京太郎「はじめまして小鍛治さん、須賀京太郎です。いつも恒子姉ちゃんがお世話になってます」 健夜「ちょっと待ってよ恒子ちゃん! 弟くんがいるだなんて一言も教えてくれなかったよね!」 恒子「それはその、本物の姉弟ってわけでもないしさ。第一紹介したら何されるか分からないし」 健夜「流石に聞き捨てならない一言だよ!? いくら私だって一回りも若い子に熱をあげたりは」 恒子「しないって、本当の本当に言い切れるの? この子はフリーだって教えてあげても平気?」 健夜「…………」 恒子「すこやん」 健夜「平気だよ。すこやん若い子にひどいこと絶対しない」 恒子「そこは目を見てしっかり即答してほしかったよ。いつかこうなることは分かってたけどさ」 京太郎「恒子姉ちゃん、俺何かまずいことしちゃったか。忘れ物届けたのも余計だったりした?」 恒子「あんたが気にすることじゃないよ、お姉ちゃんのためにわざわざありがとうね。よしよし」 京太郎「ちょっと恒子姉ちゃん、そうやって子ども扱いしないでくれよ。一応人前なんだからさ」 恒子「またまた、嫌がる素振りなんか少しも見せないくせに。もうちょっと素直になりなさいよ」 京太郎「うう」 健夜「それで話は最初に戻るけれど、この子と私の結婚式はいつ頃がいいかな? お義姉ちゃん」 恒子「ここまで早く開き直るとはお天道さまも思わなかったよ。マジで一目惚れしちゃったわけ」 健夜「この気持ちを言葉で表すのは難しいけれど、私は誰よりその子の裸が見たいと思ってるよ」 恒子「よし京太郎、今日はお姉ちゃんといっしょに帰ろうか。今日の分の仕事は片付いたからさ」 京太郎「え、うん」 健夜「ちょ、ちょっと待ってよ恒子ちゃん! せめて先っちょだけでもいいから受精させてよ!」 恒子「お願いしますから勘弁してください。たった一人の大切な弟分なんです」 健夜「どうして敬語になったの!? 私たち友だちじゃない、応援してくれてもいいでしょう!」 恒子「どうしてって、この子の意思を尊重しなかったらすこやんすぐにお腹を大きくしそうだし」 健夜「愛し合う二人が子どもを作るのは極めて当然のことだもん! 彼だってそう思ってるよ!」 恒子「そうなの? 京太郎」 京太郎「本当に光栄なお話ですが、恒子姉ちゃんは俺がいないとダメな人だから。ごめんなさい」 恒子「おいおい、随分と生意気を言うようになったね京太郎も。そんなお子ちゃまにはこうだ!」 京太郎「ちょっと恒子姉ちゃん、くすぐったいし色々当たってるからやめてくれってば! へへ」 健夜「…………」 健夜(あ、これダシにされた奴だ)