五月十日、膝枕とおんぶ

怜「暇ー」

竜華「テレビ見る?」

怜「そういうのじゃなくて、単純に外出たい」

竜華「せやけど入院中やしなぁ……」

怜「もう……そんなんちょっと学校で倒れただけやん。今なら草野球の四番バッターやれるで」

竜華「今度は元気アピール? いつものはどしたん?」

怜「あ……ごほっ、ごほっ! うぅ……急にめまいが」

竜華「ならおとなしくせなあかんな」

怜「ぶーぶー」

竜華「まぁ、膝枕ぐらいはオーケーやで」

怜「じゃあそれで」



怜「あー、気持ちえーなー」

竜華「お気に召した?」

怜「やっぱ膝枕といえば竜華やな」

竜華「褒めてもなんも出ぇへんよ?」

怜「もう十分もらっとるしー」

竜華「他に何かリクエストある? 外出たい以外で」

怜「んー……あ、そや」


怜「ちょっと背中貸してくれへん?」



怜「んー、楽ちん楽ちん」

竜華「おんぶするなんて久しぶりやな」

怜「重い?」

竜華「むしろ前より軽く感じる」

怜「ダイエット成功やな。病弱ダイエットで本出したら売れるかな?」

竜華「不謹慎、ダメ、絶対」

怜「こんなんただのパーティージョークやって」

竜華「パーティー要素が見当たらへんな」

怜「そこらへんは気にしない方向でー」

竜華「もう……それで、乗り心地どう?」

怜「せやな……悪くないってとこ」

竜華「……なんか評価微妙」

怜「竜華は全体的にやわっこいから力強さが足りないねん」

竜華「え……うち太った?」

怜「たしかに脂肪が溜まっとるわ、このへんとか」モミモミ

竜華「ちょっ、胸揉むなっ!」



怜「てなわけで、残念ながら竜華にはおんぶナンバーワンの称号はあたえられません」

竜華「それ初耳なんやけど」

怜「うん、今考えた。ちなみに膝枕ではナンバーワンやから、心配せんでもええで?」

竜華「はぁ……ちなみにおんぶナンバーワンは?」

怜「うーん……」


怜「竜華の好きな人と同じ……なんちゃって」
最終更新:2015年06月05日 23:06