湯船に浸かると、身体に張り付く汗やそれ以外の液体が流れ落ちていく錯覚を覚える。 全身を包み熱さが心地いい。 玄「気持ちいいねー」 それが好きな人と一緒ならばなおさらである。 京太郎「ああ、来てよかったな」 玄「うん!」 朗らかに頷いた玄さんは、俺から視線を外し正面に向き直る。 俺はそのまま玄さんの横顔を見詰める。タオルで括り上げた髪と、それによって露出したうなじが、なんと言うか堪らないです。 汗を流すために温泉に浸かりに来たのに、ここで押し倒すのはさすがに気が引ける。 俺の葛藤など露と知らず、湯船の水面を両手で掬いそこに夜空に浮かぶ月を映し込ませる。 その無邪気な仕草に毒気を抜かれ、発しかけていた内側の熱が冷めていく。 掬いあげた熱い湯を顔にかけ、今このときを普通に楽しむことにする。 玄「あ! 京太郎くん、あれ見てあれ!」 なにかを見つけたらしく、そちらを指差す玄さん。 二の腕に圧迫されたおもちとその谷間に視線が吸引されそうになるが、自制心を駆使して示された方向を見やる。 京太郎「飲泉施設?」 はじめに来たときは気付かなかったがこんなのがあったのか。 玄「へぇ~、こんなのあるんだね」 京太郎「妙な文化だな」 興味深げに前屈みになって身を乗り出す玄さん。 京太郎「ぶふっ!?」 盛大に噴出す。後方に立つ俺の位置から巻かれたタオルの裾から、形の良いお尻が見えた。 玄「どうしましたのだ?」 京太郎「イエ、ナンデモナイデス」 誘ってんのかこの人? 玄「ちょっと飲んでみようかな。ん~……!?」コクリ 柄杓で温泉を掬い、一口飲む玄さん。 玄「十円玉の味がする……」 眉を寄せて顔をしかめる。苦かったのだろうか 京太郎「あなた十円玉食べたことあんの?」 味って……。 玄「口直ししよっと」 京太郎「口直し?」 玄「うん。お饅頭だけど、よかったら京太郎くんもどうぞ」 京太郎「温泉饅頭かなにかですか? ありが、」 玄さんに差し出された饅頭らしいものを見て硬直する。 京太郎「ま、饅頭?」 玄「うん」 京太郎「これが」 玄「そうだよ?」 だってこれはどう見てもチン……これ以上は俺の口からは言えないけど。 玄「お土産屋さんで売ってたの。その……こ、子宝饅頭なんだって///」 京太郎「」 え? なにこの人、誘ってんの? 玄「ん、んぐ……」 口を大きく開け、形状を細密に描写し辛いそれの先端から咥内に収めていく。 しかしそれはどう見てもフェ……これ以上は俺の口からは言えないけど。 玄「んぐ、お、おっきいよぉ~///」 京太郎「やっぱ誘ってんだろ!」 玄「ふえ!?」 押し倒した。ええ、押し倒しましたともさ。 カン!