プログラムの作成

開発ツールを用いたプログラム作成の手順を以下に示す。

  1. プロジェクトの生成(AVR Studio)
    • プログラム開発の単位をプロジェクトと呼ぶ。新規にプログラム開発を行う際は、必ずプロジェクトを定義する必要がある。
       
  2. コーディング(AVR Studio)
    • テキストエディタを用いて、ソースコードの入力を行う。
       
  3. ビルド(or コンパイル、AVR Studio及びWinAVR)
    • 作成したソースコードをビルドし、ATMEGA32U4用の実行形式を作成する。
    • WinAVRについては、ビルド時にAVRStudioから自動的に呼び出されるので、ユーザは意識する必要はない。
       
  4. ダウンロード(Flip)
    • フラッシュメモリへの書き込み
       
  5. 実行(DaVinci32u)
    • マイコンボード上での実行

以下に、詳細を示す。
 

1.プロジェクトの生成

 AVR Studioを用いてプログラム開発を行う際、その開発の単位をプロジェクトと呼ぶ。プロジェクトに含まれるのは、

  1. ソースコード(C言語)
  2. シミュレーション・データ
  3. 実行形式
  4. 各種の設定

などである。開発を行い際は、必ずプロジェクトを生成し、順次、コーディングなどを行ってゆく。
以下、プロジェクトの生成手順について説明する。

■ AVR Studioの起動

 Windowsメニューから、「Atmel AVR Tools」 → 「AVR Studio 4」の順で選択する。

■プロジェクトの作成

AVR Studioが起動すると、以下のメニューが表示される。新規にプロジェクトを作成する場合は「New Project」ボタンを
クリックする。

以下の開発ツールの選択・プロジェクト名入力のメニューが表示されるので、以下の項目について入力する。

  1. Project type: → AVR GCC
  2. Project name: → プロジェクトの名称 (英数字。全角不可)
  3. Location: → Z:embedded_1\sources (プロジェクトを保存するフォルダ名。全角不可)

デバッグ環境、デバイスの選択を促されるので、以下の様に入力する。

  1. Debug platform: → AVR Simulator
  2. Device: → ATmega32U4

以上でプロジェクトの設定は終了。「Finish」ボタンを押すと、ソースコードの入力画面が表示される。


2.コーディング

C言語によるプログラムの入力(コーディング)を行う。ソースコード入力画面にC言語によるソースを入力する。


3.ビルド(コンパイル)

ビルドを行うには「Build」→「Build」を選択する。


コンパイルエラーが無ければ、Buildウインドの最終行に「Build succeeded with 0 Warnings...」と表示される。

何らかのエラーがある場合は、図のようにエラー発生個所の行数:カラム数とエラーの内容が表示されるので、
内容を確認して修正すること。

4.ダウンロード

 ビルドによって作成された実行形式(バイナリ・ファイル)をAVRマイコンのフラッシュメモリに書き込む。(ダウンロードする) 
 ダウンロードには、専用の書き込みツールであるflipを用いる。
  実際には、以下の手順で書き込みを行う。

①USBケーブルをマイコンボードとPCに接続する。PC側のUSBコネクタは、正面パネルの右側のコネクタに挿入すること。

                  

②ジャンパピンを挿しこんだ状態で、リセットボタンを押す。(小さいので、ペンの先などで押すとやり易い)
③flipを立ち上げる。AVRStudioの「Tools」 → 「Flip3.4.7」の順でマウスカーソルをポイントする。

                                 

④flipが起動したら、ビルドで作成された実行形式(プロジェクト名.hex)を選択する。「File」 → 「Load HEX File」の順でマウスをポイントし、プロジェクトのフォルダの中に作成されたdefaultフォルダ内の.hexファイルを選択する。

                         

⑤flipとマイコンボードを接続するため、ケーブルのアイコンをクリックし、USBを選択する。続いて「USB Port Connection」メニューで「Open」ボタンをクリックする。

                    

 以上で、flipとマイコンボードが接続される。エラー等が表示された場合は、ケーブルとマイコンボードの接続を再確認し、②の作業からやり直すこと。

⑥書き込みを行う。図の「Run」ボタンをクリックすると、書き込みが行われる。

                

5.実行


 書き込んだプログラムを実行するには、2つの方法がある。

(1)Filpから、「Start Application」ボタンを押して、プログラムを起動する方法。
  この時、「Start Application」ボタンの横にある[Reset」チェックボックスのチェックを外しておく事。
  シリアルケーブルを繋いだ状態でプログラミングやプログラムの実行を行う際は、こちらの方法を使う事。

                      

(2)USBケーブルの抜き差しで行う方法。
 (マイコンの電源がON/OFFする事でプログラムが起動する。)

最終更新:2016年03月14日 13:57