Kuragi > Manu_Vide > 09

 趣旨
 今年度、恐らく初めて、客席からではなく調光室(客席後方の照明を操作する場所)から撮影しました。そのため、従来の客席からの撮影マニュアルでは対応できないことなどを報告します。そして本番までに準備すべきことなどを、前年度の資料などをベースに再度まとめました。
 
 

0.       調光室からの撮影のメリット・デメリット
 どこから撮影するか決めるための参考にしてください。
 
メリット
    確実に全体を撮影できる。全パート、全体が映像として入りきる。
    従来、撮影しにくかった後方の演奏者がレンズの視点に入る。
    演奏者後方の照明による模様が撮れる。
    お客さんの邪魔にならない。
 
デメリット
    細かなピント合わせが間に合わない場合がある。
    ガラスを隔てて撮影することになる。そのため、反射光が写りこまないように気を使う必要がある(部屋を暗くする、撮影者の着衣を黒にするなど)。
    三脚を使わないと、撮影時の手ぶれの影響が大きい。
    ズームインに限界がある(去年の独奏の映像を参照)。合奏でのソロ撮影で、周囲の人も入ってしまう。
    ズームアウトしすぎると演奏者が小さくなってしまう(去年の終曲の最後を参照)。
 
補足
客席でも集音マイクからの音声入力が可能なようです。カメラ内蔵のマイクよりは多少音質が良いと思いますので、客席で撮影する場合は検討してみてください。
 
 

1.       イントロダクション
 全体的にやるべきことを確認してみましょう。
 
撮影慣れ編
使ってみる。たまに、説明書をみる。そして使う。これ基本。
必要な操作を習得する。遊びでいろんな人を撮影することを勧める。
....................................
重要操作:当たり前そうだけど確認しましょう。
  手ぶれ補正のOnOff: 演奏本番はこれが大事。Onをお勧めする。
  ズームアップ、ダウン、三脚を用いての撮影
  手持ちでの撮影、充電作業、充電時間把握
  充電池交換、ディスク交換。などなど。
 
日常練習編
曲になじむと同時に、撮影練習。そして、普段のみんなの姿、笑顔などを撮影。
 
重要イベント編
リハリハ、リハ、定演前日の反省会や気合入れ、インタビュー(意気込みなど)の撮影。
 
定演当日編
朝の出動、集合風景、その他、昼食*、ゲネプロ、演奏本番、指揮者・パーマスなどの演奏前後のインタビュー、お見送り、コンパ素敵なみんなを撮影しよう。
 
※近年、昼食撮影は嫌がられる傾向があるようです。
 
 

2.       必須アイテム(準備機材など)
なくなっていたりしたら、そろえてね。
 
撮影機器、器具
    ビデオカメラ一式(本体、バッテリー2個、電源バッテリー、ACアダプター、電源コード、DCコード、マルチケーブル(赤白黄+S端子))
    録画用DVDディスク(RAM及び RWは書き換え可能、R書き換え不可演奏本番用は必ず確保しておこう。
    三脚主に本番演奏、コンパ撮影用
    電源用延長コードコンパのときもあるとBest
 
本番や演奏撮影には
    曲の流れとソロを記録したメモ
    本番の照明案
    筆記用具(ラベル、メモを書くためにも必要)
    運搬用荷札(運搬していいものだけに使ってね)
    黒目の服装これは、自分のを着てね。スーツとかがいいかも。
 
当日、音文からお借りする機材・備品等
    音声入力用ケーブル(録音室からビデオカメラに入力する)
    音声モニター用スピーカー(ビデオカメラからマルチケーブルで出力する)
    インカム通信手段
    長机
    電源用延長コード(リハのとき音分から借りてしまい800円ほどの出費がありました。こちらで用意した分では足りなかった場合に借りましょう。
 
 

3.       定演までの準備
 
Step1理想は10月、最悪11月上旬の作業
 
    必要機器、機材の確認。DVDとか買いに行くかもしれません。領収書はなくさずに会計係りに提出しましょう。
    1~3部の楽譜を指揮者か編曲者からもらいます。独奏はカメラ固定になると思うので要りません。誰がどこのソロを弾くのか、指揮者や編曲者に記入してもらってください。
    ソロの変更や編曲の変更、パーカスの追加などが変わることがあります。変更があったら速やかにカメラ係にも伝えてもらえるよう、楽譜をもらうときにその旨を伝えましょう。
    二人でやるならば、早いうちに撮影者の分担を決めましょう。そうすると、個人の負担は、軽減されるはずです。
    原曲もしくは合奏を録音したCDがあると良いです。最終的にメモをみて撮影をするのと思うので、特に練習番号を把握しましょう。
 
Step211月の動き
 
    なるべく部活に行き、メモを取りながら曲全体の流れなどを覚えましょう。
    演奏中に確認するための簡単な曲のメモを作成しておきましょう。
    誰がどこのソロを弾くのか再確認し、また、曲中の各パートの見せ場を把握しておきます。
    リハリハはできるだけ本番に近い位置関係で撮影できるように、ぜひコミセンの大ホールで行ってください。ここで、合宿で確認した流れをもとに全曲撮影します。ただ、人数や曲の仕上がりなどの都合で、特に2部は全部やらないかもしれません。
    リハは音文の練習室10か11になるでしょう。演奏者との距離はかなり近くなってしまいますので、カメラワークの練習をしましょう。リハで撮影した映像をもとに、練習します。
 
Step312月
 
    本番中に使う曲のメモを完成させておきましょう。
    定演直前合宿では、全曲通しの際になるべく撮影をし、最後の確認を行います。また、練習後などに2部の出演者をつかまえて撮影の練習をするといいかもしれません。
    本番に使用するDVDディスクを用意しておきます。DVDディスクはゲネプロ・本番用とは別に5本ほどあるといいと思います。
    合宿の様子などを編集時の素材用に撮影しておきましょう。また、様々な人にインタビューをし、意気込みなどを撮影します。芸能リポーター並のインタビュー能力が要求されるかもしれません
 
 

4.       定演前日と当日
 
定演前日
    反省会や気合入れ、インタビュー(意気込みなど)を撮影します。
    DVDディスクのラベルに、「ゲネプロ 第1部」「本番 第1部」などと記入して貼っておきます。消耗ディスク枚数の確認をしましょう。
    バッテリーをすべて充電し、満タンにしておきます。
    三脚は運搬にお願いし、ビデオカメラ一式は自分たちで当日持って行った方が良いかも。
 
【当日朝】
    なるべく早く行き、みんながやってくる様子や朝の気合入れの様子などを撮影します。
    搬入開始時に自分の荷物を楽屋へ持っていった後、セッティングリハが始まるまでに三脚やビデオカメラのセッティングを行います。
 
読み合わせ
    搬入後すぐにビデオカメラのセッティングを行うことになります。その際、ビデオカメラ一式がギターや他の荷物と一緒に、楽屋や下手などに運ばれてしまわないように連絡しておいてください。
 
 

5.       本番撮影に関しての技術Note
今回は調光室から撮影したので、気づいたことなどの報告、他。
 
音声入力
    調光室には直接音が届かないので、集音マイクからケーブルで接続する必要がある。ケーブルは音分の職員に言えばセッティングしてもらえる。
    入力レベルの確認はビデオカメラからはできない。ゲネプロで撮影したのち、音声の録音に問題がないか確認(小さすぎないか・音割れしていないかなど)し、問題がある場合は音分の職員に相談する。
 
黒い服装
    なるべく、黒いものがいい。理由として、白い服だと光が反射しやすく、ガラスに投影され撮像されてしまうから。
 
手振れ補正Onを推奨
    理由として手振れの影響がもろに出るから。それは、客席に比べて遠距離からの撮影をするからである。Onにしましょう。
 
メモは見えにくい
    白い服だと光に反射しやすく、ガラスに投影され撮像されてしまう。それは、撮影用メモの白い紙にも同じことが言える。そのため、良い撮影を優先させるため、部屋を暗くし、メモが見えにくくなる。かなり薄暗いところでメモを見ることになるので、大きめの文字で、薄暗くても分かるように書きましょう。
 
解像度の設定
    解像度によってDVDディスク一枚に対しての撮影時間が変わるので、確認してください。
 
インカムの活用
    舞台監督の指示がすべて聞こえる。曲の流れ()や照明の切り替わるタイミングがわかるので便利。実際どのように指示が出されるのか、監督に確認しておくとよい。
    本番直前のスタンバイ時には「よろしくお願いします」と、インカムを通じて監督に一声かけましょう。礼儀。
 
カメラワーク
    全体映し(引き映像)
Alt Prim Bass C.B.
余裕で、全パートが画像に入りきる。ただし引き過ぎに注意。
    パン(ゆっくり動かしながら撮る)
Alt → →Prim → → Bass → → C.B.
遠い位置からやるので、慎重に。あせらず、正確に。すぐに移動できてしまいます。
    アップ
一人だけピンポイントで撮影することは不可能。周囲の人が入るのは必然。
 
 

6.       その他諸注意
 
    過去の定演の映像をたくさん見ましょう。きっと参考になるはずです。
    合宿所など狭い場所では、演奏者が近すぎるためカメラワークの練習には向きません。広い場所での練習があったら貴重な機会だと思ってください。
    本番の演奏終了後は撤収でバタバタしますが、感動が冷めないうちに(隙を見つけて)指揮者などにインタビューをしましょう。
    コンパのときはなるべく挨拶する人の近くに陣取るべきです。事前にコンパ係と相談して、コンパ会場の部屋の広さ・形を把握し、撮影場所を考えておくと最高です。
 
最終更新:2009年10月14日 21:31