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「…………う……」



ふと、目が覚めた。
かつてない程の不快な気分だった。



「ん……冷やっとする……。」



床は冷たく、
そのお陰で徐々に意識がハッキリとしてくる。



「……っ!!」



頭部に痛みが走った
と言うより、思い出した感じだった。



「いってぇ……ここは何処だ……」



意識の次は、記憶が鮮明になり出した。
普通に登校し、授業を受け、
友達との会話を楽しんだのは間違いない。



「なんか……帰宅途中から記憶がないな……」



現状把握に勤しんでいる中、足音が聞こえてきた。



「あ、目が醒めたんスね男くん。」



「田村……?」



同じクラスの田村ひよりが、
振り向いたオレの眼前に現れた。
正確に言えば、鉄格子の向こう側。



「なんだコレは!?鉄格子じゃねぇかよ!」



田村の笑い声が僅かに響くと少し寒気がした。
オレは鉄格子に近づき、力任せに動かそうとした。



「クッソ…あかねぇ!田村、
そっちから開けれそうにないのか?!」



また笑い声が響いた。
近くで顔を見ると、背筋が冷たくなった。
同時に頭痛を再び思いだし、オレはへたりこんでしまった。



「ここは廃屋なんすよ。なんの為に作られたのかは
わかんないけどね。」



田村はオレを見たことのない表情で見つめた。



「ちょっと汚いけど、我慢するっすよ男くん。」



田村の言うことが理解出来ない。
ただ、消えない寒気と止まない頭痛が
オレに嫌な予感をもたらし続けていた。



「今日からここが、男くん家っす。」

俺は田村が何を言っているのかわからなかった。
返す言葉に詰まっていると、田村は

「少し用事があるから。」

と部屋から出ていってしまった。
静まり返っている中、ゆっくりと体をおこし
俺は壁という壁に目をやった。多少の傷はあるものの
廃屋という割りには綺麗な状態である。

「何が俺んちだよチクショウ…」

かべを蹴る音が響く。

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最終更新:2008年07月01日 01:54