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 春。

 それは出会いと別れの季節。

 都内某高校――

「男君のお父さん……男くんも辛かったんだとは思います。しかし、暴力はいけません。男くんが元チームメートに対して起こした暴力沙汰は退学に匹敵するものです。」

「申し訳ございません。親である私にも責任があることは十分自覚しております。しかし……本人も十分反省しておりますので……ほら、お前からも何か言え」

 父さんが俺の頭を小突く。

 ……冗談じゃないぜ。あれは向こうが悪いのによ。

 その思いをぐっと飲み込んで俺は言う。

「……すみませんでした」

「まあまあ、お父さん。お父さんも男手一つでお子さんを育てるのは大変でしょう。お忙しい身だともお聞きしておりますし。それに、男くんが荒れるのも無理はないと思います。男くんは都の強化指定選手にも選ばれ、将来を嘱望され、サッカー一筋でここまでやってきたのですから。不幸なケガで選手生命を絶たれてしまったことは、非常に残念ですし、それはこの上ないストレスとして、彼にのしかかったのでしょう」

そこで担任は少し言葉を切った。そして続ける。

「ですから、こちらとしても退学という措置は取りたくない。彼には環境を変えて再出発をして欲しい。それが我が校の総意です。そこでお父さんのほうからも希望が出ていた他校への転入ですが――」

 再度、言葉を切り、そしてゆっくりと言った。

「受け入れ先が決まりました――

 ――埼玉県の陵桜学園高等部です」




こうして俺は陵桜学園の3年生として転入することになった。

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最終更新:2008年07月05日 18:20