(最終分岐をロードしました。)
男「こなた…」
俺の中でこなたがどんどん大きくなっていく。
男「明日目が覚めたら…俺たちはもう恋人なのかな…」
さっき抱きしめた感触が蘇ってくる。
男「…」
男「…」
男「こなた…」
俺は布団から出た。
男「あいつ…酔ってたな…。」
男「心配だし、ちょっと様子見てくるか…」
部屋を出た。
暗い廊下を歩く。
こなたの部屋の前にきた。
コンコン
ノックの返事はない。
男「…こなた?」
小さな声で呼ぶ。
やはり返事はない。
ガチャ
『こなたの寝顔を確認したら帰ろう』
俺はそう考え、ドアを開けた。
こなたの寝てる部屋。
当然電気は付いていない。
ベッドが膨らんでいるが、顔まで布団をかけているらしく寝顔は確認できない。
俺は枕のある側の掛け布団をそっと剥いだ。
こなたの寝顔。
ゆっくりと呼吸している。
その安らかな顔を見て俺は安心した。
男「…もう、お前だけ見るから…」
俺は小さな声で呟いた。
こなた「ほんと?」
こなたの目が開いた。
男「おわっ!!」
こなたの目がじっと見つめる。
こなた「ほんとに?」
男「………うん。」
こなた「おとこ………すき。」
男「…うん。」
こなた「ズギュウウウンンして。」
男「ここでネタとか…」
ズギュウウウンン
ぐい
男「え?」
こなた「ねよ?」
男「うん。」
こなた「おとこ…」
男「こなた…」
暗い廊下に僅かに二人の声が聞こえた。
やがてその声が静かになると人影が廊下を移動しだした。
影はこなた達が眠る部屋の前で止まった。
影の手が静かにドアノブに触る。
みゆきもまた寝付けずにいた。
自分のした事、男の言葉、友達の顔。
すべてが浮かんで頭の中を駆け巡った。
みゆきは静かに布団から出るとドアを開け、暗い廊下を歩きだした。
コンコン
みゆきが部屋のドアをノックする。
かがみ「…はい。」
みゆき「私です。」
かがみ「みゆき?」
みゆき「はい…あの…少し話したいことがあるんです。」
みゆきが『入ってもいいですか?』と言うより早くドアが開いた。
かがみ「うん、話そ。」
みゆき「……はい!」
つかさはもうぐっすり眠っていた。
つかさ「……うーん……すかしかしぱん……」
かがみ「みゆき…私はみゆきのこと信じてたよ。」
みゆき「……かがみさん……私………私……」
かがみ「今日はさ、ずっと話してようよ。…なんか修学旅行みたいね。」
みゆき「…うん。」
…
…
黒井先生「そこまでやで。」
人影はその声に反応してドアに伸ばした手を止めた。
黒井先生「なーにしとるんや?」
「…」
黒井先生「なんで注射器なんて持ってるんや?」
「…」
黒井先生「注射器の中身はなんやー?」
「…」
黒井先生「d-ツボクラリンのアンプルやなあ。その量はどう見ても人なら中毒量やで?この部屋で馬の手術でもするんかー?」
黒井先生「筋弛緩薬なら自然死に見せかけられるとでも思ったんかー?」
「…」
「…」
「…」
…
…
…
「うふふ。」
「ずいぶんと詳しいのねー?薬品名で分かるなんて。」
黒井先生「当たり前や。ウチの父親は薬理学者だったからなー。」
「うふふ…やっぱりそうだったのね?」
黒井先生「めんどくさいんでもう普通に喋るわー。」
「どうぞ?」
黒井先生「父さんも母さんも守れなかったけど、弟は守れそうね。」
「あらあら。」
黒井先生「自分の部屋に戻りなさい。今までの事は全部あんたの父親がやったって信じてあげる。でもあんたが今、弟に手を出すって言うなら今度は私も戦うわ。」
「うふふ…あなたにそんな資格があるの?あなたのご両親はあなただけは助けようと思って養子に出したんじゃないのかしら?あなただってそれを分かって今まで逃げてきたんでしょ?」
黒井先生「…そうよ。私は自分を守るために逃げてきた。でもね、必死に戦う弟を見てて逃げるのは止めることにしたの。」
「あらそう…残念ね。でも私とどうやって戦うの?私はまだ何もしてないわよ?」
黒井先生「お生憎さま。私が今まで何もしてなかったと思う?あなたの父親はカルテを処分したと思ってたみたいだけど、残念ながら処分しきれてなかったわよ?」
「…なんですって?」
黒井先生「電子カルテって知ってるわよね?電子カルテはウイルスとかのトラブルに対応するためバックアップデータが存在する。」
「…」
黒井先生「バックアップデータ…管理してる人がさらに用心のために自分のパソコンに取り込んでたみたいね。」
「…あらあら…ハッキングは犯罪よ?」
黒井先生「あら?私は何も言ってないわよ?」
「…」
黒井先生「私を殺しても、もう遅いわよ?ここに来る前に泉の家のパソコンに送ったわ。」
「…嘘ね。泉の家のパソコンにあなたのアドレスは存在しないわ。」
黒井先生「ふっ…ハッキングはどっちよ。…ま、でもそれくらい想定の範囲内だけどね。」
「…」
黒井先生「カルテはね、暗号化してアイテムにつけて送ったのよ。『オンラインゲーム』なんて知らないのかしら?」
「ゲーム…?」
黒井先生「そうじろうさんとはね、ずっと前からやり取りをしてた。こなたのやってるオンラインゲームに私も参加してアイテムと共に暗号化したメッセージを送って。…もちろんこなたは知らないけど。」
「…」
黒井先生「あんたの負けよ。」
「…」
黒井先生「…もう一度言うわ。今までの事は全部あんたの父親がやったこと。」
黒井先生「…そういう事にしといてやるから、もう泉とうちらに関わるな!!!」
「…」
「…」
「そう…わかったわ。そういう事にしておきましょうね。…お互いのために。」
黒井先生「…夫を失った気持ちは私には分からないわ…でもね…そうじろうさんはあなたと同じ気持なのよ?」
「……おやすみなさい。」
黒井先生「………ええ。」
黒井先生は廊下に自分以外いなくなるのを確認すると、月明かりが見える窓のとこまでやってきた。
月を見上げていると先生の頬には熱いものが伝ってきた。
黒井先生『父さん…母さん…かなたさん……男とこなたは…私が守っていきます…』
黒井先生は涙をふくとケータイを取り出した。
ピッピッピッ…
黒井先生「もしもし……はい……終わりました。こなたも…みんな無事です。……ええ、病院長は死にました。…はい…おやすみなさい。」
黒井先生はゆっくりと自分の部屋に戻ると布団に入った。
朝。
かがみ「あ…おはようございます。」
つかさ「先生、早いですねー。」
黒井先生「まあ、教師が生徒と同じ時間に出勤するわけにいかんからなー。朝ごはんごちそうになったらウチは先行くでー。」
ゆかり「おはようございます。あら、みゆきちゃんはまだ起きてこないのかしら?」
つかさ「あ、ゆきちゃんはこなちゃんを起こしに行って…」
二階から聞こえるみゆきの声「キャッ!!!」
かがみ「…」
つかさ「…」
二階からみゆきが降りてきた。
みゆき「あの…なんでもないです…こなたさんは…その…もう起きてくると思います…。」
つかさ「ゆきちゃん…?なんで顔真っ赤なの?」
みゆき「なっ…なんでもありません!」
かがみ「あ…そういえば男も起さなきゃ。私行ってく…」
みゆき「男さんも!!!!…もう起きてきますから…大丈夫です。」
かがみ「?」
それから二カ月が過ぎた。
こなた「あー明日からやっと夏休みかー!!!!」
かがみ「今年は自分の力でやりなさいよ。宿題。」
こなた「あーかがみんひどいなーいいよ男に見せてもらうから!」
男「夏休み始まる前からそういう事言うなよな…」
つかさ「あのー男君…できればまた勉強教えてほしいな~…なんて」
男「うんいいよ。…こなたもつかさを見習ってくれ、少しは。」
みゆき「うふふ、でしたらまたうちに集合しましょう?」
男「いいの?みゆきさん家広いから助かるなー。」
かがみ「ねえ…来年はさ、受験で大変だから…今年が遊べる最後の夏休みだと思うのよ。」
こなた「かがみんが…いつものかがみんじゃない…」
かがみ「うっ…うるさいわね!」
こなた「なるほど。つまり今年の夏はかけがえのない友人たちと思い出づくりをしたいと、さびしがり屋のかがみんはそう思っているわけだね?」
かがみ「…べ…別にそういうわけじゃ…ないわよ…///」
つかさ「お姉ちゃん最近旅行のパンフレットばっか見てるもんねー?」
かがみ「こっ…こらつかさ!!!」
こなた「かがみん可愛いよかがみん」
かがみ「うっさい!!!」
男「いやーかがみはやっぱツンデレだったんだなー」
かがみ「男…死にたい?」
男「ヤンデレ?」
かがみ「こなたが二人になった気分だわ…」
みゆき「うふふふふ」
黒井先生「なんの話しとるんやー?」
男「せっ先生…なんで休み時間まで教室にいるんですか?」
黒井先生「別にええやろー?」
かがみ「…まあ私は人の事言えないし。」
黒井先生「こなたはまたコミケ行くつもりやろー?」
こなた「うーん…今年はパスかなー」
全員「えっ!!!!!!??????」
こなた「驚きすぎ」
つかさ「こなちゃん…何か嫌なことあったの?」
こなた「つかさまで……いや、そういう訳じゃないんだけどさ、最近なんだか調子悪くて。」
かがみ「だ…大丈夫なの?!」
こなた「うん…いやー夏バテって言うのかなー?なんか最近気持ち悪くて。」
みゆき「あんまり無理しないでくださいね?」
こなた「大丈夫だよみゆきさん。」
黒井先生「そうかーこれを機に泉もコミケ卒業やなー」
こなた「いや、今年だけですよ。」
黒井先生「まあ体調管理はしっかりしときー。じゃあウチは職員室戻るわー。」
放課後。
つかさ・かがみ「じゃあねー」
男・こなた「さよならー」
男「なあ、夏バテ、大丈夫か?」
こなた「おー心配してくれるの?」
男「そりゃ……彼女だし…。」
こなた「えへへ。」
男「あんまり無理すんなよ。そういえば最近チョココロネも食ってないもんな。」
こなた「大丈夫。ちゃんと病院行ってるし。」
男「おまえ…そんなに悪いのか?」
こなた「ん?全然悪くないよ。むしろ順調だよ。」
男「意味分からん。」
こなた「まあでも今はちゃんと安静にしてるから大丈夫。コミケも今年だけは我慢するよ。」
男「あ…うん。」
こなた「もう一人の体じゃないし。」
男「……………………………………………………………は?」
こなた「おっと。」
男「…おい。」
こなた「今年の夏は暑いなー。」
男「おい。」
こなた「ところでさ、RPGやる時最初主人公の名前付けるのってすごい悩まない?今まさにそんな状態なんだけど。」
男「おとこは めのまえが まっくらになった」
こなた「なるほどサトシか。」
男「おい!!!!」
【 TRUE END シアワセ 】
最終更新:2008年09月07日 15:15