<<各セルの推移規則をこのように定めるとき、初期状態から1024ステップ後の、セル"t1"の状態は?≫
私がそうたずねると、暗心娶は数瞬、瞳を潤ませ、下唇を噛み、机の右端を睨みつける。
数理計算が終わるまで90秒、暗心娶は歯を見せてほほえみ、<<初期値に依存(いそん)せず、状態0をとります、せんせい≫と述べた。
暗心娶 (あんしんめとり)
おそらく苗字。単にこの表記でのみ呼ばれる。
上のやりとりの時点で10歳くらい。
"最少ギフテッド"。
未就学児の頃、大きな鏡の前に裸で立ち、
<<わたしのからだが非対称なのは、わたしが欠陥をもっているためだ。>>
と気づく。
<<わたしは非対称だから数学になれない。>>
その際の自傷行為がもとで連れてゆかれた精神科で、<<最少のギフテッド>>と判明する。
両親は健在で、だいじょうぶちゃんと愛されて育っています。
<<せんせい>>の出すクイズは、暗心娶の脳と精神によい刺激となっているようで、
実質的に趣味であり教育であり当面の生きる意味。
暗心娶はその日課を「きゅいず」と発音する。理由は、「Qではじまるから。」
論文とかそういうのは書いていない。
そもそも暗心娶は文字をまじめに表記する気がない。
好きな現象は、<<対称性の増加>>、<<対称性の減少>>。
一定の規則に基づき、非対称でランダムなパターンが次第に高い対称性を帯びるさまや、
シンプルな規則から著しく非対称な結果が生じること。
17歳時点での専門は、離散。グラフ、整数。計算可能性。
ギフテッドの女の子が出てくる漫画を読んで思いつきました。
好きな数学のジャンルが、最近自分が見聞きした数学のトピックスにとても影響を受けていますというかそのまんま。
見識が狭いのでしょうがない。
最終更新:2011年02月05日 00:37