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京ちゃん黒歴史

まこ「『須賀くんの中学校のころの黒歴史DVD見つけたったから部室集合www』ってのう…
   おんしそんな事でメールで休日に集合かけるんか」

久「あははっごめんなさいねー
  面白そうだったから…つい、ね」

和「はぁ…どこでそんなDVDを入手したんですか…?」

優希「まあ、この場にきていない子のことを考えるに十分察しはつくんだじぇ…」

久「みんな気づいているかもしれないけれど、このDVD持ってたのは咲よ
  昨日、部室のパソコン使って一人で『にゅふにゅふ…くひひぃ』ってニヤニヤ笑ってたのを偶然見ちゃってね
  『お願いです!京ちゃんだけには絶対言わないでください!何でもしますから!』って頭下げられちゃったら
  そりゃあこの56億年すっとばして現代にやってきた弥勒菩薩といわれた久さんとしちゃあ約束するしかないじゃない
  当然、このビデオを貸してもらうという条件はあったけどね」

優希(咲ちゃんが京太郎のDVD見てニヤついていたことや、部長の物まねスキルの高さよりも
    咲ちゃんがパソコンでDVDを観る事ができたほうが驚きだじぇ)

まこ「菩薩も格が下がったのう…ちなみに誰が言っとったんじゃ?」

久「美穂子」


和「うん」

まこ「まあ」

優希「わかってた」 




同時刻、風越女子高校麻雀部部室


美穂子「………故知般若波羅蜜多 是大神咒 是大明咒 是無上埜咒 是無等等咒 
    能除一切異性恋愛 上埜不虚 故説
    般若波羅蜜多咒 即説咒曰
    久帝久帝 般羅久帝 般羅僧久帝菩提僧莎訶 上埜参心經」

池田ァ「…(チーン)」

美穂子「ふぅ…華奈、あと10巻よ がんばりましょう(ニコッ)」

池田ァ「………(華奈ちゃんは強い子だし…いつの日かキャップが元に戻るまで…それまで耐えられるんだし…だし……だし………)」



戻って、清澄高校麻雀部部室


和「それでどういった内容なんですか?
  咲さんがその……クッソキモい笑い方をするような須賀くんの黒歴史ビデオとだけ言われても
  具体的になにが収録されているのか見当が…」

久「なんでも中学校時代に須賀くんが学園祭でゲリラライブやったらしいのよ、一人で
  体育館のステージに突然機材やらなんやら持ち運んでジャンジャカやっちゃった時の映像だって
  たまたま咲のお父さんが須賀君の姿をステージに上がる前に見かけて面白そうだからってビデオカメラを回したんですって」

まこ(そのころから色々運ぶのが得意だったんじゃなぁ…)

優希「なんか私、ワクワクしてきたじぇ!部長早く!」

久「その言葉を待ってたわ優希、昨日からどうやって須賀くんの赤裸々な姿を笑って差し上げるかそればかり考えていたんだから!」

まこ「おんしはもう少し真人間だと思うとったんじゃがのう…」

和「ええ…私も」

久「ンモー、そんなこといってぇ 結局、まこも和もメール見て来ちゃったんじゃない
  同じ穴のムジナよ」

和「ま、まあ…それはその……」

まこ「うぅ…」

和(言えない、中学生のころの須賀くんが観たかったなんて…)

まこ(言えんわ、今でさえ学ランが反則的に激マブなのに中学時代なんて殺人級なんじゃろうなぁ…って思っていたら部室にきていたなんて)

久「ぐひひ…さあセットして、そしてェ~~~…ッッ~~~………再ッッ生ッッッ」

優希「応ッッッ」

まこ「そんなに京太郎が持ち込んだ刃牙が面白かったんかのう」


ザワ ザワ ザワ ザワ…


『ねえ、あの人…須賀くんかな?』
『須賀じゃねーか!なにやってんだアイツ』
『おい須賀ー!重そうだなー!』
『あっ色々置いてる』
『須賀ァ!勝手になにやっとるかー!』
『いいじゃん先生!あいつのことだから面白いことやってくれるんだろ!』
『もう今日は体育館つかわねーんだしよー!』
『須賀くんって結構力持ちだったんだぁ…』


久「へーこれが須賀くんたちの学校……
  あのよくわからないけどエレキギターの機材をえっちらおっちら背負って歩いてるのが須賀くんかしら」

和「黒のロングコート着てますよ…」

優希「うぅぅ~~~…な~~んかウットリした顔の女の子がいるじぇ」

久「先生もプンプン丸ね」

まこ「そりゃそうじゃろう」

和「あっ、セットし終わったみたいです…手際いいですね」


(カメラ、ステージ上の京太郎の顔をとらえる)
京太郎『あっ、あー…テステス…おし、オッケー!』


久「きゃっ可愛い!」

和「わあ…変な言い方ですけど……若いですねぇ…」

優希「おぉう…不意打ちは卑怯だじぇ…だじぇぇぇ」

まこ「ちょっとメイクしとるみたいじゃの」


京太郎『みんなー!!止められても歌うから最後まで聞いてってくれー!!』

    ワ ア ア ア ア ア ア ア ア 


まこ「盛りあがっとるのう」

和「このあっさり受け入れられてる感じからすると、須賀くんは学校のムードメーカーみたいな存在だったんですね
  こんなことしてても不思議じゃないような」

優希「でも!今は犬だじぇ!私の!い!ぬ!」

久「はいはい、分かってるから ……あっ、始まるわよぉー!草不可避な予感wwwww!」

和「部長…悪いインターネットに毒されないでくださいね…?」


京太郎『それじゃあいくぜ!!【幻のドラゴン】!!」

久「スピッツかよ!」

優希「ファンかよ!」

和「ツッコミ早過ぎですよ」


(前奏)
京太郎『(~♪)』

久「あらやだ上手いわこの子」

優希「ちょっと笑えない雰囲気だわ」

まこ「おぬしら仲良いの」


京太郎『♪破壊することだけ 壁の向こうは考えず 眠れない夜更けに水いっぱい飲んで飛び出す♪』

和「わぁ、良い声!」

まこ「色のある歌い方じゃのう」


京太郎『♪五感をすべて働かせて 細すぎる糸を遠くまで紡いでゆく♪』

優希「真剣な顔だじぇ…///」(ボー)

久「優希顔真っ赤よ?//////」

まこ「ツッコまんぞ」


京太郎『♪君に夢中で泣きたい ゆらゆら空を渡る♪』

優希「キャーーー!!私に夢中だなんてーー!!/////」

久「もうっ須賀くんたら!年上をときめかせちゃ駄目でしょう!!/////////」

和「堕ちるの早すぎませんか?二人とも…(でも…)」

まこ(君に夢中で泣きたい、か…)

和&まこ(言われてぇぇ~~…)


京太郎『♪燃えているのは忘れかけてた 幻のドラゴン♪』

  ワ  ア  ア  ア  ア  ア  ア  ア

       ヒューヒュー!


久「フゥ~~~っ…フゥ~~~~っ…フゥーーーー………危なかったわ、もう少しで堕ちていた」

優希「まったくヒヤヒヤさせやがるじぇ」

和「いえ、十分参ってましたから」

まこ「この変わり身の速さなら大会で負けても心の傷にはならなくて済みそうじゃのう」

和「というより二人とも再生時間はまだまだ残っていますよ?」

久&優希「「 !!!??? 」」

まこ「いや、当たり前じゃろ」


京太郎『じゃあ次行くぜ!! 【サブマリンストリート】!!」


久「アニメかよ!」

優希「ボンバーかよ!」

まこ「余裕あるのかないのかわからん」


(途中、省略)


京太郎『♪いつか本で読んだ 遥か遠い星の 透き通る海にお前を連れていこう♪』


久「ひゃいいぃぃぃぃ~~~!!行きます!どこまでもついて行きますぅぅ~~~!!!」

優希「京太郎ぉぉぉーーー!!早く私をさらいにきなさあああああい!!」

まこ「なんか混ざってる、混ざってるわ(しかし『お前』か…)」

和「まだ2曲目でこの有様ですか(須賀君のイケボ効果も合わさって、『お前』って強引な感じなのに優しさもあって…)

まこ&和(胸キュンな響きぃぃ~~~…)


京太郎『みんなありがとねぇぇぇぇ~~~~!!次は…』

久「サザンかよ!」

優希「桑田かよ!」

まこ「ツッコミも投げやりになってきたの…まあ、あんなにトロけてたらのう」

久「トロけ? ノーノー、私なんも悶えてたりなんかしてないから」

優希「何か言ってたとしても長野じゃノーカンだから」

和「ええ、脳が完全に堕ちてましたからね」


京太郎『【365日のラブストーリー】!」

久&優希「「 !!!!!????? 」」

まこ「お?」

和「彼氏に歌ってほしい歌でランクインしたこともある直球ラブソングですね」

久「ゆ、優希…私の身に何かあったら…」

優希「部長!何を言ってるんだじぇ!自分たちは仲間だじぇ!最後まで支えあうじぇ!!」

久「九段下で…また会いましょう…」

優希「ぶちょおおおおおお!!」

まこ「祀られんわ、絶対弾かれるわ」

和「あ、キーボード出してきましたよ…舞台袖に隠してたんですね……あっ、何かに引っかかったみたいですね…あっ、出せた、よかった」


(省略ッ!省略ゥッ!)


京太郎『♪春も夏も秋も冬も二人の思い出作ろう いつも喜怒哀楽と愛を全て二人分け合って いつまでも側に居たい♪』

久「いいのよっ!!ずぅーーっと!!ずぅーーーーーーーーっと部にいていいのよ!!私のそばにいていいのよおおお!!」

優希「喜怒哀楽と愛とタコスと愛と愛とタコスと愛とタコスとタコスと愛と愛をを二人分け合いたいなら普段からそういえばいいんだじぇえええ!!」

まこ「おいそこの3年、京太郎はともかくおんしは今年度いっぱいじゃろ」

和(春……須賀くんには冷たくしすぎてしまいました……この原村和、最大の失敗です…)

まこ(夏……京太郎といい思い出が作れたらのう…)

まこ&和(そして来年にはもっといい思い出を……でへへ)


京太郎『みんな!次でラストだ!』

  エ エ エ エ エ エ エ エ エ


久「 エ エ エ エ エ エ エ 」

優希「ブー!ブー!」

まこ「完全にリンクしとったな」

和「中学生レベルってことなんでしょうか、この議会長」


京太郎『最後はこいつでしめるぜ!【I was born to love you】!!」


久「フレディ!!」

優希「マーキュリー!!」

まこ「この20分でより仲良くなってて何よりじゃ」

和「あ…あれ、須賀くんが…あの中二感満載なロングコートに手をかけて……?……!!」


  ! ?

                                   ビキィ


『  キャ ア ア ア ア ア ア !  』(ハイパーイエローシャウツ)
 


久「 脱 い だ 」

優希「 袖 な し シャ ツ 一 丁 」

まこ「フ…/// フレディ・マーキュリーへのリスペクトじゃな…////」

和「そ…染谷先輩…画面に近すぎます…////」

まこ「が、画面に顔つけてる和に言われとうないわ…/////

和「そ…そんなオカルト……///////」

久「 二 人 と も 」

優希「 ど け 」

まこ&和「「は、はい…」」


京太郎『♪I was born to love you. With every single beat of my heart♪
     (君を愛するために僕は生まれたんだ 鼓動が刻む一瞬一瞬…)』


和「後ろのスクリーンに和訳が出てますね…」

まこ「結構芸が細かい男じゃな、てか発音上手いの」

久「須賀君…私に想いを届けるために……」

優希「京太郎…私が英語苦手なことを知ってて……」

まこ「これ中学校のころの映像じゃからな?出会ってすらいないからな?」





皆さんがご存知のように……



この曲の歌詞の殆どは「君を愛している」「君のために生まれた」……



しまいにゃあ「君こそが僕のエクスタシー」……



これまでの戦いを乗りこえてきた(?)麻雀部部員たちであったが……



このあまりにも……



あまりにもドストレートな歌と……



京太郎の中学生離れした美しい肉体を目にして……



耐えられる力など残っているはずもなく……


久「」


むーざん むーざん…


まこ「」


ま~じゃんぶの みんな どきどき~


優希「」


きょうたろうの びでお のぞいたら~


和「」


あかい はなぢ だ~した~



むーざん むーざん…




京太郎『みんなー!今日はありがとう!!…って、おぉ?!ちょっと!みんなステージに上ってこないでって…!え!?抱いてって…?!…うわわわ!!た、退却ぅー!』


後の日の麻雀部



咲「や、やっと戻ってきたよぉ…私のNo.114514まである
 『京ちゃんメモリアルビデオ(※自分で撮影99.5% 他者撮影入手が0.5%)』のなかでも一番のお気に入りだったから
  みんながダビングするために貸してたこの四日間おかしくなりそうだったよぉ……
  あまりにも心さびしくって昨日はとうとう禁じ手ビデオの
 『京ちゃん修学旅行で浴衣ご開帳事件(※同部屋男子を恐喝して入手 危険度Sクラス)』を引っ張りだしちゃったし…
  おかげで昨夜の20時から朝までの記憶がないし、周りには血と色んなのを撒き散らしちゃってたし…はぁ…」


咲「ま、こうして戻ってきたんだし……気分を埋め合わせるためにも観ちゃおうっと♪」


咲「にゅふにゅふ…ぃくひひぃひひぃ……そんな京ちゃん、私のこと好きなのは分かってるってば…くふゅふゅっほ…ふひぃ…」




ちなみに当時、咲ちゃんはどこにいたかというと…


咲(中学生 絶壁レベルAAA)『ふぇぇ…京ちゃんどこいったの~…』

咲『…あれ、ここ体育館の舞台袖…?なんでこんなところにまよいこんじゃったんだろ……うぅ、京ちゃ~ん…』

咲『あ、京ちゃん!……え、ギター…?弾いてるの…?』

京太郎『♪夢の中で見た 美しいお前の瞳にうつる虹をいつか一緒に見たい♪』

咲『美しい…美しい!私が!? んほぉぉぉぉぉーーー!?』(時速60kmで後ろに吹っ飛び → 隠されていたキーボードの下へ)

咲『にへへ…きょうちゃあ…ん……きゅう…』


瞬殺であったそうな…



京太郎『さて…次…っと…!ん?なんだ?キーボードが板かなにかにっ…
    ひっかかった…みたいっ…
    よしっ!外れた…急げぇ~』



暗い舞台袖、次の準備に急ぐ彼にその場でノビているちんちくりんな絶壁に気づけというほうが無茶であった

 

復元してよろしいですか?