起こすべきアクションが何であるかという指針が明快であり、起こすべきアクションそれ自体も難しいものでは無く、謎解きに必要な情報が十分に手に入る状態であったり、そもそも謎解きすら無い。また、必要に応じてお助けNPCが登場し、戦闘を補助したり、必要な情報を提供してくれる。手に入る報酬や名声も充分なものである。この様な至れり尽くせりのセッションは、成功を前提として用意される。この方式に於いては、手を抜いてもセッションは成功するし、余程の大きな間違いを犯さない限りバッドエンドを迎える事は無い。いや、余程の大きな間違いですらGMが必死のリカバリーを掛けて必ず成功の天国へと導くのだ。
しかし、その様なセッションは初心者に向けて行うべきものであって、熟練度が高まる(プレイヤー・スキルが磨かれる)事に従って、変化して行くべきだ。例えば、敵が強くなって数も増え、情報は入手し難い上に、ミスリードを狙った誤情報も増える。今までは必要な時に必ず出てくれたお助けNPCが登場しない上に、出て来たかと思えば裏切る始末。こうしてセッションの難易度は、飛躍的に上昇して行く。そして最終的には何をしても絶対に失敗するしかない地獄の境地へと辿り着く。
この様に、凡そ全てのセッションは上記の「必ず成功するセッション」から「必ず失敗するセッション」を結んだ軸線上の何処かに位置する事になる。GMは状況に合わせて、この難易度を決定する目盛りを上手に動かしてやる必要がある。
個々の遭遇難易度は世界設定と直結している。従って難易度の調整と言っても、キャンペーンの場合は特に匙加減が難しい。以下に三種類の基本的なスタイルを提示するが、我々が常に選択するべきは三つ目である。
△ 難易度固定スタイル(世界観重視型):思い切って難易度の調整はしないスタイル。最初に決めた世界設定と遭遇難易度を最後まで貫くので、PC達の手に負えない竜の居る場所にPC達が到達し、そして戦闘したなら十中八九そのPC達は死ぬしかない。GMはPCが行きたければ阻止せずに好きにさせて、完全なオープンワールドを満喫させる。その為のリアリティであり、PL達の自由意志に任せる。
× 難易度不在スタイル(達成感重視型):小まめに難易度の調整を行うスタイル。最初に決めた世界設定や遭遇難易度は暫定的であり、PC達の手に負えない竜の居る場所にPC達が到達したなら、竜が実は弱かった事にしてしまう。また強力なNPCが戦闘に加わってくれる等の出来事がPC達の生存確率を高めてくれる。結局はリアリティよりも達成感だ。
〇 難易度可変スタイル(両立型):世界観によって定められた難易度はそのままに、要所でテコ入れは行うスタイル。例えば、PC達の手に負えない竜の居る場所に行こうとするPC達に、そもそも行かせない様にキチンと釘を差せる様な情報を出す。それでも到着したならば、竜が然るべき理由で不在である場合を除き、遠慮なくドラゴン・ブレスの教訓を与える。そこでPC達が撤退するならば、竜は小物を追わない。これは完全なオープンワールドを満喫し、リアリティは確保して、PL達の自由意志を認めつつも、それに伴う責任と結果も背負わせる。達成感が得られる可能性は五分五分だが、一時的な失敗は次の成功に向けた糧とし、最後にはPL達が達成感を得られる様に、可能な限りの努力を傾ける。
結論:「難易度調整で困るのはGMだけだ。PLは常に全力でPCとシンクロするのみ」
最終更新:2021年08月28日 05:41