ようすけのかげ CV:森久保祥太郎 *公式 連続猟奇殺人事件第二の被害者である[[小西早紀]]が死ぬ直前に[[マヨナカテレビ]]に映っていたことを掴んだ[[主人公]]と[[花村陽介]](と[[クマ]])が、テレビの中の世界に出現した小西酒店において遭遇した、陽介の[[影]]。 [[天城雪子]]達とは違い、間接的に干渉されたため通常の服装(制服姿)で現れる。 常に皮肉屋じみた表情を崩さず、言動は自虐的。 [[ジュネス八十稲羽店]]と[[稲羽市中央通り商店街]]との間に横たわる軋轢や、それに関係する人間模様、そして退屈な田舎町の暮らしを「ウザい」と思い、そういった全てを破壊してしまいたいという、陽介の抑圧された衝動から生まれた。 田舎生活のしがらみと退屈さをウザいと感じていたのは陽介本人も自認しており、自分と同じく八十稲羽の余所者である主人公と[[クマ]]の前でそれをムキになって否定する理由もこの時点では薄いため、彼が影を否定する決定打となったのは、やはり小西先輩への想いよりも退屈な日常が壊れる展開にワクワクする自己中心的な感情が優先されていたという暴露であろう。 陽介に完全に否定されたことで影は暴走し、[[ペルソナ]]「[[ジライヤ]]」をグロテスクに大型化させた姿を取る。捜査隊の影では唯一、暴走シーンがアニメ化されている。 カエルに乗っているのはジライヤの伝承からか。また、陽介のジライヤのイメージを考えるとあの姿は陽介の中の「歪んだヒーロー願望」を象徴しているとも考えられる。 副島氏は「ペルソナ=影なので、陽介は最初に遭遇する影だから他の影よりもペルソナと類似するデザインにした」と設定資料集で語っている。 [[テレビアニメ版>Persona4 the ANIMATION]]のPVでは陽介本人よりも先に登場している。 アニメ本編では、壁に張り付く、腕を伸ばす、モニターの映像や音声による精神攻撃といった能力を使っている。 *非公式 普段の陽介が至って明るく周囲の空気が読める性格により、負の側面を余り表に出さない為判り難いが、影が語る本音はあくまで誇張された一側面でしかないこと、そして本作の[[魔術師]]コミュの後半を踏まえて考えると、この影の訴える真実は単なる破壊衝動ではないことが読み取れる。 魔術師コミュ終盤、陽介は「これまで特捜隊の活動に打ち込んでいたのは小西先輩のことを忘れたかったから」という自らの本音を悟る。 これこそが陽介の心の中に巣食っていた負の側面の本質と考えると、陽介の影は固有スキルの「忘却の風」が示すその通りに「忘却による現実逃避」がその本質と言える。 「逃避願望」が元となって顕現したという点については[[雪子の影]]と相似するものがあるが、あちらが「ありもしない王子様」を夢想することによる消極的な逃避なのに対し、陽介は自身が抱えている問題とは別の問題解決に打ち込むことによる積極的な逃避を行っていることが相違点となる。 そもそも陽介は上述の通りジュネスと商店街の間の軋轢により周囲から色眼鏡で見られがちな上、人一倍空気が読める性質から何かにつけて人間関係やトラブルの調整役に回りやすく(魔術師コミュ内での無礼なバイト二人組への対応が顕著)、ストレスを非常に溜め込みやすい日々を送っているのは想像に難くなく、それらの「しがらみや苦痛を忘れたい・逃げ出したい」という思いが[[テレビの世界]]の性質により「ウザい日常生活を破壊したい」という攻撃的な衝動に歪んだものが本編で出現した影だと考えられる。 怪物(=ウザったい現実やストレス)に振り回される人型の上半身(=それらに四苦八苦し苦しむ己)という見た目もそこからだろうか。 ただし、これらの影は陽介が人の機微に対し敏感であり、それらにきちんと向き合おうとする心から生まれる反作用によるものであり、決して陽介が持つ善性を否定するものではない。テレビの世界に住まう出自不明の存在であるクマを快く自宅に居候させたり、[[特捜隊>自称特別捜査隊]]内でどれだけ他メンバーから雑に扱われようとなんだかんだで皆の世話を焼く姿が、彼の生来の面倒見のよさを証明していると言える。 影との対峙の中で一先ず田舎での退屈な暮らしを退屈と感じていた自分を受け入れた陽介は、今までの退屈を吹き晴らすかのように特捜隊の活動でのめり込んでいくが、主人公が陽介に不平不満を垂れ流す無礼なバイト二人組みに言い返したことを契機に、幾ら非日常を過ごした所で変化していなかった自分を抑圧する周囲の環境、小西先輩のいない現実、そして自分の為に怒ってくれる掛け替えのない相棒の存在を自覚する。 魔術師コミュの終盤で男泣きと共に自分の本音を自覚した陽介は、この時になって初めて遅まきながらも漸く目を逸らし続けた自分の真の影を受け入れることができたのだ。 苦しいことから逃げ続けていた自身の影を受け入れた陽介は改めて自分を見つめなおした末、今までウザい、苦しいとだけ思っていた稲葉での暮らしもそう悪いものではなかったこと、主人公に密かに嫉妬を抱いていたことを自覚し、それを払拭する為に自身を殴って欲しいと頼み込むなど、自分の気持ちや周囲の環境から逃げることを止め、人間として、男として大きな成長を果たす。 P4Gで追加されたコミュMAX後の追加コミュにおける「やっぱ俺、一周回って人に頼られんの好きだわ」というセリフは、周囲に面倒事を押し付けられることを内心苦にしていた陽介の心の成長を何よりも雄弁に示したセリフと言えるだろう。 *戦闘スペック [[主人公]]一人で戦うことになる。 疾風属性の専用スキル「忘却の風」と防御、「チャージ→[[物理攻撃]]」のコンボを繰り返し行うのみで、行動パターンは単純。 主人公に覚醒したペルソナ・[[イザナギ]]の性質をきちんと理解したうえで戦えば負ける可能性は低い。