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豊音「うぅ……ここどこかな~?」キョロキョロ 豊音(失敗したよー……こんなところ来たの初めてだからってキョロキョロしてたらはぐれちゃった) 豊音「どうしよー、携帯なんて持ってないし……」 ???「あの」 豊音「は、はい!?」 京太郎「何かお困りですか?」 豊音「う、ううん。大丈夫だよー」 京太郎「いや、大丈夫って……そんな今にも泣きそうな顔で言われても説得力無いんですけど」 豊音「うぇ!?」ゴシゴシ 京太郎「力になれないかもしれませんけど、話してみるだけでも……」 豊音「う……それじゃあ」 京太郎「迷子……ですか?」 豊音「うぅ、ちょーはずかしいよー……」 京太郎「……ま、まぁ都会は広いですし似たようなとこいっぱいありますし慣れてないと迷うのは仕方ないですよね!」 豊音「そ、そうだよー! これだけ珍しい物が多かったら目移りしちゃっても仕方ないだよね!」 京太郎「は、はい、そうですね……ところで、何処に行く予定だったんですか? 俺もよそから来たんであんまり詳しくないですけど、地図があれば案内できると思います」 豊音「あー……地図持ってないんだよねー。はぐれた皆が持ってたから」 京太郎「そ、そうなんですか」 豊音「だからとりあえず皆と合流したいなーなんて」 京太郎「この大都会で、ですか?」 豊音「……無理だよね~」 京太郎「ですね」 豊音「じゃあ○×ホテルへの道とかわかったりしない?」 京太郎「え、○×ホテルですか? それなら俺たちも泊ってるとこですよ」 豊音「俺達って……連れの人がいるの?」 京太郎「えぇ、まぁ。ウチの麻雀部が全国大会に出場するんで、その付き添いです」 豊音「えぇ!? 麻雀で全国って」 京太郎「あ、自己紹介してませんでしたね。俺は須賀京太郎、清澄高校の一年です」 豊音「清澄ってあの、全中チャンプの原村和さんがいる……」 京太郎「はい、その清澄です」 豊音「そうだったんだー。いいなぁ、サイン欲しいなぁ……あ、私は姉帯豊音、宮守女子高校3年生だよー」 京太郎「宮守……っていうと確か隣のグループだったから、二回戦でウチとあたる?」 豊音「そだよー」 京太郎「そうだったんですか……しかしそうなると明日試合ですよね? それなのに外に出て迷子って……」 豊音「う、皆でちょっと見て回ろうと思っただけなんだよー。でもはぐれちゃって、あの、田舎者で都会に不慣れだし……相手校の生徒にまで迷惑かけるし」 京太郎「いや、別にいいっすよ。俺も長野の田舎の方の出身ですし、困った時はお互い様ってことで」 豊音「でも、この歳で迷子は流石にないよー……」 京太郎「気にしなくていいですよ。ウチにも一人深刻な迷子がいましてね。そいつで慣れてるんで」 豊音「深刻な迷子?」 京太郎「そうなんですよ。超絶迷子で会場のトイレに行くのも迷子になって、探しに行くのいっつも俺なんですよね。ははは……はぁ」 豊音「……苦労してるんだね~」ナデナデ 京太郎「え、ちょっ!? いきなり撫でないくださいよ!」 豊音「あ、ごめんごめん。子犬みたいでちょーかわいかったからつい……」 京太郎「かわいかったからって……じゃあ俺が姉帯さんを撫でても問題ないですよね!? 可愛いんだから!!」 豊音「えっ」 京太郎「えい」ナデナデ 豊音「ひゃわ!? あうあう……///」 京太郎「えいえい」ナデナデナデナデ 豊音「や~め~て~!」 豊音「うぅ……私の方が年上なのに~」 京太郎「な、なんかすいません……でも、その歳で迷子になる時点で年上に思えないんですが」 豊音「もう、あんまり言わないで!!」ポカポカ 京太郎「いたた! す、すいません」 豊音「もうっ……」 京太郎「と、とりあえず行きましょう! ○×ホテルはこっちです。はぐれないでくださいよ」 京太郎「で、あの変な形のビルありますよね。あれ結構いろんなとこから見えて目印になるんで覚えておいてください」 豊音「ふわ、すご~い……」 京太郎「で、あそこのハンバーガー屋を左に……あれ? 姉帯さん? 何処行っちゃったんですか!?」 豊音「……凄い形。あ、あっちの建物何かな~?」 京太郎「姉帯さん!」 豊音「きゃっ!?」 京太郎「はぐれないでって言ったでしょ!」 豊音「ご、ごめん。面白い形だからつい……」 京太郎「だからって……そんなんだから迷子になるんですよ」 豊音「うぅ、ごめんなさい……」シュン 京太郎「……あ~ほら、行きますよ」ギュ 豊音(あ、手、手を……!? 年下の男の子に手握られちゃったよ~! で、でも男の子の手って硬くって、でもやわらかくって、暖かくって、ずっと握ってたい感じ……って私は何考えてるの!?)アワワワワ 京太郎「ほら、着きましたよ」 豊音「あ、ありがとう……あの、その」ゴニョゴニョ 京太郎「ん? まだ何か?」 豊音「手を……」 京太郎「え、あ、すいません! いつもの癖でつい……」 豊音「いつもの癖……ってことはいっつも迷子になってるっていう子にやって上げてるんだ……」 京太郎「え、いや、まぁ、はい」 豊音「……うらやましいなぁ」ボソ 京太郎「え、何か言いましたか?」 豊音「ん~ん、何でもないよー」 京太郎「そうですか。それじゃ俺はこれで」 豊音「あ、待って。今はちょっと無理だけど、今度お礼したいから連絡先教えて?」 京太郎「いいっすよ。じゃあ赤外線で連絡先を……」 豊音「え、あ、携帯持ってないんだよー」 京太郎「え、そうなんですか? じゃあこれに電話番号書いときますね」カキカキ 豊音「ありがとう。絶対連絡するね」 京太郎「はい、待ってます。あ、なくさないでくださいよ!」タッタッタッ 豊音「な、なくさないって! 私はそこまでドジじゃないよー!」 豊音「……」 豊音(京太郎君かー……ちょーかわいくて、かっこいい子だったなぁ) 豊音(もっとお話ししたいな) 豊音(……) 豊音(一回戦勝ち抜けばまだこっちにいられるよね?) 豊音「うん。一回戦、負けられないよー!」 続……いたら奇跡 #comment
豊音「うぅ……ここどこかな~?」キョロキョロ 豊音(失敗したよー……こんなところ来たの初めてだからってキョロキョロしてたらはぐれちゃった) 豊音「どうしよー、携帯なんて持ってないし……」 ???「あの」 豊音「は、はい!?」 京太郎「何かお困りですか?」 豊音「う、ううん。大丈夫だよー」 京太郎「いや、大丈夫って……そんな今にも泣きそうな顔で言われても説得力無いんですけど」 豊音「うぇ!?」ゴシゴシ 京太郎「力になれないかもしれませんけど、話してみるだけでも……」 豊音「う……それじゃあ」 京太郎「迷子……ですか?」 豊音「うぅ、ちょーはずかしいよー……」 京太郎「……ま、まぁ都会は広いですし似たようなとこいっぱいありますし慣れてないと迷うのは仕方ないですよね!」 豊音「そ、そうだよー! これだけ珍しい物が多かったら目移りしちゃっても仕方ないだよね!」 京太郎「は、はい、そうですね……ところで、何処に行く予定だったんですか? 俺もよそから来たんであんまり詳しくないですけど、地図があれば案内できると思います」 豊音「あー……地図持ってないんだよねー。はぐれた皆が持ってたから」 京太郎「そ、そうなんですか」 豊音「だからとりあえず皆と合流したいなーなんて」 京太郎「この大都会で、ですか?」 豊音「……無理だよね~」 京太郎「ですね」 豊音「じゃあ○×ホテルへの道とかわかったりしない?」 京太郎「え、○×ホテルですか? それなら俺たちも泊ってるとこですよ」 豊音「俺達って……連れの人がいるの?」 京太郎「えぇ、まぁ。ウチの麻雀部が全国大会に出場するんで、その付き添いです」 豊音「えぇ!? 麻雀で全国って」 京太郎「あ、自己紹介してませんでしたね。俺は須賀京太郎、清澄高校の一年です」 豊音「清澄ってあの、全中チャンプの原村和さんがいる……」 京太郎「はい、その清澄です」 豊音「そうだったんだー。いいなぁ、サイン欲しいなぁ……あ、私は姉帯豊音、宮守女子高校3年生だよー」 京太郎「宮守……っていうと確か隣のグループだったから、二回戦でウチとあたる?」 豊音「そだよー」 京太郎「そうだったんですか……しかしそうなると明日試合ですよね? それなのに外に出て迷子って……」 豊音「う、皆でちょっと見て回ろうと思っただけなんだよー。でもはぐれちゃって、あの、田舎者で都会に不慣れだし……相手校の生徒にまで迷惑かけるし」 京太郎「いや、別にいいっすよ。俺も長野の田舎の方の出身ですし、困った時はお互い様ってことで」 豊音「でも、この歳で迷子は流石にないよー……」 京太郎「気にしなくていいですよ。ウチにも一人深刻な迷子がいましてね。そいつで慣れてるんで」 豊音「深刻な迷子?」 京太郎「そうなんですよ。超絶迷子で会場のトイレに行くのも迷子になって、探しに行くのいっつも俺なんですよね。ははは……はぁ」 豊音「……苦労してるんだね~」ナデナデ 京太郎「え、ちょっ!? いきなり撫でないくださいよ!」 豊音「あ、ごめんごめん。子犬みたいでちょーかわいかったからつい……」 京太郎「かわいかったからって……じゃあ俺が姉帯さんを撫でても問題ないですよね!? 可愛いんだから!!」 豊音「えっ」 京太郎「えい」ナデナデ 豊音「ひゃわ!? あうあう……///」 京太郎「えいえい」ナデナデナデナデ 豊音「や~め~て~!」 豊音「うぅ……私の方が年上なのに~」 京太郎「な、なんかすいません……でも、その歳で迷子になる時点で年上に思えないんですが」 豊音「もう、あんまり言わないで!!」ポカポカ 京太郎「いたた! す、すいません」 豊音「もうっ……」 京太郎「と、とりあえず行きましょう! ○×ホテルはこっちです。はぐれないでくださいよ」 京太郎「で、あの変な形のビルありますよね。あれ結構いろんなとこから見えて目印になるんで覚えておいてください」 豊音「ふわ、すご~い……」 京太郎「で、あそこのハンバーガー屋を左に……あれ? 姉帯さん? 何処行っちゃったんですか!?」 豊音「……凄い形。あ、あっちの建物何かな~?」 京太郎「姉帯さん!」 豊音「きゃっ!?」 京太郎「はぐれないでって言ったでしょ!」 豊音「ご、ごめん。面白い形だからつい……」 京太郎「だからって……そんなんだから迷子になるんですよ」 豊音「うぅ、ごめんなさい……」シュン 京太郎「……あ~ほら、行きますよ」ギュ 豊音(あ、手、手を……!? 年下の男の子に手握られちゃったよ~! で、でも男の子の手って硬くって、でもやわらかくって、暖かくって、ずっと握ってたい感じ……って私は何考えてるの!?)アワワワワ 京太郎「ほら、着きましたよ」 豊音「あ、ありがとう……あの、その」ゴニョゴニョ 京太郎「ん? まだ何か?」 豊音「手を……」 京太郎「え、あ、すいません! いつもの癖でつい……」 豊音「いつもの癖……ってことはいっつも迷子になってるっていう子にやって上げてるんだ……」 京太郎「え、いや、まぁ、はい」 豊音「……うらやましいなぁ」ボソ 京太郎「え、何か言いましたか?」 豊音「ん~ん、何でもないよー」 京太郎「そうですか。それじゃ俺はこれで」 豊音「あ、待って。今はちょっと無理だけど、今度お礼したいから連絡先教えて?」 京太郎「いいっすよ。じゃあ赤外線で連絡先を……」 豊音「え、あ、携帯持ってないんだよー」 京太郎「え、そうなんですか? じゃあこれに電話番号書いときますね」カキカキ 豊音「ありがとう。絶対連絡するね」 京太郎「はい、待ってます。あ、なくさないでくださいよ!」タッタッタッ 豊音「な、なくさないって! 私はそこまでドジじゃないよー!」 豊音「……」 豊音(京太郎君かー……ちょーかわいくて、かっこいい子だったなぁ) 豊音(もっとお話ししたいな) 豊音(……) 豊音(一回戦勝ち抜けばまだこっちにいられるよね?) 豊音「うん。一回戦、負けられないよー!」 続……いたら奇跡 #comment

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