『見慣れたはずの町並みも、ド派手に映す愚か者』
Side 男
「バイト急に辞めちゃった子がいてさぁ、シフト調整で私も結構遅い時間までやる事になっちゃったよ」
「遅い時間って、何時頃だ?」
「店閉める10時まで、まあとりあえず新しいバイトが見つかるか、
最悪でも新学期始まるまで、って事なんだけどね。
私もネトゲのレベル上げとか積みゲー崩しとかで忙しいのに困ったもんですよ。
まあバイト終わってからやるからいいけどさ、私休み中は基本的に夜行性だし」
「む、いくら夏休みだからってあまり夜更かしがすぎるのはどうかと思うぞ。健康によくない。
まあそれはともかく、よかったら帰り駅まで送ろうか?
時間が時間だし、繁華街の一人歩きは心配なんだが」
「へ? でも駅まではバイトの友達と行くしそんな心配しなくても―――。
…いや、やっぱお願いしよっかな」
――――――――――
というわけで、俺はこなたのバイト先(喫茶店らしい)に向かっている。
奇遇な事に元々互いのバイト先が近く、
部活を引退して以来俺がバイトの時間を以前より早めにずらしていた事に、
今回のこなたのシフト変更が加わり曜日も時間もほぼ重なったのだ。
偶然ってあるんだな。
俺の方は9時30分あがりで、こなたがあがるまでは少し余裕がある。
こなたのバイト先は……あった、協栄ビル。ここの二階とのことだ。
仕事してるところ見られるの嫌がるかもしれないし、とりあえず外で待つことにする。
今到着を知らせて急かす事になっても悪い、
連絡は、仕事を終え帰り支度をする時間を考えて……まあ十時十分頃にでもすればいいだろう。
こういう中途半端に空いた時間のために、単語帳は常備している。
今のうちに少しでも暗記しておくとしよう
―――それから30分ほど経った頃、そろそろ頃合かと携帯を取り出すと、
いいタイミングでこなたから
「今どこ? 私はもう帰り支度できたよ」
とのメールがきた。
ビルの入り口にいる、とメールを返すと、すぐにこなたから電話がかかってきた
「あ、男? 今下にいるの? だったら上がってくればよかったのに」
「いや仕事中だし悪いかと思ってな」
「気にすることないのに、まあいいや、すぐ行くね」
電話をきってしばし待つとこなたが降りてくる。
「おっまたせー、もしかしてここで結構待ってたりした?」
「いや、来たばかりだよ。お疲れ様、よかったらこれどうぞ」
買っておいた缶コーヒーとチョココロネを渡す
「お、こりゃどうも。私がチョココロネ好きなの知ってたんだ」
「つかさに聞いてな、こんな時間だし腹へってるかと思って」
「ありがたやー、いくらだった?」
「いいよ、おごり。バイトお疲れ様ってことで」
「重ね重ねありがたやー、せっかくだからちょっとその辺座って食べちゃおっかな」
「もう遅いし早く帰ろう、親御さんも心配するぞ」
「あー、うちのお父さん特に心配性なんだよねぇ、
今回のシフト変更も許してもらうの大変だったのさ」
「いいお父さんじゃないか、なら尚更早く帰らなきゃだ」
「まあちょっとくらい大丈夫だって、少し話そうよ」
「うーん……」
「バイトでお疲れなんだよー、ちょっと休憩しなきゃ歩けないー」
「……じゃあちょっとだけな」
「やたっ」
適当なベンチを見つけ、こなたと二人腰を下ろす。
せっかくだから俺もまかないで作って持ってきたおにぎりを食べてしまうか。
こなたと別れた後にでも食べようと思ってたんだが。
「うわ、でっかいおにぎり、手作りみたいだけどどしたのそれ、晩御飯?」
「まかないで作った、これは間食扱いで夕飯は帰ってからまた食べる予定」
「はー、よく食べるねえ。大きくなるわけだ」
「燃費悪いんだよ、俺」
「ていうかいくら運動部とはいえそんな食べててよく太らないよね、かがみが羨ましがりそう」
「実際かがみによく言われるよ、納得いかないって」
うちの野球部なんか身長ごとに決められた一定のラインより体重を落とさないように
しっかり食べるよう指導されていて、厳しい練習で自然と体重が落ちてしまうものだから
食が細い部員なんかは無理して詰め込んでたりしたもんだが、
その一方でかがみみたいに逆に無理して食を減らすような女の子や、
俺みたいにしっかり食べても気付けば勝手に小腹がすいてしまうような奴もいる。
世の中ままならないものだ。
「俺としてはかがみには無理なダイエットとかしてほしくないんだけどな、言うと怒るんだよあいつ。
こないだなんか、誰のためだと思ってんだ!とか意味のわからないキレ方されたし」
「あー、意味わからないんだ……。かがみも苦労してんだね。
ていうかお腹すいてたなら言ってくれればよかったのに。
うちのお店でちょっとした料理くらいサービスしたよ?」
「いやさすがにそれは悪いよ。
ああ、そういえば喫茶店でのバイトって、どういう仕事するんだ?
俺喫茶店ってほとんど入ったことなくてさ」
「私がやってるのは、基本的にはいわゆるウェイトレスの仕事だね、それをコスプレしてやる感じ。
あとたまに歌ったり踊ったり。」
「コスプレ?」
「漫画やアニメのキャラのかっこする事だよ、そういえば男って漫画とかだとどういうの好き?」
「子供の頃はドラゴンボールとか好きで見てたけど、最近はさっぱりだ。
しかし歌ったり踊ったりか…最近の喫茶店って凄いんだな。
それ仕事でやるっていうからにはお客さんに見せてるんだろ?
俺には到底無理だよ、そういうの」
俺は基本的に娯楽全般に疎い。
部活仲間に付き合って格闘ゲームを覚えたがそれくらいだ。
テレビや音楽もほとんど見ない聞かないなので、芸能人の話題やら流行の音楽やらもほとんどわからない。
かがみやまつりさんに強引にカラオケに連れ出されては、流行からかけ離れた選曲と
持ち前の音痴っぷりを散々笑われたものだ。
そんな俺からすると人前、しかも見ず知らずのお客さんの前で歌ったり踊ったりできるなど信じられない。
テレビに出ることこそないもののやってることはアイドルとかと変わらないじゃないか、
いや俺が知らないだけで本物のアイドルには歌って踊る以外にも色々できなきゃいけないことがあったりするのかもしれないけど。
どちらにしろ俺には全くできる気がしない仕事だ、喫茶店でバイトしなくてよかった。
まあそもそもこなたのような可愛い女の子や、ジャニーズ?のアイドルのような爽やかな美男子ならともかく、
俺みたいなムサい男の歌や踊りを見たがる人はまずいないだろうが。
「や、一応言っておくと普通の喫茶店じゃそういうのはやらないからね。
うちの店は大分特殊な部類だからさ、でも歌って踊る男って……ちょっと見てみたいかも」
うお、ムサい男の歌や踊りを見たがる人が目の前に。
……いやこれは俺が向いてないのを見越したうえでどれ程似合わぬさまになるのかを見たいって腹だろうな。
なんせ笑みを浮かべながら言うこなたの顔が、
嫌がる俺を無理やりカラオケに連れ出す時のまつりさんの笑顔にそっくりだし。
「勘弁してくれ、俺はそういうの全く向いてないんだって」
「いやいや。男、運動神経いいから踊りはいけるでしょ。
ノリノリで踊る男ってのもぜんっぜん想像つかないけど、……やば、想像したら面白すぎる」
ぷくくと笑いを堪えるこなた
「想像しないでくれ、絶対おかしなことになるだろ」
俺の乏しい芸能関係のイメージだと、踊りといえば男性アイドルなどが整った顔に綺麗な笑顔をのせ
このうえない爽やかさを演出しながらするもの、となっている。
俺がそれをしているところを想像してみる……うん、だめだ。俺に爽やか系は無理。
「歌の方はどんなもん? はやりの歌を唄う男って踊るのより想像できないけど」
「……まあ人様に聞かせられるレベルとはかけはなれてる、とだけ。そもそも曲とか全く知らないしな」
初めてかがみ達にカラオケに連れていかれた時、何を歌っていいやら全くわからず、
当時通っていた中学校の校歌を探してしまった愉快な思い出があったり、
まつりさんには指差して爆笑された。
歌う以前の段階で笑われるような真似してしまうとは思わなかったぞさすがに。
まあ笑っておきながら自分の番では誰しもが聞き覚えのあるような、
つまり俺でも知っているような曲を選び、一緒に歌えるよう誘ってくれたりする辺り、まつりさんも何気に優しい人なのだが。
バイト先が居酒屋で、有線で流れてくる曲を日頃耳にしているため俺もある程度ならはやりの歌もわかるのだ。
まともに聴いているわけではないのでサビ?とかいう一番耳馴染む部分しかわからないのが難点だが。
「だろうねー、超納得」
「超納得されても悲しくなるんだが。
ほ、ほら、部活なんかやってるとそういうのどうしても疎くなっちゃうんだよ」
「そうとも限らないでしょ、みさきちなんか陸上やりながら音楽とかも人並みには詳しいよ?」
「……だろうねー」
日下部とは中学時代かがみと、もう一人今陵桜に通っている峰岸さんという人とともに同じクラスだったことがあるが、
彼女は確かに陸上に打ち込みながらも、俺のように「流行」に乗り遅れたりはしていなかった。
まあそもそも同じ陵桜野球部の仲間内でも俺ぐらい流行に疎い奴は少ないんだよな。
わかってはいたが、やはりいわゆる「つまらない男」なんだろうか、俺。
いい若いもんが無趣味ってのはやっぱり問題なのかなぁ……。
でも実際興味持てないものはしょうがないよな、
そもそも漫画を読んだりテレビや音楽を楽しもうって気そのものが起きないんだから。
無趣味も時代遅れも一つの個性ってことでいいだろう、うん。
「ねえねえところでさ、男っていつ頃からかがみ達と知り合いなの? 馴れ初め話聞かせてよ」
「いや馴れ初めっていうのはおかしいだろ」
「いいからいいから」
「まあいいけどさ…、別に面白い話なんかないぞ?
元々親同士が知り合いで、初対面は物心つくかどうかの頃、
家も近いからそのまま小、中と同じ学校に通い、
俺はスポーツ推薦、かがみとつかさはちゃんと一般入試で陵桜に合格して今に至る、と」
つかさは最初、正直陵桜は厳しいんじゃないかと言われていたが、
傍で見てるこちらが体調を心配するほどの頑張りをみせ、見事合格した。
合格発表の日、感動のあまりつかさと猛烈に抱き合ってしまい、
ふと我に返って二人揃って真っ赤になったり、
なぜかやたら不機嫌なかがみに説教されたり(俺だけ)したのはいい思い出だ。
「そして男は大学もかがみんと同じとこに行きたくて猛勉強中、と」
「い、いや、かがみと同じとこだからってのじゃなくてな。
どうせなら高いとこ狙って頑張ろうと――」
「またまた~、かがみから聞いたよ。
男が第一志望を○○大に決めたのは、かがみと一緒のとこがいいからだって言ってたって」
「あ、あいつ喋ったのか!?」
恥ずかしいから誰かに話したりしないでくれって頼んだのに!
「なんだ、やっぱそうなんじゃん。ちなみに今の嘘ね。かがみからは何も聞いてないよ」
「へ?」
「カマかけただけ、いや見事にかかったね」
おう……
「……あの、できればそれ秘密にしてくれないか? 触れ回られると正直恥ずかしい」
「えーなんで? いいじゃん甘酸っぱくて。
てかさ、実際んとこ男ってかがみとつかさのことどう思ってるの?
もちろん女の子として好きかどうかって意味で」
似たような話をこの間まつりさんにされたばかりだ、女の子はやっぱり恋愛話が好きなのだろうか。
かがみとつかさはほとんどそういう話をしないのだが
「俺はあいつらの幼馴染で、それ以上のものはないよ、
長く付き合ってもらってる友達、それだけだ」
「ほんとにぃ? リアルでツンデレしてたらそのうち鳶にかっさらわれちゃうかもよ?」
「ツンデレ? …まあ誰かいい男と結ばれるならそれが一番だろ」
……結ばれる相手が「いい男」でなければ一言申したい気持ちになるかもしれんが、
それは幼馴染としての、長年の友人としての心配、それだけだ。…そうであるはずだ。
「そう? ちょっと想像してみなよ。
例えば、かがみんが見知らぬ男といちゃいちゃしてたりしたらどう思う?」
「かがみが――」
かがみと、顔も知らない誰かが…
想像しただけなのに、堪えられない不快感が胸を支配する。
かがみが見知らぬ誰かと愛し合う、それを俺は嫌だと感じている。そうなってほしくないと思っている。
――――頭を振ってその思いを振り払う。
なぜそんな思いを抱いたのか、その思いを生む元となる想い、その正体も考えないことにする。
それはきっと、俺には想う権利も資格もないことだから。
「……問題、ないだろ。
いつか一番好きな相手を見つけてそいつと結ばれるってのは、女の子にとって幸せな事だろうし、
かがみがそうなったら……俺も、嬉しいよ」
「嬉しいって顔にはとても見えないよー男。
まあ例え男がかがみの事好きだとしても、かがみは私の嫁だから男にチャンスなんかないんだけどね。
かがみんが欲しくば、まずこの泉こなたを倒すがいい!」
おどけたふうに言いながらシュッシュッと拳をふるこなた。
……こなたの運動神経のよさは知ってるが、それにしても異様にキレがいいうえに型もサマになってるな。
素人とは思えないレベルだ。
「遠慮しとく、痛い目に合わされそうだ」
手を上げて降参のポーズ。
もしかしたらこなたは、俺がおかしな感情に囚われそうになったのを察して
空気を変えようとしてくれたのかもしれないな。
「ありがとな、こなた」
「どったのいきなり?」
「いや、こなたってやっぱりいい奴だなって」
「ほう、じゃあそんないい奴なこなたさんの頼みを聞いてもらおうか。ゲーセン付き合って」
「いやなぜそうなる」
「格ゲーのガー不バグ見つけてさ、
まあガチ対戦で使うのは遠慮するつもりだけど一応は対人戦でも使えるようにしておきたいんだー。
男、実験台になってよ」
「時間ある時なら付き合うけど、もう遅いから今日は駄目。
女の子がこんな時間にゲーセンなんて行っちゃいけません」
「むむぅ……この真面目さんめ」
「昼なら付き合うからさ、今日はこのまま帰ろう。親父さんも心配するだろうし。
それにこなたも進学希望だよな? 勉強もしといたほうがいいぞ」
「いいよぉ勉強なんて。頭からっぽの方が夢詰め込めるって言うじゃん?」
いや夢がつまってりゃ頭空っぽでもヘッチャラ、てなわけにもいくまい。
まあこなたの頭が本当に空っぽだとは思わないが。
勉強にはあまり興味がないようだが、人の心の機微に聡いというか、
対人関係で活きる頭のよさを持っているように思う。
その辺り鈍いと自覚している俺にとっては羨ましいところだ
「そんな事言って。
かがみとつかさが言ってたぞ、一夜漬けでテスト乗り切ったりするくらいだから、こなたはやればできるって。
俺と違って陵桜にちゃんと一般入試で受かってるくらいだし、
ちゃんと取り組めば今からでも受験なんとかなるだろ。
できるのにやらないっていうのはもったいないぞ」
まあこなたはただ無為に日々を過ごしているわけじゃなく、
バイトや趣味に時間を割いているらしいが。
「む~……。かがみんが男は仲良くなった相手には小言が多くなる、って言ってたけどその通りだね」
「こ、小言っ?」
う……自覚はなかったが言われてみれば確かにそうかも。
部活でもなんか母親っぽいとか言われたことあるし。
無趣味で流行に疎くて小言の多い男子高校生ってどうなんだろう……。
いやそれも一つの個性ってことでいいだろう、うん。……いいよな?
「てことは私も結構男と仲良くなれてると思っていいのかなー?」
「そりゃもちろん俺の方はこなたと仲良くしたいと思ってるよ、こなたにしたら迷惑かもだけど」
「む、迷惑なわけないっしょ、男のこと嫌なら送ってもらったりしないって」
「そか、よかった」
「ていうかさ、この期に及んでそれって、ちょっと水臭いにも程があるんじゃない?」
少しムっときた顔でこなたが言う。
こんな表情をさせてしまっておいてなんだが、今のは嬉しいな
「―――うん、ごめんな。あと、ありがとう。
はは、さっきも言ったばかりだけど、今改めてこなたはいいやつだなって思ったよ。
話してて楽しいし、これからもずっと仲良くさせてほしい」
「……おー……」
「どした?」
「いや、男って笑うと結構イメージ変わるんだなって、今いい意味で子供みたいな笑顔だったからさ。
普段どっちかというと厳めしい感じだからギャップがいいね、10萌えポイント獲得です」
「え、普段厳めしく見えてるのか俺」
ちょっとショックだ
「ちなみにあと90ポイントで私ルートが開放!」
「? それどういう意味だ?」
「や、そう真っ直ぐ聞かれると困るものが……。なんというボケ殺し」
「じゃあそろそろ帰ろうか、いい加減時間も遅いし」
「そだね、ついつい話し込んじゃったよ」
「それでさ、よかったらこれからも帰り送ろうか? バイトの曜日も時間も近いことだし」
やはり外見上こなたがこの時間にこういう場所を歩くのは心配になる。
外見上とか言って怒らせたくはないから口には出さないが
「あ、あれあれ~? もしかして私のフラグ立てようとしてる?
リアルでハーレムルート狙いは素人にはオススメできない」
「いやもう何言ってんのさ。
とにかくこなたさえよければこうして送りたいんだが」
制服着てないと下手すれば小学生にすら見られそうな体格に、整った顔立ち。
そんなこなたがこういう時間にこういう場所をうろついていると
警官に注意されるとか、それならまだしも、悪くするとよからぬ輩に絡まれるとか、
よくない事態に巻き込まれそうでこっちが怖いのだ
「うー、ボケがとことん殺されるよー。かがみんならちゃんと突っ込んでくれるのにぃ。
まあそれはそれとして、じゃあ頼んでいいかな」
「おう、任された」
実は一日俺とこなたのバイトの曜日が被ってない日があるのだが、それはこなたに言う必要もないだろう。
その日は家から直接迎えに来ればいい。
集中して勉強できる時間が削られるが、こなたのシフトがこの時間になるのもそう長く続くわけではないらしいし、
その間だけ睡眠時間を削ればいいだけのことだ。
「でもさ、あれだよね」
「ん?」
「こんな時間に男みたいな大柄な男の子と私みたいな小さい女の子が一緒にいたら、
警察の人とかが見たら怪しんじゃうかもネ」
「え…? そ、そうか?」
「だーって一見して同級生には見えないだろうし?
夏休みだけに男が家出少女をかどわかしてよからぬ事を企んでるように思われちゃったりして」
「そ、そんなふうに見られるのは困るな」
「まあ大丈夫だよ。
揃って夜の繁華街を徘徊する仲睦まじい兄妹って見られるかもしれないし」
「それはそれで問題あるな」
「万一警察の人とかに声かけられても、やましい事なんか何もないんだからちゃんと説明すればおkおk」
「そ、そうだよな」
「おまわりさーん! この人が猥褻な行為を迫ってきまーす!!」
「って待てー!!!」
「あっははは!」
何がそんなに楽しいのか笑顔全開で笑いながら駆けていくこなたを追いかけるはめに、ああ俺をからかうのが楽しいのか。
まつりさんにさんざイジり倒されて育ってきた俺でも、
さすがに今回みたいなネタは肝が冷えるので勘弁してほしいところだ。
外見年齢小学生でも通りそうな女の子に猥褻行為を迫る、そんな変態に誤解されたら泣くしかない。
まあ普段ニヤニヤという表現が似合うような笑顔が多いこなたが、
珍しく大口開けて心底楽しいという風に笑ってるところを見れたからいいけどさ。
最終更新:2009年10月04日 20:38