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(=ω=.)「……かがみん、遅いね」
男「そうだな……」
(=ω=.)「……」
男「……」
(=ω=.)「静かだね」
男「さびれてるってのは本当だったみたいだな」
(=ω=.)「だね」
男「だな」
(=ω=.)「……」
男「……」

かがみ「どういうことよ!」

(=ω=.;)「ビクッ」
男「……」
(=ω=.;)「……今のって、かがみんの声だよね」
男「……あぁ。そうだな」

かがみ「そんな……ないッ……い!」

かがみ「……んとッ…………のッ!」

男「……なんか、口論してるみたいだな」
(=ω=.)「……」
男「……」
(=ω=.)「……」

かがみ「……」
男「おかえり、かがみ」
かがみ「……ただいま」
(=ω=.)「なに怒鳴ってたの? つかさにはやっぱ会わせられないって?」
かがみ「……」
(=ω=.)「……かがみん?」
かがみ「……」
男「……おい、どうした? 顔真っ青だぞ」
かがみ「男……」
男「なんだ?」
かがみ「……ッ!…………こなた、ごめん……男の手……握っていい……?」
(=ω=.)「……いくらでも」

ギュッ……。

男「……」
かがみ「……」
男「……」
かがみ「……外、出よ」
男「……でも……」
かがみ「いいから……出よ……。ここに、いたくない……」
(=ω=.)「……」
男「……わかった」

りー……りー……。

かがみ「……」
男「……」
(=ω=.)「……」
かがみ「……」
男「……なんて言われたんだ?」
かがみ「……」
男「昨日は、会えるまで粘るって意気込んでたじゃないか」
かがみ「……」
男「……」
かがみ「……………………だって……」
男「……ん?」


かがみ「柊つかさなんて人、ここに入院してないんだって……」


りー……りー……。



男「……え?」
かがみ「……」
男「そ、そんなはずないだろ……?」
かがみ「……」
男「だってさ、ここにいないなら、つかさはどこにいるんだよ?」
かがみ「……」
男「手紙にはちゃんと、この病院だって書いてあったんだろ?」
かがみ「……うん」
男「……ならなんでそうなるんだよ……」
かがみ「……わかんないわよ……」
男「どこにいるっていうんだよ……」
かがみ「……」
男「……」

りー……。

男「――あ! わかった! そういうことか!」
かがみ「……――なに!?」
男「病院ぐるみの隠蔽とか! そんなとこだろ!?」
かがみ「……」
男「面会すらさせないクレイジーな医者がいるとこだ! そのくらい易々と……」
かがみ「……出来ない」
男「そう! でき………………出来ない?」
かがみ「……」
男「なんでそんなことがわかるんだ?」

ギュウッ……。

かがみ「こ、この病院……」
男「……」
かがみ「この病院はね……!」
男「……」

かがみ「……もう患者の受け入れ自体やってないんだって!」

男「……ま、待てよ! どうして……」
かがみ「……」
男「この前散々調べただろ!? そんなわけない!」
かがみ「……」
男「パンフレットにもちゃんと受け付けるって書いてあったぞ!」
かがみ「……あれ、一年前から更新されてないらしいの……他の情報もそう……」
男「一年……」
かがみ「経営難でさ……今年の十二月には閉院するんだって……」
男「……」
かがみ「……」
(=ω=.)「……」


りー……りー……。


男「じゃあつかさは……どこに連れていかれたんだ……」
かがみ「……」
男「どこに行ったんだよ……」
かがみ「……駄目……」
男「……」
かがみ「……頭……真っ白……なにも考えられない…………」
男「……」
かがみ「……」

(=ω=.)「……今日は……家に帰ろ……?」
かがみ「……」
(=ω=.)「ね? 今考えても仕方ないよ」
かがみ「仕方ないって……!」
(=ω=.)「頭ぐちゃぐちゃなときに無理すると、深みにはまっちゃうよ」
かがみ「……」
(=ω=.)「ね……?」
男「…………そうだな。よし、お前ら二人に命令!」
かがみ「……」
(=ω=.)「なんでしょうか!」
男「今日は二人ともウチに泊まること!」
かがみ「……」
(=ω=.)「イエッサー!」

夜、男の家。
(=ω=.)「あれ? 家の人いないの?」
男「あぁ。奔放なやつらでさー。最近ずっと帰ってきてない」
(=ω=.*)「なんで男がこういう人間になったのかがよくわかるね」
男「お前の家族にも同じことが言えるね」
(=ω=.*)「あは。そうかも。じゃ、晩ご飯作ってあげる。なにがいい?」
男「なんでもいい」
(=ω=.)「男、ナン、と。かがみんは?」
かがみ「ん……特になし」
(=ω=.)「かがみん、梨、と」
男&かがみ「……」
(=ω=.#)「もっと自主性を持ってよ! もういい! ジャイアンシチューを作ってやる!」

たったった……。

男「……」
かがみ「……」
男「……手伝いに行くか?」
かがみ「…………うん」

男の部屋。
男「うー。食った食った。コナタンシチューは絶品だった」
(=ω=.*)「かがみんがいるから、途中でほんとにジャイアンシチューになるかと思ったけどね」
かがみ「なるかっ!」
男「そうなったらカガミンシチューだな」
かがみ「八月蝉い!」
(=ω=.*)「あはは。じゃあお風呂でも入ってくるかなー」
男「もはや自分の家のようにくつろいでやがる……」
(=ω=.*)「かがみん、かがみん。男んちのお風呂、中々広いんだよー」
かがみ「だからなによ?」
(=ω=.*)「一緒に は い ら な い ? 」
男「ブッ!」
かがみ「は、はぁ!?」
(=ω=.*)「いいじゃん! 友達でしょ!? 騙し騙されした仲じゃん!」
かがみ「ぜんっぜん笑えねぇ」
(=ω=.*)「男ぉーお湯張ってきてよー。張ってよ、はってよー」
男「張れはれウザい!」
(=ω=.*)「ふろー張れーた夜のことーみんなでお風呂はーいろう」
男「……みんな?」
(=ω=.*)「 み ん な 」
男「了解ぃぃぃ!」

風呂場。
(=ω=.*)「てもってーてもってー」
かがみ「なによそれ」
(=ω=.;)「なんでわからないの」

同時刻、男の部屋。
男「ぽつーん……」
男「……結局二人で入るんじゃないか……」
男「俺、張り損。張り切り損」
男「……」
男「…………(妄想中)」

かがみ『あ……駄目よこなた……私、こんな……』
(=ω=.*)『よいではないか……よいではないか……』
かがみ『あ、あん!』
(=ω=.*)『かがみんは可愛いなぁー。私、男もかがみんも貰っちゃうね』
かがみ『……こなた……私も……』

男「……ってなことになってたら……」
男「はぁはぁ……け、けしからん!」
男「こんなときに何て羨ま……不謹慎なんだ!」
男「よし! ちょっと文句を言いに行こウヒヒ!」

風呂場前。
男「ここが神秘の百合園か」
男「今まさに、中で二人が……」

男「いやーん」

男「……なことになってるわけですね」
男「はぁはぁ……」
男「……なんという幸せのワンダーランド……」
男「……――ハッ!」
男「…………く、クールになれ、男……」
男「よく考えると、入ったら殺される……千五百秒もかからない……」
男「……」
男「帰ろ……」

プツンッ。

男「あれ? いきなり暗く……」

かがみ「うわーっ」

男「かがみの悲鳴!?」


バーンッッッ!


男「どうした、かがみぃ!」
かがみ「……」
(=ω=.)「……」
男「なにがあったんだ! どうしたんだ!」
かがみ「……いや、暗くなったから驚いただけだけど」
男「そうか! よかった! じゃあ、俺はこれで帰らせてもら――」
(=ω=.)「男」
男「……は、はい?」
(=ω=.)「覗こうとしてたね?」
男「…………」
(=ω=.)「どうする? かがみん?」
かがみ「ん。とりあえず、風呂を出て、服を着て、殺そう」
男「な、なんという殺戮のワンダーランド!」


男の部屋。
かがみ「……電気、つかないわね」
(=ω=.)「ついてないね」
男「……二つの意味でツイてないな」
かがみ「男、懐中電灯かなにかないの?」
男「ないな」
かがみ「ここ、どんな家だよ……」
男「……」

ザァァ………………。

かがみ「……なんか、雨の音しない?」
(=ω=.)「あー。ほんとだー。そういえば、台風が近付いてきてるってニュースで見たかも」
男「ガチホモニュース?」
かがみ「なんだその怪しげな番組は……」
男「……」

ザァァァァァァ……。

かがみ「……うー」
(=ω=.)「どったの、かがみん?」
かがみ「ちょっとこの部屋……寒くない?」
(=ω=.;)「……ほんとだ。意識すると寒くなってきた……」
男「お前ら薄着だからな……」
かがみ「み、見るな!」
(=ω=.*)「二人とも男のTシャツ着てるだけだしね」
かがみ「だって着てた服は洗濯しちゃったし……」
男「もっと服出してやろうか?」
(=ω=.*)「あ。それよりもっといい方法があるよ!」
かがみ「なによ?」
(=ω=.*)「二人とも、ベッドの上に座ってー?」

男「……こうか?」
かがみ「……うぅ。男のベッドかぁ……」
(=ω=.*)「よしよし。それでは私もお邪魔しますよ」
男「せ、狭い!」
(=ω=.#)「そして! こうやって布団を被れば!」
かがみ「ぷわっ!」
(=ω=.*)「……あったかいでしょ?」

かがみ「ちょっと、こなた! だ、抱き締めないでよ! これじゃ男とも密着……」
(=ω=.*)「ほらほらもっとくっつかないと、みんな布団に収まらいよ」

ぐいぐい。

(=ω=.*)「……よし。これで上手く収まったね」
かがみ「あ、あんたねー……」
男「こ、こんな状況だと、変なとこが大きく……」

男「大きく……」

かがみ「……」

男「……」

(=ω=.)「……」

男「…………ならない、か」



ザァァァァァァ……。



(=ω=.*)「……あは。珍しいこともあるもんだね。エロ魔人のくせに」
かがみ「本当ねー……」
男「…………なれないって……そんな気分に……」



ザァァァァァァ……。



かがみ「……」
(=ω=.)「……」
男「……無理して、はしゃいでみても……駄目みたいだ……」
(=ω=.)「……」
かがみ「……」
男「……怖いんだ……」



ザァァァァァァ……。

 雨音が激しくなる。
俺達は無言で身を寄せ合った。
本当は寒くなんかなかったけれど。
そうすることで、守っていた。

――守れなかったものを悔やみながら。



 俺達はもう気付いていたのだ。
彼女を助けることは出来ないであろうこと。
彼女は二度と帰ってこないであろうこと。
全部気付いていた。



 聞こえるのは、始まったばかりの嵐の音。
……それは、終わることない嵐なのかもしれない。
暗い部屋の中で、どれだけ待てば、それは終わるのだろう?

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最終更新:2009年07月06日 21:43