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男「かがみ、お前の気持ちは分かるけど、今日は帰ろう?…怒られたら俺も一緒に怒られてやる。」

かがみ「男…」

男「親は絶対心配してるだろうし、つかさともちゃんと仲直りした方がいい。」

かがみ「……」

男「………なっ?」

かがみ「………うん。」

男「良かった。とりあえずさ、ゆっくりホットミルク飲んで温まってからにしよう?」

かがみ「……うっ…うっ…うえぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!」

男「……よしよし…。ごめんな…。」

俺はかがみが泣き止むまで、背中をさすっていた。
30分ほど過ぎた。

かがみ「…ありがと。男が背中さすってくれたの…その…嬉しかったよ…。」

男「う…うん。」

かがみ「ちょっとお手洗い借りるね。」

男「うん。どうぞ。」

かがみが席を立ち、トイレに向かった。
するとタイミングよく俺のケータイにメールが送られてきた。

【from】
柊つかさ
【タイトル】
男君?
【本文】
男君、今そっちにお姉ちゃん居ない?
居るんなら教えてほしいな。
お父さん心配してるし、私お姉ちゃんと話さなきゃ。

【to】
柊つかさ
【タイトル】
Re:男君?
【本文】
うん、居るよ。
今から俺が送ってくから、仲直りしてね?

【from】
柊つかさ
【タイトル】
Re:Re:男君?
【本文】
じゃあうちの前まで来たら、ピンポン押さないで私にメールしてね。
待ってるよ。


…良かった。つかさは冷静みたいだ。
つかさとのメールが終わると、かがみがトイレから出てきた。

かがみ「…男、そろそろ行こっか…?」

男「うん。寒くないように俺の上着羽織っていきなよ。靴下も貸すよ。」

かがみ「うん…ありがとう。…ごめんね。」

男「気にしなくていいよ。上着とか、返すのはいつでもいいから。」

俺たちは家を出て、二人で歩き始めた。

もう五月も終わる。
外気はまだ冷たかったが、少し優しい風が吹いていた。

かがみ「おとこ…ゆっくり歩こうよ。」

男「…寒くない?」

かがみ「うん。あのね……少し話しながら歩きたいから。」

男「うん。」

俺達はわざと少し遠回りな道を歩いた。

かがみ「それにしても、男は鈍感ね。」

男「う…ごめん。」

かがみ「どうせ、つかさやこなたの気持ちも言われるまで気付けなかったんでしょ?」

男「…おっしゃる通りです。」

かがみ「まったく……男は罪つくりね。そんなんじゃいつか誰かに刺されるわよ?」

男「う…それは嫌だ。」

かがみ「ふふっ…冗談よ。」

男「………」

かがみ「私さ…男ほど好きになった人居ない。」

男「……。」

かがみ「だからさ…大切な思い出にするね。」

男「……かがみ…。」

かがみ「すっ…すぐに素敵な人見つけるから、見てなさい。男よりも素敵な人…見つけから。

男「うん…待ってるよ。」

かがみ「ね…一つだけ私のワガママ聞いてくれる?」

男「何?」

かがみ「……その……」

男「?」

かがみ「…………ほっぺでいいから……キスして……。」

男「えっ?!」

かがみ「……………///」

男「そ…それは……その…」

かがみ「あのね……私だけの…思い出にする…。絶対誰にも言わないし……男も忘れてれていい……。

男「……。」

かがみ「………ダメ?」

俺はかがみの頬に触れた。
…一瞬だけ。

かがみの気持ちは、たぶんこなたに対する俺の気持ちと同じだ。
それを考えると俺は、かがみに『思い出』さえ作ってやれないのは余りにひどすぎる気がしたからだ。

今俺があるのは、こなたとの思い出が支えてくれてたおかげなわけで。


かがみは顔を真っ赤にして少し下を向いた。

かがみ「…わたしさ…毎日少しづつだけど、ノートに日記つけてるの。」

男「うん。」

かがみ「今まで…男に対する気持ちとか結構書いたんだ…。」

男「…うん。」

かがみ「でもさ…今日の日記には何にも書かないわ。……約束だから。」

男「かがみ…。」

かがみ「それにね、今の気持ちは私の胸に焼きついて…多分一生消えないから大丈夫。」

男「……」

かがみ「………初恋ってさ……甘酸っぱいってホントだね。」

男「……。」

しばらく歩くと、柊邸が見えてきた。
俺はつかさの言葉を思い出して、急いでメールを打った。
かがみ「どうしたの?」

男「ん…つかさに開けてもらえばさ、今日は親と顔合わせないで大丈夫だろ?」

かがみ「……うん、そうだね。」

男「ちゃんと、仲直りな?」

かがみ「平気よ。私は男の事諦めたんだから。」

男「うん……。」

ドアが静かに開いた。
つかさ「お帰り、おねーちゃん。」

かがみ「つかさ…私…」

つかさ「うん…部屋で話そ。」

かがみ「…うん。」

男「じゃあ俺は帰るね。」

つかさ「うん、おやすみ、男君。」

かがみ「おやすみ。送ってくれてありがと。」

男「うん。お休み。」

かがみの部屋。
つかさ「お姉ちゃん。」

かがみ「つかさ…さっきはごめんね。」

つかさ「………クラスの友達の家行くって嘘ついて男君の家行ったんだね。」

かがみ「…つかさ……ごめん。」

つかさ「大丈夫だよ。お父さんには言ってないから。」

かがみ「…私ね…」

つかさ「いいよ、言わなくて。これ、読んだから。」

つかさの手にはかがみが書いていた日記があった。
…しまった…教科書で隠したとはいえ、机の上に置きっぱなしだった…そうかがみは思った。

つかさ「…おねーちゃんずっと男君の事好きだったんだね。」

かがみ「………」

つかさ「…こなちゃんに相談されても、私に相談されても、ずっと…。」

かがみ「私は…」

つかさ「男君と!!…何してきたの?」

かがみ「…話してきただけよ。…それにね…私はもう男の事は諦めるわ。」

つかさ「…………………………………………………………………嘘だ。」

かがみ「…嘘じゃなi」


嘘だ



   嘘だ


                         嘘だ

 嘘だ                            嘘だ


            嘘だ
                    嘘だ


嘘だ
                                  嘘だ
           嘘だ


嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


気がつくとつかさはかがみの首に手をまわし、その力を強めていた。

つかさが我に帰ると、かがみは目を閉じて崩れ落ちた。

つかさ「お…ねえ……ちゃん……?」

つかさ「いっ……いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



…最後の瞬間、かがみは抵抗しなかった。
かがみの頬に残る感触が、優しくかがみの心を包んでいたから………。


【 BADEND 優しい気持ち、くれたのはあなた 】

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最終更新:2008年07月02日 20:16