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様々な思いが巡り、熟睡なんて出来そうになかった。

みゆきさんはどんな思いで俺達を手に掛けようと決心したんだろう…。

彼女が流した涙が、それが本心からではなかった事を物語っていた。

男『もう一度みゆきさんとゆっくり話そう…きっとみゆきさんはまだ悩んでる』

俺は廊下に出てみゆきさんの部屋へ向かおうとした。

『…ってかこんな夜に女の子の部屋行くのは実際どうなんだろう…』

俺はちょっと躊躇って足を止めた。

…ペタ…


『…今…俺以外の足音が…』

俺は暗い廊下を振り返った。



『なんだ…気のせいか…オヤ○ロ様じゃあるまいし、何考えてるんだ俺は…』

みゆきさんの部屋の前まできた。
入ろうかどうか考えていると、ドアが勝手に開いた。

男「わっ!!」

みゆき「きゃっ!!」

男「みみみゆきさん、どうしたの?」

みゆき「いえ…あの…男さんこそどうしたんですか?!」

男「その…実はみゆきさんと少し話そうかと思って。」

みゆき「………はい。部屋、入ってください。」

男「あ、うん。」

みゆきの部屋。

みゆき「実は私も誰かと話したかったんです…いえ…正確には謝りたかったんです…謝っても許されるものではないんですが…」

みゆきさんは沈んだ表情でそう言った。

男「みゆきさん。」

みゆき「…はい。」

男「俺はこなたの事は昔から知ってるけど、つかさとかがみはまだ会って間もない。」

男「でも、二人とも今回の事でみゆきさんを許さない、なんて事は無いんじゃないかな?」

みゆき「ですが…」

男「みゆきさんが、みんなが憎くてやった訳じゃないって事はきっと気付いてると思うし。」

男「落ち着いたらさ、俺からみんなに話すよ。みゆきさんだって苦しんでた事も。」

みゆき「…私は…うっ…うっ…」

俺はみゆきさんの頭を優しくなでた。

男「こんな言い方するのは失礼だと思うけどさ、当事者達はもう死んでる訳だし、こなたのお母さんの事が例え世間に知れても、病院が誠意のある対応すれば何とかなるんじゃないかな?」

みゆき「いえ…」

みゆきさんは涙を拭いて真剣な眼差しになった。

みゆき「例え世間的に許されても、こなたさんのお父さんやこなたさんには取り返しのつかない事をしました…一生かけても償うつもりです…もちろん男さんにもです。」

男「……みゆきさんはやっぱり医者になるの?」

みゆき「え…?………そう…思ってましたが…そんな資格無いですよね…。」

男「そんな事無いよ!!今の気持ちをずっと持ってれば、きっと誰よりも人の痛みの分かる医者になれる!」

みゆき「!!」

男「母さんや…父さんが死んだのは悲しかったし、犯人を憎んだこともあったけど、俺がここで憎んでしまったらまた繰り返すだけだ。」

男「俺達は友達なんだから、もうここで親の代の事は忘れて、互いに信頼しなきゃ。そう思わない?」

みゆき「そうですね…私が…もう少し早くそう思えれば…」

男「今、思えたんならそれでいいんじゃない?」

みゆき「…はい…!」

また泣きそうなみゆきさんの頭を、俺は優しくなでた。

しばらく時間が経った。

男「…じゃあそろそろ戻るね。」

みゆき「あっ…」

男「え?どうしたの?」

みゆき「えと…その……何でもありません。おやすみなさい。」

男「…うん、おやすみなさい。」

俺はみゆきさんの心の闇を少し払う事が出来て満足した。

自分の部屋に戻るとそのままあっという間に眠ってしまった。

みゆきの部屋。

みゆき「…でもやっぱり…私の気持ちは伝えませんね…」

みゆき「…男さんには、もうこなたさんがいる…私が今何か言っても…迷惑なだけ…」

みゆき「…きっとこれは…友達を信じて守ることをしようとしなかった…私の罰ですね…」

ゆかり「みゆきちゃん?」

みゆき「はい?」

ゆかり「この間お友達と先生が泊まった日の夜、みゆきちゃんは何してたのかな?」

みゆき「夜…ですか?普通に寝ましたが…?」

ゆかり「あらー?私の記憶が確かなら、夜中にこっそりみゆきちゃんの部屋に行ったコが居たような?」

みゆき「!!!!」

ゆかり「彼氏さん出来たのね?お母さんは反対しないわよー?」

みゆき「ちちち違うんです!男さんとは少し話すことがあって!!」

ゆかり「んー本当?お母さん反対しないんだけどなぁ」

みゆき「本当に違います!…それに…男さんにはちゃんとした恋人がいます。」

ゆかり「あらあら、恋にライバルはつきものよねー」

みゆき「そんなんじゃありません!」

ゆかり「…でも好きなのね?」

みゆき「…」

ゆかり「顔に書いてあるもんねー」

みゆき「うう…」

ゆかり「ちゃんと思いは伝えたの?」

みゆき「……私、彼に酷いことをしてしまったんです…。男さんは許してくれたけど、私に『好き』って言う資格は無いんです。」

ゆかり「私は詳しいことはよく分からないけど、これだけは言えるわよ。」

みゆき「?」

ゆかり「『好き』って気持ちだけは、それ以外の全部と別物。誰かを好きになったらちゃんと最後まで好きでいなさい。案外、『言えない』ってのは恥ずかしくて逃げてるだけかもしれないわよ?」

みゆき「…そう…でしょうか…」

ゆかり「あ!いっその事今から男君を呼んで告白しちゃうってのは!」

みゆき「やめてください!!」

ゆかり「ライバルいるからって諦めちゃダメよ?みゆきちゃんが頑張ればライバルなんてどうとでもなるのよ?」

みゆき「…」



みゆき「言っても…いいんでしょうか…諦めなくても…いいんでしょうか…」

みゆき「男さん…」

みゆきさんの家に泊まってから、1ヶ月程経った。

俺とこなたが付き合いだした事は、つかさやかがみは疎かクラス中が知ることになった。

何故かというと…



こなた「おはよう男!いい加減起きないと遅刻するぞー」

男「…うん。いつから家に居たんだ。」

こなた「昨日男と一緒に帰ったじゃないか。」

男「烈海王かお前は。」

こなた「さ、早く朝御飯食べないと遅刻するわよ!」

男「何のヒロインか分からんし、もう既に遅刻だ。」

こなた「ニタァ」

男「…」

俺とこなたは毎日手をつないで仲良く遅刻している。

男「さすがに出席日数足りなくなるから遅刻は止めようぜ?」

こなた「うむ…そろそろみんな私達の関係を理解しただろうから遅刻は止めようか。」

男「おま…それが目的だったのか…」

こなた「遅刻すれば目立つだろーそうすれば男に悪い虫もつかなくなるというものだよ。」

男「こんだけベタベタしててちょっかい出してくる奴なんかいないだろ。」

こなた「いやー分からないよ?…まぁちょっかい出す奴は…すけど。」

男「え?」

こなた「何でもないよーさあ学校学校!」


昼休み。

かがみ「うわっ…相変わらず暑苦しい」

こなた「『ラブラブ』と言ってくれたまえ。」

男「いや、夏は正直自重して欲しいよ。」

こなた「おーとーこ?[ハート]」

つかさ「ま…まぁ、仲良いことは、悪い事じゃないんじゃないかな?」

こなた「うーん、ナイスフォローだよ、つかさ!」

男「そう言えばみゆきさんは?」

つかさ「委員会のお仕事かな?」

男「あーそうかもね。…あ、ちょっとトイレ。…って付いてこなくてもいいからな。」

こなた「でも」

かがみ「こーら!信頼するのも愛よ。」

こなた「うむむ…」

男「じゃあちょっと行ってくるよ」

廊下。

みゆき「男さん。」

男「あ、みゆきさん。どうしたの?」

みゆき「あのですね、私、男さんに言いたいことがあるんです。」

男「え?何?」

みゆき「私は…」



【 ENDING⑥ ロスタイム開始 】

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最終更新:2008年09月05日 05:03