秋、ころたんリサーチ

京太郎「うーむ、お金がない!」

久「もう、学祭前に不景気なこと言わないでよ」

京太郎「んなこと言ったってないもんはないんだよなぁ」

久「あんた例のバイトで稼いでなかったっけ? 夏も優希のタコス代、半分自腹だったんでしょ?」

京太郎「そうだよ、それに加えて今月の誕生日ラッシュ……去年もこの時期は金欠だったよ」

久「お小遣いは?」

京太郎「百円の飲み物を一日一本飲んでたら丁度なくなるぐらいには貰ってる」

久「つまり三千円ね」

京太郎「ザッツライト」


京太郎「というわけで今日はアルバイトに行ってくる」

久「えー? 手伝ってくれるんじゃないの?」

京太郎「もう手伝いまくったよ。あとは一太に丸投げしてくれ」

久「もうしてるわよ」

京太郎「……それもそうか」

久「あーあ、こんなことだったらあんたも議会に引き込んでおくんだった」

京太郎「おい、不穏なこと言うな」



京太郎「しかし、もういい加減進路決めなきゃいけないか」

京太郎「進学か就職か、それともフリーマンか……」

京太郎「どれにするかはともかくとして、今から勉強始めて間に合うのか?」

京太郎「……まぁ、なるようになる」


京太郎(言い方を変えれば、なるようにしかならないということだが)


和「先輩」


和「今からお帰りですか?」

京太郎「いや、龍門渕の屋敷でアルバイト」

和「アルバイト……執事でしたっけ?」

京太郎「アルバイトで執事って軽く意味不明だけどな。ちょっと懐が寂しいんだ」

和「……ゆーきには後できつく言っておきます」

京太郎「まぁ、ほどほどにな」


京太郎「それより進路だよ進路。どうすっかなぁ」

和「まだ決まってないんですか?」

京太郎「一応三つには絞った」

和「三つ、ですか」

京太郎「進学、就職、フリーマンの三つだ」

和「えっと、それはなんというか……」

京太郎「そうだ、超ざっくりしてるんだよ。進路というより方向だな」

和「大学なら父や母の伝手で紹介できますけれど」

京太郎「まだそこを悩む段階じゃないっていうのがな……」

和「やっぱり父としては大学は出て欲しいみたいです」

京太郎「恵さんが?」


京太郎(なんでやねん)

京太郎(いや、それほど心配してくれてるってことか?)


和「安心してください。進路はともかく、将来のことは私も同じですから」

京太郎「そうか、ありがとな」


和(将来……結婚一択ですよね!)

京太郎(こいつも将来について悩んでんのか……夢があるって聞いたような気がするけど)


京太郎「じゃ、部活にはまた今度顔出すよ」

和「はい、また明日」



衣「だからうちで執事をやればいいと思うよ」

京太郎「お前はまたそれか」グニグニ

衣「うにゅっ」

京太郎「大体今だってこうやって執事してるだろー? うりうり」

衣「は、はなせっ」バッ


衣「まったく、きょうたろーは!」

京太郎「んなこと言われてもなぁ」

衣「とにかく、ここに永久就職するべきだな、うん」

京太郎「それだと全く違う意味合いになるんですが」

衣「というわけで、今日は衣がきょうたろーの蒙を啓こう」


衣「さしあたっては、ぷれぜんというものをやってみようと思う」


京太郎「プレゼン?」

衣「そう、ぷれぜん。衣の佳所を知れば一緒に居たくなるはずだ」


京太郎(要するに自己アピールか)

京太郎(しかし、プレゼンって……)


衣「ところできょうたろー」

京太郎「ん?」

衣「衣の佳き所ってなんだと思う?」

京太郎「それを俺に聞いたらダメだろ……」



一「え? 衣の良い所?」

衣「うん、忌憚ない意見を求む」

京太郎「なんでも俺にプレゼンするためにリサーチしたいんだってさ」

一「それって君は一緒にいないほうがいいんじゃ……」

京太郎「気にするな。今は執事だから付きっきりだ」

一「はぁ」

衣「それで!」

一「あ、うん。ちょっと待ってね……」


一(良い所かぁ、正直いきなり聞かれても困るんだけど)

一(パッと思い浮かぶのは……麻雀かな?)

一(ボク的には軽いトラウマなんだけどね)


一「麻雀は? ほら、京太郎くんに教えたこともあるって言ってなかった?」

衣「おお、成程!」

京太郎「麻雀講座か……また懐かしい」

衣「きょうたろーは衣が育てた!」

京太郎「はいはい、ありがとうございます」

一「参考になったかな?」

衣「一、進言大義だ」

一「役に立ったならなによりだよ」

京太郎「邪魔して悪かったな。じゃ、次行くか」

一「仕事の邪魔はしちゃダメだよ?」

京太郎「ああ、隙を見計らって仕掛けるから大丈夫だ」

一「……人にものを聞きに行くようには聞こえないよね」



純「なに? 衣の良い所?」

衣「うん、忌憚ない意見を求む」

京太郎「なんでも俺にプレゼンするためにリサーチしたいんだってよ」

純「プレゼン……この前授業でやったっけ。覚えたての言葉を使ってみたいってやつと見た」

衣「う、うるさいっ! いいから答えるの!」


純(あ、図星ね)

京太郎(図星だな)


純「おチビの良い所ねぇ」

衣「ちっちゃいって言うな!」

純「わかったってば」


純(ん? でもちっちゃいのって悪いことばかりじゃないよな?)

純(オレじゃ入らないようなとこにも手が届くし)

純(言ったらさらに怒りそうだけど……)


純「やっぱ小さいとこじゃないか?」

衣「まだ言うか!」

純「いやいや、適材適所ってやつ。オレじゃ入れないようなとこにも入っていけるでしょ?」

衣「……かくれんぼにも有利ってこと?」

純「そういうこと」

衣「小さいことにそんな利点が……」ワナワナ


京太郎「まぁ、うまいこと丸め込んだな」

純「人聞き悪いこと言うなよなー、すっがくーん」

京太郎「ジュンジュンって呼ぶぞ」

純「ソレだけはマジ勘弁な」



智紀「……衣の良い所?」

衣「うん、忌憚ない意見を求む」

京太郎「なんでも俺にプレゼンするためにリサーチしたいんだって」

智紀「この朴念仁には言ってもわからないと思うけど」

京太郎「うっ」


京太郎(やっぱりなんか風当たりが強い……)

京太郎(嫌われるようなことしたっけ?)


京太郎「そんなこと言わずに協力してくれよ」

衣「智紀、おねがい」

智紀「……別に構わないけど」


智紀(良い所……なんだろう?)

智紀(最近起こったことで考えるなら……)


智紀「思いやりがあるところとか」

京太郎「ありきたりだけどその根拠は?」

智紀「本のネタバレから守ってくれた」

衣「本のネタバレ? なんだっけ」

智紀「この前、狭い部屋を用意してもらった時のこと」

衣「おお、あの天岩戸か!」

京太郎「お前らなに面白そうなことやってるんだよ」

智紀「ネタバレを避ける身としては必死だった」

衣「うんうん、あの時は大変だった」

京太郎「ちょっ、気になるからやめてくんない?」



歩「こ、衣様の良い所ですか?」

衣「うん、忌憚ない意見を求む」

京太郎「なんでも俺にプレゼンするためにリサーチしたいんだってさ」

歩「そそそ、そんないきなり聞かれてもっ」

京太郎「とりあえず落ち着け。ほら深呼吸深呼吸」ポン

歩「ひゃいっ」


歩(あわわわわっ、須賀先輩の手が肩にっ)

歩(どうしよどうしよっ、ゴツゴツしてていかにも男の人って感じで)キュンキュン

歩(はうぅ……先輩かっこいいなぁ)


京太郎「おーい、杉乃?」

歩「あっ……か、彼氏ならいませんからっ」

京太郎「はい?」

歩「~~っ、忘れてくださいっ」カァァ

京太郎「あ、ああ……」


衣「で、早速だけど聞かせて」

歩「う~ん……」


歩(どうしよう、下手なこと言ったら怒られちゃいそうだし)

歩(でも、忌憚ないって言ってたし……)

歩(なら思い切って……!)


歩「み、みんなから可愛がられているところだと思いますっ」

衣「かわい、がられてる?」

京太郎「おおっと、まるで食卓に子供用の椅子が用意されていた時のような顔に」

歩「違います違います他意はないんです! ただみんなの人気者という意味でっ」

衣「人気者……」

歩「だ、ダメですか?」

衣「ん、参考になった。ありがとう」

歩「それなら良かったです……」ホッ

京太郎「お疲れさん。邪魔して悪かったな」

歩「そんなとんでもない! いい息抜きになりましたからっ」

京太郎「お仕事頑張れよ」

歩「せ、先輩もサボらないでくださいね」

京太郎「サボりじゃなくて自主休憩な」



メイド「衣様の良い所?」

衣「うん、忌憚のない意見を求む」

京太郎「なんでも俺にプレゼンするためにリサーチしたいらしくて」

メイド「なるほどねー、大体分かりました」

京太郎「先輩は他のやつよりここに長くいるし、いろいろ知ってるんじゃないかなって」

メイド「その通り、いろいろ知ってます。たとえば――」ススッ

衣「ちょっ」

メイド「衣様のほっぺがこーんなに柔らかいこととか!」スリスリ

衣「ひぅっ」ビクン

メイド「あーん、大人になったら失われるこの質感! お持ち帰りしーたーいー!」

衣「きょ、きょうたろ~」

京太郎「あの、そのへんでやめといた方が……」

メイド「はい、やめました」パッ


メイド(これ以上やるとハギヨシくん来ちゃいそうだしね)

メイド(本当に神出鬼没なんだから……)

メイド(彼、初めはもうちょっとからかいがいがあったのにね)


メイド「それでそれで、他に聞きたいこととかありません?」

衣「も、もういいから」

メイド「なーんだ、残念ですねぇ」

京太郎「じゃ、俺らは次行きます」

メイド「頑張ってくださいねー」フリフリ



ハギヨシ「ふむ、衣様の良い所……」

衣「うん、忌憚ない意見を求む」

京太郎「なんでも俺にプレゼンするためにリサーチしたいって」

ハギヨシ「それはまた……」


ハギヨシ(色々とツッコミどころはありますが、スルーしておきましょう)

ハギヨシ(良い所、賞賛すべき点)

ハギヨシ(いくつか思い浮かびますが、あえて言うのなら……)


ハギヨシ「衣様は、努力家ですね」

衣「努力家?」

ハギヨシ「サンドイッチやお団子、と言えばわかりますか?」

衣「わ、わかったからそれ以上言わないでっ」

京太郎「なんだなんだ、何の話?」

衣「きょうたろーには秘密!」

京太郎「なんだよケチくさいな」


京太郎(とか言いつつ、大体のことは察してたりする)

京太郎(サンドイッチに団子……どっちもハギヨシさんに教わったってところか)


京太郎「まぁ、たしかに頑張り屋かもな」ポン

衣「こ、衣は別にそんなんじゃっ」

京太郎「頑張ってる姿が恥ずかしいとか子供っぽいことは言うなよ?」

衣「そうだ、衣は頑張り屋だ!」

京太郎「またわかりやすい手の平返しを……」


ハギヨシ「それで、そろそろリサーチは十分なのでは?」

京太郎「そうですね……どうする?」

衣「うん、衣もそう思う」

ハギヨシ「次はプレゼンですね。機材などはどうなさいますか?」

衣「じゃあ衣の部屋に運んでおいて」

ハギヨシ「かしこまりました」

京太郎「……本当にやるのか、プレゼン」



透華「……暇ですわ」

透華「暇、つまりは平和……それはなによりですが」

透華「もっとこう、なにか目立てるイベントのようなものが……おや?」


一『え? 衣の良い所?』

衣『うん、忌憚ない意見を求む』

京太郎『なんでも俺にプレゼンするためにリサーチしたいんだってさ』


透華「プレゼン、リサーチ……」

透華「なるほど、事情は飲み込めましたわ」

透華「ふふ、衣の良い所を語るのなら私は外せませんわ!」

透華「さぁ、いつでもいらっしゃいな!」



衣「以上が衣の佳所だ!」

京太郎「あー、わかりやすかったぞ」

衣「むっ、衣の話は末梢か」

京太郎「あのな、一緒になってリサーチしてただろうが」

衣「たしかに……」


透華「どういうことですの!」バターン


京太郎「いきなりなんだよ」

衣「とーか、ノックしなきゃ、メッだぞ」

透華「そんなことより!」


透華「なぜ私のところへ聞きに来ないのかっ! 説明なさい!」ガシッ


京太郎「ちょっ、俺!?」

透華「こ~た~え~な~さ~い~!」ブンブン

京太郎「わかった、わかったから頭揺らすなっ」



透華「つまり、忙しいだろうと思って遠慮していたと」

京太郎「ああ、そういうことなんだ」

衣「え? そうだっけ――むぐっ」


京太郎「こらっ、余計なことは言うんじゃない」ヒソヒソ

衣「余計なこと?」ヒソヒソ

京太郎「思いっきり忘れてただなんて言ってみろ、一瞬で不機嫌になるぞ」ヒソヒソ

衣「とーかの雷が落ちる……」ブルッ

京太郎「だからここは遠慮してたって方向性で乗り切るんだよ」ヒソヒソ

衣「うん、わかった」ヒソヒソ


衣「そ、そうだよー、とーかに迷惑はかけられないと思ったんだー」

透華「……」


京太郎(清々しいまでの棒読み!)

京太郎(嘘をつくのは得意じゃないとは思ってたけど……絶対怪しまれてるよな、これ)

京太郎(くっ、ここまでか……?)


透華「まったく……」ハァ

京太郎「あー、ちょっと落ち着いて聞いてほしいんだけど――」


透華「水臭いにも程がありますわ!」


京太郎「え?」

透華「家族に配慮はあっても遠慮は不要! よろしくて?」

衣「う、うん」

透華「それに、あなたの美点を語るということにおいて私の右に出るものはいませんわ!」

衣「そ、そうなの?」

透華「当然! まずは私たちが初めて出会った日のことですが……」

京太郎「え、そこまでさかのぼんの?」

透華「安心なさい。わかりやすくまとめたショートバージョンですわ」

京太郎「かかる時間は?」

透華「ほんの五時間」


京太郎(アカン)


京太郎「そ、そっか……じゃあ俺はお茶とか用意するよ。念入りに、時間かけて……だから存分に話しててくれ」

衣「あっ、きょうたろーずるいっ」

透華「ふふっ、ぬかりはありませんわ……ハギヨシ!」


ハギヨシ「お呼びでしょうか?」スッ


透華「お茶の用意を、三人分」

ハギヨシ「かしこまりました」


京太郎(ぬかった!)

京太郎(お嬢様め、ハギヨシさんを召喚しやがった……!)

京太郎(いや、でもハギヨシさんなら、ハギヨシさんならきっと……)ジー


ハギヨシ「……」フルフル


京太郎(そんな、ハギヨシさん!)

ハギヨシ(京太郎くん、諦めも時には肝心ですよ)


ハギヨシ「それでは、少々お待ちください」


京太郎「は、ハギヨシさん……」

衣「きょうたろー、衣たちは根の国に旅立つときも一緒だ」

京太郎「この状況でそういうこと言うのはやめなさいっ」

透華「さあ、それでは始めますわよ?」



京太郎「お、終わった……」グッタリ

衣「うみゅ……」ウトウト

京太郎「こいつめ、途中から居眠りしやがって」


衣『……』ウツラウツラ

透華『あら? 疲れていますのね』

京太郎『だからここは一旦――』

透華『あなたに聞かせる分には何も問題はありませんわ』

京太郎『えぇ……』


京太郎「おかげで全部俺におっ被さってきたよ……」

京太郎「おい、起きろ。寝るなら部屋に行くぞー」ユサユサ


衣「ん……もう話終わったの?」


京太郎「そりゃ寝てたら一瞬だよなぁ」

衣「わっ、もうこんな時間」

京太郎「その通り。良い子は寝る時間だ」

衣「でもなんか眠気が……」

京太郎「さっきまでぐっすりだったもんな!」



衣「う~、本当に寝なきゃダメ?」

京太郎「夜更ししてると玉の肌が荒れるぞー」

衣「そしたら嫌いになる?」

京太郎「そんなわけないだろ」

衣「じゃあちゅーして」

京太郎「話がつながらないなぁ」

衣「恋人同士はおやすみのちゅーをすると聞いたよ?」

京太郎「恋人同士って前提が違うような」

衣「そっか、衣ときょうたろーは家族だもんね」

京太郎「おやすみのキスならしてやるからベッドに入れ」

衣「はーい」


衣「じゃあ、はい」

京太郎「んっ、おやすみ」チュッ

衣「むっ、またおでこ」

京太郎「口にするなんて言ってないからな」

衣「またそうやって……ずるい!」

京太郎「だからずるいのは年の功だってな」

衣「おかしい……ぷれぜんしたのに」

京太郎「ああ、あれな。今更だよな」

衣「だ、ダメだった?」ジワッ

京太郎「違う。あんなことしなくても全部知ってたってことだ」


京太郎(もうかれこれ二年以上の付き合いだしな)

京太郎(それに……)


京太郎「だって、お前は――」


京太郎「――俺の家族だからな」


衣「家族……衣が?」

京太郎「そうだよ。世話の焼ける、背は小さいくせに態度はでかい家族だ」

衣「きょうたろー……」ギュッ

京太郎「だから良い所なんて知ってて当たり前なんだよ」

衣「うん、うん……衣もおんなじ」


衣「きょうたろーは、衣のこと怖がらない……避けたりもしない」

衣「意地悪なときもあるけど、いっぱい優しくしてくれる」

衣「抱きつくとお天道様みたいな匂いがするし、それからそれから――」


京太郎「わかってるよ、もう十分だ」ギュッ

衣「きょうたろーは勝手にいなくなったりしないよね?」

京太郎「もし傍にいなくても、心は一緒……みたいな?」

衣「うん、ずっと、寄り添って……」ウトウト


京太郎「……寝たか」

京太郎「こいつめ、恥ずかしいこと言わせやがって」

京太郎「でもまぁ、嘘を言ったつもりはないけどな」

京太郎「……おやすみ、衣」



京太郎「んー、ようやっと帰れる」ノビー


ハギヨシ「お疲れ様です」

京太郎「ひどいですよ。助けてくれると思ったのに」

ハギヨシ「私にもできることとできないことがありますからね」

京太郎「え、ハギヨシさんにできないことが?」

ハギヨシ「色々ありますよ。たとえばお嬢様たちに麻雀で勝つこと、ですね」

京太郎「ああ、なるほど」


ハギヨシ「衣様との仲は進展しましたか?」

京太郎「ちょっ、不意打ちでそういうこと聞いてくるのやめませんっ?」

ハギヨシ「こういう話は君ぐらいにしかできませんよ。友人は多くないもので」

京太郎「それ、喜んでいいんですかね?」

ハギヨシ「喜んではくれないのですか?」

京太郎「そりゃもう、光栄ですよ」


京太郎「じゃあ、もう遅いんで帰ります」

ハギヨシ「車で送りますよ」

京太郎「お、ラッキー」

ハギヨシ「代金は……そうですね、君の女性関係について聞かせてもらいましょうか」

京太郎「か、勘弁してください」

ハギヨシ「はは、冗談ですよ、冗談」
最終更新:2016年10月28日 01:35