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 それは男が九月一日を迎える朝のことだった。

(=ω=.*)「起きなさい」
男「……ぐう」
(=ω=.*)「起きなさい、私のかわいい男」
男「むにゃむにゃ……」
(=ω=.*)「今日はお前の新学期。王様に旅立ちの許可を頂く日」
男「うぅー……」
(=ω=.*)「今日の日のためにお前を勇敢な男の子に育てたつもりです」
男「んー……」

シャキーン!

(=ω=.*)「あらあら。下半身からロトの剣が顔を出してるわよ」
男「…………」

ゴソゴソ。

(=ω=.*)「こっ、これはオルテガ以上だわ!」
男「…………おい」
(=ω=.*)「いけない子ね、お母さんを誘惑するなんて」
男「……こら」
(=ω=.*)「いいわ。私が大人にしてあげ――」
男「……今何時だ」

(=ω=.*)「八時」

男「……遅刻だな」
(=ω=.*)「うん」
男「なのにお前はなにをしている」
(=ω=.*)「ドラゴンクエストⅢごっこ。そして近親へ……」

男「 こ の ア ホ  ー !  」

男「はぁはぁ……」
(=ω=.;)「ちょっと、男! 走るの遅いよ!」
男「はぁ……仕方、ないだろ! ちょっと……頭……はぁはぁ……痛いんだよ……」
(=ω=.;)「軟弱者! 私なんか病み上がりだよ!」
男「……二つの意味で病み上がりだなぁ」
(=ω=.*)「……あーあー。精神的な意味とつかさ的な意味というわけか。いやーこれは一本とられたなぁ」
男「はっはっは」
(=ω=.#)「だがそれが面白いと思ったら大間違いだよ」
男「すみません……」

キーンコーンカーンコーン……。

(=ω=.;)「……」
男「……」
(=ω=.;)「……なんてこった」
男「なんてこなた」
(=ω=.*)「こなったねぇ」
男「こなったなぁ」
(=ω=.*)「……屋上でも行く?」
男「毎度のパターンだな」

屋上。
(=ω=.*)「ここはいつも貸し切りだなぁ」
男「だな」
(=ω=.*)「たまには鍋を広げてる人とかがいてもいい。そう思わないかね?」
男「暑苦しい話だ……そんなマゾ鍋パーティしたくもないぞ」
(=ω=.*)「夏だからそう思うんだよ。たとえば桜の季節だったらそれもありでしょ」
男「秋でもいいと思うんだが……」

(=ω=.#)「春なのっ!」

男「ひっ」

(=ω=.#)「桜の季節って決まってんの!」

男「さくらの」

(=ω=.#)「ええい! 今すぐ枯れない桜を持ってこい! もしくは手から和菓子を出して私によこすんだ!」

男「どんな気味の悪い和菓子だそれは……」
(=ω=.)「なんだ……出ないのか……。所詮三次元か……トンデモ設定はないのか……」
男「どんな設定が欲しかったんだよ」
(=ω=.)「…………エアガンで幼女を狙撃した過去とか」
男「そんな過去はKOOL過ぎて必要ない」
(=ω=.)「じゃあ念を込めたものを自由に……」
男「人形使いじゃありません! というか我慢しろ! ありのままの俺を受け入れろよ!」
(=ω=.*)「冗談だってばぁ」
男「国崎最高ぉぉぉぉ!」
(=ω=.*)「スネないでよー……ほら、ぎゅーっとね」

男「……」

(=ω=.*)「すりすりすり」

男「萌えたので、許します」

(=ω=.*)「頭撫でてー」
男「ん」
(=ω=.*)「……」
男「……相変わらず柔らかい髪だな」
(=ω=.*)「てもってーってしてもいいよ」
男「なにそれ」
(=ω=.)「……」

なでなで。

(=ω=.*)「……」

なでなで。

男「……」

なでなで。

(=ω=.*)「はふ……」

なでなで。

男「……」

なでなで。

(=ω=.)「ね、男」
男「なんだ?」
(=ω=.)「朝さぁ……頭痛がするって言ってたけど、治った?」
男「ん。まだちいっとしくしく」
(=ω=.*)「シコシコとな! いやらしい頭だな!」
男「間違ってはねぇよ!」

(=ω=.)「……」
男「……」

男「実はさぁ」
(=ω=.)「ん?」
男「最近頭痛持ちになったみたいなんだよ」
(=ω=.)「……」
男「だから気にすることは」


(=ω=.;)「本当は怖い家庭の医学!」


男「はぁ!?」


(=ω=.;)「頭痛は死の兆候だ! 脳腫瘍が貴方を狂わす!」


男「そんなの気にしてたら生きてけねぇんだよビート!」
(=ω=.;)「……そりゃそうだけど」
男「みのの言うがままにしてたら、大豆と酢しか食えなくなるんだよッ!」
(=ω=.;)「……ごもっとも」
男「ズバリ言ってるけど、お前タッキー好きなだけだろ細木!」
(=ω=.;)「……男、そんなことばっか言ってると色々敵に回すよ?」
男「ん? お前、そういうの信じる方だったか?」
(=ω=.)「そう見える?」
男「見えないです」
(=ω=.)「でもね、私でも一応心配ぐらいするよ」
男「……サンキュ」
(=ω=.)「じゃあ約束。ちゃんと検査すること」
男「また約束かよ……」
(=ω=.*)「順調に増えるね」

(=ω=.)「ま、それはそうするとして」
男「ん?」
(=ω=.)「……そろそろ、あの問題を片付けちゃおうか」
男「……あれか」
(=ω=.)「あれだよ」
男「……つかさが出て来てから考える予定だっただろ? あの言葉の意味を聞いてから、さ」
(=ω=.)「……」
男「……」

(=ω=.)「つかさね」
男「……」
(=ω=.)「もう戻ってこないの」
男「…………え?」


(=ω=.)「精神病院……閉鎖病棟に送られたって……」

(=ω=.)「……昨日ね、私当てに手紙が来たんだ」



『こなちゃんへ
 蝉の八月蝉い夏も終わりにさしかかりました。
 私が聞いていいのか悩みますが(やっぱり書いちゃうね)
 身体の方は大丈夫ですか?
 やっぱり痛かったよね。謝ってもすまないよね。だけど
 言わせて。ごめんなさい。

 さて、私の方の話になりますが、こなちゃんのおかげで
 私は少年院に入らなくてすみそうです。
 よかったよー、女の子なのに少年院に入れられたりした
 ら、どうしようと思ってたから!
 なんてね。ありがとう。


 ……でも、家に帰るのは無理みたいなんだ。


 それはなぜかというと、どうやら私は精神病院に連れて
 いかれるらしいからです。閉鎖病棟だって!
 誰とも会えないけど、心の病気を治すためには仕方ない
 んだってさ。うーん。
 ……治ったら、こなちゃん達と一緒に帰れるかな?
 やっぱだめだよね。でも、そう思わせといて下さい。
 そしたら私、頑張れるから。勝手でごめんね。
 私、普通になりたいよ。

 じゃあ、そろそろ終わりにするね。男くんには手紙を送
 ってないので、こなちゃんからつかさが謝っていたと伝
 えてくれると嬉しいです。とっても喜びます。最後に。

                     ――つかさ』


ミーンミンミンミンミン……。



(=ω=.)「……読んだ?」
男「…………」

(=ω=.)「馬鹿だよね。つかさ」
男「……」
(=ω=.)「一緒に帰りたいだなんて」
男「……」
(=ω=.)「そんなささやかなことしたいだなんて」
男「……」
(=ω=.)「馬鹿だよ……」


ミーンミンミン……。


(=ω=.)「八月蝉いってなんて読むのさ……」



ミンミン……。



(=ω=、)「教えてよぉ……っ!」
男「…………っ!」

 俺は、こなたを強く抱き締めた。

(=ω=、)「教えてよおおおぉぉっ! つかさあああぁぁっ!」

男「くそ……くっそおおおおおぉぉぉぉっっっ!」


 俺達は支え合うように、泣いた。

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最終更新:2009年06月20日 18:30