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「かがみ…俺と付き合ってくれ」

「な、なによ。いきなり」

「いきなりではないだろう?俺とかがみは同じクラスで隣りの席という事もあり、たまに色んな話しをしながら少しづつ仲良くなった仲じゃないか」

「誰に説明してんのよ…っていうか私でいいの?」

「当たり前だろ!…やっぱりダメか?」

「…そんなことない…わよ」

「えっ?そ、それってOKって事?」

「まぁ…OKという事で…」

「やったーーーーー!!」

「こ、こら大声だすな!恥かしいでしょ!」

歓喜の声が校舎裏に響いた

次の日の昼休み 屋上

「お・べ・ん・と・お・べ・ん・と・楽しいなぁ~♪」

「何歌ってんのよ…っていうか男、毎日購買のパンよね?飽きないの?」

「仕方ないだろ?うちの両親共働きであんまり家にいないし」

「だからって、少しは栄養のあるもの食べなさいよ、もしかして夜もカップラーメンなんて言わないでしょうね?」

「まぁ概ね当たりだ」
「あんたは…っていうかお昼でよかったら私作ってこようか?」

「ほ、ほんとに?」

「あ、あんまり期待はしないでよ?そんなにうまくないんだし…」
「そんなの関係ねぇ!やったーーーーーー!!」

「こら!いちいち大声ださないでよ」


その日の昼休みは回りの目が多少痛かった

「かがみ帰ろうぜ~」

「あっうん、ちょっと待って」

帰宅途中

「うわ、あの人女の人こんな寒いのに偉い薄着だな…胸もでかいし」

「ど・こ・みてんのよ!」

「いたたっ、ごめんごめん、だから耳を引っ張るのはやめてくれ~」

「まったく、男ってのはどうしてあんのが好きなんだか…」

「いや好きと言うより…ロマンかな」

スタスタスタ…

「あぁっかがみ置いてかないで!!」


その日はしばらく口を聞いてもらえなかった

「はい、お弁当」

「お、サンキューいつも悪いな」

「だったら少しは自炊しなさいよ…」

「それは無理な相談だ」

「…そのうち料金とるわよ」

「俺の愛でご勘弁を…」

「バカ!冗談よ、さっさと食べましょ」

「待ってました!いただきま~す、うっひょ~今日もまたいいお弁当」

「あんたは好き嫌いがないから助かるわ~」
「ハートの形のノリとかは作ってくれないの?」

「ハートが黒くてどうすんのよ…まっ気が向いたらね」

「やっーーー…」

「まった大声禁止!」
次の日のお弁当にはハートの形の人参が入っていた


「ねぇつかさ?」

「何?こなちゃん」

「ここ最近かがみんをみかけないんだけど…」

「あ~おねぇちゃん最近隣りのクラスの男君とよく一緒にいるみたいだよ?」

「男?誰それ?」

「ん~多分彼氏さんかな~、毎日早く起きてお弁当作ったりしてるし、昨日もずっと電話してるみたいだったから」

「かっ彼氏~~?ぬぬぬ…うちの嫁をよくも~~!つかさ!次の休み時間はかがみんのクラスに突撃だよ!」

「だ、ダメだよ!それはおねぇちゃんに悪いよ!」


結局つかさはついてきた


「ほほぉ~これが噂の…」

「は、初めまして」

「ん~なるほど~これがかがみんの趣味か~。」

「こ、こなちゃん…」
「あっこらあんた達何してんの!」

「やぁかがみんお邪魔してるよ~どこ行ってたの?」

「ちょっとお手洗いにっていいからちょっとこっち来なさい!」

「あ~れ~~~~お戯れを~」

「ふふ…こなちゃん楽しそう~」

「つかさもよ!!」

「あっごめん、じゃあまたね~男君」

「あ、うん。またね」

廊下

「まったくあんたたちは何してんの?あんまり男困らせないでよ?」

「いやぁ~かがみんに変な虫が付いてないかの確認だよ」

「何言ってんの…つかさも、こなたが変な事しないようにちゃんと止めなさいよ」

「うん…ごめん」

「だって最近かがみん全然構ってくんないしさ~、寂しかったんだよ~~、彼氏が出来たなら紹介ぐらいしてくれてもいいのに…」

「そ、それは謝るけど…もぉ!とにかくあんまり男困らせないでよ?分かったわね?」

「「は~い」」

返事を聞くとおねぇちゃんは教室に戻っていった

「ねぇつかさ?」

「何?こなちゃん?」
「二人っていつもどこでお弁当食べてるの?」

「え?たしか屋上だけど…それがどうしたの?」


「屋上…か」


その時こなちゃんの目が一瞬光をおびた…気がした

昼休み

男待ってるだろうな…急がなきゃ。
私は職員質からでると二人分のお弁当を教室から取り屋上に向かった

「ごめん!男~待ーーー…」

「ねぇ男はさどっちがチョココロネの頭だと思う?」

「あ、頭?そんな風に考えた事ないからな~」

「こなちゃんそれ私にも前に聞いてたね~そんなに気になるの?」
「いやいや、色んな意見を聞くのも大切なーーーってかがみんいつの間に!」

「おっかがみおつかれさん」

「おねぇちゃんお帰り~」


「あんたらは…」

「はい、男お弁当」

「サンキュー」

「おぉ~これが噂のかがみん弁当!!」

「泉も少し食べるか?」

「だーめ」

「えぇ~かがみんのケチ~」

「じゃあ私がーー…」

「つかさ!」

「バルサミコ酢~」

「かがみ、そんなに怒るなよ、二人とも悪気があるわけじゃないんだから」

「お~男~さすがだよ~輝いて見えるよ」

「そ、そうかな…まっ何にせよ折角だし、みんなで食べよう。いいだろ、かがみ?」

「まぁ男が言うなら…」

「そうと決まれば」


「「「いただきまーす」」」


「あんたたちは…」

放課後

「かがみ~いこ~?」

「あ、うん。男…今日はごめんね?」

「気にしてないよww楽しかったし」

「私は…二人がよかったけど…」

「ん?何か言ったか?」

「ん~ん、何でもない行こ!」


「まてぇぇぇい」

「まさか…」


「一人よりも二人、二人よりも三人…楽しさを分かち合う人は多ければ何倍もなり、また辛い事は人数の数だけ分割されていく…人、それを仲間という」

「だ、誰だ!」

「悪党に名乗る名などない!とう!!」

「飛んだっ!?」

「コナタ・イズーミ見参!!」

「思いっ切り名乗ってんじゃない…それで何の用?」


「そ、そんな醒めた目でみないでよ。かがみ~ん一緒に帰ろ~よ~」

「おねぇちゃんゴメンね…一応止めたんだけど…」

「ハハっやっぱ泉は面白いなぁ~よし、四人で帰ろう!」

「ちょっちょっと男?」

「「わ~い」」

「はぁ…」

その日の夜

『そんなに怒るなよ~』

「別に怒ってないわよ、ただもう少し気をつかってくれてもさぁ…」

『二人とも寂しかったんだよ、とくに泉は。大丈夫、そのうち飽きるって』

「だといいんだけど…それじゃ切るわね?おやすみ男」

『あれ?好きだよ、男おやすみじゃないーーー…』

「バカ」

ガチャン プープープー…


私は少しは照れ笑いをうかべながらベッドに横になった


「そうよね…すぐ飽きるわよね…好きだよ、男おやすみ…」

「さて今日もはりきって帰ろう~!」

「ヒソ…ちょっと男?」
「ヒソ…どした、かがみ?」

「ヒソ…一週間たったけど…状況に変化が見られないんですけど」

「ヒソ…大丈夫…だよ、多分…そのうちきっと飽きるよ」

「こら~そこの二人~?早くしないと置いてくよ~?」

「いっそ置いてってくれ…」

「まぁまぁ、かがみ、そう言わずに…」

「男~…あんた少し楽しんでるでしょ?」

「まぁ…多少ww」

「バカ!」

「二人とも早く~~」

「おぉ今行くよ、泉~」

「…少しは気を使ってよね」

次の日の放課後

「かがみ~ん、男~帰ろう~…ってあれ?」
「二人ともいないね~」

「し、しまった逃げられた!つかさ急ぐよ!」

「えっ?あ、うん」

「ハァハァ…ここまできたら…安心…よね」
「ハァハァ…でもこんな逃げるように帰らなくても…」

「し、仕方ないでしょ?た、たまには二人で帰りたいじゃない?それともみんなでの方がよかった?」

「いや…そんな事はない…けど」

「けど?」

「あ、いや、そんなことないです!」

「よかった…じゃあ…帰ろっか?」

「…おう」


「見つけた~~~~」

「「まさか…」」

「もぉ~二人とも置いてかないでよ~」

「泉…よく追いついたな」

「こなたの足の早さを忘れてたわ…帰り道を帰るべきだった」

しばらくすると息を切らせながらつかさが追いついた

「こ、こなちゃん早過ぎるよ…」

「ごめんね、つかさ~二人の後ろ姿が見えたからさ、つい」


「あんたは…」

溜め息混じりに言うかがみは呆れた顔をしていた。


「まったく、かがみんは油断も好きもないんだから、さ、帰ろ」

そう言って泉は俺の袖を引っ張った

「お、おい泉、そんな引っ張るな」

「もう逃げられないように男は人質!」


その時呆れ顔のかがみが一瞬悲しいような怒ったような、何とも言えない顔でこなたを見つめた

その日の夜 かがみの部屋


最近、ちょっとした事でイライラしてしまう自分がいた…今日だってそう、こなたが男の袖を引っ張った時…すごく辛かった…私はまだ男と手もつないでないのに…
男だって…もっとハッキリ嫌がってくれてもいいのに…
まったく…私がしっかりしなきゃ男はすぐ流されるんだから…
そうだ…私がしっかりしなくちゃ…男…守んなくちゃ…

その日はなかなか寝付けなかった

次の日の朝

「おね…ゃん…るよ」
んっ

「おねぇ…ちこ…るよ」

んんっ

「おねぇちゃん遅刻するよ~!」

「ええっ!?」

ガバッ

時計を見ると時計の針はもうすぐ七時半を大きく過ぎていた…

「しまった、お弁当!!」

「えぇ!?今から作るの?そんな時間ないよ?」

「でも男が…」

「大丈夫だよ、男君なら許してくれるよ、ね?急ごう?」

昨日…しっかりしなきゃって思ったばかりなのに…

「うん…」

私は暗い足取りで学校に向かった

その日の昼休み

「男…ごめん…今日寝坊してさ、お弁当作れなかった…」

「…そっかまぁ残念だけど、いつも作ってもらってばっかりだし、文句は言えないよ」

「…本当にごめん」

「気にしすぎ!たくっ朝から暗いと思ったらそんな事か…じゃあ購買にパン買いに行くの付き合ってくれよ?」
「うん!ありがーー…」

「おねぇちゃん、男君ちょっと待って!!」
「どうした?つかさ?」

「えへへ…実はじゃーん!!」

つかさが取り出したのは三人分のお弁当だった。

「えぇ!?まさか?」
「うん!今日おねぇちゃん朝起きてこなかったから私が作ってみたの」

つかさ…?何で?

「はい、男君。はい、おねぇちゃん」

「うぉ~ありがとうつかさ~」

「ありがと…つかさ…」

つかさのお弁当は私が作ったものよりもとても手がこんでいて…男の分は私達より多めに作ってあって、男の子が好きそうなものがちゃんと入っていた…

「おーすげー豪華だな。彩り緑ちゃんだ」

「えへへ…男君がどんなのが好きかわかんなかったからちょっと苦労したよ~」

「いやいや流石つかさだねぇ~かがみんの作ったお弁当より華があるよ~」


…ウルサイ


「そんなことないよ~おねぇちゃんだって最近本当にお料理上手になってきてるんだよ?ねっ男君?」


「ガツガツ…へっ?ふぁに?」


「どんだけ~」


その時の三人の笑い声が…いままで感じた事のないほどの居心地の悪さを感じた

その日の夜 かがみの部屋

結局その日はつかさのお弁当に手を付ける事ができなかった…

男…何もあんなに喜ばなくたっていいじゃない…
私だって…一生懸命作ってるつもりだよ?
私のお弁当じゃ…満足できない?
…私じゃだめなの?

自己嫌悪に陥りながら私の頭の中にはもう一つ別の感情が生まれていた

つかさ…何で起こしてくれなかったの?
つかさ…何であんな余計な事するの?
つかさ…お弁当作りは私の役目なんだよ?
私が男に喜んでもらうために、私が始めたの…私が…わたしが…ワタシガ…


その時

コンコン…

「おねぇちゃん?少しいい?」

「おねぇちゃん、もしかしてどっか悪いの?」

「そんなこと…ないわよ」

「今日だって私のお弁当あんまり食べてなかったし」

私のお弁当…か

「放課後だって一人で帰っちゃうし…男君心配してたよ?」

男と帰ったんだ…

「でも、男君って本当に面白いよね~。私の作ったお弁当一気に食べ過ぎて喉につまらしちゃうんだもん」

私のお弁当…私のお弁当…ワタシノオベントウ…

「つかさ」

「え、ど、どうしたの?」

「一人にしてくれない?」

「えっでも…」

「つかさ!」

一瞬にして辺りは凍り付いた…いやもともと温かい雰囲気なんてそこにはなかったのかもしれない…

「おねぇちゃん?本当に大丈夫?熱とかない?もしかしてお腹が痛いとか?」

それでもつかさは必死にその場を取り繕っていた…いつもとは違う私を本当に心配してくれているのだろう…
そんなつかさの優しさが…
今日は吐き気がするほどの嫌悪感に変わっていく


「そ、そうだ今日帰り道での男君ねーーー」

男…おとこ…オトコって男はあんたのものじゃないのよ…アンタノモノジャ…

その時私の頭の中に何か声が聞こえた気がした…

そして私は…

「お…ゃん」

「おね…ゃん」

「苦し…いよ…おねぇちゃん…」

私は知らぬ間につかさの首を締めていた。

「あっ」

私はすぐに手を放した…力なく座り込んだつかさが苦しそうに咳をしている…

「ごめん…とにかく一人にして…」

つかさは静かにうなずくと私の部屋を後にした

私はまた自己嫌悪に陥りながらも…どこかで自分のとった行動を完全に否定する事が出来ずにいた。

私が男を守らなくちゃ…男を守らなくちゃ…男ヲ守ラナクチャ…


その日からつかさは屋上でお弁当を食べる事を私達と一緒に帰る事をやめた…

それから数日すぎ
昼休み 屋上

「なぁこなた?」

「なぁに男?」

「最近つかさをみないのだが?」

「ん~誘ってはいるんだけど、みゆきさんと食べるからって断られるんだよね~帰りも同じ理由」

「みゆきさんも来ればいいのに…」

「ダメよ、男は巨乳好きだから、みゆきに何か危なっかしくて合わせらんないわよ」

「なんだよそれ~かがみは何か知らないのか~?」

「さぁ?家では普通よ?こなたもみゆきと食べて来れば~?」

「ぬぅあからさまな戦力外通報…監督私はまだ戦えます!!」

「よくいった泉!お前ならきっとまだ戦えるはずだ!」

「監督~!!」

「いい加減にしなさい!」

それからまた数日して放課後

「あれ?こなたは?」
「今日は用事があるから二人で帰っててさ」
「へ~あいつもやっと空気読んだんだ?」

「今日はって強く言ってたから今日だけじゃないか?」

「あっそ…」

「なぁかがみ?せっかくだし聞きたい事があるんだが?」

「ん?なぁに?」

「つかさと何かあったか?」

またか…

「だから何にもないったら…」

「本当か?」

「少し信じたら?」

「むぅ…そだな、ゴメン変な事聞いて」

そんなに気になるのかな…

「それじゃあ私も言わしてもらうけど…あんた最近こなたと仲良くし過ぎよ?」

いつの間にか「こなた」何て呼んじゃってさ…

「そうかな?まぁ気をつけるよ」

本当に分かってるんだか…

次の日の放課後

「すまん!かがみ!!今日家の用事があるから先帰るわ!」

「えぇ~?」

「埋め合わせはまた今度な?悪いけど行くわ」

「高くつくからね?」
私にわかったよという顔をしながら男は走っていった。
はぁ…帰ろう





しばらくして…学校
校舎裏

「こなた、こっちだ」
「あいよ~かがみんは?」

「大丈夫、うまく誤魔化したから」

「そっか、そっか、それじゃあさっそく情報交換といこうか?」

「で?かがみんは何て?」

「ん~それが何にも、いつものかがみだった」

「そっか…」

「こなたの方は?つかさ何て?」

「ん~それがさ…つかさも初め何にも言ってくれないからさ…私…ムキになっちゃって…つい怒っちゃったんだ」

「それは、しかたないだろ…最近の二人みてて何にもないなんて信じる方が難しいよ…」

「うん…だから私、言ったんだ、友達を信じなさいって…そしたらつかさ、急に泣き出しちゃって…」

そう話すこなたの目も少しだけ潤んでみえた
「それでね、男…一つだけ約束して欲しい事があるんだ…」

「なんだよ?」

「私が何を話してもかがみんの事…嫌いにならないでね?」

真剣な目でこなたは俺を見つめた…元気な不利をしてはいるが、こなたの目は不安で一杯のように見えた…昨日そうとう悩んだんだろう…俺はそんなこなたの気持ちに答えるためにこなたの目をしっかり見つめ返して答えた

「…当たり前だろ」

こなたは少しだけ回りを伺うと、少しだけ小さな…しかしはっきりとした声で言った…


「つかさ…さ、かがみんに首…締められたんだって」


少しだけ頭が真っ白になった

「な…何でそんな…」

「理由はつかさも分かんないらしくて…でもそのときのかがみん…すごく怖かったって…それで…」


「一緒にいるのが怖くなった訳か…」

「うん…男…信じてくれるの?」


「いっそ冗談にしてくれた方が俺も楽なんだけどな…」

ははっと渇いた笑いが響いた…

「ごめん…」


こなたも俺もそれっきりうつむいたまま話すのをやめた…
夕暮れの校舎が今日だけはやけに不気味に感じた…


そして沈黙が回りを完全に覆った時、こなたでも俺でもない別の誰かの声が響いた


「二人でこんな所で何してんのよ?」


時間は戻って…

はぁ…帰ろう

私は何気なくこなたの教室を覗いた
そこにはこなたはいなかった

変なの…いつもは呼ばれなくても勝手にくるくせに、昼休みはいたし…休みって訳じゃないわよね?
私は少し不安を感じながら男の下駄箱に向かった…そして…

「靴…あるじゃない」

こなたの靴の場所はわからない、けどあの二人が一緒にいる…そんな気がした…
私は夕暮れの校舎に戻り…歩き出した

屋上…教室…図書館…体育館…どこにもいない…
不安が少しずつ大きくなっていく…

「ド・コ・ニ・イ・ル・ノ・カ・ナ」

音を立てて崩れていきそうな心を私は必死に押さえた…そして


ミーツケタ…


そこには二人でうつむきながら一緒にいる二人がいた…
私は暴れ出したい気持ちを押さえて言った


「二人でこんなとこで何してんのよ?」


「かがみ…」


「かがみん…」


「な、なによ?お化けでも見たみたいな顔して…顔に何かついてる?」


「い、いや何でもないよ!っていうかどうしてここに?」

「男の靴…下駄箱にあったからさ、まだいるのかな~って探し回っちゃったわよ」

「そ、そっか」

「帰るわよ?用事…あるんでしょ?」


「そうだな、よしじゃあみんなで帰るぞ~」

「「………」」

「おいおい…どっちでもいいから返事してくれよwwww」

「…ごめん、今日は遠慮しとく」

「あら?いつもはよばれなくてもくるあんたが?珍しい事もあるわね~明日は雨かな~」
「そうかもね…」

「な、なによ冗談でしょ?」


「そ、そっか…じゃあこなた、また明日な!」


「うん…明日」

その日の帰り道

「…………」


「…………」


「…………」


「…ちょっと何か話してよ?」

「え?あぁゴメン」


「…………」


「…………」


「…………」


「あんたねぇ…」


「あっ…ゴメン」


「そんな謝んなくていいわよ…っていうかさっき二人で話してたの?」

「いや…そんな大した話じゃないんだけど…」

「用事…あるのほっぽり出したくせに?」

「いや…それは…」

「…話しなさいよ」

「…かがみ怒ってる?」

「そんな訳ないでしょ?…いいから、話しなさいよ」

「………かがみとつかさの事話してた」

その時…私の心臓が強く脈打つのを感じた…

「へぇ~、それでこなたは何て?」


男に私の心を悟られてはいけない…本当の事を話せば…全て崩れてしまう…

「……つかさの首…締めたんだって?」

さっきよりも強く私の心臓は脈を打った…

「どうしてそんな事…」

私が貴方を守るの…つかさじゃない…私が男を守るの…私ガ男ヲ守ルノ…

「ち、ちょっとね、勉強がうまくいかなくて…イライラしちゃったのよ」

「でも、それだけでーーー…」

「いいの!本当に悪いとは思ってるし…帰ったらつかさにまた謝っとくから」

ダカラ…私ノ話シ…シヨ?

「…約束な」


「まったくつかさもそんな事気にしてるなんてね~私に直接言ってくれたらいいのに…」

男は黙ったまま…
私達は帰路についた…

私ノ話シ…シテヨ…モット…私ヲ気ニカケテヨ…

夜 柊家


「…つかさちょっといい?」

夕飯を食べ終えると私はつかさを部屋に呼んだ


「ど、どうしたの?おねぇちゃん…」


「あんた…あの事こなたに話したんだ?」


「…あ、あの事って?」

私は少し苛つきを覚えながら…務めて冷静につかさに言った

「私があんたの首締めた事よ」

そう言うとつかさの顔が少しづつ恐怖に彩られていった…

「別にこなたに何話したって気にしないわ…ただ男に伝わるのはちょっとね…」

つかさは俯いたまま何も言わない…

「何とかいいなさいよ!!」

それでもつかさは俯いたまま、まるで子犬のように肩を震わせるだけだった、私は…少しづつ苛つきが高まっていくのを感じた…

その時…声が聞こえた…前と同じ声…ただ違うのは…その声が…ハッキリと聞き取れた事…その声は言った…





コロセ…

「かがみ!何してるの!!」

私の声を聞いて家族が私の部屋に駆け付けた…

「手を放しなさい!」

手…?私は自分の手を見た…あの時と同じ…私はつかさの首を絞めていた…

突き飛ばすようにして私からつかさを奪い取ると家族は私を一斉に睨み付けた…


「あんた!何してるかわかってるの!!」

「だ…大丈夫だから…おねぇちゃん…ちょっと疲れてるだけだよ…ね?おねぇちゃん…」


うるさい…ウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイ

あんたに同情なんてされたくない…誰も…誰も私を見てくれない…わかろうともしてくれない…
いらない…みんないらない!!

私は家を飛び出した…

行くあてもないまま…私はフラフラと歩いていた。
誰にも会いたくない…結局、誰もいない近所の公園のベンチに腰掛けた…

「寒い…」

着の身着のままの私はひどく薄着で…全身を襲う冷気に身を震わせていた…

「携帯くらい…持って来ればよかった…」


「このままいたら…死んじゃうかな?」


「まぁそれでもいっか…」


何か疲れたな…今日はひどく疲れた…

あぁ…会いたい人…一人いたや…男に…男に…会いたいなぁ…

少しづつ寒さも忘れて何もかも薄れて来て…それでも私は笑っていた…幸せな時を思い出して…

あったかい…ここが天国なのかな?

…私死んじゃったのかな…

男に会いたかったな…
「…ろ」

ペシペシ

天国って痛いんだ

「…きろ」

しかもうるさい…あぁでも男の声に似てるから許す…

「起きろ!かがみ!」

「えっ…」


目を開けるとそこには男がいた…やっぱり…天国なのかな…


「かがみ!」


ペシペシ

あぁでも痛いやってことは…


「男…?」

「かがみ!!」


男は涙を浮かべながら私を抱き締めた…


「よかった…生きてて本当によかった…」

あったかい…


「なんで?男が?」


「つかさから連絡があって…おねぇちゃんがいなくなったって…今会いたいのはきっと俺だからって…」


「つかさが…?」

「そうだよ…でも本当によかった…こんな寒空にそんな薄着で…見つけた時、すげぇ冷たかったんだぞ!」

「ゴメン…」


「バカ…ほら帰るぞ?」

「いや…」

「はぁ?」

「今日は男以外といたくない…」

家に着くとすぐに俺はつかさにかがみの安否を伝えた。

つかさは本当に嬉しそうに涙ぐんだ声で俺にお礼を言った…

家に泊まる事はつかさがうまく家族に伝えてくれるみたいで、俺は少し安心した。

「ほら…ココア。飲めよ?暖まるから」

「…ありがとう」

「泊りはつかさが何とかしてくれるってさ、まぁここまできて連れ返されたら俺も寂しいしな~」

俺の目一杯のいやらしい笑顔を見てかがみは小さく「バカ」と言って笑った

俺も照れ笑いを浮かべた、そして今までが嘘みたいに温い時間が流れた…

朝、私は男よりも早く目を覚ました、隣りには幸せそうな顔で寝息を立てている男…

男の部屋…男の匂い…ここには私の大好きな男の全てがあった…幸せ…昨日死のうとしたのが嘘みたいに…
あのあと私は男の全てを受け入れた…いままで空ろに見えていた好きだという気持ちが、少し形に捉える事ができた…恥かしいような嬉しいような…私はニヤけた顔をのまま男を起こさないように…そっとベッドからでた、
「朝ご飯でも作ってあげますかね~」

そういって男にそっとキスをして台所に向かった…



…その時私は気付いていなかったかもしれない…男への想いが強くなるほどにつれて…狂信的になっていく自分に…

それから数日後昼休み屋上


「う~そろそろここで食べるのも限界だな…」

「確かにね~あの日から一気に気温下がっちゃったしね、もうすぐ雪も降るらしいわよ?」

あの日…そういえばかがみと結ばれた次の日からこなたも屋上にこなくなったな…けどその話もつかさの話もお互いに何となく避けてる気がした…

「ちょっと、男聞いてる?」

「え、何?」

「全く…どうする?明日から教室で食べる?」

「そーだなぁ…そうするか」


「OK~」


そう言ってその話は終わった…また聞きそびれたな

その日の夜、珍しくかがみ以外からメルが来た

ー今からかがみんに内緒で会える?こなたー

こなたからだ、いつの間に俺のアドレスを…いや…そんなことよりこの意味深なメールをどうするか…

こんなのかがみにばれたら一撃だしなぁ…

それでも俺は頭にずっとある疑問を確かめるためにもこなたに会う事にした…

ーいいよー

ピンポーン

チャイムが響いた

「お?きたか…」

俺は玄関に向かった、そしてドアをあけると、そこには俯いた顔のこなたとそして…つかさがいた

「なんだ二人一緒か?まぁ…遠慮せずにはいーーー…」

「男…男ぉぉぉ」

こなたが泣きながら飛び付いてきた…


「ど、どうしたんだよ?とりあえず二人とも入って!」

俺は訳がわからないまま二人を家に迎え入れた…

部屋に入ってもこなたは泣いたまま…つかさは顔をふせたまま何も話そうとはしなかった
「な、何があったんだよ一体」

空気が重い…しばらくの静寂の後こなたが口を開いた…

「か…かがみんが…かがみんが…」





「…怖い」

こなた達が男の家を訪ねる前の放課後 柊家

「…ただいま」

返事はない…あの日以来家族は私をまるで腫物でもみるような目で見続けている…

「…ご飯は?」

「…いらない、食べて来たから」

嘘だった、こんな家族とは一秒だって一緒にいたくない…私は部屋に戻った

「はぁ…」

私は溜め息を一つするとベッドに倒れこんだ男…男…幸せだったなぁ…あの時…あの瞬間には私と男だけ…私が作った朝ご飯…おいしいおいしいって…フフ…まるで子どもみたいに…あんなの、いつでも作ってあげるのに…はぁ…あの時…時間なんて止まればよかったのに…

私は少しだけ昔を思い出していた…

そう…あの日の事を…あの日…私はとても幸せだった…学校に行く間もずっと男と二人きり男が笑って私も笑って…何もかもが幸せだった…。

その日の休み時間

(こなた…ちょっといい?)

(どしたの?かがみん?)

(あのさ…お願いがあるの…)

(えっ何?)

(もう…私と男の前に表れないで)

(えっ…?)

(私今すごく幸せなんだ…だからさ…だから…邪魔しないで)

そう…邪魔しないで…二人で十分幸せなの…私は男がいるだけでいいの…男だって…きっと同じ気持ち…だって抱き締めてくれた…私を助けてくれた…こなたはいらない…

その日こなたは現れなかった…。
男はそのことに何も言わない。
やっぱり、こなたはいらなかったんだ。
男は私と二人でいたかったんだ…ゴメンね。私がもっとしっかりしてれば…早く気付いてれば…でも大丈夫。
これからはずっと二人だよ…邪魔は…させない。

私は幸せな気持ちで家についた。

(ただいま~)

(…………)

(な、なによ?)

(あんた…昨日、男の家にいたんだってね)
(は?)

(つかさに…あんな事しておいて…あんたは…あんたって子は…)
肩を震わしながら母はその場で泣き崩れた

私はそんな母をみながらも懺悔や後悔の言葉よりも先につかさへの憎悪がわきでてきた…
つかさ…あんたも私の邪魔するんだ…

(おねぇちゃ~んご飯だよ~)

(いらない)

(え、でも)

(いらないって言ってるでしょ!!)

(…ゴメン)

つかさそう言って戻って行くと…家族の話し声が聞こえた、漫画やドラマでよく聞く言葉…育て方だどうだとか…お前が悪いだとか…そんなありきたりな言葉…ありきたり…ありきたりな言葉よ…それなのに…

その日私は涙をこらえる事が出来ずに…泣いた…

それからはずっと腫物扱いで…家にいるだけで息が詰まりそうになる…。
そういえばここ何日も家族とご飯食べてないや…
学校にいる時…男といる時だけが私の幸せ…
「はぁ…」

私はベッドから起きると、ふと窓から下を覗いた…そこにはつかさがそっと出かけるのが見えた。

「こんな時間に…?」
私の中を不安が走った…

でも…まさかね…


まさかね…


場所は戻って男宅

「かがみが…そんな事…」

「本当なんだよ!あの時のかがみん普通じゃなかった!私冗談で怒らしたりするけど…あんな…あんな目のかがみん…初めてだよ…」

そういってこなたはまた泣き出した…

頭が混乱しそうだ…
少なくともかがみは俺の前ではあれからもずっとかがみのままだった…

その時…俺の携帯が鳴った


着信中
かがみ
090-xxx-xxxx

「…誰から?」

涙を必死に堪えながらこなたが聞く

「かがみから…」

「…でないの?」

「今は…いい」

その時ずっと俯いたままのつかさが震えた声で言った


「電話…とって…」

「でも…」

「お願い!電話とって!!」

つかさの必死の訴えに俺は戸惑いながら通話ボタンを押した

「もしもし」

『ゴメン、寝てた?』
「いや…大丈夫、どした?」

『ううん…ちょっと声聞きたくなって…』

「そっか…」

俺はこなた達に目を向けた、必死に泣き声を堪えるこなたと肩を震わせながら異常に怯えるつかさが目に入った…

『どうしたの?何かやけに静だけど?』

「あ、ゴメンゴメンぼーっとしてた」

今の電話の向こうのかがみは…

『まったく…変な事してないてしょうね?』

こなたが泣きながら訴え…


「するわけないだろ~」

つかさが怯えるかがみと

『本当にぃ?…怪しいものね~』

本当に同一人物なのか…?

『って聞いてる?』


「聞いてるよ」


『何~か変!』


「な、なにがだよ?」
『何か…隠してない?』

「何を隠すんだよ、エロ本なら前にかがみが全部捨てただろ?」

『そういう事じゃなくて…』


「何だよ?」


『例えば…ん~そっちにつかさがいる…みたいな』

「そ、そんな訳ねぇだろ」

思いっきり動揺した…つかさどころかこなたもいます。
何て冗談でも言えない…

『何動揺してんの?まさか本当にいたりして~?』

「違う、そ、それはお前が急に変な事言うから…」

『はいはい…そういう事にしてあげる、ねぇ男?』


「なんだよ?」


『いまから遊びに行っていい?』

「こんな時間にか?」

『そ、こんな時間に』
どうしよう…
とてもじゃないが今はかがみを呼べる状況ではない

「いや…今日は両親が帰ってきてるから…」

『その割りにはあんたんち暗いわね?』


「えっ?」

俺はこなた達にジェスチャーで窓から離れるように言うとカーテンを開けて外を見た。
そこには俺の部屋を見つめながら携帯を握り締めるかがみの姿があった

「今下りる!」

俺は携帯を切るとこなた達に言った

「俺がかがみつれて時間稼ぐからその間に帰れよ?台所に裏口あるから」

二人は声を出さずにうなずいた…今がどんな状況か二人にも分かっているみたいだった。
俺が部屋を出ようとした時こなたが小さな声で「ゴメン」と言った。
任せとけ、とは言ったが正直内心は心臓が破裂しそうだった…

けど弱音は言ってられない…それほどまでに二人は怯え…弱っていた…
俺が何とかしないと…俺は玄関のドアを開けた

「悪い、お待たせ」

「…二階から降りるだけなのに偉く疲れてるわね」

「そ、そうか?なぁ少し散歩しないか?」

「散歩ならこっちに来る間に十分したんだけど?」

「そう言わずに、そうだ!明日の朝ご飯でも買いに行こう」

「誰の?」

「俺とかがみの」

「両親いるんじゃないの?」

「そ、それはこんな時間に女の子を一人歩きさせないためのだな…」

「はいはい…ほら行くんなら寒いしさっさと終わらせましょ?」

「お~~~」


そこにいるのは紛れもなくかがみだった…俺の知ってる…かがみだった…

「…行ったみたい」

私はカーテンを少しだけ開けて外の様子を伺った

「つかさ行くよ」

「………」

「つかさ!」

「…こなちゃん…私怖い…きっと…おねぇちゃんにばれたんだ…だから私を捕まえに…ここまでーーー…」

「つかさ!あんたがかがみん信じないでどうすんの!!きっと何か訳があるんだよ…大丈夫…そのうちまたいつものかがみんに戻るよ…だから大丈夫」

「こなちゃん…手震えてる…」

「え、こ、これは武者震いだよ!何いざとなれば私が悪いかがみんなんて一撃でーーー…」

軽口を言いながらも手の震えは止まらなかった
「こなちゃん…」

私達は手をつないで男の家を後にした

一時間ほど買い物して私達は男の家に向かった

「そんなにカップラーメンばっかりじゃ体に悪いわよ?」

「そうは言っても非常食だからなぁ…」

「どんだけ毎日非常事態なのよ…」

「いや、それは…」

「呼べばいつだって作りに来るのに…」

「さすがにそれは悪いよ…かがみにも家族にも」


どうでもいいわよ…あんな家族…今日だって私が出かける時に何も言わないで…都合のいい時だけの家族なんて…こっちから願い下げよ


「かがみ?着いたぞ?」

「あ、ゴメン…おじゃましま~す」

「ねぇ男?さっそくで悪いんだけど台所借りていい?実はまだご飯食べてなくてお腹ペコペコなんだ~」

「ならいいものがタラタラッタラ~♪インスンターーー…」

「いらない、明日の分も作っちゃうから適当にゴロゴロしてて」


「…せめて最後まで言わせてよ」

かがみは今買ってきたばかりの食材で料理を初めた…俺はかがみにばれないようにそっと部屋に向かった…


「いない…な、何とかうまく言ったみたいだな」

俺はリビングに戻るとソファーに座り鼻歌まじりに料理をするかがみを見ていた。

正直…今のかがみを見ている限りこなた達を100%信じる事は出来ずにいた…

次の日の昼(日) 男宅

「じゃあ…行くね」


「おう!気をつけてな」


「…うん」

「何だよ?元気ないな」

「ねぇ男?また…泊りにきてもいい?」


「もちろん、大歓迎だよ」

「よかった…じゃあ…またね!」

その時の笑顔は本当に眩しくて…このまま写真におさめてしまいたいほどだった…。
なぁ…かがみ…俺たち何か間違った事したのかな…

物語は終焉に向け…少しづつ走り出した

同日 柊家

「………」

私は玄関を開けそのまま部屋に向かった…

あんなに幸せな気持ちだったのに…この家にくると全部薄れていく…ほんとに…嫌な家…こんな家無くなればいいのに…

そしたら男と二人で暮らせるのに…

コンコン…

誰?


「おねぇちゃん…今日はどうしても聞きたい事があるの…」


つかさ…
ドアの向こうでつかさは話しかけてきた


「私はあんたと話したい事何て何にもないの!お願いだからほっといて!!」

それでもつかさは引き下がらなかった

「おねぇちゃんお願い…話し聞いて!!私近くの公園で待ってるから…ずっと待ってるから…」

「うるさい!」


私は枕を思いっきりドアに投げ付けた。

その夜つかさは帰ってこなかった…そこでも家族は私に疑いの目を向けた
つかさ…あんたも…この家族も…そんなにも…私を困らせたいの…?
私は机を強く叩くと立ち上がりドアを開けた…そこにいる母親を睨み付け私は台所に向かった

もう限界…みんな邪魔なのよ…もう終わりにしましょう…

私は台所からでるとつかさが待つという公園に向かった…

「…おねぇちゃんきてくれたんだ」

そこにはつかさと…

「かがみん…」

こなたがいた


「おねぇちゃん…あのね…聞きたい事があるんだ…最近…あんまり部屋からでてこないし…お話しする機会もなかったし…家だと…みんなうるさいし」

「そんな風にしたのは誰よ…」

私は必死に押さえていた感情が一気に溢れた…

「そんな風にしたのは誰?あんたでしょ?全部あんたが悪いのよ!私を困らせてそんなに楽しい?あんたはおしゃべり過ぎるのよ…首締めた事だって…男の家に泊った事だって…みんな…みんな話して…文句なら…直接あたしに言えばいいでしょ?卑怯…あんたは卑怯よ!」

「おねぇちゃん違うの!男君の家に泊った事は誰にも言ってない!!けど受話器から男君の声が聞こえたらしくて…それで…」


「そんな言い訳…信じる訳ないでしょ!!」

私は服の下に隠していた…
包丁を取り出した

「今さら…全部遅いのよ…あんたさえいなければ…私はもっと幸せになれるんだ…いらないのよ…つかさも…こなたも…あんな家族も…みんないらない…私と男だけでいいの…他は…いらない!!」


「いい加減にしろ!かがみ!!」

「この声…」


私は声のするほうへと目を向けた…そこには…

男がいた…


「な、なんで…?」


同日 かがみが帰った後 男宅


ウーウーウー


「ん?メールだ…こなた?」


ー大事な話しがあります、すぐに家にきてー
俺も聞きたい事がある…あのかがみの話についてだ…俺はすぐにこなたの家に向かった。

「こなた」

「男…とりあえず上がって」


俺はこなたの部屋に案内された

しばらくの沈黙の後…こなたは意を決したように言った

「男…私とつかさね…決めたんだ」


「…何を?」

「私達…もう逃げるのやめようって…」

「逃げる…?」


「うん…かがみんから、逃げる事を…」

「かがみから逃げるって?」

「私達ね…気が付いたらかがみの事避けてたの…怖くて…怖くてさ…」

こなたの目は少し潤み初めていた

「だけどさ…私達やっぱり…かがみんが好きなんだって思い出した」

こなたは必死に涙を堪えながら話を続けた…
「男の家から逃げた後二人で決めた…さっきつかさからかがみんが家に着いたってメール来たから…きっともうつかさは公園に向かってる…」


「待て!待ってくれ…話が全く見えない。結局俺は何で呼ばれたんだ?」

「男には…私達を見守って欲しいの…」

「見守る?」


「うん…きっとかがみんが暴走したら…止められるのは男しかいないから」

「でも、こなた…昨日一日かがみといたけど…かがみはかがみだったぞ?そこまで決意の必要なものなのか?」

「それも含めて…全部男の目と耳で確かめて」

さっきまで泣きそうだったはずのこなたが…いつの間にか涙は枯れ…真っ直ぐと俺を見つめた



「…わかった」


そして俺たちは公園に向かった…俺はこなた達とは反対の場所でかがみを待った…
誰一人口を開こうとはしなかった…

「何で…男がいるの?」

ダメ…見ないで…私を嫌いにならないで…ダメ…違う…違うの…これは私じゃない…あぁ…あぁぁぁぁぁぁぁぁ

「い、、、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ見ないで!男…お願いだからそんな目で私をみないで…みないでよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


その時…私の頭の中に声が響いた…今までよりも大きく…そしてハッキリと…



コロセ… コロセ… コロセ…



殺せ!!!!!!!!!!!!!!!!!

「かがみ!!」

俺はかがみの元に駆け出した。
しかしそこには俺の知ってるかがみはいない…全てを憎み…怨み…そして全てに絶望した一人の少女がいた…でもかがみ…それでも…それでも俺は…

グサッ…

脇腹に何かが刺さった…
しばらくして…自分が刺された事に気付いた

「…もうだめなんだ…もう…何にもいらない…」


「男!!!」

「男君!!!」

「か…がみ…!」

俺を見つめるかがみの目がとても冷たく感じた。

その時ーーー

「…違う…違う…男…男?…何で?私がやったの?男…男…男…あっああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「かがみ!」


かがみは頭を押さえながら走っていった

「男、大丈夫?」
涙を浮かべながらみつめるこなた。
全く本当に泣き虫だな
「救急車…救急車呼ばなきゃ…」
慌てふためきながらも必死に助けを呼ぶつかさ。
全くこいつらは…

俺は薄れゆく意識の中で最後の力を振り絞って俺は言った…

「さ…さと…か…がみたすけて…や…れ」

「 」

二人が返事をした…のを聞いた気がする…

私達はかがみんの後を追った…

そして走ってる途中で私は転んだ…そして泣いた
私のせいだ…私が男を巻込んだんだ…
涙が止まらない…こんな時に…私は…私は…何て弱いんだ…
もう…立ち上がれないよ…


「こなちゃん大丈夫だよ…男君ならきっと大丈夫!だから急ごう!おねぇちゃん助けなきゃ」

「つかさ…」

そうだ…しっかりしなきゃ!今は私達しかいないんだから…私は涙を拭うともう一度立ち上がった…そして…
見つけた。

かがみんは震えていた…頭を抱え座込んだまま怯えるように震えいた…
そして私達に気付くと立ち上がり…

「いらないのは私?それともみんな?もう男はいない…私はいない」

「かがみん何言ってーーー…」

「男君は大丈夫。おねぇちゃんも大丈夫。それに、み~~~んな大事な人…いらない人何ていない」

そういいながらつかさは少しづつかがみんに近付いて言った…

「つかさ…?つかさはいらない…私の仕事取り上げて…居場所を奪うから…いらない子いらない子!!!」

「つかさ逃げて!!」

何もかもがスローに感じた…
つかさは逃げようとはしなかった…それどころか…
手を広げてかがみんを受け止めた…
そしてかがみんを抱き締めると…


「大丈夫…私はずっとおねぇちゃんの味方…だよ」

つかさの服が真っ赤に染まっていった…
そして力なくその場に倒れた…

「つかさ…」

その声を聞いてかがみんはこっちを向いた…

少しづつ近付いてくるかがみん…でも不思議と怖くなかった…刺されるかもしれない…死んじゃうかもしれないのに…本当に不思議なくらい恐怖を感じなくなっていた…

今はあんなにも怖かったかがみんが…とても…とても小さく見えた…きっと…かがみんも怖かったんだね…私達が…

「ゴメン…ゴメンね…かがみん…怖くないから…もう大丈夫だから…」

私はつかさ同様かがみんを抱き締めた…
強く…強く…抱き締めた…

それが…私の最後の記憶…

私が気がついた時…もう…こなたもつかさも…この世にはいなくなっていた

空ろな記憶が少しずつよみがえりだした…
私は二人が大っ嫌いだった…どんなに私が拒んでも二人はいつのまにか私の仲にいて…そのうち心まで全部見透かされてる気がして…大っ嫌いだった…だったのに…

私は泣いた…そしていつの間にか頭の中の声が消えていった…


「あんたたち何か…大っ嫌いよ…大っ嫌いなんだから…悔しかったら言い返して見なさいよ…何とかいいなさいよ!!」

「お~い、かがみ~?」

「あっ男?何してんの?」

「何って…一緒に帰ろうぜ?」

「ん~…ダメ」

「何でたよ?」

「つかさとこなたと先に帰る約束してるから…」

「だったらみんなで久し振りに帰ろうぜ!」
「だからダメだったら…」

「何でだよ~?」

「全く…本当に子供なんだから…でもあんたのそういうとこ結構好き」


「へ?」

「いつのまにか逆になってたのね…いつの間にかあんたに守られてた…」

「お、おい…かがみ大丈夫か?」

「単純な事だったのよね…私がもっと素直になれたらよかったんだ…」

「お~い、かがみ」

「おねぇちゃ~ん」

「あぁ…もう行かなきゃ…男…最後に一つだけ聞かせて?」

「なんだよ?」

「私の事好き?」

「好きじゃない…」

「え?」

「大好きだ」

「…バーカ…でもありがとう…私も大好きだったよ…本当に…本当に大好きだった」


気がつくと俺は病棟のベッドの上にいた…

「夢…か…」

幸せな夢…幸せな夢のはずなのに…何でだろ…?涙止まんないや…

その日は初雪が降り出して…その雪は止む事を忘れてしまったかのように、シンシンと降り続いた…


「また…みんなで帰れるよな…」





終り

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最終更新:2008年07月02日 22:00