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俺はみゆきさんに全てを打ち明け、相談することにした。
何よりみゆきさんの誤解も解かなきゃいけないと思ったけど、俺の心は昨日決まっていた。

―――こなたがまた明るくなって、かがみが帰ってきて、つかさと話して納得させることができたら…俺はこなたに言う。

でも俺一人じゃ多分無理だ。
巻き込みたくなかったけど、みゆきさんに相談しよう。
それにみゆきさんは天然なとこがあって、意識せずにトラブルを産んでる気がする。

放課後。
俺はみゆきさんを呼び出した。

男「みゆきさん、ちょっと相談したいことがあるんだ。」

みゆき「え?ええ…いいですけど。えと…どんなお話ですか?」

男「…こなたの事だよ。」

みゆき「あ…そう言えば今日はお休みでしたよね?…何かあったんですか?」

男「うん…ケンカしたんだ」

みゆき「えっ?!…そうだったんですか。」

男「うん…そのことでちょっとみゆきさんに相談したくてさ…」

みゆき「…分かりました。あの、男さんが嫌でなければうちで話しませんか?」

男「行って平気なの?」

みゆき「大丈夫ですよ。」

電車に揺られ、みゆきさん最寄りの駅に着いた。改めて考えるとみゆきさんの実家は俺やこなたの昔の家に近い。

男「あのさ、みゆきさん。」

みゆき「はい?」

男「俺とかこなたの昔の家さ、みゆきさんの家にすごい近かったんだね。」

みゆき「…そうなんですか?」

男「うん、昨日こなたと歩いてたのも、デートとかじゃなくて久しぶりに地元見に来たんだよ。」
みゆき「そうなんですか。すごい偶然ですね。」

男「うん。みゆきさん家の病院も俺は多分来たこと無いけど、こなたは何となく記憶あるみたいな事言ってたな。」

みゆき「そう…ですか。」

男「あ…一応言っておくけど俺こなたと付き合ってないからね。」

みゆき「でも…その…手を繋いで…」

男「あ…あれはなんかそんな雰囲気になっただけで、俺達まだ付き合ってないから!」

みゆき「本当ですか?」

男「本当です。」

みゆきさんの家に着いた。

男「お邪魔します。」

みゆき「どうぞ、上がってください。」

男「あ、うん。誰もいないの?」

みゆき「そうみたいですね。」

みゆきさんに案内されて、みゆきさんの部屋に通された。
みゆきさんは紅茶とお菓子を持って来て座った。

みゆき「それで…泉さんがどうしたんですか?」

男「うん…実はさ…こなたの事だけじゃないんだけどさ…」

みゆき「はい…。」

男「ゴールデンウイーク明けた後かな…?まず、こなたに…その…告白された…。」

みゆき「…。」

男「でも俺まだ自分の気持ちが分からなくて、考えさせてくれって言ったんだ。」

みゆき「…。」

男「それで、そうこうしてるうちに次はつかさに告白された…。」

みゆき「…。」
意外にもみゆきさんは落ち着いた表情で話を聞いている。

男「…さらに今度はかがみだ…。」

みゆき「…男さんはそれで悩んでいたんですね?」

男「うん…。」

みゆき「それで結局男さんは誰を……?」

男「まだ誰にも返事してない。」

みゆき「…。」

男「そうこうしてるうちに三人はお互いの気持ちに気付いたみたいなんだ。なんだか最近ずっと険悪で…。」

みゆき「…。」

男「そして…かがみが行方不明になった。」

みゆき「…男さんは…つかささんや泉さんを疑っているんですか?」

男「いや!そうじゃない!!ただ何か関わっているんじゃないかって…少なくともこなたは何か知ってるみたいだし…」

みゆき「泉さんが…?」

男「うん…きのうも何となく様子が変だった。」

みゆき「そう…ですか。」

男「みゆきさんにさ…お願いがあるんだ。」

みゆき「はい?」

男「つかさに、こなたと俺のこと言うのはやめてくれないかな?」

みゆき「えっ?」

男「昨日そのことでつかさに問い詰められて、それでつかさと一緒のとこをこなたに見られて、ケンカになった。」

みゆき「そうだったんですか…申し訳ありませんでした。」

男「とりあえずさ…こなたと仲直りできたらかがみを本気で捜さなけりゃいけないとおもうんだ…みゆきさんも協力してね。」

みゆき「そうですね……その…男さんは…結局誰を選ぶんですか?」

男「俺は………やっぱりこなたが好きだ…。でもまだ言えない。みゆきさんもこの事は誰にも言わないで。」

みゆきさんはメガネを外すと紅茶を飲んだ。
俺もつられて紅茶を飲み干した。
俺が紅茶を飲んだのを見届けると、みゆきさんは静かに話し始めた。


みゆき「そうですか…それは残念です。」

男「…へ?」

みゆき「私の予想ではかがみさんが始めに動くと思っていました。」

男「何…が…?」

みゆきさんは構わず続けた。

みゆき「男さんはかがみさんと付き合えばよかったんですよ。かがみさんが男さんを好きなのは、男さんと泉さんが秋葉腹へ遊びに行っている時、一緒に勉強をしていて気付きましたし。」

男「みゆき…さん?」

みゆき「なのにかがみさんは身を引いてしまった…。私も何度か、かがみさんが男さんを意識するように仕向けたんですが泉さんとの友情が勝ってしまったようですね。」

男「何…言ってるんだ?」

みゆき「あるいはつかささんでも良かったんですけどね。」

みゆきさんは続ける。

みゆき「つかささんも男さんが好きでした。つかささんの性格からして男さんのような人に憧れるのは予想の範囲内でしたが、つかささんの方から男さんをデートに誘ったのはうれしい誤算でした。」

男「………」

みゆき「みなさんでゲームをした時など何度かつかささんの嫉妬感を煽ってみたのは成功したようですね。」

男「みゆきさん…君は…?」

みゆき「以前泉さんが風邪で休んだときありましたよね?あの時泉さんは失恋したと勘違いして自暴自棄気味になっていました。」

男「え…?」

みゆき「結果的にそうなるのは願ってもないことなのですが、あの時点では時期が悪かったんです。」

男「…時期?」

みゆき「少なくともあの時は男さんは誰とも付き合っていない様に見えました。泉さんがそれに気付けば泉さんは思い切った行動に出るかもしれない。…そして余計な事を言うかもしれない。」

男「余計な…事?」

みゆき「男さんは知らなくていい、いえ、知ってはいけないことです。」

男「…?」

みゆき「そう言う訳で不本意ながらあの時は泉さんの沈んだ気持ちを元に戻すことに努めました。」

男「…テストの…ノートの事か?」

みゆき「それはオマケです。ノートの中に手紙を忍ばせました。」

男「手紙?」

みゆき「簡単に言えば励ましのお手紙ですよ。………しかし結果的にはそれが泉さんに告白を決意させてしまったのかもしれません。完全に私のミスでした。」

男「みゆきさん…君は一体何がしたいんだ…?」

みゆき「あなたと…泉さんが親密になられては困るんですよ。」

男「なんで…」
俺は妙な脱力感におそわれた。

みゆき「うふふふ。それを知る必要は有りません。」

男「……みゆき…さん…?」

みゆき「古典的ですが……紅茶は美味しかったですか?やっと効いてきましたね。」

男「なにか…薬を…?」

みゆき「あなたが…泉さんを選ぶならやがて泉さんはあなたに喋ってしまうでしょう。……かがみさんに喋ってしまったように。」

男「なん……だって……?!」

みゆき「昨日の様子からして泉さんは思い出してしまったようですしね。」

男「…おま……え…!」

そこまで言うとみゆきさんはケータイを取り出してどこかに電話をし出した。

みゆき「私です…。やはり泉さんは気付いています。………はい。……はい、お願いします。かがみさんも含めて…………処理を。」

そこから先はもう聞こえなかった。
薬が俺の意識を遠い世界に連れ去った。
『逃げろ…!こなた…!!』
俺の最後の言葉はこなたの所まで届かなかった。 

みゆき「…やっと終わりそうです…お父さん。」 
【 BAD END 過去に囚われて 】

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最終更新:2008年08月02日 20:38