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 今日は久しぶりにこなたとゲマズに行った。

 ここ数日、男を巡るごたごたがあったからだろうか?こういうの、ずいぶん久しぶりな気がする。

 つかさも珍しく一緒だ。ラノベを私と一緒に見て回っていた。

 昨日私が言ったこと気にしてんのかな?





「ふぃ~、買った買った!ポイントも溜まりまくりだよ!ぬふふ」

「『私の分のポイント』もあんたにあげたんだから、感謝しなさいよ!」

「いや、ホント、神様仏様かがみ様だよ」

「こんな時だけ、調子いいわね~」

「そのまま、かがみんちの神社に祀りたいくらいだよ」

「お前には一度天罰が下るべきだと思うんだが」

「どんだけ~ って、あ!こなちゃん。お姉ちゃんにあの話してなかったよね?」

「あ、そだね」

「ん?なになに?」

「かがみん、ゴールデンウィークの宿題を写させてくれ!5日に!」

「却下」

「って、ちょ!早ッ!?」

「こなちゃん……さすがにそれは言い方が悪いよ……」

「だって、どうせもうバレてるじゃん?『勉強会』と称しても結局私は写すだけってのは」

「開き直るな!」

「そんなこと言って、結局は見せてくれるくせに~愛してるよ、かがみん♡」

「こ、こなちゃん……私たちも自力で頑張ろうよ……できるだけ……」

「……で、私たち3人で?」

「んと、あと今んとこ、みゆきさんが来るよ。他に男とかゆーちゃんを呼んでもいいけど。あ~、でもゆーちゃんの前では姉としての威厳を保ちた――」

「パス」

「……へ!?」

「ごめん。その日、日下部と峰岸と約束してるの忘れてた」

「ぬう、みさきちめ……私のかがみんを!ってか、かがみん今日のお昼もみさきち達と一緒だったんだよね?」

「ま、あいつらは同じクラスだしね。あんたたちのクラスに顔出し過ぎてたから、最近クラスでの私の存在が薄くなり始めてさ~」

「存在の力が燃え尽きて、トーチみたいに消えちゃいそうなわけだ」

「あんたはすぐそっちの方向に……でもま、そんなとこ」

「ぬうう……」
「ぬうう……」

  ……つかさまで唸ってる。

「週に何回かはあんたたちのクラスにも行くわよ!ってか、つかさは毎日顔付き合せてるんだから、そんなふうに唸らないの!」



 『最近クラスでの私の存在が薄くなり始めてさ~』

 ウソじゃない。

 それだってれっきとした理由の一つだ。

 だけど、それが一番の理由じゃないのはよくわかってる。

 正直、みゆきと……まして男と、顔を合わせるのが辛い。

 まして、二人が一緒にいるところなんて……耐えがたい。

 私は今日の4時間目前の休み時間のことを思い出した。

 男とみゆきが一緒にいた。

 そこに私がばったり。

 あの二人、廊下で何話してたんだろう?

 男の手にはお弁当箱みたいなものが、抱えられていた。

 みゆきが男に作ったお弁当?

 お昼は、男は学食で男子と食べてたみたいだけど……

 あれを食べたのかしら?

 そう言えば、今日、今、この瞬間も、男とみゆきは一緒なのかもしれない。

 一緒に帰って、手なんか繋いだりして……

 そんなこと……考えたくないのに……

 休み時間に男とみゆきと会った時は自然にかろうじて振舞えたけど、

 『気持ち』を切り替えるっていう決意と、

 こなたやつかさに心配かけたくないっていう意志と、

 男とした『これからもみんな友達同士で』っていう約束とが私を支えて……かろうじて。

 でも、声が聞こえる。

 心の奥から。底から。

 ――それでいいの?

 いいのよ。

 ――我慢してばかりで辛くないの?

 だって仕方ないじゃない?

 ――ワタシは頑張ってるわ。もっと評価されてもいいと思う。

 だから、しょうがないじゃない!評価するのは私じゃなくて他人。そして男は私よりみゆきを……

 ――可哀想なワタシ。惨めよね。

 惨め……?

 ――そう、消えちゃいたいくらいに。

 消えちゃいたいくらいに……?

 ――消えちゃったら、もう、何も辛い思いをしなくていいのよ?

 消えちゃう?それ、死ぬってこと?でも……そんなの……

 ――嫌なら、逆しかないわね。

 ぎゃ……く……?

 ――消えるのが嫌なら消せばいいのよ?

 け……す……?

 ――二者択一よ。いずれ選択しなきゃ。そうじゃなきゃ……

 そ……じゃ……なきゃ……?

 ――ワタシ ハ モウ モタナイワ

 ………!?

 ………

 ………


「……ちゃ……ん」
「か……みん」

 ………

「お姉ちゃん!」
「かがみん!」

「…!?」

「ねえ、しっかりしてよ!?お姉ちゃん!」
「かがみん!危ないよ!どうしたのさ!?」

「へ!?」

 ……気がつくと、つかさは私の腕を引っ張り、こなたは私の腰にしがみついていた。

「ちょっと!あんた達!何して――」

 ……ふと、足元を見ると、

「!?」

 そこは駅のホーム。

 白線を踏み越えて、

 あと一歩で、線路に落ちるところだった。

 よく見ると、こなたやつかさ以外にも、サラリーマン風の人やおばさん達が私を線路から遠ざけようとしていた。

「ご、ごめん。私……ちょっと、考え事してて……」

 今更、膝が震えてきた。

「もう!お姉ちゃん!どうしちゃったの?私…怖かった……よぉ……」

「かがみん、本当に大丈夫?私がゲマズのポイント獲っちゃったのホントはショックだった?謝るから……しっかりしてよ!」

「ごめん……心配かけて……」

 ……私、何してんの?

 こなたやつかさに心配かけないって決めたはずなのに。

 確か、心の底から声が聞こえてきて……

 って、心の底の声!?何ファンタジーなこと言ってんの、私!

 しっかりしなきゃ!

 しっかり……








『――消えちゃったら、もう、何も辛い思いをしなくていいのよ?』
『――消えるのが嫌なら消せばいいのよ?』

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最終更新:2008年07月20日 23:44