能力値

Ability Scores


 各々のキャラクターは、最も基本的な特質を表す6つの能力値を持つ。それは彼らの生来の素質と才能である。能力値は時に能力値判定のために、値そのものを用いることもあるし、その修正値は技能や特殊能力の殆どに影響する。能力値は通常3から18であるが、種族ボーナスやペナルティ、レベルアップによる成長などで変わることもある。平均的な能力値は10~11である。

能力値の決定 Generating Ability Scores
 能力値の決定にはいくつかの方法がある。これらの方法はキャラクター作成にそれぞれ異なった自由度とランダム性を与える。 種族修正(キャラクターの種族により、君の能力値には調整が加えられる――種族の章参照)は能力値を決定した後に適用される。

皇國方式:4d6をロールし、一番低い目を捨て、残った3つのダイス目を合計する。結果を記録し、これを繰り返して6つの値を作成する。この過程を2回行い、どちらか好きな方の能力値6つを選ぶ。次に、これら其々の値を望む能力値に割り当てる。



ボーナスの決定 Determine Bonuses
 種族による能力値修正を行った後の各能力値からは、-5から+4の範囲をとる修正値が求められる。表:能力値修正とボーナス呪文には、能力値の値に対応した修正値を示す。修正値は君のキャラクターがある能力値に関連した行動を取る際に、ダイス・ロールに加算される数値だ。またダイス・ロール以外の数値に適用される場合もある。正の値(プラスの値)のものを“ボーナス”、負の値(マイナスの値)のものを“ペナルティ”と呼ぶ。表にはボーナス呪文の数も記されている。君のキャラクターが術者なら、この値を知っている必要がある。

能力値と呪文の使い手 Abilities and Spellcasters
 どの能力値をもとにしてボーナス呪文数を決定するかは、君のキャラクターがどのタイプの呪文の使い手であるかによって異なる。ウィザードなら【知力】、クレリック、ドルイド、パラディン、レンジャーなら【判断力】、バード、ソーサラーは【魅力】を用いる。



表:能力値修正と1日毎のボーナス呪文数

能力値 修正 ボーナス呪文レベル
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 -5 この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない
2~3 -4 この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない
4~5 -3 この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない
6~7 -2 この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない
8~9 -1 この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない
10~11 0
12~13 +1 1 1
14~15 +2 1 1 1
16~17 +3 1 1 1 1
18~19 +4 2 1 1 1 1
20~21 +5 2 2 1 1 1 1
22~23 +6 2 2 2 1 1 1 1
24~25 +7 2 2 2 2 1 1 1 1
26~27 +8 2 2 2 2 2 1 1 1 1
28~29 +9 3 3 2 2 2 2 1 1 1 1
30~31 +10 3 3 3 2 2 2 2 1 1 1
32~33 +11 3 3 3 3 2 2 2 2 1 1
34~35 +12 3 3 3 3 3 2 2 2 2 1
36~37 +13 4 4 3 3 3 3 2 2 2 2
38~39 +14 4 4 4 3 3 3 3 2 2 2
40~41 +15 4 4 4 4 3 3 3 3 2 2
42~43 +16 4 4 4 4 4 3 3 3 3 2
44~45 +17 5 5 4 4 4 4 3 3 3 3




各能力値の解説 The Abilities
 各能力値は個別に説明されている。また行動の一部にも影響を与える。



【筋力】(【筋】) Strength (Str)

 【筋力】はキャラクターの筋力や体の力を表す。この能力はファイター、バーバリアン、パラディン、レンジャー、モンクのような至近距離で(あるいは“近接”で)闘うクラスにとってにとって重要である。【筋力】はキャラクターが持ち運ぶことのできる装備の量を決めるためにも用いられる。【筋力】の値が0まで低下したキャラクターは、移動するには衰弱しすぎており、気絶状態となる。一部のクリーチャーは【筋力】の値を持たず、よって全ての【筋力】ベースの技能や判定に修正が入らない。

 キャラクターの【筋力】修正値は以下のものに適用される:

近接攻撃ロール(命中値)

近接武器および投擲武器(スリングを含む)のダメージ・ロール。(例外:利き手でない手による攻撃のダメージ・ロールには【筋力】ボーナスの半分しか適用されない。一方、両手での攻撃には【筋力】ボーナスを1.5倍して適用する。コンポジット・ボウ以外のボウで攻撃する場合、ボーナスは適用されないが、ペナルティは適用される)

〈跳躍〉、〈登攀〉、〈水泳〉判定。

【筋力】判定(ドアを打ち壊す場合など)



【敏捷力】(【敏】) Dexterity (Dex)

 【敏捷力】は素早さや反応性、バランスを規定する。この能力はローグにとって最も重要なものだが、軽・中装鎧、あるいは鎧を着ないものにとっても有用なものだ。また、ボウやスリングといった遠隔攻撃をうまく行うにも重要だ。【敏捷力】の値が0になると、動くことができなくなり、実質的に“麻痺状態”になる。(しかし意識は失わない)

 キャラクターの【敏捷力】修正値は以下のものに適用される:

遠隔攻撃ロール。これにはボウやクロスボウ、スローイング・アックスのほか、スコーチング・レイやシアリング・ライトといった遠隔呪文も含まれる。

アーマー・クラス(AC)、ただしキャラクターが攻撃に対応できる場合に限る。

反応セーヴ。ファイアーボールのような攻撃は素早く動けることで避けることが可能となる。

〈隠密〉、〈軽業〉、〈騎乗〉、〈装置無力化〉、〈脱出術〉、〈手先の早業〉、〈飛行〉技能判定。



【耐久力】(【耐】) Constitution (Con)

 【耐久力】はキャラクターの健康状態やスタミナを表している。【耐久力】ボーナスはヒット・ポイントを増加するので、この能力値は全てのキャラクターにとって重要であると言える。アンデッドや人造といった一部のクリーチャーは【耐久力】の値を持っていない。これらのクリーチャーが【耐久力】基準の判定を行わなければならない際にはボーナスが+0であるとみなすこと。【耐久力】の値が0になったキャラクターは死亡する。

 キャラクターの【耐久力】修正値は以下のものに適用される:

各ヒット・ダイスにおけるHPロール(ペナルティにより0以下になっても、最低でも1は得られる点に注意)

頑健セーヴィング・スロー。毒や病気といった危険に耐える。

 キャラクターの【耐久力】の値が【耐久力】修正値まで変えるのに十分なほど変更した場合、キャラクターのヒット・ポイントもあわせて上昇や減少する。



【知力】(【知】) Intelligence (Int)

 【知力】はキャラクターの学習能力と論理的思考力を表す。この能力値は呪文発動能力に関わるため、ウィザードにとって重要である。動物なみの知性しかないものは【知力】の値が1か2しかない。会話を理解するには少なくとも【知力】の値3が必要である。【知力】の値が0になったクリーチャーは昏睡する。一部のクリーチャーは【知力】の値を持っていない。彼らが【知力】ベースの技能判定等を行う際には修正値が+0であるものとして行う。

 キャラクターの【知力】修正値は以下のものに適用される:

キャラクターの知る初期ボーナス言語の数。これは共通語と種族言語に加えて獲得できるものである。もしペナルティがあっても、【知力】が3より低くない限り、種族言語の読み書き・会話は可能である。但し、能力値上昇に伴って新たに言語を獲得する事は無い。

各レベルで得られる技能ポイント数、しかしながらキャラクターは常にレベル毎に最低1ポイントは得られる。

〈鑑定〉、〈職能〉、〈製作〉、〈知識〉、〈言語学〉、〈呪文学〉技能判定。

 ウィザードのボーナス呪文数は【知力】の値により決定される。ウィザードが秘術呪文を使用するには最低でも10+呪文レベルの【知力】の値が必要である。



【判断力】(【判】) Wisdom (Wis)

 【判断力】は意志力、常識力、思慮分別、直感力を表す。【判断力】はクレリックやドルイドにとってもっとも重要であり、パラディンやレンジャーにとっても重要度は高い。感覚の鋭いキャラクターを作りたいなら、【判断力】を高くするのが良いだろう。全てのクリーチャーが【判断力】の値を有している。【判断力】の値が0になったキャラクターは理性的な考えができず、気絶状態となる。

 キャラクターの【判断力】修正値は以下のものに適用される:

意志セーヴィング・スロー(チャーム・パースンなどの呪文の効果を免れるための判定)

〈治療〉、〈聞き耳〉、〈視認〉、〈職能〉、〈真意看破〉、〈生存〉技能判定。

 クレリック、ドルイド、レンジャー、パラディンは【判断力】の値に基づいてボーナス呪文を得られる。それらのクラスが呪文を発動するには少なくとも10+呪文レベル以上の【判断力】の値を有していなければならない。



【魅力】(【魅】) Charisma (Cha)

 【魅力】はキャラクターの個性の強さ、人を惹きつける力、統率力、そして外見の美しさを表す。ソーサラーや、バードにとって最も重要な能力値であり、【魅力】の値に基づいてボーナス呪文を得られる。また、エネルギー放出に関わるため、クレリックにとっても重要な能力値である。アンデッドにとって【魅力】は彼らの超自然的な“生命力”を表している。全てのクリーチャーが【魅力】の値を有している。【魅力】の値が0になったキャラクターは自己主張ができず、気絶状態となる。

 キャラクターの【魅力】修正値は以下のものに適用される:

〈はったり〉〈交渉〉〈変装〉〈動物使い〉〈威圧〉〈芸能〉〈魔法装置使用〉技能判定。

クレリックやパラディンがアンデッドを傷つけるためにエネルギー放出を使用する際のDC。

 バード、ソーサラーは【魅力】の値に基づいてボーナス呪文を得られる。バード、ソーサラーは呪文を発動するには少なくとも10+呪文レベル以上の【魅力】の値を有していなければならない。



能力値の成長
 4レベル時に選択した好きな能力値を1ポイント増やす事ができる。以降、8レベル、12レベル、16レベル、20レベルの各時点でも選択した好きな能力値を1ポイント増やす事ができる。

加齢による能力値の変化
 キャラクターが年齢を重ねる事でも能力値に変化が起きる。高レベルのモンク等の例外を除き、肉体的な能力値は減り、精神的な能力値は増す。但し、どの能力も年齢によって1より下がる事は無い。

年齢効果
 年齢段階  【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
幼年 -2 +2 -2 ±0 -2 ±0
若年 -1 +1 -1 ±0 -1 ±0
成年 作成基準値
中年 -1 -1 -1 +1 +1 +1
老年 -3 -3 -3 +2 +2 +2
古希 -6 -6 -6 +3 +3 +3

注)年齢段階が変化する毎に、作成基準値に対して新たに適用し直す事。効果は累積しない。


種族毎の年齢区分
種族  幼年   若年   成年   中年   老年   古希   寿命 
人間 6歳 10歳 15歳 35歳 53歳 70歳 70+2d20歳
エルフ 8歳 12歳 17歳 175歳 263歳 350歳 350+4d%歳
ハーフエルフ 7歳 11歳 16歳 62歳 93歳 125歳 125+3d20歳
ドワーフ 10歳 15歳 20歳 125歳 188歳 250歳 250歳+2d%歳
ノーム 10歳 15歳 20歳 100歳 150歳 200歳 200+3d%歳
ハーフリング 9歳 14歳 20歳 50歳 75歳 100歳 100+5d20歳
獣人
(セリアンスロープ)
5歳 9歳 14歳 34歳 50歳 68歳 68+2d20歳
アアシマール
ティーフリング
20歳 30歳 40歳 60歳 80歳 100歳 100+3d20歳
ハーフオーク 5歳 7歳 12歳 30歳 45歳 60歳 60+2d10歳
オーク 4歳 6歳 12歳 25歳 35歳 45歳 45+1d20歳
ゴブリン 4歳 6歳 10歳 20歳 30歳 40歳 40+1d20歳
ウォーフォージド 年齢区分なし 未観測

  • 魔法や地域特性による寿命の延長に関しては、上記に含まれない。
  • 一部の獣人、例えばタートル等は寿命ボーナスを、ラット等は寿命ペナルティを持っている場合がある。
  • 歴史上、寿命で死亡したウォーフォージドは観測されていないので、寿命の有無に関しては不明である。















最終更新:2019年02月26日 21:42