LEDを点灯させる回路の実例を示す。
このような回路は、ブレッドボードを使って実装すると、簡単に実現できる。ブレッドボードとは、電子回路の試作や実験を行う際に
使用する。
図1 ブレッドボードの構造
ブレッドボードの内部接続は、上図のようになっている。青の点線で示した穴は、相互に接続されているので、ここに部品の足を挿しこむと、お互いが接続されることになる。
赤、緑、黄についても同様。別の色同士の穴は、接続されていない。
LED点灯回路の例
図2 LED点灯回路の実体図
上図では、AVRマイコンがブレッドボードに挿入されているが、この場合はUSB経由で電源を供給するために用いていて、マイコンとしては機能していない。
【極めて重要】
USBケーブルをPCとマイコンに接続した際、マイコン基板上のLED(パイロットランプ)が点灯する。もし、このLEDが点灯しない場合は「ヤベっ!」と呟いて、速攻でケーブルを引き抜くこと。配線の間違いにより、マイコンだけでなく、最悪の場合、PCも破壊する危険がある。
AVRマイコンの+5V端子とGND端子から電源を供給し、LEDを点灯させている。足の長い方(アノードという)がプラスで、短い方(カソードという)がマイナス(GND)となる。なお、長い足と+5Vの間に抵抗(330オーム)が挿入されているが、これはLEDに流れる電流を制限するための物である。
また、抵抗の値を変更した場合、どのような変化が起こるかを観察すると良い。
※抵抗値の読み方(カラーコード)は、こちらを参照。(こっちも参照)
ちなみに、LEDの足を逆に挿入したとすると、
図3 LEDを逆向きに接続する
上図の様にLEDは点灯しない。この場合はLEDに問題は生じない(LEDは逆向きに接続すると電流が流れない ==
点灯しな)が、意味も無いしやらない方が良い。LEDのこのような性質を、極性と言う。(つまり、どっちがプラスかって言うこと)
デバッグの過程で、プログラムなどが間違いない(...と思われる)のに、LEDが点灯しないなら、極性が間違っている事も多いので、確認してみると良い。
電子部品には、極性のあるものと無いものがある。極性があるものは、
極性が無いものは、
いちいち覚えるのも大変だと思うので、簡単に見分けるコツを伝授する。
回路図をよく見ると、極性があるものは、部品のシンボルが非対称に書かれている。極性が無いものは対称に書かれているので、この辺で判断できる。
LEDと抵抗の関係
先に実験した回路の接続関係を図で表すと、以下の様になる。このような図面を回路図という。
図4 LED点灯回路の回路図
ところで、実験してきた回路では、330オームの抵抗を使ってきたが、この330オームという値には、どのような意味があるのだろうか?
LEDの種類によって様々だが、どのLEDでも電流に応じて明るさが変化する。通常はたくさん電流を流せば、それだけ明るく光るが
やみ雲に流せるものでもない。この辺りは、LEDの仕様書(データシートという)を参照する事になるが、このLEDでは20mAが推奨値
とされている。オームの法則より、
I(電流) = E(電圧) / R (抵抗)
5 / 330 = 0.015 A = 15mA
15mAは推奨値より小さいが、多少暗くなる程度で特に問題は生じない。このLEDの電流の最大値は25mAなので、これを下回る範囲で、値を設定すればよい。
抵抗値を変化させるとLEDに流れる電流も変化するため、点灯する明るさが変化する。
以下の回路では、ボリューム(可変抵抗器)を使って、抵抗値を変化させ、電流量を調整することで、LEDの明るさを変える事が出来る。なお、下図のボリュームは抵抗値を0~50kΩ(50,000Ω)の間で変化させる事が出来る。また、ボリュームには通常、極性が無いので、電源とGNDを繋ぐ向きはどちらでも良い。
図5 ボリューム(スライドボリューム)の外観 図6 ボリュームの記号
図7 ボリュームを使った明るさ調整回路
図8 実装例