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小学校の頃、誰しも恋を知る。
俺もそんな中の一人で、いつも影からその子を見てるだけで嬉しかった。
話しかけてもらっただけで声は裏返ったし、眼を合わせるなんて出来るわけも無く、ただその子を贔屓するだけしか好きだと伝えられなかった。
ある日の放課後、俺は彼女から呼び出しを受けた。
これはなんかあると思わない方が可笑しいだろ?
勿論俺はきっと告白に違いない、あの子も俺の事好きだったんだ!
そう考えるだけで足は軽くなり、気分は薬無しに完全にハイの状態に至った。
教室のドアを開けて、窓際で溜息を吐く彼女を見つける。
彼女もドアがスライドした音で俺に気付き、すぐに笑顔を作って俺を迎える。
「は、話って?」
「あ、あのね?男くん、男君って近藤君と仲良いよね?」
嗚呼、俺多分こん時から『近藤』って苗字が嫌いになったんだ。
「えっ?うん、まぁたまに話すくらいかな?」
「あのね、男君にだけ言うね、私ね.....実は」
この後は言わなくてもいいよね、分かってくれるよね?
ねぇ・・・ビュウ。大人になるってかなしい事なの・・・
当時俺はこの台詞を言ったゲームのヒロインの名前もその子と一緒にしていました^^
◇◇◇
「はぁ」
「おっす、男!」
「メッス、柊」
「どうした?元気ないじゃん」
委員会に向かう途中で柊にあった。やっぱ今顔色に出てるのか。
「いや、お前の誕生日の帰りに嫌な事を思い出してな。鬱々真っ盛りなんだ」
「なに?つかさにオタ趣味でも引かれたの?」
「馬鹿、誤魔化す事に長けた俺のスキルを舐めるな、小学校の頃の黒歴史を思い出したんだよ」
「ははーん、どうせ気色の悪い自分の考えた設定が書いてた自由帳でも出てきたんでしょ?」
「それは去年の大掃除の頃に終えた、血の紅よりも紅きもの・・・」
はっ!今何だか胸騒ぎが!
「何よ、今のは?」
「いや、スレイヤーなんちゃら、なんてもう昔の話だ」
「ふーん、まぁ悩みなら少しぐらい聞いてあげるわよ?」
話してもいいかな、と一瞬迷ったがコイツ女だもんな。
「いや、お前には言っても分からんよ。どうせお前も結婚するならフローラなんだろ?」
「あんた、だんだんこなたに似てきたわね。っていうか私は断然ビアンカ派だし」
「へぇー意外と純粋じゃん。柊」
ん?なんかデジャブが・・・。
「ともかく、今日はみんなで帰るんだし元気出しなさいよ!つかさに気付かれるわよ」
柊はそう言って俺の肩を叩き、笑う。
今日、つかさと話せるかな。


無事に一学期最後の委員会を終えて、手元に配られた資料を鞄に突っ込む。
「男、お疲れ」
「お疲れ様です、男さん」
二人が満面の笑みを浮かべながら俺に労いの言葉を掛けてくれた。
「おう、二人もお疲れ」
俺がそう返した直後、勢い良くドアが開いた。
「かがみーん、みゆきさーん!あと金魚のフン帰ろー!」
いつの間に俺は糞になったのか小一時間説教したくなったが、今日は出来そうにない。
「三人ともお疲れ様ー」
あれ、なんだか・・・・・。
「男君も帰ろ!」
つかさがいつもより可愛く見える・・・・・。
意識しちゃうな、こんなの・・・。
「でね、男。明後日空いてるかい?」
「明後日?あー、うん空いてるな残念なことに」
「残念とか、どんだけ」
「で、なんだよ」
俺が泉を急かすと、泉の後ろにいたつかさがひょっこり現れた。
「あのね、明後日うちの神社でお祭りがあるの・・・、だから男君もどうかなって」
ktkr!
俺の心の中でその四文字が浮かんだ直後、泉が耳打ちする。
(つかさの浴衣見たくない?)
「よろしい、ならばお祭りだ」
「うはww」
「やったー!」
嬉しさを体現するつかさはいつもより二・五倍(男比)可愛かった。
それをずっと眺めていた俺を泉が茶化したのは言うまでもない。
◇◇◇
夏独特の夕焼けが眩しい。
「遅ぇ・・・。」
確かに俺は約束の三十分前に来たけど、泉の奴遅すぎだろ。みのるとかなら今すぐにお祭りに直行するんだが、泉だとなんだかなぁ。
「アイガー!」
どこかの格ゲーで聞いたことのある空耳とともに腹部に痛みが走る
「い、泉」
「ありゃ、ゴメン入っちゃった?」
「そりゃ、もうバスターコレダーぐらい」
「ジャコビニ流星アタック?」
むぅ、泉意外と浴衣似合ってんな。これはこれで・・・・・。
「・・・・・スケベ」
「うっせえ///」
「ちっちゃい子が浴衣着てるのまじまじ見てるとか、引くわ」
「実はさ、実は…俺、ロリコンなんだ。だからといって、どうって事はないんだよ?俺は俺のままさ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「いこっか」
「ああ、うん。なんかゴメンな」
「いや、別にいいけどさ。あんまり近づかないでね、ロリコン様」


◇◇◇
行く途中人が続々と増えていった。泉が俺を誘ったのは理由はやはりつかさの事でだった。
「だからさ、つかさだって男の事気になってるよ。いっそヤっちゃいなよ雑木林辺りで」
「それなんてスクイズ?」
泉は苛立つように俺の肩を叩き、言う。
「なんでそんなに尻ごむかなぁ」
「そんなこと俺が知るか!!」
ストロンガー、いや分かってんだけどね、実は。
「つかさが男も誘おうって言ったんだよ?」
「mjk」
「ガチ」
「はぁ、なぁ泉大事な話がある。聞いてくれるか?」
泉は見たことも無い似合わない真剣な顔で俺の黒歴史を聞いてくれた。
あぁ、泉に話すなんて。俺もそろそろ不味いかなぁ。
「って、ことで俺は近藤とリアルファイトしてしまった訳だ」
「・・・・・、何と言うか、近藤くん可哀相だね」
「ああ、いまお前に話しながら整理してみると完全に蚊帳の外だな、近藤」
泉は溜息を吐いて、俺の肩を叩く。
「ま、つかさに限ってそれは無いよ。絶対に。それよかなんで男なのかってのが不思議すぐる」
「は?」
「・・・・・あっ!」
「・・・・・」
「・・・・・」
あっ!って何だよ!も、も、もしかして、おいおいおいおい!!!!!マジか、今のマジなのか!?おい!泉!!!
「男、口動かしても声出さなきゃ分かんないよ」
「しまった、声に乗せるのを忘れてた!それよか!!今のは!?」
泉は困ったような誤魔化す様に笑いながら、「今の内緒だかんね」と俺に念を押して話始めた。
「この間さ、かがみんとつかさと三人で遊んだ時にね、お祭りの話になった訳ですよ」
俺はすごい勢いで相槌をする。
「そしたら、いきなりつかさが恥かしがりながら『お、男君も誘わない?』って言ったんだ、
私もかがみんも茶化すつもりでね男の事どう思ってるか聞いたんだ。そしたら顔赤くしてさ、一回頷いてそれっきりでね、あれ?男?」
おれ、もう明日死ぬかも。
何これ?なにスレ立てた方がいいのか?
安価すっか?おお?
「さて、男よ。どうすんの?」
「行くきゃないだろ、jk」
「せっかくだから俺は赤い扉を選ぶぜ!」
「それはねぇよ」

◇◇◇
「あ!こなちゃんと男君!こっちこっち!」
嗚呼、俺もう死んでもいい・・・・・。
つかさかわいいよ、つかさハァハァ
正直首ったけです。本当にありがとうございました。
「それじゃ行こっか」
「あ!ああ!!」
(かがみんや)
(あいよ)
(それじゃ、作戦通りに・・・・・)
(男さん・・・・・ファイトです!)


◇◇◇
おいおい、どういう事だ?
「ごめんね、男君。私がはしゃぎ過ぎちゃったから」
「いや、俺も一緒にはしゃいでたし、俺も悪いよ」
「みんなどこ行ったのかな?」
二人っきりってどういう事だ!?
二度目だが、あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ!
『五人いたはずなのにいつの間にか気になってた子と二人っきりになってた』
な・・・何を言ってるのかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった・・・
サービスコーナーだとか保護者の呼び出しだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。
どうしよう、マジでどうしよう。
不味いここは俺が!俺がっ!俺がっっ!!!しっかりしなければ!!
「お、男くん?」
「い、いや任せろ!ここは俺たちも泉達を探しつつお祭りを楽しむしかないだろ!」
「う、うん!そうだね!がんばろ!!」
なぜか二人で妙な団結をはかり、俺たちは祭りを楽しむことにした。
行くぜ!俺今日こそつかさに思いを伝えてみせる!!そりゃもうキングオブハートもびっくりのな!
「男君、どうしたの?」
「いや、何でも無いです。はい行きましょう」

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最終更新:2009年05月25日 13:01