T20編成 > PC > 階川雅成

部品構造


  • 大部品: 階川雅成 RD:165 評価値:12
    • 大部品: 階川雅成についての概要 RD:18 評価値:7
      • 大部品: 玄霧の民 RD:10 評価値:5
        • 大部品: 森国人 RD:9 評価値:5
          • 大部品: 森国人の身体的特徴 RD:3 評価値:2
            • 部品: 長い耳
            • 部品: 長身痩躯
            • 部品: 長い髪
          • 部品: 革製の日常着
          • 部品: 瞑想通信を使うことが出来る
          • 部品: 基本の職業適性
          • 部品: 森国人の習慣
          • 部品: 森の恵みを得る
          • 部品: 森国人の流用実績
        • 部品: 玄霧藩国の森国人
      • 大部品: 日常生活 RD:2 評価値:1
        • 部品: 習慣
        • 部品: コミュニケーション
      • 部品: 公人として私人として
      • 大部品: 人間関係 RD:4 評価値:3
        • 部品: 何より大切なひと
        • 部品: 友人と思っている相手
        • 部品: 恩人たち
        • 部品: 藩王玄霧について
      • 部品: 騎士領地:玄霧藩国大神殿区画
    • 大部品: 対人関係能力 RD:2 評価値:1
      • 部品: 対話力
      • 部品: 職務としての交渉能力
    • 大部品: 指揮官としての階川雅成 RD:25 評価値:7
      • 部品: 指揮官経歴
      • 大部品: 陸戦部隊指揮官 RD:24 評価値:7
        • 大部品: 参謀能力(陸戦用) RD:13 評価値:6
          • 大部品: 軍事運用計画作成能力 RD:4 評価値:3
            • 部品: 戦力の確保
            • 部品: 兵站維持の必要性
            • 部品: 戦争事務に対する理解
            • 部品: 軍事に関連する政治
          • 大部品: 作戦知識(陸戦) RD:9 評価値:5
            • 大部品: 歩兵戦闘指揮 RD:4 評価値:3
              • 部品: 歩兵運用
              • 部品: 歩兵偵察の在り方
              • 部品: 歩兵の防御的運用
              • 部品: 歩兵部隊による攻撃パターン
            • 大部品: 陸戦I=D指揮 RD:2 評価値:1
              • 部品: 陸戦I=D部隊の運用
              • 部品: 陸戦I=Dと随伴歩兵
            • 大部品: 戦術支援攻撃 RD:2 評価値:1
              • 部品: 砲撃支援運用
              • 部品: 航空支援の重要性
            • 大部品: 特殊な敵への対応 RD:1 評価値:0
              • 部品: 地対空戦闘
        • 大部品: 統率力 RD:11 評価値:5
          • 部品: 統率力のありよう
          • 部品: 自己理解と方針の明確化
          • 大部品: 組織方針の決定権限 RD:6 評価値:4
            • 部品: 業務目標の設定
            • 部品: 組織能力の把握と理解
            • 部品: 情勢把握と分析
            • 部品: 目標達成に向けた計画作成
            • 部品: 上長との意思疎通・認識共有
            • 部品: 方針決定とその共有
          • 部品: 指揮判断基準
          • 部品: 指揮ユニットの構築
          • 部品: 味方の鼓舞
    • 大部品: 玄霧藩国摂政 RD:10 評価値:5
      • 大部品: 摂政共通大部品 RD:9 評価値:5
        • 部品: 着用制限
        • 大部品: 摂政が持つ基本的な能力 RD:4 評価値:3
          • 部品: 忠誠と輔弼の義務
          • 部品: 外交戦能力
          • 部品: 外見への影響
          • 部品: 協調行為への適正
        • 大部品: 摂政が使う所有物と立ち居振る舞い RD:3 評価値:2
          • 部品: 官服
          • 部品: 扇子
          • 部品: 立ち姿
        • 部品: 流用実績
      • 部品: 摂政歴
    • 大部品: 魔法使いとしての顔 RD:71 評価値:10
      • 大部品: 玄霧藩国の魔法医 RD:41 評価値:9
        • 大部品: 魔法医(職業) RD:37 評価値:8
          • 大部品: 医師としての基盤 RD:30 評価値:8
            • 大部品: 名医 RD:29 評価値:8
              • 大部品: 医師(現代版)(職業) RD:17 評価値:6
                • 大部品: 現代医の能力と技能 RD:10 評価値:5
                  • 部品: 人体への理解
                  • 部品: 基礎医学の心得
                  • 部品: 地域医療の実地実習経験
                  • 部品: 清潔操作と基本的医療手技修得
                  • 部品: 一次救命処置能力
                  • 部品: 患者とのコミュニケーション能力
                  • 部品: 臨床実習で得た臨床医としての能力
                  • 部品: 共通試験・国家試験を合格する能力
                  • 部品: 臨床研修で得た経験
                  • 部品: 6年間の医学生生活
                • 大部品: 医師の心得 RD:6 評価値:4
                  • 部品: 医療関連ルールを遵守する
                  • 部品: 生涯を人道に捧げる誓い
                  • 部品: 患者へ尽力する誓い
                  • 部品: 公平で公正な治療行う誓い
                  • 部品: 人命尊重の誓い
                  • 部品: 医師という職業への誓い
                • 部品: 医師の流用実績
              • 大部品: 高度なインフォームド・コンセントの形成力 RD:5 評価値:3
                • 部品: 礼儀作法(医療
                • 部品: 医師に求められる外見
                • 部品: 正確な診断力・検査力
                • 部品: ムンテラ力
                • 部品: 最新医療知識の維持
              • 大部品: 鋼の心臓(医師) RD:3 評価値:2
                • 部品: 動揺しても態度に出さない。
                • 部品: 経験と実績から発生する自負心
                • 部品: 強い自制心
              • 大部品: 医師の腕力 RD:3 評価値:2
                • 部品: うなされるほどの練習
                • 部品: 無駄のない手技
                • 部品: 瞬時判断
              • 部品: 名医の流用実績
            • 部品: 臨床経験で知る限界
          • 大部品: 魔法の力を借りる RD:2 評価値:1
            • 部品: 森国人の魔法の素養
            • 部品: 科学的な医療技術とは異なる
          • 部品: TLOの封印
          • 大部品: 魔法による治療 RD:3 評価値:2
            • 部品: 術式
            • 部品: 刺青
            • 部品: 魔法医としての修行
          • 部品: 医師の基本の上に積まれる修行
        • 大部品: 魔法医の装備 RD:4 評価値:3
          • 部品: 白衣
          • 大部品: 魔法医の携行装備 RD:3 評価値:2
            • 部品: 往診鞄
            • 部品: 応急処置セット
            • 部品: 銀のメス
      • 大部品: 火炎の魔法使い RD:29 評価値:8
        • 大部品: 魔法使い(玄霧藩国版) RD:20 評価値:7
          • 部品: 魔法の専門家
          • 部品: 魔法とは
          • 大部品: 魔法使いという生き方 RD:18 評価値:7
            • 大部品: 幼少期の魔法教育 RD:9 評価値:5
              • 大部品: 理力・魔力の扱い RD:3 評価値:2
                • 部品: 魔法のある生活
                • 部品: 魔法の危険に向き合う
                • 部品: 科学技術と距離を置く
              • 部品: 生活のための魔法の習得
              • 大部品: 魔法の基礎修行 RD:5 評価値:3
                • 部品: 一の教え:魔法を使う事の責任
                • 部品: 二の教え:魔力とそれを取り巻く世界についての理解
                • 部品: 三の教え:術式の構造と呪文の意味
                • 部品: 四の教え:詠唱の練習と初歩的な魔法
                • 部品: 五の教え:健やかな体と穏やかな心
            • 大部品: 高度な魔法の修行 RD:8 評価値:5
              • 部品: 修行を受けられるかどうか
              • 部品: 魔法の修行と技術伝承
              • 大部品: 伝承制限のある魔法修行 RD:6 評価値:4
                • 部品: 真伝一の教え:善き魔法使いであろうとする心
                • 部品: 真伝二の教え:適量の魔力を扱う技術
                • 部品: 真伝三の教え:魔法制御技能の熟達
                • 部品: 真伝四の教え:長い呪文の詠唱能力
                • 部品: 真伝五の教え:魔法を使うものの身体
                • 部品: 真伝六の教え:世界の多面性を知る
            • 部品: 魔法使いとしての義務と権利、活動内容
        • 部品: 炎を使う魔法使い
        • 部品: 大きな魔力の運用
        • 部品: 精緻な火炎操作能力
        • 部品: 延焼被害への忌避感
        • 大部品: 魔法投射技術 RD:5 評価値:3
          • 部品: 周辺状況の正しい把握
          • 部品: 投射対象の認識と指定
          • 部品: 魔法の効果設定調整
          • 部品: 呪文の素早い詠唱
          • 部品: 魔法の発動と後処理
      • 部品: 魔法使いマジカル☆まさいぬ
    • 大部品: 保有している主な技術 RD:39 評価値:9
      • 大部品: 急げ馬よ RD:17 評価値:6
        • 大部品: 急げ馬よの要点 RD:2 評価値:1
          • 部品: 急げ馬よのあらまし
          • 部品: 急げ馬よの取得条件
        • 大部品: 馬術 RD:8 評価値:5
          • 部品: 馬と心を通わせる
          • 部品: 乗り降り練習
          • 部品: 騎乗姿勢
          • 部品: 歩法の習得
          • 部品: 常歩
          • 部品: 速歩
          • 部品: 駈歩
          • 部品: 襲歩
        • 大部品: 長距離移動訓練 RD:5 評価値:3
          • 部品: 長距離移動計画
          • 部品: 地図を読む
          • 部品: 越境の準備
          • 部品: 休憩・補給
          • 部品: 馬と野営
        • 大部品: 急げ馬よの陸路移動行為 RD:1 評価値:0
          • 部品: 急げ馬よの陸路移動効果
        • 大部品: 急げ馬よの流用実績 RD:1 評価値:0
          • 部品: 急げ馬よの流用者名簿
      • 大部品: 火炎の魔法 RD:15 評価値:6
        • 部品: 大きな炎を使う魔法攻撃
        • 大部品: 火の魔法 RD:6 評価値:4
          • 部品: 火を使う魔法
          • 大部品: 低位魔法 RD:3 評価値:2
            • 部品: 魔力を使って現象をおこす
            • 部品: 効果と規模の調節能力
            • 部品: ごくわずかな詠唱
          • 大部品: 火の球による攻撃 RD:2 評価値:1
            • 部品: ごく狭い面に対する熱攻撃
            • 部品: 燃焼による追加効果
        • 部品: 高度な魔法制御技術の要求
        • 大部品: 強い伝承制限 RD:3 評価値:2
          • 部品: 人格面の信頼性
          • 部品: 魔法制御技術の万全な習得
          • 部品: 伝承者の記録
        • 部品: およそ5倍の呪文詠唱
        • 部品: 強大な熱量と必要な魔力
        • 部品: 延焼の効果範囲と付加効果
        • 部品: 森国で使う危険性の大きさ
      • 大部品: かくれんぼ上手 RD:7 評価値:4
        • 部品: かくれんぼ上手とは
        • 部品: そもそもかくれんぼってなに?
        • 部品: 物陰にひそむ
        • 部品: 音と気配のコントロール
        • 部品: 誘導
        • 部品: 走って逃げる。走って捕まえる。
        • 部品: 運



部品定義


部品: 長い耳

長い耳とはいわゆるエルフ耳である。大きさはまちまちだが、耳の先がとがっているのが特徴であり耳たぶは短めである。長さと関係あるかは不明であるが、遠くの、あるいは小さな音を捉える能力にも優れている。

部品: 長身痩躯

種族的な特徴として肥満体になりにくく痩せた体つきをしている者が多い。総じて、細い見かけによらず膂力はあり衣服を脱ぐとしっかり筋肉のついた引き締まった体つきをしている。また他国人と比べて背丈は高めが標準である。

部品: 長い髪

森国人の髪の色にこれと決まった特徴傾向はない。髪型としては男女の別なく長髪が伝統と言える。もちろん髪型を選ぶのは個人の自由であり、短髪を好む者もいて、それが咎められることはない。

部品: 革製の日常着

天然繊維の肌着の上に身体にぴったり付くデザインのなめし革の胴着を着用するのが、森国人の伝統的な日常活動時の服装である。ズボン、スカート、長靴など様々な部分に皮革が多く用いられるが、もちろん、必要に迫られたり職業によってはこの限りではない。

部品: 瞑想通信を使うことが出来る

森国人の特徴として瞑想通信を使用できる。瞑想通信を使うには道具の補助や数人がかりでの瞑想など、入念な準備が必要となる。

部品: 基本の職業適性

人種的に、理力・魔法との親和性がとくに高い。その他に、優れた視力と聴力や自然の中での隠密行動に長けていることから忍者、また指先の器用さに優れる者が多く整備士・医師などにむいているとも言われる。

部品: 森国人の習慣

自然を大切にし、森を切り拓かないまま森の中に村を築く。樹木をそのまま活かす木造建築物を好み、自然環境を破壊しない生活を送ることを良しとする。

部品: 森の恵みを得る

森国人は、その名の通り森で暮らしてきたという歴史から、自然の恵みを採集活用する技能に長けている。森とともに生きるというライフスタイルをもち、資源の獲りすぎによる種の絶滅が起こらないように生活を律してきた。近年では開けた場所で畑作も行っているが、森を減らすことは本末転倒として嫌う傾向が強い。森がなくなることは災害を呼ぶという伝承を伝えており、森の手入れのための間伐は行うが必要以上の伐採は戒められている。

部品: 森国人の流用実績

このアイドレスは玄霧藩国が製作しました。
飛翔@海法よけ藩国さんに流用いただきました。
ありがとうございます。

部品: 玄霧藩国の森国人

森国人国家と一口で言っても、国が違えば気性も少しずつ異なるものである。玄霧藩国では、よく言えば職人気質、別の言い方をすればオタク気質の、おのおのが自分のウデを磨き上げることに熱意を見いだす傾向があった。それは各人の好みによっていろいろな方面に向けられたものであったが、家庭の娯楽としての食事、ひいては美味しい家庭料理を作ることへむけても発揮され、家族・友人の喜ぶ顔を見ようと自分の腕を磨くことにみな熱心に取り組む様子もみられた。それは他者を癒すことに感じる喜びともつながっていった。

部品: 習慣

習慣には二種類ある。必要だから義務的に行うものと、自発的なものだ。
前者は「家事」「仕事」「ルールを守る」といった、生存するため、社会生活を送るために必要な習慣である。
後者は「趣味」「休暇」で、中間で揺れ動いているのが「社交」だ。
/*/
まず家事の説明から行こう。これは「家計」「料理」「ハウスキーピング」によって構成されている。
/*/
「家計」は、「普段のやりくり」が主となる。
誰しもが、税の支払いや食料品、雑貨といった消耗品の購入、およびそれをするための金銭と時間を支払って、普段の生活を送っているからである。
自給自足で賄ったり、物々交換する文化の場合は、目的のものを手に入れるまでの時間的コストを支払っているものとみなす。
どういった形にせよ、収入相応の日常的支出は起こる。
収入が少なければ優先度の低い出費を諦めるか、または切り詰めるために安いものを探すし、多ければ経済を回し、豊かな生活を送るために、金の使いみちを工夫する。
一時的に足りなければ借り受けるし、その返済も行わなければならない。そうならないよう、普段から無理のない範囲で貯金したり、投資で増やしておくこともできる。
緊急で必要とされるだろう分、あるいは特定のタイミングで必要になってくるだろう分の積み立てや、そのための仕組みを利用するのだ。
/*/
「料理」とは、自分、または家族の好みと、自分の知る限りでの栄養バランスに配慮し、コストパフォーマンスと安全の双方から見て買い集めた素材を用いて、時間を掛けすぎずに作れる、いつもの味の料理のことだ。
たまには失敗するし、手に入る素材も常に一定ではなく、料理自体、腕前によって出来不出来は出て来るものだ。
どのような形でも、生きている以上、何かを食べなければ生きられないし、どうせならおいしいものを食べたい。
出来合いのものを買って済ませることもあるし、プロの作ったものを食べて帰ったり、あるいはプロを雇うこともある。
/*/
「ハウスキーピング」は、「ゴミ捨て」「清掃」「整理整頓」「補充」で出来ている。
/*/
「ゴミ捨て」は、溜まったゴミを廃棄するか、公共の処理施設に回収してもらうため、所定の位置に出すことだ。
場所によっては捨てるゴミの種類に応じてコストが掛かる。また、捨てる際の作法にも夜間ゴミ出し禁止であったりネットをかけるといったローカルルールが存在する。
分別には気をつけて行おう。

「清掃」は、生活の中でついた汚れを払ったり拭ったり、溜まった埃を掃きまとめて捨てたり、曇っている箇所を磨いたりして、美観を整えることである。

「整理整頓」は、所定の場所に物を戻す、あるいは置き場所が定まっていないものに対して置き場を用意してやり、不要になった物は廃棄、売却、または譲渡して家の中から追い出すこと。

「補充」は、物品の消耗や破損、故障に対して、代替品を入手してくることである。

これらを始めとした、「住居の快適性」を維持するための要素の組み合わせて「ハウスキーピング」は成立している。
/*/
「仕事」は、「業務」および、それを支える「労働と報酬」の原理によって回っている。
/*/
「業務」は、就いている職業または身分に相応しい行動を送ることだ。
時間帯および行動の内容はそれぞれの状況に応じて異なる。

「労働と報酬」とは、契約に応じた報酬を、所定の労働と引き換えに得ることである。
支払いの形態、たとえば何を支給の対象とするか、どういった計算で支払いを計上するかは、それぞれが所属する藩国および組織の法と規則に従った上で、双方の合意を結んで定める。
判断能力を持たないものに関しては、利害関係のない第三者を立て、不当な搾取の起こらないよう、責任を持って公的機関がこれを監視する。
/*/
「ルールを守る」とは、「法」と「ローカルルール」の把握、および遵守によって行われる。
/*/
「法」とは、「所属陣営」「藩国」「自治体」という階層構造で発布・施行されている、強制力を伴った規則である。

「所属陣営の法律」は、藩国を超えて所属陣営全体に広がっている。
一国が敷くよりも守るべき必然性が非常に強いため、破った際の処罰が重く、強制力も高いことを普通は知っているため、これをよく注意して守ることになる。

「藩国の法律」とは、所属している藩国の法律のことだ。
ここの国民で居続けるためには守って欲しいルールですよという内容であり、国民全員に共有されていることが前提となる。
多くの民にとり、もっとも身近な法であり、藩国の強制力と順法意識とのバランス次第で程度の差は出るが、注意して守る。

「自治体の条例」は、上記2点の法よりも優先度は低いかもしれない。
判断が分かれるような細かい個別の事例に対して制定しているためで、危険だったり困る行為は、そもそも条例以前の段階で網羅されているからだ。
自治体が引っ越してきた際に周知することが義務付けられている。
独自の罰則が設けられているため、順法意識によって程度の差はあるがそれなりに守ろうとするだろう。

これらを守ろうとする中で、必然的に様々な手続きが発生し、日々の生活の中で細々とこなしていくことになる。
/*/
「ローカルルール」とは、集団内の「しきたり」や「家庭内ルール」のことである。
/*/
「しきたり」は、法的な根拠はないが、その集団に所属するためには守るべきであると所属者の大半が考えているルールだ。
不合理であり、守る必要はないと感じる場合もあるが、発端となった経緯を聞くことで分かる事情もある。
人によっては守らないし、それですぐさま大きな問題にはならなくとも、不和のもとになりうることは理解している。

「家庭内ルール」には関係に応じた種類があり、ここでは代表的なものを例として取り上げる。

まず、「親子の約束」だ。
社会的なルールを守らせるための約束であり、同じ生活空間で暮らして血の繋がりもあるが、別々の個人として互いを尊重しあうための約束でもある。
明文化されることは珍しく、しばしば口頭で結ばれるし、誤っている、非合理であるとの互いの主張によって見直しも入る。
破った際に罰則を設けるかどうかは家庭次第だろう。

次に、「夫婦の約束」である。
他人同士が一つの家族を作り上げるにあたって結んだ約束だ。
明文化されることは少なく、また、生活しているうちに暗黙の了解となって築き上げられる条項もある。
互いに確認しあい、守るためにはどのように工夫したらよいかを話し合うことで維持される。
/*/
自発的な習慣の説明に移る。「趣味」と「休暇」だ。
/*/
「趣味」は、要するに「やる必要はないがやりたい行動」だ。

「一人の時間」の中では、趣味に没頭し、自分の時間を持つことになるだろう。
集中を邪魔されると気分を害するので、家族は配慮することが求められるが、家族内のルールに従っていない場合は問題としてよい。

趣味を過ごすためには、「趣味の予算」も必要である。
コツコツと積み立てた時間的・金銭的・資材的な予算を用いて、思うがままに趣味を満喫するためのものである。
または、思うままに趣味が満喫出来ない不自由さまでを含めて、趣味の時間を満喫するためのものでもある。

中には「秘め事」だってあるだろう。
これは専用の空間で内緒のことをしている。何をするかって? それはここには書けないな。何故なら、人に教えられない事をするのが内緒のことだからだ。
誰にだって秘密にしておきたいことの一つや二つ、あるものだ。
隠すのは、反社会的な行いだからではなく、マニアックだったり恥ずかしかったりするので、人に知られるのが怖いからだとだけ書いておこう。
案外くだらなかったりする。

「空想」などは典型的な趣味の一つ。
そのものずばり、あれやこれやを空想する。現実的な事柄、現実には起こり得ない事柄を問わない。
現実的なものも、現実には社会的制約があって取っちゃいけない行動、現実的に取れるんだけれども勇気が無くて出来ない行動まで、実に様々。
空想は場所も時間も問わない。
/*/
「休暇」は、つまり「何もしていない時間」で、「自由な時間」のことだ。
/*/
「何もしていない時間」にも色々ある。
自分にとって意味があると思えない行動を取っている時、人の心は頭の中や感情を整理しているからである。
ただ寝転がっているだけであれ、ぷちぷちを延々と潰しているのであれ、何も考えず空を眺めているのであれ、目的がなければ、それは本人にとって何もしていない時間なのだ。

逆に「自由な時間」の条件はシンプルだ。
何をしなければいけない、何をやればいいだろう、そういった義務感や焦燥感から解き放たれた、自由な時間である。
それまで与えられていた方向性から解き放たれ、他人からも自分からも自由だということだ。
改めて同じことをやるのもいいし、何もやらないのもいいし、突拍子のない新しさに踏み出してもいい。
そんな素敵でポジティブな時間である。
/*/
「社交」は、やりたいからやる場合と、やらざるを得ないからやる場合の間で大きく揺れ動いている。
/*/
「一緒に遊ぼう」、「食事しよう」といった、何らかの行動を共有する事が、社交の主な要素となってくる。
関係性を深めるため、あるいは深めたという手続きが済んだとみなすために行うと、義務感が強くなる。
相手や自分を元気づけるため、何らかの区切りをつけるために行う場合は、自発性が強い。
/*/
ここでは「元気づけるため」「区切りをつけるため」にする社交の一例を挙げていく。
「そうではない感」があったら、相手に対し、義務的に行っているということである。

まず、一緒に何か遊ぼうと誘う。
これは普段からやっている場所や内容でもいいし、それらにこれまでにない新鮮さを求めてもよい。
気晴らしになる。

また、元気がない時は大体ご飯も美味しく食べられていない。
一人で食べさせるより、一緒にご飯を食べれば気分もまた変わってくる。
外で飲んだり美味いものを食べてもいいし、誰かの家でそうしてもいい。

元気づける時に限らず、区切りにはプレゼントやお小遣いを贈るのも良いだろう。
誰かの記念日であったり、贈りたい気持ちになった時、あるいは贈答品の習慣のある文化に組み込まれている場合、相手や関係に応じて見繕って、作ったり、買ってくるのだ。
お小遣いの場合は、理由をつけて奢るのでもいいし、自由になるお小遣いを、名目を見繕って渡し、使うための余暇まで新たに割り与えることが大事だ。

ご馳走もいい。
これは、家計と普段の手間暇から見て、大きくコストを割り増している食事のことだ。
いい素材を買い集め、普段食べないものを食べるだけでなく、見栄えや器、盛り方を工夫すれば普段の料理でもそれなりのご馳走になるし、手の込んだ料理をするだけでもよい。
外に赴く場合、雰囲気と味はより重要になってくる。

また、ご馳走まではいかずとも、普段は用意しないもう一品があると、特別感は与えられるだろう。

物だけでなく、言葉や行動によるねぎらいも大事だ。
お疲れ様、ありがとうから始まって、普段どこを頑張ってくれているかを具体的に挙げ、その働きを褒めることで、自己肯定感を与えられるだろう。
これは普段からやってもいい。

行動のねぎらいとは、つまり手伝いである。
本来その人が分担しているはずの仕事や役割を、その時だけは、手伝うか、または代行して全部やってしまうのも関係を深めるのによい。
社会の大半は分業によって成り立つ。しかし、同じ行動を、しかも自分がやり続けなければいけないという状況は、ひどく疲れてしまう。

念入りな掃除によって、普段の生活空間をピカピカに綺麗にして、装いも新たにしてあげると、相手の気分も変わるだろう。
これにより、今日は普段とはちょっと違う雰囲気だなと思わせることが出来る。
/*/
これらの他に、移動といった基本的な日常行動や、睡眠や排泄といった機構的必然のある行動もまた、広く習慣として含めることだろう。

たとえば移動には、まず、目的地が必要だ。
どこへ行くにしても、目的地を定めている場合はルートを決める必要がある。ゴールが決まっている以上、通らなければならないポイントが出てくるのである。

次に移動手段。
徒歩、公共交通機関、または私用・公用の乗り物、騎乗用動物など、それぞれの文化の日常で用いるに相応しい移動手段を使って行う。

寄り道もあるだろう。
これは、本来の目的から外れ、普段とは異なるルートを辿ること。または、そのルートそのものである。
気分転換になるし、新しい発見にもつながる。

そして定住者なら最終的には行って帰る。
生活の拠点である家から出発して、目的地に辿りつき、また家まで戻ってくる。中間地点を複数経るとしても、帰る場所が決まっている以上は、行って帰る。

放浪者であれば、 新たな地に辿りつくだろう。
定まった住居を持たない場合、移動したまま戻らず、別の地に行くことがある。
それがかつて居たことのある場所か、それとも全くの新天地かは問わない。
/*/
知性体として内観を働かせることも、習慣と言える。

精神の内面においては、感情と思考の把握。
自分が何を感じているのか、感じたものの性質は何かを、衝動や言動、行いといった内外に現れている要素を観察して把握すること。
また、頭の中で考えていることを、具体的な文字やイメージに落とし込み、掘り下げる中で、より明らかな形にしていくことである。

外部との接点においては、身体と環境の把握。
体の各部位に感じている痛みや快調さから、それぞれの状態がどのようになっているのか、見た目以外からも判断し、これを理解すること。
自分が今何処にいて、それはどのような環境であり、どう対応するべきなのかを、都度感じ分け、また対処する中で理解を深めていくこと。

こうした内観の働きなくして、知性は知性たりえないのだから。
/*/
他にも様々な習慣は存在する。それらはすべて、生きるために必要な行為なのである。
世界に存在する習慣の多様さはつまり、それだけ多様な生き方が存在しているという証左であるだろう。

部品: コミュニケーション

基本は、「話を聞く」「意見を述べる」の二つで出来ている。
前者は、相手が話したがっていると様子を察した時、または相手が話しかけて来た時、相槌や反応を挟みつつ、自分の中で理解を進めながら、相手の話を受け止めること。
後者は、相手と現在共通のものとして扱っている話題に関して、適宜タイミングを見て自分の考えや感情を表現すること。
/*/
次は、そこにどのような「感情表現」が含まれるかを説明しよう。
ポジティブなものなら「喜ぶ」「愛しい」、ネガティブなものなら「悲しい」「怒り」などがある。これらを一つずつ紹介する。
/*/
喜びは、主に「嬉しい」と「めでたい」で出来ている。
「嬉しい」とは、自分や、我がことのように感じられる誰かにとって喜ばしい出来事があった際、その喜びを感情表現することだ。
そして「めでたい」とは、自分や誰かにいいことがあった時、何らかの行動に出て、積極的に祝おうとすることで、喜びの感情に具体的な形を付けてあげる行為である。

愛しさに至っては様々な表現方法がある。
そのうちの一つ、「甘える」は、「わがまま」や「おねだり」で出来ている。

「わがまま」とは、相手との親密度に応じて、自分に許される範囲だと思っているわがままを言ってみたり、わがままな態度を取ってみたりすることだ。
「おねだり」とは、何らかの物品や行動を代償なく要求すること。それ自体が欲しいのではなく、普通は受け容れられないような無理を、自分のためだけに聞いてくれるのが嬉しくてやっている。

また、すべての感情がそうであるように、愛しさにも段階が多く存在し、それらは「スキンシップ」によって進めたり、推し量る事が出来る。

たとえば「握手」だ。これは、手と手を握り交わす挨拶習慣である。
もっとも外界に触れる部位である掌を通じてお互いの肌を許し合うことで、互いに交渉の余地ありと認め合うか、または、そのことを再確認している。
種族によってはもっとも外界に触れる部位が掌ではない場合もあり、その際には適切な部位を用いて行うだろう。

次に、「ハグ」。
立った状態、または座った状態で、相手と向き合って抱きしめあうこと。相手の体温と触感を感じて落ち着ける。
相手との関係性や、相手の状態によっては拒絶される。

「キス」だと段階を推し量るのが文化や関係によって大分異なるので、難しくなってくる。
これは口を相手の体のどこかに触れさせる行為だが、触れさせることを許す場所や、その多さによって親密度が異なってくるからだ。

「撫でる」ことは、同じ種族間だけでなく、たとえば人と動物のような関係でもよく見られる行動だ。
相手の頭や髪、毛、肌などを撫でて行う。
痛みを取り払うためにする撫でさすりとは、部位の時点で明確に違い、愛情表現のために用いられているのである。

「セックス」、つまり性交渉は、多くの場合、性愛に基づいて行われる、深いスキンシップとなるだろう。
他の多くのスキンシップを内包して行うが、その要諦は性的な快感を高めること、または性的な感覚の充足を得ることである。

その次にやってくる段階としては、「繁殖」だろう。
性的なコミュニケーションの結果、子孫を作る行いだ。相手との関係性次第では生物学的な不可能が存在して行えなかったりもする。

これらの他に、頬ずりであったり、体を擦り付けたり、膝の上に載せる、ただ手を握るなど、単純に段階で分けられなかったりするのがスキンシップの奥深さである。
相手をどれだけ深いプライベートな感覚で長く感じたいかで、親密度を測るというのが、一つの物差しになる。
/*/
生きる以上、ネガティブな感情表現も避けられない。
代表的なものが「悲しみ」や「怒り」だ。

生きていて、悲しければ泣いたり苦しんだりする。
泣くとは涙を流すことである。
涙を流さず、表情は別の感情の形を取っていても、悲しみの表現として強く感情表現をしている場合、心は泣いているのである。
そして、苦しむ。
これは、自分ではどうにも出来ない、あるいはどうにも出来ないと感じてしまったことに対して、それでもどうにかしたい、どうにかできないかと、感情が納得しない状態のまま、もがくことだろう。

また、怒れば「八つ当たり」をしたり、「いつもより過度な態度」になったりもするだろう。
八つ当たりとは、物や人に対して、それらが悪いわけでもないのに、攻撃的な態度や行動を取ってしまうことである。
そうすることで、行き場のない感情に無理やり矛先を作って発散しているのだ。
いつもより過度な態度とは、荒々しくなったり、冷淡になったり、丁寧になったり、人によって表現する方向は違うが、いずれも普段より過度な態度に傾くことで、怒りを心の内側から行動や態度へと溢れさせている。
/*/
さて、コミュニケーションには基本があり、そこに感情表現が含まれるところまでを説明してきた。
では、具体的にどのような方法でコミュニケーションを取るかを、次に取り上げていく。
/*/
コミュニケーションには「双方向的なもの」と「一方向的なもの」の二種類がある。

双方向的なら、関係性を築くため、または関係性に相応しい態度を取るために、様々な方法が存在する。
「手探り」「砕けた感じで」「理性的に」「衝突」といった具合だ。

一方向的なら、「情報の単純処理」「要求の発信」、そして「受け身」である。
/*/
双方向的なコミュニケーション方法から説明していこう。

「手探り」というのは、大体が共通の話題探しの意味である。
初対面、またはそれに等しい関係から段階を経て行うものだ。
お互いに今共有している出来事、たとえば天気に関する意見だったり、今置かれている状況への意見だったりから入る。
そこで意見の一致を見出しつつ、その感じ方や話題のつながりによって、どのような志向を持つ人物かをお互いに探り合いつつ、次第に会話の範囲を狭め、親密度を増していく。

そこである程度の関係性が築ければ、「砕けた感じで」態度が変わっていく。

手探りを経た後、関係性は「雑談」に移る。
相手が関心を示した事柄に水を向けてみたり、自分の関心がどこに向いているかを口にしてみるところから始まる。
特に結論を求めている訳ではなく、互いに対する関心と理解が深まればそれでいい。

また、「ジョーク」は、会話の中で雰囲気を和ませるために行う話術の一つである。
タブーを踏み越えると笑えないので、相手によってタブーを見分ける。
身内ネタほど身内の受けは取りやすいため、共通の話題を見出して、そこからネタを見つけて距離感を詰める。

これらを経てたどり着くのが「身内トーク」である。
おはようから始まってお休みやさよならで終わる、挨拶を含む普段のコミュニケーションだ。
どういった関係性の身内と認定されたかによって内容は異なるが、今日はどんなことをしたという報告や、くだらない話、何気ない話もすることで、時間と感情を共有する。
共有の積み重ねによる関係性の強化が目的である。

逆に、関係性の度合いとは関係なしに行われるのが、「理性的な」コミュニケーションとなる。

「会議」は、共通の議題を持ったグループの間で、共有するべき話題について、集まって相談することである。
たとえば家族の会議だと、普段の夕食なら適当でよくても、記念日なら意見を募らなければならなかったり、普段の土日なら思いつきで行動してもいいが、長い旅行先はみんなで行き先を決めると言った次第で、必要になってくる。
また、ポジティブな話題だけではなく、家庭の経済状況といった深刻な問題や、子供の性教育といった真剣な問題についても相談する。
どういったグループであれ、感情を踏まえた上で、理性的に結論を求めていくのが会議という方法だ。

「議論」は、会議の中でも用いられる、議題を設定し、意見を交わしあう行為である。
どういう論理に従っているかを、いかに明瞭に相手に伝えるかが大事である。
自分の理解と相手の理解を確認しつつ進めていき、互いに結論を持つところで終える。
終わる際、必ずしも同じ意見に落ち着かなくともよい。

理性的に話をすすめるには、「整理」も必要になってくるだろう。
自分や相手の話した内容や行動を客観的に整理することだ。
言葉や文字、図表など、アウトプットした形で行う。
その方法としては、時系列順に並べたり、準拠している論理に従って並びを入れ替えたり、不要な情報を省いたりする。

ここまでは最初から主体的に参加している場合がほとんどだろうが、途中から参加する場合もある。

「仲裁」が、その最たるものとなるだろう。
口論や喧嘩の仲裁を行うのである。
口論であれば話を聞いて整理する。喧嘩であれば、まずは割って入って冷静にさせる。
和解できれば最上だが、行きずりで再現性がなさそうだと判断したら、再発を避けるために引き離すだけでもよい。
ことのきっかけやいさかいの途中で犯罪ないしは規則違反が発生していたら、タイミングを見てしかるべきところに報告する必要も出てくるだろう。

仲裁が必要なように、コミュニケーションの中には、「口喧嘩」や「文句を言う」といった、「衝突」を引き起こすものもある。

「口喧嘩」であれば、自分の意見を通すため、あるいは害された自分の気分を表現するために、相手との衝突を避けず、口にすることだ。
無闇に我を通せばいいという訳ではなく、関係に応じた引き際というものがある。
喧嘩をするのが目的ではなく、意見に折り合いがついたり、相手が自分の気持ちを理解してくれたらよい。

「文句を言う」のは、相手に対して感じた、または以前に感じていた、相手が悪いと思った箇所、直すべきだと思った箇所、自分や他人を害したと感じた箇所を、理屈や感情を交えながら表現することだ。

口頭だけに収まらず、物理的な衝突にまで発展しなければ解消しない場合もある。
そこまでやっても、物別れに終わる、関係が破綻することもあるのだから、コミュニケーションはまったく難しい。
/*/
次に「一方向的」なコミュニケーションの説明に移る。
これは、「洞察」や「受容」「我慢」「愛される」といった一方的な受信と、「事務的伝達」や「頼る」「可愛がる」といった一方的な発信とに分かれる。
例外が、コミュニケーション自体を拒否するサインの発信である「関係の断絶」だろう。
/*/
「洞察」は、「相手の状態」と「コミュニケーションの流れ」を察することで行われる。
相手の感情や思考が今どのような状態であるかを、これまでに得た経験と知識に照らし合わせる形で、その態度や表情、発言内容から推察したり、相手の表現がまとまっていなくとも、何を伝えようとしているか、その素振りやこれまでに出てきた言葉の方向性から当たりを付けて、これを成立させる。

「受容」は、「受諾」と「容認」の二つで成り立っているだろう。
「受諾」とは頼まれごとを引き受けること。また、その際に示す明確なシグナルや言葉、文面での了承だ。
受諾自体には感情的な要素は挟まれない。
「容認」は、相手のありようや提案、お願いといった、自分に向けてくる感情や物事の流れを、それでよいとして認め、受け止めてやることである。

需要に対して「我慢」は感情的な要素が大きい。
「やむを得ない我慢」は、誰に非があるわけでもなく、ただ自分の運が悪かったり、平等にみんなの状況が悪いと納得して、感情の矛先がなく、受け止めざるを得ないものとして飲み込む。
「無理やりする我慢」は、誰かには何らかの非があって、少なくとも自分にとってそれが誰かは明確なのだが、立場や状況がその追求を許さないため、一時的に飲み込む。
いずれも感情を自分の中に留める行為である。

「愛される」は、ネガティブな一方的受信の代表例となった我慢に対して、ポジティブな代表例だ。
「満足げにする」ことで、周りや相手が捧げてくる愛情や、それを示す愛情表現に対して、当然であるかのように受け取り、深くその全てを受け止めてやる。
「幸せに浸る」ことで、自分が愛されていることを噛み締め、満たされた気持ちになる。また、愛されている理由に納得し、これまでの自分の行いに対して正しさを感じる。
いずれも自己肯定感そのものに直結しており、自我の構成には不可欠である。
/*/
ここまでが一方的受信の例で、ここからが一方的発信の話になってくる。

「事務的伝達」とは、つまり「報告」と「連絡」だ。
「報告」は、定められた情報をしかるべき宛先に伝えること。その方法や手順、タイミングは、報告の内容と、宛先が定める規則に従う。
「連絡」は、自分の思うところや、伝えるべきと思った情報を、それにふさわしいと思った相手に対して送ること。また、その相手と応答を続けること。
相手のリアクションまでは含まない。

事務的伝達の後によく来るのは、「頼る」という方法である。
「相談」は、こんなことで悩んでいる、どうすればいいか判断に迷うといった、具体性のあるものから、そもそも悩みを具体性あるところまで持っていくためにはどうしたらよいかと、助言を求めて行うこと。または、話しながら自分の中で成立をつけたり、背中を押してもらいたかったり、ただ悩んでいること自体を聞いて欲しかったりして行う。
相談ではなく、もう「お願い」になることもある。
それは、話を聞いてくれ、またはこんなことをしてくれと、相手にお願いする行為である。
しばしば、お願いそのものと話題が同時進行で話しかけて進められる。

要求を出す発信が頼るという方法なら、「可愛がる」とは、その真逆で、相手のリアクションを求めない。
「愛でる」場合、これはいいなあ、いいものだなあと、ひたすらに自分の感情に埋没しながら、対象に相応しいと思った態度で、抱いた感情を表現する。
「夢中になる」と、他のことが気にならなくなるほど対象に集中してしまい、それまで考えていたことや、やろうとしていたことを全て投げ出してしまう。
いずれも、ひとしきり終わった後に相手の反応を改めて受け止め、次の行動に移るものである。可愛がるとは、相手に対する純粋な存在肯定なのだ。

この、可愛がるという相手への存在肯定と真逆に位置する態度が、「断絶」である。
「会話の打ち切り」は、その始まりだ。
話を切り上げ、それ以上続けさせないような態度を取ることである。離席、言葉を遮る、次の話題に無理やり移るといった手段がある。
これが進むと、「無視」、つまり相手の話を聞かず、また、その存在があたかもないかのように振る舞う行動になる。
相手を傷つけるか、相手に非を認めさせようとする行為であり、相手が自分を認めない限り、自分も相手を認めないという態度のことなのだ。
/*/
ここまで挙げた以外にもコミュニケーションは様々に存在する。
関係性の数だけ、個人の数だけコミュニケーションは細かく表現の内容が分かれていく。
コミュニケーションとはつまり、そのすべてが誰かと共に生きるための手段なのだ。

部品: 公人として私人として

階川雅成、玄霧藩国の摂政であり、以前は雅戌と名乗っていた人物。
藩国の政務に長らく携わり、藩王玄霧を支え共に国を守ってきた他、共和国藩王会議および大統領府の一員として、
共和国全体を通した公共の利益のための活動を多く行ってきた男である。
その活動範囲は、戦略、政治、軍事、経済と多岐に渡っているが、近年では軍事方面に従事することが多い。

一個人としては階川敦子の伴侶であり、彼女との間に子を一人もうけている(出産より前に迷宮に突入したため、子のその後については把握していない)。

性格は『怠惰な完璧主義者』。常に理想を追い求めるが理想が高すぎて挫折しがちであり、
いざ働くとなると、日頃怠惰である反動で適切な休み方を知らないまま限界まで働く悪癖がある。
以前は正義という概念で自分を縛る事を全てと考えていたが、近年ようやく、個人としての幸せを求める事を自分に許した。
好きなものは輝いている人の心、嫌いなものは恥を知らない行い。
歌を好む。


部品: 何より大切なひと

階川敦子および彼女との間の子を何より大切に思っている。
かつて鋸山Bと名乗っていた女性が、誰かのために身を捨てて尽くそうとする人間であると知った時、
そういう人間にこそ幸せでいて欲しいと願って近づいた。
その気持ちの源泉が親近感によるものであることは否定できないが、結果二人そろって、そして周りの人も共に幸せになれればそれでいいのである。
自分が幸せになるためには家族が必要だと強く考えており、家族に対する想いは強い。
階川雅成が迷宮攻略を主導して(途中で何度もくじけながら)最後まで働きぬいたのは、何より生まれてくる我が子とその母の無事のためだった。
大切なものがあるから頑張れるし、大切なものを裏切れないから立派でありたいと思うのだ。


部品: 友人と思っている相手

人に礼儀正しく接することには慣れているが、友人を作るのが大層苦手であり、特にACEの友人に憧れを持つがこれといって友人と呼べる相手はいない。仲良くしてくれるPCはそこそこいてくれる。
ただし本人は「ヴィクトリー・タキガワは大切な友である」とずっと口にしているし、
今はもういないと言われている藩国逗留ACEの香川優斗とも友人になりたかった。
なお、友人になりたかった相手の一人である早撃ちマックが、実はマスクを被った自分自身だったと知った時、それなりに落ちこんだ。


部品: 恩人たち

かつて世話を受けた恩人は数多い。
ヴィクトリーも香川もそうだし、光の国で出会ったあるヤガミや英吏・M・シバムラ氏、ダガーマン氏にも恩義を感じている。
また、マクイック・ドロウという人物に対し、直接の面識はないが強い思い入れを抱いている。
彼について詳しく知っている様子だが、その最期についてはよく知らないらしい。

部品: 藩王玄霧について

自国の藩王であり自らの主である玄霧弦耶に対して、厳しく接する所が多々見られる。
しかし私的な場においても常に藩王に対し敬語を使い、敬称を用いる事からもわかる通り、その関係性は信頼であり敬意が多分に存在する。
人の上に立ち周囲を纏め守る人間として、藩王玄霧の器を確かに認めているからこそ、長らく一緒にやってきたのだ。

彼に対して厳しいときは、藩王として、またはヒーローとしてふさわしくない言動を行った場合であり、それはつまり期待の表れであるが、あまり口には出さない。

部品: 騎士領地:玄霧藩国大神殿区画

藩国内に騎士領地を持ち、藩国の大神殿を領地内に含めている。
また、大神殿前にある共和国環状線の駅および駅前商業施設も管理下に置いているが、これは領地支配というよりも重要区画の管理運営を目的とした政治的な配置である。
大神殿内にある重要区画の秘密を正しく守るためでもある。
大神殿の責任者自体は別におり、大神官たる人物が代々これを担当している。

なお、住居として領土内に一戸建ての家を持つ。

部品: 対話力

役職で自分を縛れている間は公正さのある人物として振る舞える。
個人として話し出すと雑さ、横柄さが表に出やすい。
謝るべきと思ったら素直に謝れるのは美点。
人望は高いとはあまり言えない。カリスマ性はない。

部品: 職務としての交渉能力

職務上の目的を持った交渉においてはそこそこ役立つ。
親しい相手であっても交渉の場においては節度をもって接する事ができるのは長所。


部品: 指揮官経歴

共和国の軍事統括が大統領府の管轄に入った頃、大統領是空とおる氏に自ら志願する形で軍事の取りまとめの仕事を請け負い始めた。
指揮官の補佐としての勝率は中々高い他、自身が指揮官として活動した際もそこそこ勝っている。共和国指揮官としてはまあまあ勝ってる方だ。
なお、戦争関連の手伝いとその後処理をしただけのつもりでいたところ、周囲から大統領府の仕事を担っていると思いこまれて気づいたら大統領府の仕事もしていた。
(正式に大統領府のスタッフとして承認を受ける際、大統領よりその点注意を受けている)

基本的には第五世界九州(および広島)での戦闘経験を指揮能力として使っているため、陸戦には強いが海戦・空戦・宇宙戦ではあまり能力が発揮できない。

部品: 戦力の確保

 自軍の保有戦力が常に理想的な稼働状態ならば言うことはないのだが、現実はそうもいかないので、戦力の確保にはいつだって頭を悩ませることになる。
 動かせる戦力の中から、作戦の遂行に必要なものはどれで、どの規模を求めるのかをはっきりさせ、
もし足りない場合はどこからどう用意するのかを含めて準備する。戦争の大部分は準備である。

部品: 兵站維持の必要性

 戦いが始まった瞬間に終わってくれるのであれば物資の補充は必要ないが、そんな戦いはほとんどないのである。
 戦争に時間がかかればかかる分だけ、物資の消費量は増え、それを補充するための手間が必要だった。これを兵站と呼ぶ。

 戦力確保と並んで重要なのが兵站の維持である。というより、戦力の維持はすなわち兵站の維持であると言えるので、
兵站の維持について考えるのは当然のことと言えた。
 全体の物資保有量、供出元、今後を見据えた消費配分、流通経路、補給路攻撃への防御策など、考える事は山積みである。


部品: 戦争事務に対する理解

 軍事運用の計画を立案するところまではよくとも、実際に運営していくとなれば、当然事務作業が多発する。
 指揮官が事務作業までやっていたら部隊は回らないので、参謀業務の領分として事務作業が数えられる。
 戦争事務処理能力が維持されることこそが軍の戦争能力の維持条件の一つであり、潤沢な人員と適切な休養が用意されている事が重要視される。


部品: 軍事に関連する政治

 優れた軍組織は政治に対しても深い理解と対応力を持つ。
 戦場に選ぶ国はどこであるだとか、出撃する人員はどの国の出身であるだとか、
考えなくてもいいと言えばいいが考えた方が色々上手く回ることは多いので、政治的配慮は決して無駄にはならない。
 当然、特定の国に融通を利かせて対価を得る、などといった事はない。
 また、物資の消費予定や流通の手配を早めの時期から依頼しておくことが各国の負担を軽くする。

部品: 歩兵運用

『歩兵部隊は汎用性の高い駒ではあるが、根本的に打たれ弱く、普通の殴り合いには向かない』
というのが共和国における歩兵運用における認識の一歩目である。
 通常の軍隊であれば、戦争における歩兵の犠牲というのは一定数どうしても出るものであり、
歴史上の軍事戦争で歩兵に犠牲が出なかった戦いというのはおそらく存在しない。
 しかし、共和国の指揮してきた戦いというのは、基本的に味方の犠牲を許容できないものばかりだったので、
フィクショノート全般にとっては、歩兵は攻撃を受けたらその時点で負け、戦うならば攻撃をした時点で勝たねばならず、
攻撃を受けるならばしっかり防御の準備をして被害をゼロにするというのが前提のものである。

部品: 歩兵偵察の在り方

 歩兵を攻撃にさらしたくないと言っても、それは歩兵を使わないという事ではなく、それどころか歩兵の仕事は非常に多い。
 何せ歩兵というのは人間そのままを戦闘単位としたものなので、当然だが人間が出来る事は全部できる。
 歩けるし走れるし泳げるし見れるし聞けるし話せるということは、歩き回って見て回って聞いて回れるということであり、
つまり、広域偵察・警戒・捜索、どれも歩兵がやらされるということだ。
 大規模戦闘において、偵察というのは高い航空機が行うのが常なので歩兵の出番はそこではなかったが、
歩兵の偵察は高空偵察とは異なり、『敵を見つける』よりも『安全な領域を広げる』事を目的としている。
 空からでは見えない色々な場所を見て回ることが出来る柔軟性が歩兵の長所の一つであるが、偵察系の行動はまさにそのわかりやすい例と言えるだろう。


部品: 歩兵の防御的運用

 当然ながら歩兵も戦わなければいけない時はある。こちらが攻撃するということは、こちらが攻撃される危険もあるということなので、
いざ攻撃と防御が発生する時、歩兵をどう守るかという問題が出てくる。
 その方法の一つとして有力なのは、『陣地防衛』戦術だろう。
 防御用の施設を予め用意しておき、その施設効果を活用する事で敵の攻撃を防ぎ、こちらの攻撃だけを一方的に通す戦い方で、
代表的な陣地である塹壕以外にも、簡易建設した陣地や、天然の地形を陣地として使うなど、複数の用意方法が存在する。
 なお、歩兵対歩兵であれば陣地効果(および重機関銃による掃射)があるだけで一方的に有利に立てることが多いが、
さすがに重砲やI=Dなどの装甲目標を相手にする場合は陣地だけでは心もとないため、敵が重砲を持ち出したのが確認できた場合、一度後退や散会して射線を外すことになる。


部品: 歩兵部隊による攻撃パターン

 防御が出来る用意があるなら歩兵が攻撃役に転じる事もできる。
 とはいえ、歩兵部隊を主力とした攻撃のパターンは大別すると2つしかなく、

『陣地防御を利用した射撃戦(殴り合い)』
『展開力を生かした一撃離脱(一方的に殴る)』

 基本的には全てこれか、この変形運用に過ぎない。
 前者については改めて語らなくてもよいと考えて後者について触れるならば、
(隠れてor回り込んで)相手に気づかれない位置から一方的に攻撃するのである。
 正面から攻撃するよりは側面からの方がいいし、側面からよりは背後からの方が更にいい、高所をとれていれば満点だ。
 歩兵の柔軟性はその展開力や隠密性にも生かされるので、これを使って反撃を受けずに倒すというのは、歩兵にとっての理想的な攻撃手段の一つだろう。
 この戦い方であれば、I=Dなどの装甲目標が相手でも安全に撃破できる可能性が十分にあるため、
歩兵指揮官は戦場の地形や流れ、敵味方の戦力状況などを利用して、歩兵が必殺の一撃を放てる状況を作るべく試みることが大事になる。
 数の多い歩兵部隊が火力を集中した場合、それは戦況を動かしうる大きな力となるのだ。

部品: 陸戦I=D部隊の運用

 共和国における陸戦I=Dの多くに共通する特徴は、歩兵と比較して高い装甲と、非常に強力な遠距離攻撃力である。
 その装甲を活かして敵と正面から殴り合う事もできるし、相手の射程外から一方的に攻撃して倒す事も場合によってはできるため、
戦場の主役としていつの時代も活躍している。

部品: 陸戦I=Dと随伴歩兵

 ニューワールドの歴史上、歩兵国家にとっての戦場での味方I=D部隊は、自分たちの活躍の場を奪うライバルでもあった。
 なにせ巡航速度(AR)に差があるのである。自分たちより多く動けて攻撃力も防御力も高いユニットが活躍するのは当たり前といえば当たり前なので、
歩兵とI=Dの関係も、仲間というよりライバルだと考えている人が多かった時代もあった。

 当然、実際はそんなことはなどなく、指揮官の視点で見た場合、I=Dと歩兵は相互補完の関係だというのが正解だ。
 I=Dは機動力、装甲、火力のどれも高いが、強い分だけ柔軟性が高くはなく、また数も少ない。
 歩兵は機動力も装甲も火力もI=Dよりは低いが、数が多いし出来る行動の幅が広い。
 両者は自分に足りない要素を補い合える関係であり、組ませる事でより強く、より広く対応できるのである。

部品: 砲撃支援運用

 砲撃支援とは、敵部隊に自軍後方から絶え間ない曲射砲撃(山なりに振ってくる砲撃)を加え続けることで、
敵の動きを阻害し、自軍の攻撃効果を高めてくれる非常に強力な軍事行動だ。
 砲撃を受け続ける敵は、例え陣地防御などで被害を抑えられていたとしても、常に攻撃にさらされて続けることや行動範囲が制限される事から大きく重圧を受け、
その戦力をうまく発揮できなくなる。(このあたり、遥かなる凍土のカナン1巻序盤に詳しい)


部品: 航空支援の重要性

 航空支援というものもある。これも性質的に砲撃支援と似たものであるが、こちらは絶えず行われるものというより、
一定期間ごとに航空機が飛んできては攻撃を加えてくる(爆撃やミサイルなど)という違いがある。
 砲撃と違う点として、いきなりやってきて強力な攻撃を加えて去っていく点や、砲撃装備で反撃が出来ない点などが挙げられ、
基本的に空対地と地対空では空の方が(位置エネルギー的に)強いのもあって、陸戦部隊にとっては非常に大きな影響を与えるものだった。
 この航空支援を行うためには、攻撃機が攻撃に専念できる状況として制空権(敵の航空機から狙われない状況)を作る必要があるため、
戦闘機(空対空)と攻撃機(空対地)の両方を運用できる組織にしか扱う事はできない。

部品: 地対空戦闘

航空爆撃への対抗策は『対空攻撃で撃ち落とす(分が悪い)』『防御地形を使ってやり過ごす(その間動けない)』と、基本的に不利であり。
勝ち目があるとしたら、航空機に気づかれていない位置からの対空攻撃によって先制撃破を狙うか、大きな犠牲を覚悟して打ち合うかである。

部品: 統率力のありよう

 集団の意志決定者となり牽引する存在を統率者といい、統率者に求められる能力を統率力と言う。
 理解力や判断力、決断力に加え、集団に対する自身の影響を高める能力が求められる。

部品: 自己理解と方針の明確化

 統率者として活動する場合、自身の性向や信条、好む方針の選び方についてよく知っておく事がまず必要となる。
 周囲の誰を知るよりもまず、自分がどうしたい人間で、どういった判断を無意識に行っているのかがわからなければ、
過酷な環境下において理由のわからない判断をして自らを迷わせる事になる。

部品: 業務目標の設定

担当する部署の設立目的に合わせ、業務の目標を設定するのが指揮者・管理者の主要な業務の一つである。
『どこにたどり着くのか』を決める事が出来るのは責任ある立場の人間だけであり、同時に大事な責務と言えるだろう。

部品: 組織能力の把握と理解

担当する組織に何ができて何ができないのか、どう発展させていくべきかという観点も含めて理解しておくこと、
『今どこにいるのか』をしっかりと知ることが、指揮命令者が一番にすべきこととされる。
ゴール地点がわからなければ進めないのと同じように、スタート地点がわからなければ最初の一歩が踏み出せない。

部品: 情勢把握と分析

自組織の把握と共に、組織外の現状も可能な限り知っておくことが重要になる。
目標に続く複数の道のうち、どの道をどう選ぶのが最善であるかを判断するには情報が欠かせない。

部品: 目標達成に向けた計画作成

手に入った情報の範囲で、目標の達成手段を検討し、そこにたどり着くための業務計画を作成する事になる。
現状を鑑みて目標達成が難しいと判断される場合、より未来の状況も考えた上で目標を再設定する事もありうる。
計画は到達地点から逆算して中間目標を幾つか設定し、更にその中間目標を達成するためのやり方を逆算して肉付けしていく形が効果的とされる。
途中でトラブルが発生するケースなども予め想定しておくことで、計画の頓挫を防ぎ、目標達成の確率を高める事に繋がる。

部品: 上長との意思疎通・認識共有

担当組織の外、特に部署の上位組織との間で、設定する目標やそこに到達するための計画についての認識共有を行っておくことは必要不可欠になる。
自身に部署の決裁権があるとしても、自身の任命権及び任命責任は上位組織の管理職、上長にあるので、
自身が担当組織の情報を求めるのと同じように、上長に適切に情報を提供し、担当組織の活動を認め、必要に応じてサポートを受けられる体制を作っておかなければならない。
(なお、指揮権を行使できる範囲の提携先を含めた下部組織は、自身の指揮担当範囲として考える)

部品: 方針決定とその共有

組織の運用計画が完成したところで、最終的にその計画に決裁を下し、実施するかどうか選ばなければならない。
計画の作成、特に具体化の項目については、指揮命令者がこれを直接担当する必要はあまりないが、
作成された計画の是非を判断することは指揮命令者の絶対の役割である。
極論を言えば指揮命令者は決断を下すことのみが仕事であり、その他の職務はその決断をよりスムーズかつ適切に行うためのものであると言える。

部品: 指揮判断基準

『まず作戦が正しく実行可能な環境が揃えられるのが大前提』
『基本に忠実な戦術は読まれやすいが対策もされにくい』
『敵より高い戦力を揃えて敵より遠くから一方的に殴って勝つのが理想』
『いつだって敵から予想外の攻撃を受けることはある』
『予備案は持っておけ』
 これら、指揮における原則を守りながら、状況に応じた例外を選んでいくバランス感覚も求められる。

部品: 指揮ユニットの構築

 指揮を集団でおこなう際に構築される組織を指揮ユニットという。
 指揮ユニットの構築は指揮官の性質に合わせて行われる。。
 指揮官が決断力と発想力に優れた人物であれば、その周囲には発想を具体化させるための堅実さをもった人物が求められ、
指揮官が精神的に脆いところを持つ場合は、その人物が守りたくなるような人材を傍に付けることで精神を支える効果があるという。
 また、自身に特別な発想力がないのであれば、面白いアイデアを出してくれる人材が近くにいればいいし、それを計算してくれる仲間がいればいいのだ。


部品: 味方の鼓舞

 統率を取るために、指揮下にいる集団に対する自身の影響力を高めなければならない。
 無条件のカリスマを持っている人間などそういるものではないため、人心理解、優しさと厳しさによるフォローに加え、
心のやる気を駆り立てる言葉を選び使っていく技能も求められる。

部品: 着用制限

この大部品には着用制限があり、にゃんにゃん共和国およびわんわん帝国にて藩王の承認を得た摂政しか着ることができない。

部品: 忠誠と輔弼の義務

摂政は摂政の持つ全ての権利を有し、藩王に忠誠と輔弼の義務を持つ 。国を支え、藩王がなす、あるいはなされざるべきことについて進言する。

部品: 外交戦能力

摂政は他国との交渉、外交の席において高い能力を誇る。藩王の指示、意向のもとで各々がなすべきことを藩王が求める範疇で実行するために動くことになる。

部品: 外見への影響

藩国摂政、という肩書きは望むと望まざるとに関わらずそのなり手の見た目にも良い影響を与える。それは他国との交渉の席においても同じように発揮され、国を良い方向へ導く助けとなる。

部品: 協調行為への適正

藩王、官僚、国民、それぞれとの間に仲立ちとして存在する摂政は誰かと共に物事を行うことに長けており、何らかの行為に協調する、という場面においては無類の力を発揮する。

部品: 官服

摂政としての礼服。国によって色や仕立てが異なる。一例として国の紋章が背中に大写しになっていることもあれば内側にポケットが充実していてモノが入れられたりする。


部品: 扇子

官服ともども使われる手持ち品。畳んで叩くといい音がする。骨や紙、装飾や飾りひもなど国によって特色が出る。扇いで使う汗っかきもいるが大体空調で済ませているのか公の席では見ない。

部品: 立ち姿

国際的には藩王の後ろに控えて助言を行う、差し紙を入れるといった場面が多いが国内においては藩王の名のもとに政策や国民に伝えるべきことを放送するなど出番については国によって様々である。


部品: 流用実績

この大部品は以下の皆さんに流用されています。
akiharu国の阪明日見さん
無名騎士藩国の黒野無明さん
リワマヒ国の蒼燐さん
世界忍者国の久堂尋軌さん
akiharu国の444さん
FEGの久珂あゆみさん
FEGのジャイさん
ナニワアームズ商藩国の暮里あづまさん
紅葉国の神室想真さん
るしにゃん王国のクレールさん
玄霧藩国の階川雅成さん
星鋼京の御鷹@星鋼京さん

部品: 摂政歴

玄霧藩国建国時からの摂政である。特にシーズン1においては参謀長であった藩王の代わりに国内の仕事全体を管理していた。
その内政能力はあまり高いとは言えず、管理者ではあっても治世者とはあまり呼べなかった。
治世において自分に足りない能力を、自分以外の人間に補ってもらう事に思い至ったのはつい最近の話である。


部品: 人体への理解

医師として病気や痛みを理解するには、まずからだの正常な状態を知らなければならない。正確な人体の組織と生理への理解は医師として人を助ける原動力となる。

部品: 基礎医学の心得

人体への理解を基本として、微生物学、生化学、病理学、薬理学を医師は学んでいる。これらの学問を一定レベルで修めていることは、病気の診断と治療を行う上での重要な基本となる。


部品: 地域医療の実地実習経験

医師は医学生である間に、患者さんがまずかかる一般医や家庭医での現場を知るため、地域での医療実習を行っている。医療現場での活きた経験を感じ、患者さんとのコミュニケーションの基礎を学んでいることは医師としての必要な能力の一つである。

部品: 清潔操作と基本的医療手技修得

医師として医療に関わるため、臨床で実習を行う前に最低限修得しておくべきなのが清潔操作である。
清潔域と不潔域の理解と、実践を行うこと、習慣をつけることは予想外に難しい事であるが医師として必要不可欠な要素である。

部品: 一次救命処置能力

医師には、緊急時に危篤の患者に出会った際には救命の機会を維持し続ける能力が求められる。
この基礎的な救命処置はABCと省略される生命維持に必要な処置と、AED(自動体外式除細動器)が周辺にあった場合に使用できる能力を指す。
救命処置のABCはA=Airway、つまり気道の確保。B=Breathing。つまり呼吸のことであり、自発呼吸がない場合は人工呼吸が必要となる。
C=Circulation。循環であり、一般で言う心臓マッサージで血液の循環を確保することである。近年では動作に対する誤解をなくすため、胸骨圧迫と定義されている場合もある。

部品: 患者とのコミュニケーション能力

医師とは人を相手にする職業である以上、職務上必要な情報を取得するためには患者との信頼関係の構築が不可欠である。
このため最低限の礼儀作法に加え、平時、緊急時双方で効率よく必要な医療情報を取得できるような質問法、話術を修得している必要がある。

部品: 臨床実習で得た臨床医としての能力

医師は知識の積み重ねだけではなく、実際に現場で患者さんを相手にすることでしか得られない臨床医としての能力が絶対に必要である。
患者と指導医の協力によって獲得できる、内科系、外科系、病理系、社会医学系など臨床医学の全ての分野に関して通常一年を通して修得される。
いわゆる臨床実習で得られる知識、見識、経験は医師として最低限必要な能力の一つである。

部品: 共通試験・国家試験を合格する能力

一般的にどの国でも国家によって医師として必要最低限の知識と技術、倫理を持ち合わせているかの試験が行われている。
これに合格することは、医師として最低限の能力を修めていることの社会的指標となり、これにより発光される医師免許を持たなければ、医師として人と関わることは許されない。

部品: 臨床研修で得た経験

一般に医師免許を取得した後は指導医の元、単独で医師として医療行為を行うに足る能力があると認められるまで、臨床研修を行う必要がある。
臨床研修で涵養しなければならない能力は国が定めており、これを修めることで初めて医師の最低限度が満たされる。

部品: 6年間の医学生生活

医師になるためには、防衛以下大学医学部を持つ大学に入学し、6年間医師として必要な知識、技術、倫理観の涵養を行う必要がある。
これは国家試験の受験資格として必要な条件の一つとして、定められた大学で医学の正規の過程を修めて卒業した者として定められているためであり、
同時、一人の人間が医師として成り立つまでに必要な期間なのである。
なお、例外として他国ですでに大学を卒業し、医師免許を取得している場合は、当時国で医師として必要な知識と技能を修めていると認定された場合は国家試験の受験資格を与えられる。

部品: 医療関連ルールを遵守する

医師として定められた法を守ることは医師の倫理の最低限度である。ルールで定められたことを守ることは、医師として活動するために最低限必要な要素の一つである。

部品: 生涯を人道に捧げる誓い

医師として活動することは人を助けるため、人体に手を加えることである。治療は人に危害を与えかねないことを忘れず、人への貢献に人生を費やすことを誓わなければならない。医療の怖さを知ることが医師の第一歩である。

部品: 患者へ尽力する誓い

医師は患者の健康を一番の関心事として考え、診療で信頼され、打ち明けられた、明らかになった患者の秘密を尊重する。これを遵守することが医師という職業への信頼につながる。

部品: 公平で公正な治療行う誓い

医師は年齢、疾患や障害、信条、民族的起源、性別、国籍、所属政治団体、人種、性的指向、社会的地位、その他いかなる他の要因の斟酌であっても、医師の職務と患者との間に干渉を許してはならない。患者自身、と医師という職業に常に真摯に向き合うことは医師を医師たらしめる重要なファクターである。

部品: 人命尊重の誓い

医者は人命を最大限尊重し続けるべきである。たとえ脅迫の下であっても、人権や市民の自由を侵害するために自分の医学的知識を使用しないと誓う。これは医者としての誇りとなり、医師の精神を支える力となる。


部品: 医師という職業への誓い

医師としての心得を守り続けた恩師たちへ、尊敬と感謝を忘れず、先人が守り続けてきた医者という職業の社会的立場と名誉、伝統を堅持しつづけようと誓う。これは自身の能力への驕りを戒め、先人や同僚医師から学び続け、信頼を維持しようと努力する力となる。

部品: 医師の流用実績

以下の藩国様、PCに流用していただきました。根拠:http://nekowasa.at.webry.info/201708/article_22.html

(申請順)(敬称略)
涼原秋春@akiharu国:医者(akiharu国版)
不変空沙子@FVB:不変空沙子
竜宮・司@詩歌藩国:竜宮・司・ヒメリアス・ドラグゥーン
セントラル越前:設問205に提出:https://www65.atwiki.jp/wanwanempire/pages/172.html
マリモ@玄霧藩国:独自職業、玄霧藩国の医師に流用
結城由羅@世界忍者国:独自職業、マルチフィクサーに流用
たらすじ@後ほねっこ男爵領:たらすじ




部品: 礼儀作法(医療

医師は患者に「先生」と呼ばれることが多いが、当然無条件に医師へ敬意を払うわけでも、信頼を持っているわけでもない。
しかし患者が自身にとって一番良い治療を選ぶには、医師と患者互いの信頼が必要不可欠である。
その入口として相手を慮り、話しやすい雰囲気を醸成する礼儀作法は医師にとって大事な能力である。


部品: 医師に求められる外見

第一に清潔さである。この場合実際に清潔であることはもちろんのこと、医療知識のない患者からみて「清潔そう」に見えることが重要である。
よく洗濯されシミ一つない白衣を身に着け、医師自身も清潔そうにまとまった外見をしていることは、医師と初めて面談した患者の安心材料の一つになる。
余談であるが、患者を安心させる他の要素として威厳があるが、主に年齢によるものが大きい。だから若い医師は(議論はあるが)ヒゲを生やしてみたりするのである。


部品: 正確な診断力・検査力

高度なインフォームド・コンセントを形成するためには、前提として、良い説明をするための土台が必要である。
医師にとっては患者の現在の状態を正確に把握していることは具体的な治療法や代替治療の説明に絶対必要である。
余談ではあるが、これらの正確な診断にレントゲンなどの検査が必要である場合、検査の必要性を説明するのもインフォームド・コンセントである。難しい。

部品: ムンテラ力

ムンテラ(むんてら)とは、病状説明のことである。ドイツ語のMund「口」+Therapie「治療」を組み合わせた単語。
患者にとってみて、説明を受けた上で自由に治療法を選択することが望ましい。
望ましいのだが医師にとってみて、その患者に選択してほしい治療は当然ある。これが患者の価値観や知識と一致しているとは限らない。
医師に必要なのは「正確に」病状の説明をし、「正確に」各治療後の予後を説明する力である。
治療法選択の自由を尊重することと、説明の不足で患者にとって不利益な選択をすることになってしまうことは別である。
敬意と具体的でわかりやすい説明力は医師に必須の能力である。

部品: 最新医療知識の維持

正確な診断と十分な説明がなされた後、高度なインフォームドコンセント形成に必要なのは患者の納得である。
納得するためには患者からの質問が必要であり、中には巷で評判を聞いたエビデンスのない治療法もある。これをきちんと否定し患者を危険から守るには常に最新の知識が必要である。
何をかいわんや当然診断にも説明にも治療にも必要なのだ。医者は一生勉強!
これができなければ他全ての要素の信頼性が弱まり、高度なインフォームドコンセントとは言えなくなる。

部品: 動揺しても態度に出さない。

医師も人間である以上ヒューマンエラーは必ずある。1件の重大なミスには29件の軽微なミス付いて回り、その周辺にはミスにならなかったもののミスになってもおかしくない直前の例、つまりヒヤリ・ハットが3000件存在している。ミスを起こしてはならないが、ヒヤリ・ハットな例に直面した際に動揺を表に出すことは患者にとっても不利益となる。
予防を十分に行った上でも起きてしまうヒヤリ・ハットや軽微なミスは適切にリカバリーされるべきで、患者が求めているのは落ち着いた医師である。「あっ」「しまった」とは思っても絶対に態度に出してはならない。口に出すのは最悪だ。

部品: 経験と実績から発生する自負心

ミスに限らず、医療は人体を相手にする職業である以上、偶発的事故も起こりうるし、治療の結果も100パーセント思った方向に進むとは限らない。感染症の治療後体力の問題で治癒に時間がかかることもあれば、外傷の治療後安静をよく指示したにもかかわらず暴れて悪化させてくる患者もいる。これらのことが起きた時に「大丈夫ですよ」とはっきりみ行きれるのが自負心である。実際に近似の例を経験しているからこそ、知識として知っているからこそ、そして実際に自分の手でリカバリーしたことがあるからこそはっきり言い切れるのだ。この自負心の醸成には医師として誠意ある治療を多数実際に行なっている必要がある。

部品: 強い自制心

患者が求めているのは落ち着いていて、かつ精力的に働く医師である。私事で何があろうと不機嫌さや悲しさを患者に伝えてはならない。患者さんは細やかな動作や声色に出る雰囲気を必ず感じ取る。
当然どのくらい疲れているかも患者さんにはなんら関係ない。つねに安定して親切で真面目でよく説明してくれる先生こそが名医だ。
実は患者さんが大事にしているのは手技の早さではないことを知っておくべきだ。

部品: うなされるほどの練習

治療の手技であるにしろ、滑らかな説明や表情作りにしろ、練習でできない人間が本番で安定して成功できるはずがない。
緊張するのだ。予想外のことが起こるのだ。ささいな手違いでさらに緊張するのだ。地震が起きるかもしれないのだ。患者を安心させる落ち着いた医者でいたければひたすらに練習するしかない。練習が短い睡眠時間に出てくるほどだ。

部品: 無駄のない手技

名医の治療は早い。
何がはやいのだろうか。手の動きが速いわけではない。無駄が切り落とされているのだ。練習で何千回と繰り返した動作が、医師となってから臨床で繰り返した手技が名医の手技を早くしている。そこに生まれた余裕に丁寧さと工夫を加えることもできる。早さが命の手技ではもちろんのこと、それ以外でも治療の予後を良い方向へ動かす力となる。

部品: 瞬時判断

どの仕事でも言えることだが、例に漏れず医師の仕事も判断の連続である。救急の患者が搬送されてきた時、また目の前で人が倒れた時、治療中不可避の大出血があった時。名医は自分の専門で即時に結論を出す能力がある。これは毎日の診療経験と勉強の反復が、呼吸と同じように最適な治療を教えてくれるからである。

部品: 名医の流用実績

以下の藩国様、PCに流用していただきました。根拠:http://nekowasa.at.webry.info/201708/article_22.html

(申請順)(敬称略)
矢上ミサ@鍋の国:独自職業、鍋の国の名医さん
マリモ@玄霧藩国:独自職業、玄霧藩国の名医
神室@紅葉国:紅葉国の神室(T20)




部品: 臨床経験で知る限界

医師として修練を積み厳しく能力を鍛え上げて出た現場で、患者を救えない場面に遭遇することもある。現代医療を修めた者だからこそ知る、科学的治療の限界はある。

部品: 森国人の魔法の素養

森国人とは元来魔法適性の高い種族であるとも言える。森の民であり、自然・精霊と交感し、瞑想通信を使うことができる。森国人の中に魔法による医療(治癒)を行いうる素質を持つ者が多く存在することは知られている。素質は素質であり、実際に使えることとは厳格に一線を画す。

部品: 科学的な医療技術とは異なる

魔法医療は科学的な医療アプローチに限界を感じた者のうち、たまたま魔法の素養を強くもっていたものが、運良く、魔法による治癒という玄霧藩国の一部部族に伝承されていたまったく別系統の治癒技術と出会い、それを習得するために力を尽くした結果得られたスキルである。

部品: TLOの封印

魔法医療と科学医療の技術を融合することは危険であることは知られており、固く禁じられている。つまり魔法術式の中に科学的情報を組み込むことは禁忌であり、伝統的医療に携わる者にそれを試みる者はいない。
一旦医師としての”科学”教育を受けた者も、魔法医療技術の習得を目指すとき、例えば医療情報機械(バイタルモニター)などの科学的アプローチとは絶縁する。実際問題として、魔法による治療はそれら”高物理”と位置づけられる電子機器のノイズなどと非常に相性が悪く集中の邪魔となる。魔法治療を行うとき、彼らは自然物とふれあうことを必要とし、それらの息吹から完全に閉ざされた中で行使することはほぼ不可能となる。


部品: 術式

魔法の行使には術式が必要であり、術式には理論とルールがある。物理科学とはまったく異なる体系ではあるものの、そこには学問が存在する。行使するためには、術者が正しい状態で正しく術式を唱えることが必要となる。玄霧藩国において魔法による高度な治療術式は秘伝であり、口伝である。素養をもつ者が、正しく伝承を受けることで行使することが可能になる。

部品: 刺青

魔法医療を修めた者は身体に刺青のように見える模様をもっている。実際に墨を入れているのかどうかは定かではない。(一説にはボディペイントであるという話もある。)この模様を施すことで精霊との対話がしやすくなるとか、魔除けのようなものだと言う噂もあるが、魔法医療自体が神秘のヴェールに包まれている状態で、彼ら自身が科学的に分析されることを当然好まず、真相は霧の向こうに閉ざされている。

部品: 魔法医としての修行

魔法医療の修行は伝統的に深い森の奥で行われる。水と樹木、生命の息吹を深く感じ取ることのできる場で、外界の雑事から意識を切り離すためだと言われている。すでに述べたように、魔法術式は電子ノイズと相性が悪いため、初期の修練にそれを極限まで廃するのは”理にかなっている”と言えよう。

部品: 医師の基本の上に積まれる修行

魔法術式は適切な結果を求めるために的確に術式を選択して行使されなければならないものであり、医療として行われる際にも正しい人体知識を必要とするが、医師としての学習を終えている者が魔法医の学びに入るときその学習過程は自然とスキップされつつより高度な治療結果を得ることができるのは当然の結果である。
その上で、魔法を発動させうるレベルに精神の集中を高めるのは、各個人の素質によって再現性が異なるため物理科学の学びよりさらに困難なものとなる。切り替えができない者はここで脱落していく。

部品: 白衣

医師であることを示すため白衣を着用している者が多い。白衣の下は標準的な森国人の服装として、身体にぴったりついた革の胴衣とブーツを着ており、医療現場できびきびと動き回れることを身上としている。重ね着しても邪魔になるだけである。

部品: 往診鞄

基本的な医療処置のための器具を詰めて、いつでも掴んで持ち出せるように準備してある。清潔と安全性を保つため、一定期間ごとに内容の点検と入れ替えの管理が行われている。肩掛けベルトがあり、移動中はもちろん、使用するときも両手を空けて鞄の中身を取り出すことができる。やや重みは増すが、丈夫で長く使える革製の鞄が好まれる。

部品: 応急処置セット

包帯、止血帯、消毒薬、聴診器。魔法医は医師でもあり、また常に魔法を使っているわけでもない。魔法の行使とは、都度精神力、集中力、そして時間を必要とするものであり、術式行使を妨げない器具は、治療の時間を短縮するためにも普通にこれを用いる。逆に、科学的アプローチがまったく使えない状況(いわゆる低物理領域)で使えなくなる人工合成的な素材はこれを使わないように留意している程度である。聴診器はそういった意味で使う場所を選ぶが、使えないときは使えないなりになんとかする。

部品: 銀のメス

小刀ともいう。化膿を予防するための傷の切開縫合などに使うため革のホルダーに納めて持ち歩かれる。銀には魔除けの効果もあり、いざというときの護身にも用いることができる。

部品: 魔法の専門家

魔法使いとは、魔法技術を一定以上まで習得した専門家レベルの技術者に与えられる称号である。
森国国家において、魔法とは生活に根付いた技術であり文化であり、魔法が使えるか否かで言えば、使える国民は多い。
子供たちは生まれ育つ中で魔法があって当然の生活をしており、習い事の一環として魔法の基礎を覚える国もある。
そんな中で、魔法を正しく教え、誤った使い方がないよう人々を導き、また魔法の研究に従事する人物を指して魔法使いと呼ぶ。
玄霧藩国においては、国家に中位魔法の習得(およびその習得に求められる各種素養の獲得)を認められ登録された者たちのことを主に示す。

部品: 魔法とは

魔法とは、物理法則ではない、魔力というエネルギーを用いた法則である。
人や自然物が生み出す魔力を決められた術式に流し込む事で、物理法則と異なる現象を発生させ、それをコントロールするのが魔法であり、
火や水、風を起こしたり、物を動かしたりといった幅広い効果を生み出すことができる。

物理法則の外で多用な可能性を持つということは、危険も大きい。
特に強力な魔法は世界に与える影響も強く、また歴史上、魔法の強大化によって悲劇が起きた事も多いため、魔法の使用は常に、世界のバランスと周囲の安全を考慮して行われなければならない。
特に、禁じられた魔法として指定されるものは世界を滅ぼすほどのものとして知られており、
空間転移、時間移動、増殖、自律稼動、共通夢の操作などの魔法は法律や国家規模での制限が掛かっているほか、倫理面においても忌避される対象となる。

部品: 魔法のある生活

高物理域に住む者には想像しにくいかもしれないが、当たり前に魔法のある世界において、それは日常のひとつである。
足が速い人と遅い人がいるように、理力や魔力の扱いが上手い人と下手な人がいる。
マッチがあればマッチで火をつけるし、マッチがなければそれを取りに行くか、魔法で火をつけるかは人によるだろう。マッチがあっても魔法で火をつける人もいるかもしれない。
包丁が切れなくなったら研ぎに出すひともいれば、魔法をかけて使い続ける人も居るだろう。単に包丁を買い替える人もいるかもしれない。
日々の生活の選択肢に自然と魔法がある、それが低物理域の生活である。

部品: 魔法の危険に向き合う

理力や魔力が当たり前にあると言っても、それは誰もが簡単に詠唱戦を行える、という意味ではもちろんない。
誰だってパンチはできるが、軍人や格闘家のような的確なパンチが打てるわけではない。
包丁があれば誰でも人を傷つけられるが、普通の人は包丁を振りかざして他者を切りつけたりはしない。
理力も魔力も同じことである。当たり前に使えるものだからこそ、その扱いが危険にならないよう気をつけねばならないし、本当に効果的に危険な扱いをしようと思えば相応の訓練が必要である。

部品: 科学技術と距離を置く

魔法を扱う素養を持つ者は、みな科学技術とは距離を置くようにして生活している傾向が強い。これは歴史的にみて魔法と科学を一緒に使うとろくなことにならない、と広く知られていることがひとつの理由である。
それはそれとして、ボタンを押すだけで火が出るとか、鉄の塊が空を飛ぶとかなんとなう胡散臭いと思っている者もそこそこにいるようだ。

部品: 生活のための魔法の習得

森国に生まれた子が魔法を覚える時は、まず周囲に住んでいる魔法使いに教えを受ける事から始める。
魔法使いは周辺に生まれた子らにまとめて魔法の基礎を教え、その使い方と使い道、危険性についてよく教え聞かせ、
子らが魔法を正しく使えるよう導き育てる。
(もちろん学校に通うなどの日常生活を送りながら)おおよそ4年ほどの魔法学習過程を経て、子らは魔法文明において生活していくための魔法の基礎を身に着け、
やがて家業を継いだり社会に出て働く時などに、魔法の力を役立てる事となる。

部品: 一の教え:魔法を使う事の責任

どんなに初歩的な魔法であっても、それを学ぶ前には必ず魔法の危険性を教えられる。
魔法は人を簡単に傷つける事のできる力である事を忘れてはならない。

子が痛みを知った時、その痛みが引き起こす辛さと不安な気持ちの正体を教えられる。
人は痛いと苦しみ、苦しむと辛く、辛いと痛く、そしてそれらによって心が乱れるのだと。
そこで子は、失う事、死の恐怖を実感する。

そして痛みを癒された時、救われる喜びと安心を教えられる。
痛み、苦しみ、辛さから助けられると安心し、嬉しくなり、救われるという事、生の喜びを知るのだ。
人が健やかに生きているだけでそれは喜びであり、人が健やかに生きているというのはそれだけで誰かに助けられている事も理解する。

痛みと生の喜びを知った頃に、師が魔法を使う姿を見せられる。
その魔法の強大さに直面したとき、恐怖を思う事で魔法の危険性が心に刻まれるのだ。
そして、その力が人を生を救える事も理解し、子は魔法を知る。

部品: 二の教え:魔力とそれを取り巻く世界についての理解

世界の万物に宿る力、魔力がどういったものであるかを教えられる。
魔法とは魔力によって世界に変化を起こす技術なので、魔力の理解はその基礎であると言えるだろう。

そして、魔力を知るという事は世界を知るという事でもある。
繰り返しになるが、魔力は万物に宿る力であるので、魔力を知るにはより多くの物に触れ、それを知らなければならない。
自分の身の回りだけが世界の全てである幼少期の子供にとって、多くを知るとは世界を広げる事を意味する。
知識は翼であり、理解は喜びである。多くを知り、世界を知っていくのが魔法を使うものとしてとても大切な事なのだ。

蓄えた知識は子に想像力を与え、想像力が魔法を形作る術式をイメージすることを助ける。
なお、魔力は自然物だけでなく素養ある人間の体内でも生成できるが、人間が生成できる魔力の量はさほど多くない。
基礎的な魔法であったり、時間をかけて魔力をため込む性質の魔法であれば人間が生成する魔力で事足りるが、
難易度の高い魔法や効果の大きい魔法は、自然物に少しずつ魔力を借りるか、密度の高い魔力含有物である魔力触媒からの供給を必要とする。


部品: 三の教え:術式の構造と呪文の意味

情操教育と知識教育を受けて下地が出来たところで、魔法を発動させるための基本の術式を教えられる。
実体のない術式というルールをイメージと呪文で起動させ、そこに魔力を通すことで魔法は発動する。
呪文の詠唱はこの術式の起動キーと、起動した魔法の効果を調整する制御コマンドによって構成されている。
詠唱というのは、魔法を起動させ、魔法の効果を自分の想像通りに調整するために行うものなのだ。


部品: 四の教え:詠唱の練習と初歩的な魔法

基礎的な魔法ほど術式の起動も簡単になるが、それでも要領をつかむまでは時間がかかるのが普通であり、
術式が起動できるようになった後も、その魔法を正しく制御できるようになるまで更なる時間を要する。

この期間は練習を繰り返し、成功した体験をよく覚えておくことを教え込まれることになる。
一回の練習ごとに、イメージしたもの、呪文詠唱の仕方を細かく意識し、その手順と結果を関連付けて覚える。
確かな実感と共に蓄積される経験は、ただ繰り返すだけの練習よりもはるかに大きな価値を持ち、子の成長を助ける。
子がやがて魔法を使わなくなる日がくるとしても、自分が何かの技術を身に着けたこと、そのために何をしたか、という成功体験は絶対に助けになるのだ。


部品: 五の教え:健やかな体と穏やかな心

魔法の使い方を覚えた事と、魔法を使えるようになったという事は似ているが同じではない。
正しく魔法の効果を理解し、目的に合わせて使う魔法を選び、その魔法を不足なく起動し、狙い通りに制御する。
そこまでできて初めて、魔法を使えるようになったと言える。

そのためには知識と技量だけでは足りない。
魔力の生成と利用によって体力の消耗があるので身体の育成も大事であるし、魔法や呪文の選択を行うには波立っていない穏やかで冷静な心が必要となる。
魔法の基礎を教えられる時、子らはよく動きよく食べて体を鍛え、師や友との交友から心を育てる。
心技体のバランスよい成長が魔法の活用を助ける事を、育ちつつある子は経験として学んでいく。

部品: 修行を受けられるかどうか

子らの中で魔法の才に秀でた者、あるいは魔法に強い興味を示す者は、より高度な魔法を学ぶ事を希望する事もできる。
ただし高度な魔法は危険も大きく、習得には多大な責任を伴うため、師はそれまでの子の行いや言動、学習態度などからその資質を判断し、
高度な魔法の修行を認めるか認めないかを判断しなければならない。
判断基準として『善き魔法使いであるための心得』が参考となる。

部品: 魔法の修行と技術伝承

高度な魔法の修行を認められると、そこで子は初めて魔法の弟子なり、一日の中の多くの時間を魔法の修行に費やす事となる。
魔法の修行には学問(知識の獲得)と精神(倫理面の育成)の修行および体を使った訓練も含まれているため、魔法使いとして成熟した際の社会性においては他の道で成長した子らと大きな差は生まれない。
師はまず高度な魔法を扱えるだけの下地を弟子に身に付けさせ、心技体において求める水準へと弟子が達した事を認めた時、初めて高度な魔法(中位クラスの魔法)の伝授が行われる事となる。
高度な魔法の伝授が行われる事で、弟子は魔法使いとなる資格を得、師と共に国に新しい魔法使いとしての登録を申請できる。
申請が受理されれば弟子は正式に魔法使いとなり、魔法教育や研究を行う上での資金援助を含めた多くの権利と、人々のために活動する事、有事に国の力となる事を含めた多くの義務を負う。
魔法使いとしての登録を行わない事もできるが、その際は魔法の行使に対する法的制限が多く存在するため、野に隠れて細々と暮らすか、治安が悪ければ裏社会へと流れていくかという道を選ぶことになる。魔法の悪用は重罪である。

部品: 真伝一の教え:善き魔法使いであろうとする心

魔法の危険性を知り、人を助ける事の大事さを知るだけでは、高度な魔法を持つには足りないと教えられる。
魔法使いとは専門性の高い技術者の側面も持つので、そういった立場の存在が守るべき倫理をよく理解しておかなければならないのだ。
玄霧藩国が提唱している魔法使い倫理である『善き魔法使いであろうとする心』には、守るべき倫理として以下のように記されている。

一.天下万民のためにあるべし
一.その力の大きさを忘れざるべし
一.自らの心を偽らざるべし
一.正しき行いと信じるならば勇気をもってこれを行うべし
一.正しきを知るためにまず多くの事を知るべし
一.考えの異なる者の存在を認めるべし
一.常に世界を広く見るべし
一.権威の内にあってはこれの正当性を見極めるべし
一.数多き人の中にあって自分を忘れざるべし

これらは絶対の法律ではなく、守る事を推奨される倫理に過ぎない。
また、弟子もその意味を最初はよく理解できないだろう。
しかし、師としての魔法使いは弟子にこの意味を良く教え、弟子の疑問や悩みに答え、教え導いて育てていく。

弟子は師の信頼に応え、その教えを学び、考え、噛みしめ、経験と共に理解して自分の血肉へと変えていく。
すぐに善き魔法使いになることはできないが、時間をかけてそこにたどり着けるよう、日々進むのである。

部品: 真伝二の教え:適量の魔力を扱う技術

高度な魔法を覚えるにあたって、まず上手く扱える魔力の量を増やしていく修行を行う。
主に魔力触媒から引き出す魔力の量を適切に調節できることが大事なので、制御術式を沢山つけることで消費魔力を増やした基礎魔法を、何度も何度も起動し、
魔力の流れと用途に応じた必要量をより細かく正しく覚えていく。
魔力の量を測る『感覚のものさし』をより細かいものへと入れ替え、わずかな魔力量の違いとそれによる魔法効果の変更を実感として理解する。
繰り返し、何度も何度も練習して、基礎魔法の達人と言えるくらいに上達する頃、魔力の制御技術が過去と比べ物にならないほど高くなっている事に気づくのだ。


部品: 真伝三の教え:魔法制御技能の熟達

魔力制御訓練と同時並行で、より高度な技術の習得も進めていく。
魔法の効力を抑える、魔法の効果範囲を広げる、縮める、魔法の投射軌道を曲げる、投射後の発動位置を前に、後ろに。
狙った効果を狙ったタイミングで狙った場所に発揮できるよう、高度な制御術式を覚えたり、集中したイメージを素早く描けるように反復練習したりといった、
『魔法を上手く使う技術』と呼べるもの全般を時間をかけて鍛えていく。
使い方に長じれば、基礎魔法と少ない魔力で、沢山の魔力を使った中位魔法を越える結果(効果ではない)を生み出すことすら可能になる。
道の先は長いが、歩み続ける事でしかたどり着けないのだ。


部品: 真伝四の教え:長い呪文の詠唱能力

高度な魔法の起動キーであったり複雑な制御術式であったりの呪文は、当然ながら簡単な魔法の呪文よりも長くて難しい。
使う魔法によっては、呪文詠唱がまるで早口言葉のようになる事もあるため、判断力や集中力といった能力とは全く別の能力、すなわち滑舌の良さが必要になってくる。
魔法使いがいざと言う時に呪文を噛んで失敗するというのでは目も当てられないので、
発音をよくするための発声の修行、スムーズに呪文を唱えるための早口言葉の修行も行われることとなる。
長じた魔法使いは、深い知識と優れた滑舌により、それなりに優れた弁士たりうると言えなくもない。

部品: 真伝五の教え:魔法を使うものの身体

高度な魔法を扱うということは、その魔法が求められる環境に出向く可能性があるということでもある。
効果の高い魔法を求める環境は大抵の場合問題が大きく、危険がある事も少なくないため、自らと、そして周囲の色々なものを守るために、
しっかりと身体を動かせるよう、体力を鍛えておかなければならない。
修行場の周りを毎日走り、薪を割り、水を汲み、山を登りそして降り、呪文詠唱の修行として大きく声を出し、時間をかけて身体をたくましいものへと育てていく。
魔法を使う土台となる肉体が強固であれば、魔法使用時の対応の幅と選択肢も広くなるのだ。
修行のさなか、体術や杖術を身に着けるものもいる。


部品: 真伝六の教え:世界の多面性を知る

長い修行の中、心を鍛える事も怠ってはならない。

物事のうち、何が正しくて何が間違っているのかを判断するには、まず状況を理解するための知識がいる。
そのため魔法の修行時間の中の少なくない割合は勉学に使われており、魔法に関係のあることもないことも、
広い世界についてより多くの知識を学んでいき、そしてそれらバラバラだった知識達が、実は繋がっているという事に考え至る。
言語も、歴史も、軍事も、経済も、数学も、全ての知識は相互に繋がっていて、世界という大きな枠組みの中の一つの欠片なのだという事、
自分自身もその欠片の一つであり、同時に自己があるからこそ世界を認識できるのだという事を知る。

広い世界の中の自分、という視点で客観性を意識出来るようになると、物事を多面的に見る習慣が根付いてくる。
これは感情に身を任せて冷静さを失うのを避ける事に繋がるし、自分と相手の考え方の違いを認識するためのクッションにもなり、問題を解決するために必要な道筋を見つける思考にも役立つ。
同時に、本当に正しいと思う事をより高精度に判断できるようにもなるため、『なんとなく』周囲や権威に流されるといった事も減る。
正しいと信じるやり方を通す上で、知識も冷静さも立派な武器になり、勇気の後押しをしてくれるのだ。

常に新しきを知り、それについて考え、別の方向性からも考え、出た結論を別の知識と並べてもう一度考える。
その繰り返しが、心を育てる事にも繋がっていき、育った心はいつしか『善き魔法使い』たるにふさわしいものへと形を変えている。


部品: 魔法使いとしての義務と権利、活動内容

魔法使いとして認められた者は、自身の魔法を研鑽してより高度かつ安全な魔法の在り方を求めると共に、かつて自分が受けたように、周囲の子らが魔法を正しく扱えるよう育成する教育者としても活動する。
教育者としてのノウハウは魔法使いたちにとって(伝承者の確保や人材の質の向上のため)重要であるため、魔法使い同士で共有され、よりよい教え方が模索されていく。
いずれ優れた弟子を育て、一人前の善き魔法使いとすることが魔法使いの目標の一つとされる。
自身の研究を弟子に伝承し、世界との調和を保ちながらより効果的な魔法を使っていける魔法使いが育っていくことを目指すのである。

また、有事に魔法が求められた際は、国の要請に従って問題の解決に力を提供する事が義務とされている。
それは戦力としてであったり、知恵と知識に優れた助言者であったりと、形は様々。


部品: 炎を使う魔法使い

玄霧藩国に所属する魔法使いのうち、特に火と炎の魔法を扱う事に長けた者たちのことを火炎の魔法使いと呼ぶ。
その魔法は非常に強い攻撃力を持っており、医療魔法の発達が特徴である玄霧藩国の歴史においてはやや珍しいものとみられる事が多かったが、
玄霧藩国においても医療魔法の発達前は攻撃魔法の運用が盛んだったため、古来よりある技術が近年になって発達してきたというのが正しい。

火炎という言葉は、藩国王妃玄霧火焔の名に因むものでもあり、そこに親しみと誇らしさを感じるものもいるという。
なお、高度な魔法技術の安定性が実証されているのはこの世界(B世界と呼ばれる)においてのみであり、A世界と呼ばれる世界においてはその安全性が保障されておらず、使用には制限がかかる。

部品: 大きな魔力の運用

火炎の魔法に使われる魔力の量は大きなものであり、人間一人が生成できる魔力量で賄うにはかなり厳しいものがある。
よって火炎の魔法使いが実戦で魔法行使をする場合、基本的には魔力触媒の利用による補助を受けて魔力の供出を行う。
この魔力が適切に運用され、必要な量をその時必要なだけ使える事は、中位魔法の使い手としては必須の技能とされている。

部品: 精緻な火炎操作能力

炎という現象をより安全に扱うための操作技術を備えている。
火炎の魔法は暴発させれば自分が危険にさらされて死ぬだけでなく、周囲に甚大な被害をもたらす可能性があるため、
正しい制御術式の習得と使用選択能力が備わっている事が、魔法習得の前提として求められている。
主に詠唱する制御呪文の選択とイメージによる対象選択によって行われ、この修行には長い年付きが使われる。

また、習得した魔法を狙った対象に正しく命中させるための投射技能についても高い水準で習得している。

部品: 延焼被害への忌避感

森国において木々というのは非常に重い存在であり、これらを燃やし破壊しかねない火炎の魔法には、常に延焼というリスクがつきまとう。
延焼による山火事などの事故・事件に対しては火炎の魔法使いも強い忌避感を抱いているものが多く、これを避けるためにも適切な術式選択と操作技術が研鑽されている。

部品: 周辺状況の正しい把握

魔法の発動を行い、狙った効果を得ようと思う際、怠るべきではないのが周辺状況の把握である。
人や物などがどのように配置されている状況で、対象との距離はどれくらいで、間に遮蔽物などは存在するか、また、それは本当に魔法を必要とするのか。
魔法の使用は危険を伴うため、使用の是非を判断する材料を素早くそして正しく認識し、理解しなければならない。
時間をかけてもよい状況であれば丁寧な観察と思考によってこれを行えるが、緊急時や戦闘時などにこれを正しく行うためには、
予め想定状況に合わせた訓練を行っておかなければならない。


部品: 投射対象の認識と指定

魔法が必要だと判断されたならば、次は魔法の投射対象を正しく認識する事が重要となる。
魔法の発動には呪文詠唱以外に正しいイメージが求められるので、限られた情報から対象の位置や状態を明確化して脳裏に描く。


部品: 魔法の効果設定調整

発動する魔法にどういった効果調整や挙動制御のコマンド呪文を付加するかを素早く判断しなければならない。
とりわけ軍用に使われる魔法の発動には素早さを求められる事から、使用する制御コマンドは用途の多いものごとに組み合わせておくことが重要となる。
術式の挙動を安定化させたり、事故を防ぐための安全装置的な機能を果たす制御コマンドは原則として常時使われるが、
オプションとして付加する制御コマンドの組み合わせの例としては以下のようなものがある。

『射程5/100』+『効果量90/100』+『持続性90/100』=すぐ近くの対象に大きい効果を与える(魔法治療など)
『射程70/100』+『弾頭速度80/100』+『弾頭分割2*2*2』=射撃レンジの対象に多弾頭化(8発)した魔法を投射して命中精度を上げる(攻撃魔法など)
『軌道変化一回』+『範囲80/100』=曲射および範囲を対象とした魔法効果を付加する(範囲攻撃魔法化)
『射程15/100』+『効果量20/100』+『持続性15/100』+『範囲2/100』=狙った箇所に対してピンポイントにだけ魔法の効果を発揮させる(精密作業など)

※射程、効果量、持続性、魔法弾頭速度、効果範囲といったパラメータを1~100の範囲で指定し(指定がなければ50として扱われる)調整する他、追加の挙動を魔法に付加できる。効果が大きければ大きいだけ魔力の消費は大きい。
※使う魔法の種類によって数値50時の効果設定は異なるが、基本的に射程は設定値をそのままm換算、持続性は『設定値/60』秒とされる。範囲や効果量、速度は魔法の種類や規模によって大きく変動する。

組み合わせごとによく使う状況があるため、訓練によって習熟すれば、同じ魔法であっても多種多様な効果を得られうる。


部品: 呪文の素早い詠唱

使う魔法とその制御設定が決まったならば、その呪文を素早く詠唱して発動までにかかる時間を減らさなければならない。
通常、魔法使いとして公的に認定された術者であれば、基礎魔法の詠唱に平均して3秒、中位魔法の詠唱は15秒程度の詠唱で可能とする。
実践でこれだけの速度を維持できるとしても、詠唱が素早くなればそれだけ時間や状況のロスを防ぐ事ができるため、呪文詠唱の修行は魔法使いの日常である。


部品: 魔法の発動と後処理

確かなイメージと共に詠唱を完了させれば、魔法は設定した通りに発動して効果を発揮する。
正しく魔法が使えたのであれば、後はその結果に合わせて次の行動に移り(攻撃後に遮蔽を取る、治療後に患者の経過を観察する等)、
目的を果たすために活動を続ければよい。魔法は目的ではなく手段の一つなので、魔法の発動が狙った通り成功する事が当然にならなければ、魔法使いと呼べないだろう。

もし万が一、魔法の発動に失敗し、誤った効果を発揮させてしまった場合、魔法使いは周囲の魔法使いから協力を得て、誤った効果の魔法が事故を起こさないよう対処する必要がある。
効果が霧散するだけならばよし、周辺に被害を引き起こそうとするならば、解呪して効果を打ち消さなければならない。
この時、失敗によって冷静さを失う事のないよう、心を鍛えておくのも魔法使いの修行の大切な一つだ。

部品: 魔法使いマジカル☆まさいぬ

この人物の主な活躍の場は政治・軍事の場であり、一人の戦士としての能力はあまり重要視されたことがない。
主に護身と護衛のためとして拳銃系の技能を多く身に着けていたりもするが、玄霧藩国が保有する魔法系技術の方が強いのは歴然とした事実であった。

魔法医および精霊医の技術構築を行った他、玄霧藩国の魔法使いという概念を体系化しまとめ上げた実績がある。
当然、魔法の利用能力は備わっており、魔法治療および火炎魔法による攻撃能力を保有する。

部品: 急げ馬よのあらまし

馬を走らせ、短期間で長距離移動するための技術。はいよーシルバー!
馬を所有していない場合は貸し馬屋にレンタルしたりするらしい。

部品: 急げ馬よの取得条件

馬術の習得及び、馬での長距離移動訓練を年四回は行っていること。
なお、越境及び交通法規は各国のルールを事前に調査し、遵守すること。


部品: 馬と心を通わせる

テレパシーというわけではなく、馬との信頼関係を築く練習。
背筋を伸ばし、力を抜いて余裕を持つことで、馬に不安を与えないように心がける。

部品: 乗り降り練習

まず馬に乗るための練習。馬の左側から鐙に片足を掛けて跨がる方法から、飛び乗りまで練習する。
降り方は乗り方を逆順で行う。

部品: 騎乗姿勢

鞍の相性知り、跨がり方を覚え、正しい姿勢で騎乗するための訓練。
速さに応じて姿勢を変える必要があるので注意。

部品: 歩法の習得

歩法とは馬術における、馬の歩き方、走り方のことである。
常歩、速歩、駈歩、襲歩が基本歩法とされ、それぞれに訓練を行う。

部品: 常歩

なみあし。歩きの状態。常に二本ないし三本の肢が地面について体重を支えている状態。
正しい姿勢で発進や停止、曲がり方なども覚えよう。

部品: 速歩

はやあし。二本の肢をペアで着地、離地する走り方で、速度は常歩の二倍程度。
強く上下に揺れるため、動きに合わせて鐙に立つ、鞍に座るを繰り返して衝撃を軽減したりする。

部品: 駈歩

かけあし。速度は速歩のおよそ1.7倍ぐらいか。
三肢で接地しているタイミングと、四肢が地面を離れているタイミングがある。
パカラッパカラッといった感じか。
ゆったりと前後に揺れる。

部品: 襲歩

しゅうほ。全速力の走り。後肢と前肢の着地点をなるべく離し、脊椎のバネを利用して歩幅を伸ばし疾走する。
速度は駈歩の三倍にも達する。

部品: 長距離移動計画

連休のお父さんには必須の計画能力。
地図を広げ、目的地に辿り着くルートを導き、適切な時間に適切な道を進む計画を立てることが重要。

部品: 地図を読む

道路地図を読み解く力。これがなければそもそも長距離移動は諦めるべきだろう。
ルートを検索するだけでなく、休憩の予定も立てよう。

部品: 越境の準備

移動に於いて国を越えることもあるだろう。国が変わればルールも変わる。
各国のルールに従い、越境できる様、事前の予習と準備をしよう。

部品: 休憩・補給

事前に予定を立て、所定の場所で人と馬の休息と補給を行う。
日を跨ぐのであれば馬小屋のある宿の確保も忘れてはならない。

部品: 馬と野営

やむなく野営することもあるだろう。
野営をするのであれば、馬をきちんと繋いでおくこと。
もちろん、世話と手入れを忘れてはいけない。

部品: 急げ馬よの陸路移動効果

急げ馬よは、具体的には陸路に限り一航路分の移動を可能とする技術である。
緊急事態があれば即座に現場に急行することが可能となる。
馬を保有する必要が無いのは前述の通り。

部品: 急げ馬よの流用者名簿

※敬称略
優羽カヲリ@世界忍者国:優羽カヲリ:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/51367
暮里あづま@ナニワアームズ商藩国:暮里あづま:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/63143
若宮とよたろう@鍋の国:若宮 とよたろう(海兵隊):http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/9096
イクト@FEG:イクト(T20):http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/42224
いも子@後ほねっこ男爵領:いも子:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/71943
久堂尋軌@世界忍者国:久堂尋軌:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/37904
琥村 祥子@リワマヒ国:琥村 祥子:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/60773
高梨ひひひ@FEG:高梨ひひひ(T20・FEGの騎士版):http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/87943
矢神サク:矢神サク(T20用):http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/70226
田中申@akiharu国:田中申 :http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/64861
ダムレイ@リワマヒ国:ダムレイ:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/79488
真輝@ナニワアームズ商藩国:真輝:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/61047
GENZ@無名騎士藩国:GENZ(T20) :http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/55966
ぱんくす@羅幻王国:ぱんくす:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/92429
岩崎経@詩歌藩国:岩崎経:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/89344
武田”大納言”義久@ゴロネコ藩国:武田”大納言”義久:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/97377
劔城 藍@海法よけ藩国:劔城 藍: http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/98352
黒野無明@無名騎士藩国:黒野無明:http://maki.wanwan-empire.net/parts/as_tree/74949

部品: 大きな炎を使う魔法攻撃

大きな炎を使う魔法攻撃
火の魔法よりもずっと大きな炎を扱う魔法技術。
おおよそ、ハンドボール大からバスケットボール大程度のサイズの火炎球を発生させる事が出来、その熱量は非常に高い。
この規模となれば強大な敵に対する攻撃用途以外で使われる事はほぼなく、火炎の魔法は攻撃のための中位魔法(熟達した魔法使いにとっての奥義相当)として知られる。
中物理域の兵器に換算するとロケットランチャーに近い。

部品: 火を使う魔法

小さい火、主に指先サイズから大きくても拳大までの火を魔法で作り出して扱う技術。
敵に投射してダメージを与える他、焚火の火種や臨時の灯りとしての使用も可能。
規模の大きさとその持続時間に応じて魔力の使用量とコントロールに求められる技量が上がるため、
初心者はまず指先ほどの小さな火を瞬間的につけるところから始める。
魔法としては習得の簡単な部類に入り、低位魔法として位置づけられる。

部品: 魔力を使って現象をおこす

魔力というエネルギーは、そのままでは火を起こす事も物を凍らせる事も風を起こす事もできない。
例えば火の魔法であれば、『火を発生させる』という術式に魔力を通すことによって初めて結果を得られるのであり、
考え方としては電化製品に電気を通す事で熱を発生させたり冷気を発生させるのと近い。
魔法とはその術式を構築して運用する技術の事を指す。


部品: 効果と規模の調節能力

術式に通す魔力の量に応じて発生する効果の大小が決まるが、この時に必要なだけの魔力を必要なだけ通し、
更に発生する魔法効果を狙い通りの形にして扱うための技術がなければ、魔法が使えているとは言えない。
この発動時の調整は術者のイメージと呪文の詠唱によって行われるため、魔法使いには高い集中力と適切な呪文の選択を行う判断力の両方が資質として求められる。


部品: ごくわずかな詠唱

詠唱する呪文は、術式の起動キーとなる文章と術式の制御コマンドとなる文章によって構成される。
低位魔法そのものは、必要な魔力制御が多くないために求められる呪文詠唱の量は少ない。
迅速な詠唱完了によって起動できるという点において、高威力の魔法よりも優れている部分でもあるが、
その分だけ流せる魔力の上限が低く設定されており、したがって引き出せる効果量も限られている。

部品: ごく狭い面に対する熱攻撃

火の魔法によって生み出した熱量=火球を目標に向かって投射する攻撃。
火球は着弾するか射程限界に達するまで霧散することなく収束状態を保ち、目標に命中した際にその熱量を対象にそのままダメージとして与える。
射程距離は最大でも50mほど。
安全装置として、目標として設定した対象以外に命中した場合は威力を大きく減じる術式が組み込まれているが、
その術式に魔力を割いている分だけ、消費魔力に対する威力効率がやや悪い。


部品: 燃焼による追加効果

目標に着弾した場合、熱ダメージが発生する他、二次効果として熱による燃焼が着弾点から発生する。
ごく小さい火球であればすぐに消える程度の燃え方しかしないが、最大威力であれば可燃物とされる物質には即座に燃え移る程度の火が起こるため、
この攻撃を使用する際は周辺環境に延焼が発生しない事を考慮しなければならない。

部品: 高度な魔法制御技術の要求

火の魔法とは比較にならないほど、この魔法を意図通りに操るために求められる技術の水準は高い。
制御の呪文選択を一つ間違えるだけで事故につながる可能性があり、二つ間違えれば自滅どころか周辺へ甚大な被害をもたらす可能性もある。
また、投射対象選択とそのイメージを正しく行うための手順の数も、火の魔法よりずっと多くなっている。
適切な呪文を詠唱し、正しく対象をとらえて発射するためには、正しい術式への理解と冷静な判断力、状況予測能力と詠唱の正確さが常に必要とされる。


部品: 人格面の信頼性

非常に大きな危険を伴う魔法であるため、この魔法の習得については大きな制限が課せられている。
基本的に玄霧藩国の魔法というのは師から弟子への技術伝承によって学ばれるものであり、年単位の長い修行期間の中で師は弟子の人間性を見極め、
その資質が正しく魔法を行使するものであると確信できた場合に限り、奥義としての中位魔法を伝授するための修行に入る事を許すのである。
魔法使いの師は弟子の心の育成も行わねばならず、資質なきものに奥義を伝承してしまうと、他の魔法使いを含めた周囲からの信用を失う事になる。
魔法によって人々を助ける事で生計を立てる魔法使いにとって、周囲の信用は非常に大切な糧であり、魔法使いは基本的に『善き魔法使い』であるべく努める。
藩国から公示された『善き魔法使いであるための心得』はその参考として使われる。

部品: 魔法制御技術の万全な習得

弟子が資質あるものだと確信出来ても、強力な魔法を制御するための術を正しく身に着けた後でなければ魔法の伝授は行われない。
基礎となる魔法修行(通常4年かかると言われている)を終えた後、認められたものだけが高度な上位技術の習得を開始できる。
魔力の運用技術、効果調整のための高度な呪文の習得、長くなった呪文の詠唱技術をそれぞれ学び、身に着け、
また精神面での成熟が求めらる水準に達したと認められた時、初めて中位魔法の起動キーとなる呪文の伝承が行われる事となる。


部品: 伝承者の記録

中位魔法の習得に至った魔法使いは、その存在が非常に大きな戦力であり、場合によっては周囲に対する脅威となり得ると考えられる。
伝承が行われたという時点でその魔法使いに対する信用と身分が国から保証される理由にもなるため、
藩国政府は中位魔法の伝承を受けた魔法使いに対して、国への身元登録の提出を(師の保証も条件として)推奨している。
野に隠れて魔法を研究する魔法使いの存在を法的・倫理的に誤りであるとはしていないが、そういった魔法使いが国で活動する際は、法による制限が多く課せられる事になっている。


部品: およそ5倍の呪文詠唱

火炎の魔法の制御呪文は数が多く、その適切な運用に求められる呪文の長さは、火の呪文と比較しておよそ5倍が相場である。
詠唱にかかる時間は初心者で20秒、熟達者で8秒程度かかるため、素早い発動には向かないが、これを省略する事は認められない。
(なお、無詠唱発動には宝重クラスのマジックアイテムが必要とされている)

部品: 強大な熱量と必要な魔力

火炎の魔法で発生する熱量はとても強力であり、この直撃は鉄などの不燃性物質も(耐熱・耐魔法性のさほど高くないものは)溶解させうる威力を持つ。
おおよそ人間個人に対して使うにはオーバースペックであり、大型の怪物や軍団規模の敵に対しての使用が主な用途となる。
射程は最大で400mほどであり、発射にかかる時間や弾速の遅さから狙撃用途には向かない他、銃相手の射撃戦は不利要素が強い。
威力、射程、効果範囲に応じて必要な魔力量が大きく上がり、この規模の魔法となると個人の生み出せる魔力ではまるで足りないため、
使用には基本的に魔力触媒の併用が必要不可欠とされる。
着弾時の安全装置としての術式はこの魔法にも組み込まれているが、そもそもの威力が大きすぎるために相殺しきれるものではなく、
誤爆してしまった際は速やかな対処(非戦闘時であれば消防隊への通報など)が求められる。


部品: 延焼の効果範囲と付加効果

主に軍団相手の使用時の主効果として、熱量によって発生する延焼を狙って使われる事も多い。
直撃と比較した場合は熱ダメージの量として大きく劣るが、規模を最大まで広げれば50m四方までの延焼を発生させることが可能であるため、
面制圧火力として非常に大きな効果を持つこととなる。火傷による追加被害も無視できない。


部品: 森国で使う危険性の大きさ

火の魔法、火炎の魔法は効果のわかりやすく、また強力なものではあるが、
追加効果として発生する延焼による周辺被害は決して無視していいものではなく、
特に魔法使い全般の住む森国国家にとって、森林の延焼は山火事に繋がる非常に危険なものである。
これらの魔法の習得に対して制限がかかるのは、魔法使いたちが自らの住む土地を焼き尽くすことのないようにするためのものであり、
『森を焼いてはいけない』という認識が『人の住む土地を焼いてはいけない』という認識に繋がり、
他国でこの魔法を使う際も使用時に細心の注意を払えるよう意識を根付かせるためとして行われているものである。

玄霧藩国で延焼事件や山火事が発生した場合、消防組織がこの消火に全力で当たって対処する。
そして魔法使いたちは、消火が済んだ燃え跡に集まり、その危険性を改めて学ぶのである。

部品: かくれんぼ上手とは

かくれんぼ上手とはかくれんぼの技術が高いものことをいう。幼少期からかくれんぼを遊ぶ中で、遊びながらも技術の向上を胸におき、試行錯誤を繰り返した結果かくれんぼ上手となる。
かくれんぼ上手になるために必要なのは素早く正確かつ冷静な判断と行動である。
判断が遅ければ行動も遅れ刻一刻と変化する状況についていけず取り残されるであろうし、間違った判断を下せば行動は思いもよらぬ結果を生むだろう。また、冷静さを失えば判断や行動そのものも危うくなる。
何度も何千度もこれらの判断と行動を繰り返し、素早く正確かつ冷静な判断と行動を行えるようになったものがかくれんぼを制する。
大人になってからも大人げなく子どもに混じったり大人同士で本気のかくれんぼ遊びを繰り返した結果、身につくこともある。

部品: そもそもかくれんぼってなに?

「かくれんぼ」とは、主に子供向けの遊戯の一種である。
鬼になる人を決め、その者が一定時間視界を塞ぎ数を数える間に、鬼以外のものは鬼に見つからぬよう隠れる。
一定時間後、鬼は探索を開始し、鬼以外のものを探し出すといったルールが一般的である。
子どもの遊びのためその場の空気やメンバーで細かなルールは変わるが、一方が隠れ一方がそれを見つけるといったルールはおおむね共通する。


部品: 物陰にひそむ

隠れる側の基本は隠密である。
鬼の視界から外れる場所や見つけにくい場所の検討をつけ、潜む。
建物内はもちろん、遮蔽がある場所や視界が悪い場所なども有効である。
そして隠れる側になったとき、ただ単に逃げる、隠れるだけではなく「自分が鬼ならどう考え動くか?」といった思考も重要だ。
もし自分が相手の立場だったら、と考えることでより柔軟な思考が可能となり、思わぬ危険に気付くことがある。

部品: 音と気配のコントロール

人がいる音というのは存外目立つものである。
この音と気配を極力殺すために細心の注意を払う。
「抜き足・差し足・忍び足」で素早くかつ足音をなるべく立てずに移動する。
足をそっとつま先立ちをするように抜き上げ、差し入れるように静かに下ろし、人に気付かれないよう忍んで歩く。
膝とつま先と踵を意識するとやりやすい。
また、呼吸音や自分の体温による熱気など、自身と周囲の物や状況を観察、確認し、なるべく気配を殺し、音を立てぬように行動する。

部品: 誘導

より能動的な隠密として、誘導がある。
自分と離れた場所に目立つものを置いておく、どこから投げたかわからぬよう小石を投げる、わざと物音を立てるなどの行動により相手の注意をひいたり、逸らしたりする。
失敗すれば発見の確率は上がるが、うまくいけば相手の行動をコントロールできるだろう。

部品: 走って逃げる。走って捕まえる。

万が一見つかってしまった場合や、見つかりそうになったときにはその場所を捨て逃げることも有効である。
相手が複数である危険性や、動くことにより発見の確率が上がることなどは十分意識し、隠密か、逃走かその場に合わせた行動を行う。
自分が鬼の場合は逃走する相手のルートを想定し、追いかけ、捕まえる。

部品: 運

運も実力のうちである。
たまたま鬼がいない方向に進めた、たまたま鬼が明後日の方向を向いているときに移動できた、たまたま何気なく探した場に隠れている相手がいた。
実力が明らかに上の相手にもひょんなことから勝利する。いわゆる時の運であり、そんなこともある。
最終更新:2017年09月17日 10:52