#navi(Library/工学/制御工学) ぼちぼちメモ2 #contents *感度関数と相補感度関数 **古典制御理論(ボード線図)との関係 -位相余裕$${\theta}_m$$、ゲイン余裕$${\gamma}_m$$と相補感度関数$$T(jw)$$との関係が書ける. $${\gamma}_m [dB] = -20 log|\frac{T(jw)}{1-T(jw)}| $$ $${\theta}_m [rad] = 2 sin^{-1} |\frac{1}{2T(jw)}| $$ **感度関数(Sensitivity Function)の意味するところ -定義 $$S(s)= G_L(s)/(1+G_L(s))$$ -意味 制御対象のモデル変動に対する出力応答の相対的な変動の大きさを示している。小さいほどモデル変動に対して、結果の変動が小さい。 -説明 ひとまず、須田さんのPID制御の本に任せる。 **相補感度関数(Complementary Sensitivity Function)の意味するところ -定義 $$T(s)=1-S(s)=1/(1+G_L(s))$$ -意味 制御対象のモデル変動モデル変動に対する安定性の強さを示している。小さいほどモデル変動に対して、安定性を失いにくい。 -説明 ひとまず、須田さんのPID制御の本に任せる。 **感度関数と相補感度関数の関係 $$|T(s)+S(s)|=1$$であることは明らか。 $$|T(s)+S(s)|\leq |T(s)|+|S(s)|$$なので、 $$1\leq |T(s)|+|S(s)|$$となることが分かるだろう。 つまり、感度関数(性能指標)と相補感度関数(安定性指標)を同時に小さくする設計はできない。 **混合感度問題とは、 $$1\leq|T(s)|+|S(s)|$$となることはわかっている。 安定性の良さ(相補感度関数設計)と性能の良さ(感度関数設計)を同時に行うという問題に帰着させる。 周波数重み付けを行い、$$|W_T(s)T(s)|+|W_S(s)S(s)|\leq 1$$を満たす問題に帰着させる。 **参考資料 須田 信英, "PID制御", ...感度関数と相補感度関数の説明がわかりやすい。 J.C. Doyle, B.A.Fracis, A.R.Tannenbaun, フィードバック制御の理論 -ロバスト制御の基礎理論-...最適化問題への帰着のさせかたがとてもよい。 荒木, "ディジタル制御理論入門"...ゲイン余裕・位相余裕と相補感度関数との関係が記載されている。 *小ゲイン定理(スモールゲイン定理)について -全ての周波数にまたがって一巡伝達関数の絶対値が常に1未満ならば(H-infinity Normが1未満)、安定である。 [参考資料] 木村, 藤井, 森, "ロバスト制御", 平井, "非線形制御"